日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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2016年4月26日 厚生労働委員会 速記録

2016年04月26日

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 日本の子供たちが六人に一人が貧困状態で、特に一人親家庭の貧困率が五割を超えているということ、待ったなしの課題だと。今回、第二子以降の加算額増額で、これはもう関係団体も強く求めてきたことなので、私たちも賛成です。
 そういう立場で今日は質問したいと思うんですが、まず最初に小河参考人にお聞きしたいんですけれども、政府案は第二子を最大で一万円、第三子以降を最大で六千円と。衆議院では、野党が共同提案で、これは第二子以降一人につき一万円という提案をいたしました。さらに、支給対象に二十歳未満の学生等も追加するということも盛り込みました。こういった方向性についてどういうふうにお考えか、お聞かせください。

○参考人(小河光治君) ありがとうございます。
 方向性としてはとても有り難いというふうに思います。ただ、やはりさっき言ったように、第二子、第三子のお子さん、大変なんですが、六割がその光から漏れてしまうという問題がある。ですから、そことのやはりバランスというのはあるのかなというふうに思います。本来であればやっぱりベースを上げていくというところもあるかと思いますが、なかなかこれ財源の問題もあると思います。
 最終的に、この二十歳延長に関しても、やはり最終ネックは財源なんだということもよく認識しておりますが、その辺りもちゃんとコンセンサスを取って、やはりその子たちが、先ほども申しましたように、最後はやっぱり、希望しても、是非自分は例えば大学に行きたいんだ、専門学校に行きたいんだ、本当に自分の近くに大学や専門学校がない子供たちは、もう小学校の高学年ぐらいのときから自分なんて進学なんて無理だともう諦めてしまうわけですよね。でも、これは行ける、どんな家庭でも希望すれば行けるんだという光が届くということのために、まず一人親世帯が、大変な一人親世帯がそこに大きな一歩を後押ししていただけるということはとても効果的なことだと思いますので、また是非、今後とも与野党の壁を超えて応援していただけると有り難いと思っております。

○小池晃君 ありがとうございます。
 さらに、野党案では、これ赤石参考人にお伺いしたいんですけれども、年三回の支給を毎月支給という提案をさせていただいた。これ、自治体の判断でということも含めてあり得るというふうに私ども思っているんですけれども、こういう方向性について、先ほどそれは必要だというお話はあったんですが、改めてお聞かせください。

○参考人(赤石千衣子君) 御質問ありがとうございます。
 児童扶養手当が四か月に一度の支給で、本当に家計管理が上手な方は、それを銀行に預けておいたままにして一月ごとに下ろしてやるということができます。しかし、本当にぎりぎりですので、どうしてもその掛かりが突発的なもので多く使ってしまう。そうすると、三か月目にはもうほとんどお金が残っていないというような状況になっているんですね。これは行動経済学という分野でも、貧困であればあるほど目先のことのニーズに対応して行動してしまう、ですので将来のことに取っておけない、しかも、一人親の貯蓄率、貯蓄金額を見ますと、非常に貯蓄がないという方が多いわけですので、そのぶれをカバーするだけの余裕がない、こういったことがもうある程度明らかになっております。
 ですので、やはり毎月支給というのは非常に必要なことではないかというふうに思っています。
 本当にお母さんたちいろんな工夫をしているんですけれども、やっぱり月末になるとお金がないというようなことをお聞きします。そんなに費用は掛からない、振り込み手数料も掛からないという新聞記事もございましたので、御検討いただけたら、是非是非お願いしたいと思っております。

○小池晃君 これはもう本当に党派を超えてやるべき課題ではないかなというふうに思うんですけど、海野参考人は、この毎月支給という方向についてはどういうふうにお考えでしょうか。

○参考人(海野惠美子君) 毎月可能であればそれはそれでいいんですけれども、せめて年金と同じように二か月に一遍はという希望が皆さんにはございます。

○小池晃君 ありがとうございます。
 児童扶養手当そのものが抱えている問題、ちょっと赤石参考人に御意見をお聞きしたいんですけれども、二〇〇二年の見直しで収入に応じて逓減する、養育費の八割を所得とみなすと政令改正があって、所得制限の引下げもあって、かなり減額になっております。先ほどもお話があったように、八割が就労していて、非常にダブルワーク、トリプルワーク、身を粉にして皆さん働いておられるシングルマザーの方が多くいる中で、働けば働くほど手当が減額されるというこの仕組みについて、これは私は見直すべきだと思うんですが、この点、いかがでしょうか。

○参考人(赤石千衣子君) 御質問ありがとうございます。
 今は年収百三十万円までが満額支給で四万二千三百三十円、それから三百六十五万円まで、所得制限ですね、逓減していくんですね。でも、総合収入は一応上がるようにはなっているんですが、では階段状がいいかということよりも、この百三十万円の満額支給のラインがやっぱり過酷かなというふうに思っています。最低賃金が低い地域では、やっぱりここを超えるのを怖がるお母さんたちがいらっしゃるんですね。もう百十万まで稼げばいいやみたいな形で、児童扶養手当も減らされてしまうからというふうに思って、非課税ラインですし、住民税の。それはまずい、就労抑制になってしまいますので、東京ぐらいですとそれ超えて働く方が当たり前なんですが、やっぱりこの満額ラインがもう少し上がると就労意欲にもつながるなというふうに思っています。
 以前は百九十二万円だったんですね。そこまでとお願いしたいところですが、本当に御検討いただけたらと思います。

○小池晃君 ありがとうございます。
 それと、五年の打切り、半減問題なんですけれども、赤石参考人にお聞きしたいんですが、五年たったら子供が進学する頃で、これは負担一層増えるのに削減と。先ほどあったように、支給停止適用除外届と、何かややこしい仕組みで、しかもこれ、やむを得ず手続できなかったという方が三割いらっしゃると。先ほどやっぱりこの問題点も御指摘されたんですが、私はこれ、五年規定そのものを廃止すべきではないかというふうに考えるんですが、その点について御意見をお聞かせください。

○参考人(赤石千衣子君) ありがとうございます。
 五年間で一部半額に削減ということは、今、手続上も前年あるいは前々年度の所得は出しておりますので、そこで就労しているということは分かります。ですので、現在就労している証明を出さないと一部支給停止適用除外になりませんよということになっているんですが、一年たてばまた分かりますので、これをやっている意味というのがかなり少なくなっているんではないかなというふうに思っております。
 もし手続できない方がいたら、この方は実はより手厚く支援すべき方なのではないかというような観点で児童扶養手当の支給と相談を連携したらいいなというのが当事者サイドから見た意見です。
ありがとうございます。

○小池晃君 ありがとうございました。
 最後、一言、不正受給問題、先ほど赤石参考人言われました。これはやっぱり窓口が、支援の窓口から審査の窓口になってしまうような危険もあるんじゃないかなと思うんです。
 そもそも、赤石参考人が書かれたものでは、これは憲法で両性の合意のみに基づいて婚姻というのは成立すると。個人の尊厳、両性の本質的平等に立脚して法律は制定されなければいけないということに反するのではないかという問題提起もされていますが、この点について何かコメントございますでしょうか。

○参考人(赤石千衣子君) ありがとうございます。
 不正受給問題というのは、児童扶養手当あるいは世界中の母子世帯の給付に付き物のことでございます。どこで折り合いを付けるかということですが、これを監視を強めれば排除になる、このことを知っていかないといけない。窓口は本当に審査になっているんですが、でもやはり支援もしなきゃいけない。その現場で厳しくすればいいというものではないんですね。
 憲法二十四条と事実婚の規定については書かせていただきました。私も憲法詳しくないのでどういう見解になるのか、やっぱり、あなた事実婚ですよねと言われて、いや、ただ交際しているだけですというふうに思っている方がいらっしゃるのではないかというふうに思いますので、是非議論していけたらというふうに思います。
 ありがとうございます。

○小池晃君 ありがとうございました。終わります。

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