NHK「参院選特集」/小池書記局長の発言

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赤旗2016年7月4日付

 日本共産党の小池晃書記局長は3日、NHK「参院選特集」で、与野党の幹事長と参院選の争点について討論しました。


選挙戦の手ごたえ―市民と野党が心ひとつに。 「共闘パワー」広がる

 各氏はまず、選挙戦の手ごたえと、残り1週間何を重点的に訴えていくのかを述べました。自民党の谷垣禎一幹事長は、「アベノミクスを前進させるのか後退させるのか、政治の安定か混乱かを訴えてきた。民進党と共産党の連携は非常に不可解なものがある」と発言。民進党の枝野幸男幹事長は、「自民党の公約に憲法改正が明記されている。改憲勢力に3分の2を取らせない」と発言。小池氏は次のように語りました。

 小池 全国32全ての1人区で野党の統一候補が実現しました。市民と野党が心一つにたたかう、かつてない選挙戦で「共闘パワー」が広がっていると実感しています。

 安倍首相は“政策の違う党が協力するのは野合”といいますが、野党共闘は戦争法=安保法制を廃止し、立憲主義、すなわち憲法を守るまっとうな政治をつくるという一点で固く団結しています。

 安保法制以外でも、アベノミクスによる格差拡大の是正、沖縄問題やTPP(環太平洋連携協定)のような強権的政治を許さない、安倍政権のもとでの憲法改悪に反対するという「共通政策」が広がってきています。

 野党共闘の勝利で安保法制を廃止し、立憲主義、平和主義、民主主義をこの国に取り戻そう。同時に、日本共産党を躍進させていただいて、新しい政治をつくっていこうと訴えていきたい。手応えを十分に感じていますので、必ず躍進したい。

 社民党の又市征治幹事長も「自公対野党プラス市民連合の構図が明確にできた」、生活の党の玉城デニー幹事長も「野党共闘で協力体制を敷き全国的に一生懸命たたかっている」と語りました。

消費税と社会保障財源―リンクさせる議論から抜け出すべきだ。「三つの税逃れ」ただせば財源はある

 税率10%への消費税引き上げ延期と社会保障財源が議論となり、公明党・井上義久幹事長は、社会保障「充実」策の一部について「何とか財源を確保して先行実施すべき」だと述べました。

 小池氏は次のように批判しました。

 小池 いま消費税が増税できないのは当然ですが、だから社会保障の「充実」は先送りというのは無責任です。「充実策」として具体化されているのはせいぜい8千億円です。この間、安倍政権のもとで3兆円の法人税減税をやって、これからさらに1兆円の減税をやろうとしている。これをやめれば十分に財源は出てきます。消費税を先送りすると社会保障が充実できないというのは、消費税と社会保障をリンクさせる議論から抜け出せないからであって、私たちはこの議論から抜け出すことが必要だと思います。

年金積立金の株式運用拡大で大穴――無責任な姿勢許されない

 小池氏はまた、公的年金積立金の市場運用が株価下落によって巨額の損失を出している問題について、次のように語りました。

 小池 大事な年金積立金を株式市場につぎ込んで5兆円以上も穴を開けている。しかも、その結果を参院選が終わるまで黙っていて、29日に発表する。積立金を投入することを安倍さんはダボス会議(世界経済フォーラム)で宣言し、株式比率を(24%から)50%まで引き上げた。安倍政権になって利益がでているというけど、株式比率を引き上げてからは、それもほとんど消えてしまった。こんな無責任なことは許されないと思います。

 社会保障の充実策について谷垣氏は「増税を先送りしたので、いままで改善策を考えていたすべてをやることはできない」と発言。小池氏は次のように述べました。

 小池 消費税に頼っていたら、いつまでたっても財政再建も社会保障財源もできないというのがこの間の教訓です。私たちは「税金の集め方のチェンジ」―「三つの税逃れ」をただそうと訴えています。

 一つは“大企業の税逃れ”です。法人税の実際の負担率は中小企業は利益の20%ですが、大企業はいろんな優遇があり12%、巨大企業(連結納税法人)は6%です。これをせめて中小企業並みにする。それで6兆円の財源が出てきます。

 もう一つは“富裕層の税逃れ”です。株式取引への税率が低いため、所得が1億円を超えると税率が下がる逆転現象が起きています。こういったものにしっかり課税する。増税するのであれば、アベノミクスでもうけた富裕層にすべきです。

 与党は、それをやると“海外に逃げる”といいます。しかし、すでにタックスヘイブン(租税回避地)のケイマン諸島に(日本から)76兆円もいっている。こうした税逃れも許さない。こういった形で財源をつくっていく道に踏み出さないといけません。

 消費税増税は先送りではなく、きっぱり断念すべきです。

戦争法―日米同盟の名で憲法を壊していいのか。 アメリカと一緒に世界中で戦争をする国になる

 安保法制=戦争法について、司会の島田敏男解説委員から最初に見解を問われた小池氏は、次のように発言しました。

 小池 安保法制廃止というと、「日米同盟の絆を壊していいのか」と安倍首相は言うわけです。私は逆に言いたい。「日米同盟の名で日本国憲法を壊していいんですか」と。憲法はどう読んでも、海外での戦争はできません。集団的自衛権の行使はできません。公明党もこの間まで「できません」と言っていたわけです。それを、安倍首相は「私が最高責任者だ」といってひっくり返したわけです。

 米軍への兵たん支援も大幅に拡大する。これまで行けないといわれた「戦闘地域」まで行く。武器も運ぶ。弾薬も提供する。さらにこの選挙後、南スーダンPKO(国連平和維持活動)で武器使用を拡大しようと言っているわけです。ついこの間も南スーダンで40人以上死者が出た。内戦状態ですよ。

 私は、熊本地震や東日本大震災で、本当に自衛隊員のみなさんが大きな役割を果たしていると思います。こういう方々を海外での戦争に送り込む。そんなことをやっていいのかということが、正面から問われていると思います。安保法制を強行する際に、安倍首相は「次の選挙で国民の判断を仰ぐ。それが民主主義だ」と言ったわけですから、これが最大争点です。これを許していいのかと、正面から問うていきたい。

 自民・谷垣氏は、北朝鮮問題や中国の南シナ海・尖閣諸島周辺での動向という集団的自衛権とは関係ない話を持ち出して、「抑止の法案だ」「戦争法案というのはデマゴーグだ」と打ち消しに躍起になりました。小池氏は次のように反論しました。

 小池 北朝鮮のミサイル開発は断じて許せません。また、私どもは中国に対して、南シナ海での一方的行動はやめるように申し入れもしています。

 しかしこれは、集団的自衛権とは関係ありません。個別的自衛権の範囲内でやると、今までは自民党も言っていたんです。結局、その歯止めを外してしまう。

 さらに、(自民党の)憲法改正案を見れば、憲法9条2項を削除し「国防軍」をつくる。谷垣さんが総裁のときに提案しているわけです。

 これは、アメリカと一緒に無条件で世界中で戦争をやる国にするということではないですか。戦争法以外のなにものでもないです。

 民進・枝野氏も、安保法制には北朝鮮問題や中国の動向に対処する規定は「一条文もない」と指摘。「憲法を破壊してまでやらないといけないのか」と述べました。

自衛隊を海外に出していいのかが争点

 谷垣氏は「(日本共産党は)自衛隊を認めていないのに、どうして自衛隊廃止法案を出さないのか」などと、自衛隊違憲論にすりかえる争点そらしを展開。公明・井上氏も「(日本共産党が)憲法違反といって自衛隊を利用するのは、立憲主義に反する」と攻撃しました。

 小池氏は次のように反論しました。

 小池 今度の選挙の野党共闘の中に、われわれの独自政策は持ち込まない。われわれは「国民連合政府」という提案をしていますが、その際でも(改悪前の)自衛隊法の適用もするんだと(言っています)。

 もし日本に対して急迫不正の侵害があれば、自衛隊のみなさんに活動していただくということは明確にしているんです。

 谷垣さん、自衛隊をなくそうということが(参院選の)テーマではないですから、争点そらしはやめていただきたい。自衛隊を海外に出すのかどうか。海外の戦争に自衛隊員を出すのかどうか。それが問われている選挙ですよ。それが今回の最大の争点じゃないですか。争点そらしはやめてください。

 社民・又市氏は、安保法制が「自衛隊が戦闘に巻き込まれる危険性を高めるのは当然で、だから戦争法案だ」と指摘。生活・玉城氏は「野党4党が共闘するときに、国民の側から安保法制廃止という声が出てきた」と戦争法廃止を主張しました。

 これに対し、おおさか維新・馬場伸幸幹事長は「同盟国が攻撃されるか、されそうなときは自衛権が発動できる」と主張。日本のこころを大切にする党や新党改革は、藤野保史前政策委員長の軍事費をめぐる発言を持ち出して日本共産党を攻撃したり、派兵を正当化しました。

自衛隊問題―日本共産党は国民の命と9条をともに守る

 小池氏は次のように主張しました。

 小池 前回のこの番組での藤野政策委員長(当時)の行った発言は党の方針とは違います。私たちは防衛省の予算に全部反対するという態度をとっていません。海外派兵のための予算などに反対している。その点で党の方針と違いますから、責任を取って辞職もしたし、党としておわびもしています。

 今度の選挙は、自衛隊の存在が違憲かどうか問われているものではないんです。私たちも「違憲だからなくせ」と選挙の中で訴えていません。(自衛隊は)熊本地震や東日本大震災で本当に役割を果たしている。その人たちを海外(の戦場)に送っていいのかですよ。

 今の憲法は、あの戦争の痛苦の体験の中から、軍隊によらない国づくりを目指したわけですから、憲法の条文からいえば、自衛隊は9条と相いれない存在なわけです。しかし、なくすことはいきなりできませんよ。かなりの時間がかかると思うけれども、自衛隊がなくても大丈夫だという国民合意をつくっていく。そういうアジアの平和環境をつくっていく。それで、憲法9条の完全実施に踏み出していこうと。国民の命は守らなきゃいけない。憲法も守らなきゃいけない。両者を両立させるためのわれわれの考え方です。しかし、これを野党共闘には、われわれは持ち込まない。

憲法問題―時代逆行の自民党改憲案は許されない

 最後に大きな争点となっている憲法問題で討論。自民党の改憲草案が議論となりました。

 谷垣氏は「たたき台としてまとめたものだ。野党第1党と合意できるような内容を考えるべきだ」とごまかし、公明・井上氏は「憲法を変えようというのは、(すでに)国会の(各党の)コンセンサス(合意)だ」と暴論を展開し、「共産党は自衛隊をなくせといっている」と論破された攻撃を繰り返しました。おおさか維新・馬場氏も「われわれは(改憲)案を出している。各党も出していただきたい」と呼応しました。

 民進・枝野氏は「現行憲法は維持し、(国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という)3原則を破壊するような改正は許さない」と安倍政権下での改憲に反対。社民・又市氏は「立憲主義とは相反する中身だ」と自民党改憲案を批判し、生活・玉城氏は「憲法改正は国民の要求によるものでなければならないが、国民はその思いを持っていない」と批判しました。

 小池氏は次のように表明しました。

 小池 先ほどから谷垣さんは「たたき台だ」とごまかしますけれども、「対案を示せ」と言っている以上、あの自民党憲法改正草案が自民党の正式の提案であることは明らかだと思います。憲法9条2項を削除し、国防軍を持つ。文字通り無条件で海外での戦争をできるようにする。これを提案しているわけです。

 私は、そのことを(自民党の)公約の隅に小さく書いて、議席を取ったからと後で進める。こんな無責任なことはないと思います。この国の根本に関わる問題です。

 私どもは自民党のまさに国民の権利を縛るような、憲法が憲法でなくなるような時代逆行のものを許していいのかということを正面から問うていきたいと思いますし、前の番組(フジテレビ系「新報道2001」)の討論で、(公明党は)「自民党と公明党は、憲法は違うけれども行政は同じだ」と(述べました)、とんでもない話です。日本の未来にとって根本的な問題ではないですか。こういうのを「野合」と言うんだと思います。

 立憲主義を破壊して、海外で戦争できるようにしておいて、公明党は「平和の党」なんて語る資格はないということをきっぱり申し上げたいと思います。

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