戦争法審議時の自衛隊文書/存在認めず裏で破棄

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赤旗2017年3月18日付

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(写真)会見する大貫さん(左から2人目)と
弁護士ら=17日、さいたま市浦和区

 戦争法の国会審議(2015年)の際、安倍晋三首相が「確認できなかった」と存在を否定していた自衛隊統合幕僚監部の内部文書が実際には存在し、指摘を受けた直後に、防衛省が組織的に文書を隠ぺいし、告発者捜しをしていたことが17日、わかりました。

 新たに発覚した防衛省の隠ぺいは、防衛省情報本部所属の大貫修平さん(42)=3等陸佐=が17日、さいたま地裁に提訴した国への損害賠償訴訟の訴状などでわかりました。大貫さんは、統幕監部の文書を告発した“犯人”扱いされ、警務隊から執拗(しつよう)な取り調べや配転を強いられ、「物理的・精神的苦痛を受けた」と訴えています。

 問題の文書は、自衛隊トップの河野克俊統合幕僚長が14年に訪米した際の米軍高官らとの会談記録。日本共産党の仁比聡平参院議員が参院特別委員会で明らかにしたものです。

 この追及に安倍首相や中谷元防衛相(当時)は「存在は確認できなかった」と否定していました。

 大貫さんと弁護士の会見によると、統幕文書と同じ内容の文書が、省内に存在。「秘密」指定となっておらず、作成から8カ月にわたり、パソコンで職員が制限なく見ることができたといいます。

 ところが、仁比氏が追及した15年9月2日以後、この文書は「秘密」指定され、パソコン内にある文書の破棄を指示されたといいます。国会では「確認中」などと説明しながら、裏で隠ぺいをしていたことになります。

 その後、大貫さんはいわれのない罪で警務隊から連日の取り調べや家宅捜索など違法な取り調べを受けました。

 大貫さんは「警務隊から『行政府の長が怒っている』などといわれた。官邸主導の捜査ではないか」といいます。また、大貫さんが扱った文書に決裁印がなく、告発文書とは別物といいます。

隠蔽体質追及する

小池書記局長、仁比議員コメント

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(写真)記者会見する小池晃書記局長(右)
と仁比聡平参院議員=17日、国会内

 現職自衛官による国家賠償請求訴訟について、17日の記者会見で日本共産党の小池晃書記局長は「原告の訴えが事実だとすれば極めて重大だ。いま焦点となっている南スーダンのPKO(国連平和維持活動)部隊の『日報』をめぐる防衛省の組織ぐるみの隠蔽(いんぺい)体質を裏付ける重大な事案ではないか。わが党の仁比聡平参院議員の国会質問(2015年9月2日)が契機となって起きた裁判でもあり、重大な関心を持っている」と表明しました。

 小池氏は、今後の国会質疑でもこの問題を追及する考えを示しました。

 会見で仁比議員は、「私の指摘に、当時、総理を含め、『同一の文書は存在しない』と答弁する一方で、訴状によれば存在する内部文書を質問の翌日に秘密指定し、しかも削除を指示した。それが統合幕僚監部によって行われたとすれば極めて重大な事態だ」と強調。政府、防衛省の真摯(しんし)な対応を要求しました。

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