2017年5月9日 参院予算委員会 速記録

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○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 総理は五月三日、憲法九条に自衛隊を明記する会見を行い、二〇二〇年の施行を目指すと表明されました。憲法九条は日本国憲法の恒久平和主義の核心であり、改憲を目指す勢力はその本丸としてまいりました。九条改憲に期限を区切って踏み込んだ発言は歴代首相でも初めてのものであり、極めて重大だというふうに思います。
 これ、今お示ししているのが現行憲法九条であります。(資料提示)「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」、そして二項、「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」。
 総理は、この憲法九条の一項と二項はそのまま残し、その上で自衛隊の記述を書き加えると、そうおっしゃっています。しかし、それは自衛隊の存在をただ追認するだけにとどまらないと思います。
 戦後、日本政府は自衛隊を合憲だとする根拠をどう説明してきたか。憲法九条二項は戦力の保持を禁止していますが、我が国を自衛するための必要最小限度の実力組織の保持を禁止するものではないとして、自衛隊は合憲だとしてきたわけであります。自衛隊を必要最小限度の実力組織としたために、その帰結として、海外派兵、集団的自衛権行使、武力行使を目的とする国連軍への参加は憲法違反だとしてまいりました。この政府の立場に大きな穴を空けたのが集団的自衛権の行使を容認した閣議決定であり、安保法制、戦争法であります。しかし、それでも、安保法制の審議の中で総理は、武力行使を目的としてかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加することは、これは政策判断ではなく憲法上許されないと、こう繰り返してこられました。
 今回、総理は、憲法九条に自衛隊をどう書くかは語っておりません。しかし、どう書くにせよ、一項、二項に加えて例えば三項に自衛隊の存在理由が書かれることになれば、これは三項に基づいて海外での武力行使に対する制約がなくなってしまう、二項は空文化せざるを得なくなるのではないかと考えますが、総理、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に何回かお答えをさせていただいておりますが、まさに私はこの自民党の総裁として憲法のこのフォーラムにおいてスピーチを述べ、また、読売新聞のインタビューに答えたところでございます。その際、憲法九条の一項、二項を残し、そして自衛隊について記述をするべきだという趣旨について述べさせていただいたところでございます。
 御党は、これは政府見解と違い、自衛隊は憲法違反であるという立場であるわけでございます。
 それはもう明確に述べておられる。言わば日本の主要政党たる共産党がそういう主張をしておられる。ましてや、民進党と連合政府ですか、そういうものをつくろうとしているところ、段階に入っているわけでございます。(発言する者あり)

○委員長(山本一太君) いや、答弁中ですから。
 答弁中。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) であるならばですね、であるならば、言わばこの自衛隊がですね、自衛隊が違憲であるということを主要政党の共産党が述べ、正確に言うと、その共産党と選挙協力を民進党がしながら政権交代をしようとしているということは事実だろうと思うわけでございます。
 その中においてですね、その中において我々は、言わば自衛隊を、そういう主要政党がそう述べ、あるいはまた憲法学者の七割、八割が憲法違反と言っている。さらにはですね、さらには、これは教科書の記述にも、多くの教科書、採択されている多くの教科書で自衛隊が違憲であるという記述があるという状態、これは自衛隊の子供たちも、子弟たちもこの教科書で学ぶわけでありますから、でありながら、災害等の出動、まさに命懸けで出動していく、また、急迫不正の侵害の際には命を張ってこれは日本国民を守らなければいけないというこの状況はなくしていく責任があるのではないかと、こう考えたところであります。
 共産党の皆さんも、解消するということ、憲法、憲法違反であるから、しかし、この自衛隊は解消すると、しかし、当分の間は、しかしそれは災害や急迫不正の侵害の際には頑張ってもらうと、こうおっしゃっていますが、それは、これは明らかに論理として私はおかしいと思うわけでありまして、是非そのためにも改正が必要でないかと、こう考えたわけであります。
 どこをどう、どのような記述にするかということについてはまさに自民党の中において議論してもらいたいと、こう考えているところでございます。

○小池晃君 私の質問に全く答えずに、関係ないことを延々と述べられました。
 共産党が一貫して自衛隊は違憲だと言っていること、これを改憲の理由に挙げるのはやめてくださいよ。あなたの改憲に共産党を利用するのはやめてください。
 それから、野党の共闘は、自衛隊をなくすかどうかなんということは課題になっていませんよ。
 立憲主義を取り戻す、安保法制を廃止する、その一点で我々は協力しているのであって、全く事実誤認ですよ、それは。
 しかも、いろいろと言われたから私も言わせていただきますが、憲法九条の条文を読めば、これは自衛隊はその条文とは相入れない存在ですよ。
 しかし、例えば私が予算委員会の場でこれは自衛隊は違憲だから廃止せよと総理に申し上げたことがありますか。そんなこと一度も言ったことないですよ。自然災害で危険を顧みず奮闘している自衛隊に批判したこともないですよ。災害現場を訪問する際には我々は敬意を表して、労をねぎらっているんですよ。我々は、我々はね、今のアメリカとの軍事同盟から抜け出して、そして、周辺諸国と平和友好関係ができて、国民の圧倒的多数が自衛隊がなくても大丈夫だと、安心だというような合意が成熟して初めて憲法九条の完全実施に向けて進んでいこうということを将来の展望として示しています。しかし、それはかなり時間が掛かるわけです。
 だから、結局、これは当面する政治の課題ではないんですよ、自衛隊をなくせということは。
 我々はそう主張しているけど、それは、今の政治の焦点は何ですか。今の政治の焦点は、専守防衛の志を持って自衛隊に入った自衛隊員、あるいは災害救助、復旧のために頑張っている自衛隊員、こういう人たちを海外での殺し殺される戦場に送っていいのかどうかということがこの間の国会では議論されてきたんだ。それを許さないという一点で野党は協力しているんですよ。違憲かもしれないけれども何かあれば命を張ってくれというのは無責任だとあなたはおっしゃるけれども、憲法を踏みにじって海外の戦争で命を張ってくれという方がよっぽど無責任な話だと私は申し上げたいと思います。
 それから、自民党総裁として言ったんだというふうに延々とおっしゃったけれども、読売新聞、私、熟読しましたよ。そうしたら、「首相インタビュー」って書いてあるじゃないですか、大見出しで。「首相インタビューのポイント」って書いてある。「首相インタビュー全文」でしょう。首相のインタビューに対して国会の場で質問するのはこれ当然のことじゃないですか。それしっかり答えていただきたい。だから、ここでははっきり一項、二項はそのままで三項、じゃ、三項はどう書くんですか。そのことを言ってくださいよ。これ、ちゃんと言っているんだから、それに対して私は聞いているんです。
 読売新聞では縦横に語っておきながら、それを熟読してくださいって、そんな無責任な話はないでしょう。やっぱりきちんとこれ答えていただきたいと思うんです。
 私は架空の議論をしているわけじゃないんです。
 この例えば三項にどう書くのかと。自民党の日本国憲法改正草案には何と書いてあるか。これは、二項を削除するという点ではこれは違いますよ、今回の総理の提案とはね。しかし、国防軍が行える活動としてこの三つ、これが挙がっているわけです。我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するための活動、二、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動、三、公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動。もしもこういう内容が自衛隊の活動として憲法に書き込まれる、明記されることになれば、これはまさに海外における活動が何の制約もなくできるようになる、そういうふうになるんじゃないですか。だから私聞いているんです、明確にどういうことを考えておられるのか。
 今日、かなり共産党の政策については何か随分しゃべられたから、じゃ、ちゃんとこの読売新聞で言われた九条をどう変えるのかということを堂々と語ってくださいよ。正々堂々と議論をしようじゃないですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、まさに私は自民党の総裁として語った。まあタイトルは読売新聞が大きく書かれておりますから、そこをしっかりと熟読された、それは敬意を表したいと思いますが。
 その上で、上でですね、上におきまして自民党において三項をどのように書いていくか、一項、二項をそのまま、これは言わば自民党の今までの草案とはこれ大きく違うわけであります。自民党の中では、一項は残して二項を変えていこうということを前提に議論をしたわけでございますが、そこと大きく違うことについてこれ考えてもらいたい、そうでなければ三分の二の発議は難しいし、ましてや国民の過半数を取ることは難しいと申し上げたわけでありますが、自民党がまさにこれから議論をしていく上において、小池さんからこの三項についての一つの考え方をお示しになられた。
 私はまだこういう……(発言する者あり)いや、まだ、まだそこまで、そこまで私はどうするかということはまさにこれは自民党においてオープンに議論をしてもらいたいと、こう思っているわけでございまして、これ以上私が踏み込むべきじゃないと。ただ、この一項、二項を残すという方針について問いかけているわけでございます。
 それと、この共産党綱領にも、二〇〇四年一月十七日、憲法第九条の完全実施、言わば自衛隊の解消に向かって前進を図ると、こう書いてあるわけであります。これは、前進を図るけれども、確かに小池委員がおっしゃったように、当分の間は自衛隊は残して、そして活動をされるということでございますが、憲法第九十八条が定めているように、我が国の最高法規である憲法に反する法律はその効力を有しないわけでありますから、皆さんが政権を取って、これは憲法違反だと言った瞬間に、自衛隊法、これ全部無効になるわけでありますから、自衛隊の存在は、これは存在し得なくなってくるという大問題に皆さんは、どういう過程でこれ皆さんが政権を取られるか、先ほど民進党と選挙協力をする中において政権を目指していかれるという恐らくお考えでしょうが、しかし、その瞬間にそういうことには直面せざるを得ないのではないかということは申し上げておきたいと思います。

○小池晃君 全く理解されていない、共産党の方針を。我々は、政権に就いた途端に、政権に就いた途端に自衛隊は違憲ですと、解消しましょうと言うなんて一言も言っていないんですよ。
 さっき言ったじゃないですか。これは徹底した外交努力で、我々が政権に就き、そうして北東アジアで本当に平和な環境をつくり、国民の中で、だってこれは国民が納得しなければ自衛隊はなくせませんから、だから国民の中で自衛隊がなくても大丈夫だという合意ができて初めて……(発言する者あり)そんなことあるかと言うけど、憲法九条はそれを目指したんですよ、それをやろうというふうに掲げたんですよ。だから、我々は、当面の、今、立憲主義を取り戻す、安保法制を廃止する、その政権で、我々は自衛隊廃止するなんて一言も言っていないですよ。現行の自衛隊法に基づく、今のあの安保法制でやったところまでは全部元に戻すけれども、そこから先は我々は現行法制でやるんだとはっきり言っているんです。だから、私ども一番民主主義大切にする政党ですからね、安倍政権みたいにそんな独裁的にどんどん強行するようなことはしないんです。
 いろいろおっしゃるけれども、いろいろおっしゃるけれども、憲法九条と自衛隊と、矛盾をこれつくったのは私たちじゃないですよ。この憲法の下で自衛隊をこれだけ大きくし、海外派兵の軍隊にまで育ててきた、矛盾をつくったのは皆さんじゃないですか。だから、我々はその矛盾も引き受けて、すぐにはできないけれども、かなりの期間続くけれども、あなた方は憲法を変えて自衛隊を容認しようと。我々は違う。現実をやはり憲法に向けて現実に近づけていく、これで矛盾を解消しようと。憲法を守るということと国民の命を守るということを両立させようとしたら、私はこれしかないと思いますよ。憲法違反だと言うけど、その憲法違反つくったのは自民党なんですよ。それは全部自民党に返ってくる話だというふうに思います。
 私の質問に対して、あの自民党の改憲草案にあるような国防軍の行動について、これを書き込むんじゃないかということについて完全に否定はされていませんよね。そういうことになれば、これは非常に大きな自衛隊の活動の拡大になることは間違いないわけですよ。しかも、そもそも今どういう背景の下でこれが提起されているか。
 安倍政権は安保法制を強行したわけです。従来の憲法解釈を覆して、自衛隊を大きく変容させました。もはや、かつてのいわゆる専守防衛を建前とする自衛隊ではなくしてしまった。安保法制、戦争法によって、地理的限定なく世界のどこでも、今までは戦闘地域とされていた場所でも米軍支援ができるようになった、武器の輸送も弾薬の提供もできるようになった、そういうふうに可能にした。歴代自民党政権が憲法上許されないとしてきた集団的自衛権に基づく武力行使も可能にした。
 PKO活動での駆け付け警護、宿営地共同防護、こうした任務を可能にし、実際に安保法制に基づいて南スーダンに派遣されている自衛隊員に危険な任務を付与した。そして、改定された自衛隊法第九十五条の二に基づく米艦防護も実施した。
 総理は今も自衛隊の存在を書き込むんだとおっしゃったけれども、安倍政権が従来の憲法解釈を覆して安保法制で集団的自衛権の行使まで認めてしまった、この自衛隊を書き込めば、そうした自衛隊を憲法上も認めることになってしまうわけでしょう。憲法違反を憲法で追認することになるわけですよ。そうなれば、私は、自衛隊は何の制約もなく海外で武力行使できるようになるじゃないか、これは本当に危険だというふうに思います。
 そういったことになるじゃないですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず結論から言えば、そうしたことにはなりません。
 まず、一項、二項を残すということでありますから、当然、今まで受けている憲法上の制約は受けるわけでございます。この憲法上の制約を受けている中において、例えば砂川判決において自衛のための必要最小限の措置とは何かという中において、我々は自衛権があるということにおいて、そしてその自衛権の中で個別的自衛権、集団的自衛権の考え方、これは四十七年見解においてお示しをしたわけでございますが、その中での当てはめについて、この時代が大きく変わる中においてもはや一国のみで自国を守ることはできないという中において、言わば日本を、日本国民を守っていく、平和的生存権を、憲法で保障された平和的生存権を守り抜いていく上においては我々はこの解釈の変更を行ったところであります。しかし、その際、この集団的自衛権につきましてもフルに使うという、使えるということではなくて、この三要件を付け加えたわけでございます。
 そして、その制約においては、これは基本的に一項、二項を残していく上においては、これは変わらないだろうと、私はこのように考えているわけでございますが、どのように書き込んでいくかはですね、どのように書き込んでいくかはしっかりとまた自民党の中において御議論をいただきたいと、こう思うわけでございますが、いずれにせよ、お言葉ではありますが、共産党において解消するとか、遠い先では、かつ自衛隊は違憲だと言っておられますから、これ、小池総理大臣が生まれたら、私が質問に立って自衛隊は違憲ですかと言ったら、憲法違反ですと政府としての見解をおっしゃった瞬間、憲法の九十八条において自衛隊はまさに無効となってしまうのではないかと、こう思うわけでございます。

○小池晃君 総理大臣になったときの心配までしていただいてとは思いますが、だからさっき言ったでしょう、幾ら政権に就いたって、自衛隊の解消ということを国民の合意なしに我々はやらないと言っているんですよ。きちんと綱領も見てくださいよ、自衛隊すぐになくすと書いていないでしょうが。そこに向けて進むというふうに書いてあるだけでしょうが。そういう民主主義を否定するようなことは我々はやらないんだということを……(発言する者あり)

○委員長(山本一太君) 静粛に願います。

○小池晃君 きちんと踏まえて発言していただきたい。
 そして、今まさに総理がおっしゃった、可能にした集団的自衛権なるものが違憲なんですよ。限定的な集団的自衛権というのは違憲なんですよ。
 それを書き込むということは、まさにそれを憲法で容認するということになるし、そんなことをしてしまったら、更に自衛隊の活動に歯止めがなくなっていくんではないかということを言っているわけじゃないですか。だから、全くそこのスタート地点が違うんです。
 だから、あなた方が書こうとしている自衛隊というのはかつての自衛隊ではないんですよ。本当に海外に海外派兵の活動を歯止めなく広げた自衛隊を書き込む、この危険性は本当に大きいと私は思いますよ。
 大体、総理は先ほどから、自衛隊は違憲だと共産党言っているからというふうに言うんですね。
 読売新聞なんかでも自衛隊を合憲化すると言うんですよ。合憲化するということは、現状では違憲だということですか。だって、合憲化するということは違憲だということじゃないですか。あのね、合憲だというのは政府の不動の立場だったはずでしょう。(発言する者あり)

○委員長(山本一太君) 静粛に願います。

○小池晃君 政府の不動な立場なんでしょう。自民党のやじはちょっと抑えてくださいね。疑いなく合憲であるのであれば、改憲の必要ないじゃないですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 小池委員は読売新聞も熟読しておられると思いますから、御承知の上で質問されているんだろうと思いますが、政府の立場については、これは自衛隊は合憲である、これは前文と十三条ですか、平和的生存権において自衛のための必要最小限度の措置はとることができるという中において、我々は合憲であるという立場はこれはもう確立をされた立場でございます。ここは共産党とは違うところでございますが。
 しかし、しかしですね、しかし憲法学者の七割、八割がこれは違憲である、有力な政党である共産党も残念ながら違憲であると言い、そしてさらにはそうしたことが教科書にもそういう記述がされているのは事実でありますから、その中において、そうした中において危険な任務を担っているのは自衛隊の諸君でありますから、その状況を、この状況をなくしていくことは私たちの世代としての歴史的な責任ではないかと、こう考えたわけでございます。
 そこで、結果を出すためには、自民党案は、二項はこれはなくしていくわけでありますが、ここは、現実問題として理解を得る上においては、一項、二項を残して、そして三項以降に自衛隊を書き込んでいく、明記していく。どのように書き込んでいくかについては議論をしてもらいたいと、こういうことでございます。

○小池晃君 疑いなく合憲だったら改憲の必要ないわけだし、それでも改憲するということは、結局自衛隊を憲法に書き込むだけじゃないからですよ。だから改憲にこれだけこだわっているんですよ。
 五月三日、総理が改憲のメッセージを出した夜、私は石破茂元防衛大臣とテレビで討論いたしました。石破氏はそこで、九条一項、二項を残して自衛隊を明記するという安倍首相の発言については、今までの自民党の議論の積み重ねの中になかった考え方だとおっしゃった。そして、自衛隊は軍隊なんですか、交戦権どうするんですかと普通思いますと述べて、憲法と現実の矛盾がそのまま続くと語られました。
 総理は、共産党は自衛隊は違憲だと言うから、そういう議論が生まれる余地をなくすために自衛隊を憲法に明記するというふうに言うんですね。
 しかし、憲法九条二項がある限り、二項と自衛隊はこれは相入れないという議論は消えることはありませんよ。それどころか、憲法の中に矛盾が入っていくわけですよ。九条三項で自衛隊認めて、二項と矛盾すると。自衛隊と憲法の矛盾が更に拡大することに私はなると思います。
 総理、自衛隊が違憲だという議論生まれる余地をなくすと言うけれども、二項をそのままにして自衛隊の存在を位置付けても、自衛隊を違憲とする疑問、違憲ではないかという疑問は消えないと思いますけど、ここはどう考えるんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、矛盾を書かれるというのは、共産党の皆さんは言わば自衛隊が違憲だという立場に立っておられますから、そもそもそれは矛盾した、そこで自衛隊の活動を認めるということは矛盾した立場に立たれるんでしょうけれども、私たちは、一項、二項があってもこの自衛隊は合憲だという自民党の立場であります。
 しかし、その上においてですね、その上において日本を守るための実力組織である自衛隊を、これは世界多くの国々ではその実力組織を明記しています。同時に、例えばシビリアンコントロールについてしっかりと書き込んだ方がいいという方もおられるんだろうと思います。そのことを明記することによって、これ憲法に書かれるわけでありますから、自衛隊の存在が書き込まれていくわけでありますから、これはまさに憲法において自衛隊の存在が認められるということになるのは間違いがないんだろうと。言わば一項、二項においてですね、一項、二項において自衛隊は認められないという立場であれば、それはそこには矛盾が生じますが、そういう立場ではないんですから、そういう立場ではないんですから、三項で書くことによってこれはまさに自衛隊についてしっかりと明記するということになっていくのではないかと、こう思うわけでございます。

○小池晃君 いや、全く矛盾していると思いますよ、私、今の話は。だって、自衛隊が違憲だという主張があるから合憲だというふうにするために書き込むと言いながら、それは変わらないというわけでしょう、書いたって。我々は違憲だと言っている以上はもう変わらないと。
 そうしたら、何のための、だから、皆さん方は合憲だと言っているんだったら、別に書き込まなくたって、合憲だったら書き込む必要ないわけじゃないですか。共産党が違憲と言っているから書き込むんだと言うけれども、合憲と書き込んでも何も変わらない。じゃ、何のための憲法の改定なのかということになるわけですよね。これ、別の狙いがあるからそういうことになるんだということだと思うんです。
 昨年二月の衆議院の予算委員会で、当時、稲田政調会長への答弁で総理はこう述べておられるんですね。九条二項について、我が党はそれを変えるということについて議論を行って、それを我が党の憲法草案として出している、私は総理大臣という立場と同時に自民党総裁である以上、自民党の総裁としては、この憲法改正草案について当然私も総裁として同じ考え方であると。自民党総裁として語っているんですよ、こういうときは。
 それはともかく、ところが、五月三日のメッセージでは何と言っているかというと、九条一項、二項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込むという考え方、これは国民的な議論に値するものだろうと思いますとおっしゃった。
 ということは、九条二項を変えるという自民党改憲草案というのは今後の国民的な議論には値しないということになるんじゃないですか。もう当然撤回するんですね。だって、そう言っているわけでしょう。これは、一項、二項をそのままにするのが国民的な議論に値するんだというのであれば、これは、自民党改憲草案は撤回するしかないじゃないですか、論理的に言えば。いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この撤回、撤回ということが何を意味しているかということでありますが、撤回というものは、例えば法案として提出をしたものを、これは何らかこれは法律として成立をしそうもないからやめて撤回する、あるいは廃案になるということはあり得ます。
 しかし、例えば党の考え方はこうですよという考え方を我々は党として持つ、これは小池さんから言われて撤回するということではなくて、言わば党としての考え方であります。この考え方の下、この草案もそうです、この考え方の下、現実に三分の二を形成し、かつ国民投票で過半数を得ることができる案は何かということを考えるのがまさにこれは政治家の責任ある行動であります。
 その中において、我々はそれを基にしてどういう結果を出していくかということを考えなければならないということであるわけでありまして、それを撤回するどうこうという話ではないんだろうと。国民の審判を受けるのは、そのとき国民の審判を受けるのは自民党の草案ではなくて、まさに憲法審査会に出した案、そしてその上において三分の二を形成した、発議された案が国民の審判を受けるわけでありますから、その中において、我々が議論をしてきたこの自民党草案をそのときに撤回する必要が、撤回というか、これどういう意味でおっしゃっているのか、そこはよく分からないんですよね。これが置いてあっても、このテーブルに出すのは議論をしたものを出す、言わば三分の二を形成できるものを出すわけでありますから、これを撤回するというのであれば撤回するかどうかということはありますが、そもそも出すわけではないわけでありますから、そうではないだろうと。言わば撤回するかどうかということではなくて、言わば、谷垣総裁の下に、これは、我々が作った草案は公式文書であり、歴史的な文書であると、こういうことで、端的に申し上げればこういうことでございます。

○小池晃君 結局、公式文書だと言っているわけじゃないですか。だから、国民的な議論に値するのはこっちだと言いながら、これを温存するわけでしょう、自民党改憲草案は。そういうふうになれば結局、今回はこれをやって、次の段階では自民党改憲草案のように二項を廃止して国防軍を持つということになるんじゃないですか。これ、撤回というのは、法案じゃないからそれは出していないというのは、それはへ理屈ですよ。(発言する者あり)

○委員長(山本一太君) 静粛に願います。

○小池晃君 提案として出したんだから、自民党として。
 だったら、これは自民党の提案ではありませんと、自民党の提案は別なんですということを、じゃ言うべきじゃないですか。何で言えないんですか。総裁でしょう、言ってください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど御説明したとおりなんですよ。この自民党の草案のままで出しても、残念ながら三分の二の多数を得ることができないという冷厳な事実を私は認めているわけであります、認めているわけであります。その上において、三分の二の多数を得る案は何かということで私は私の考え方を申し述べたところでございまして、これからまさに自民党において議論がスタートするということであります。
 草案は、今私が勝手にこれ撤回できるとかこれはもう削除するというものではないわけでありまして、それは例えば、では、もうよろしいですか。
 ということでございますので、御理解をいただきたいと、このように思います。

○小池晃君 いや、全く理解できない。自民党の改憲草案は依然として生きていると、脈々と生きているということだというふうに思います。
 この改憲の問題、総理は今年一月の衆議院本会議で我が党の志位和夫委員長の質問に対して、国会の憲法審査会において議論が深められ、具体的な姿が現れてくることを期待したいというふうにおっしゃった。しかし、今日も議論ありましたけれども、この間、衆参の憲法審査会では、九条は自民党の方からテーマとして提示をされていないんです。議論されてきたのは、立憲主義、あるいは緊急事態条項、あるいは地方分権なんですよ。
 九条については、とても議論が深まっているなんて、煮詰まっているなんて、佳境に入っているなんてとても言えない段階じゃないですか、やっていないんだから。そのことは、自民党の憲法審査会の幹事でもある田元氏がブログで、行政の長たる総理大臣にはもう少し慎重であっていただきたかったというのが本音だと、ここにはっきり示されているわけですね。
 ところが、総理は改憲に期限を示したわけですよ。日本でオリンピックが開催される二〇二〇年を新しい憲法が施行される年にしたいと、これは読売の首相インタビューでそう言っているんですよ、首相インタビューで。オリンピックと憲法にどういう関係があるんですか。何で東京オリンピック開催までに憲法を改正しなければいけないんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二〇二〇年、これは東京オリンピック・パラリンピックが予定されている年でありますが、この年に向けて我々は様々な目標を立てているわけであります。例えば、責任ある立場の三割は女性という目標も二〇二〇年に向けて立てているわけでございまして、そうした意味において日本が新たなスタートを切る年にしたいと、こう考えているわけでございます。
 そこで、今、小池さんが御丁寧に御紹介いただきましたように、自民党人数が多いですからいろんな意見がございます。それはどの党もそうだと思いますよ、まあ共産党はちょっと分かりませんけれども。その中において、様々な議論の中において、これ当然、これからまさに議論がスタートするんですよ。
 憲法九条について一回も、一回も出していなかったではないか、つまり、自民党の中において三分の二を形成するという状況が生まれていない中においてそれは言わば提議をしてこなかった、だからこそ私は自民党の総裁としてそれを提議をしているわけであります。当然、リーダーとしてこれはある種の目標の年限を示すことが私の責任ある態度だろうと、こう思ったわけでございまして、議論のための議論ではなくて結果をどのように出していくかという議論をすべきだろうと、こう思ったわけでございます。(発言する者あり)
 今、野党筆頭からそれは総理が決めることではないと言われたから、言われたから私は、ここではなるべく答えないようにしているんですが、小池さんがこれ非常に強くあえて答えろというふうに言われましたから今ずっと議論をさせていただいているところでございますが、これ以上はまさに私が詰めるべきことではないので御議論をいただきたいと、こう思っている次第でございます。

○小池晃君 これ以上はって、二〇二〇年までにと期限区切ることがこれ以上じゃ、これほどの介入はないでしょうが。介入ですよ、これ、憲法違反ですよ、はっきり言って。しかも、自民党の中に……(発言する者あり)

○委員長(山本一太君) 静粛に願います。

○小池晃君 自民党の中に様々な意見があるとおっしゃるけど、一般的な方じゃないですよ、憲法審査会の幹事ですよ、田さんは。現場でこの議論してきた人がそう言っているわけじゃないですか。
 大体、何でそんなに急ぐんですか。これ、改憲手続決めた国民投票法では、発議から六十日から百八十日以内に国民投票ということになる。そうすると、二〇二〇年ということは遅くとも今から一年後から二年後ぐらいには発議ということになる。
 総理はかつて国会で何と言っていたか。昨年九月の参議院本会議。憲法改正は最終的には国民投票によって国民が決めるものだが、まずは国会の憲法審査会という静かな環境において各党が真剣に議論し、国民的な議論につなげていくことが必要と考えており、期限ありきの事柄ではないものと考えておりますと言っているんです。期限ありきではないと言っていたのに二〇二〇年と期限を区切るのは、総理の今までの国会答弁にも反するのではありませんか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、相当のこれは時間がたってきた経過があるわけでありまして、そして、今、小池さん、憲法違反どうのこうのおっしゃったんだけど、云々おっしゃったけれどね……(発言する者あり)

○委員長(山本一太君) 答弁中ですから。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は自民党の総裁でもあるんですから、自民党の総裁として党に対してしっかりこういう方向で議論していこうと言うのは、当然党首としてそれはリーダーシップを取るべきものなんですよ。
 これは、だから、言わば党内に向けて言うということでもあるんですが、それは党内に向けてどのように言うかということを国民の皆さんにお示しをしているわけでございます。(発言する者あり)
 一方ですね、一方、ここでは私は自民党の総裁として述べる立場ではないから述べられないと、こう申し上げてきているわけでありまして、まさに今やじった方の要望に応えて、私は余り総理大臣としては答えなかったわけでありますが、それはおかしいと、先ほどダブルスタンダードだという御批判も浴びたわけでありますが、そういう批判にも耐えながら、総理大臣と総裁という立場はしっかりとわきまえつつお話をさせていただいているわけでございますが、言わば、やはりこの二〇二〇年という一つの区切りを付けなければ、やはり物事の、済みません、物事の区切りを付けるということはしっかりと責任が伴うわけでありますから、そういう責任を持って議論を行いたいというこの意思を示したところでございます。

○小池晃君 究極の二枚舌ですよ、はっきり言って。党内の発言ですか、あれは、あれだけ大々的に出しておいて。
 あなたは、総理は自民党総裁であると同時に内閣総理大臣ですよ。日本国憲法は、憲法九十九条は、国務大臣、国会議員その他の公務員はこの憲法を尊重し擁護する義務を負うとなっているわけですよ。憲法九十九条に遵守義務があるときに改憲の発言を総理大臣が期限まで区切ってやると。
 これ、憲法違反以外の何物でもないじゃないですか。
 そして、そして、憲法というのは国民の中で変えるべきだという声が沸き上がって初めて議論が始まるべきものであるにもかかわらず、憲法九条の改正必要か……

○委員長(山本一太君) 小池君、時間ですのでまとめてください。

○小池晃君 これだけ少ないわけですよ。二五%ですよ。必要ないという人の半分以下ですよ。減っているわけですよ、九条を変えるべきだと。
 それからもう一つ。いろんな……

○委員長(山本一太君) 小池君、時間ですからまとめてください。

○小池晃君 もう質問しませんから。
 いろんな課題の中で、いろんな課題の中で……

○委員長(山本一太君) いや、質問じゃなくても。発言をまとめてください。

○小池晃君 改憲が、改憲が必要だという人は、皆さん見てくださいよ、社会保障の十分の一ですよ。こういうときに総理が改憲を期限を区切って述べるということはまさに憲法違反であるということを申し上げて、私の質問を終わります。

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