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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

156-参議院通常国会 厚生労働委員会・一般質疑

2003年5月27日(火)


木村副大臣疑惑 「資料ある」と厚労省

医療ミス被害者との面会 木村副大臣が事実上拒否


小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 木村副大臣の問題で最初にこの委員会でも話題になったのは、厚労省の臨床研修の懇談会でこう言われたんですね。アメリカのように医療をネタにして稼いでやろうという弁護士が増えている、これは非常に問題があるというふうに思うんです。医療をネタに稼いでいるのは一体だれだろうかと。私は木村副大臣こそ医療をネタに最も稼いでいる人ではないかというふうに思いますが、この発言に、医療ミスで闘っている、医療裁判闘っている被害者の方々は大変怒っているんですよね。

 そして今日、副大臣は東京女子医大の医療ミスの被害者、娘さんを持つお父さんとお会いになる約束をしていたはずであります、今日傍聴にも見えられておりますが。ところが、副大臣は謝罪はしないと、御本人以外には会わないという条件を付けられたと聞いていますが、何でこんな条件付けたんですか。

副大臣(木村義雄君)

 小池先生の御質問にお答えをさせていただきます。

 今お話しいただきました平柳さんとは、去る四月の三十日に電話でお話をさせていただいたわけでございます。その際に、医療被害者でございます平柳さんの率直な思い、大切な大切なお嬢様が大変な不幸なことになった、そういう率直な思いや御意見を是非お伺いをさせていただきたいなと、こう思い、そして私と平柳様、また奥様、御夫妻との間で是非信頼関係を作っていければと、このような思いで面会をさせていただくということにさせていただいたような次第でございます。

 その後、私もたまたま WHO の出張等もございましたものでございますので、その後お目に掛かる日にちや場所、時間等につきましていろいろと事務方の方と調整、打合せをさせていただいたところでございまして、いったんは本日の午後にお目に掛かるということで決まったところでございますけれども、昨晩、いろんなやり取りがあったわけでございますけれども、私と平柳さん御本人、奥様と、この三人でお目に掛かろうということでお話をいただいたわけでございまして、御了解をいただいて会おうと、会いましょうということで決まったわけでございまして、そうしたら、その後になりましてから先方の方からまた御連絡がありまして、平柳さんの方から面会の方は、あしたの、本日の面会でございますけれども、お断りをされたものでございまして、私は当初から平柳様、また奥様とお面会をさせていただくということであれば大変是非お会いしたいなと考えて、そのことをかねがねお伝えをさせていただいたところでございまして、大変残念な結果になったと思うわけでございまして。

小池晃君

 謝罪はしないというふうにおっしゃったわけでしょう。そして、三人だけなら会うと。これでは意味がないということをおっしゃっているわけですよ。これ当然だと私思うんですね。

 先ほど様々な方々から意見を聞くことはいいことだとおっしゃったけれども、私、言っていることとやっていることと全くあべこべだと思いますよ。こんな形でしか会えないと言われれば、直接訴えたいという願いを持っている方もこれでは会えないというふうにおっしゃってもしようがないと思う。私、こんな不当な条件付けて事実上会うのを拒否するというのは私、本当にひどいと思うんですよ。平柳さんも、こんな時期にこんな副大臣でいいのかというふうにおっしゃっておられます。私はこの問題、まずこういう態度というのは本当に厳しく批判したいと思います。

 その上で、木村副大臣が九七年に柔道整復師の団体から要望を受けて、圧力を掛けて保険請求適正化の行政指導を見送らせたという問題でありますけれども、これ、昨年十二月十八日の保険局医療課の会議でこの問題について圧力があったんではないかと私、質問しました。先日の委員会で真野局長否定された。しかし、本日の新聞で再びこの問題は取り上げられています。

 局長にお伺いしたいんですが、先日の委員会では記憶がないと答弁されましたが、会議なら記憶はなくても記録があるはずです。記録はあるんでしょうか。

政府参考人(真野章君)

 二月の十八日の医療課の中での会議でございますが、会議に使った資料というのは現在残っております。

小池晃君

 私、今日この委員会までの間、その記録を提出せよということを求めておりましたが、いまだにいただけません。これ提出していただきたいんですが、いかがでしょうか。

政府参考人(真野章君)

 今申し上げましたように、医療課におきまして二月十八日に行いました会議の………

小池晃君

 十二月でしょう。

政府参考人(真野章君)

 十二月十八日の会議の資料ございますが、医療課の中の、部内の会議でございまして、政策的な意思決定の場でもなく、課内の様々な課題につきましての言わばフリートーキングを行っているものでございまして、その際、提出する議論の素材とする資料でございまして、担当者が個人的な意見も含めて作成をいたしておりますし、また議論の過程、途中の部分でございます。

 そういう意味では、医療課として方向を決めるとか、決めたというものではございませんので、資料そのものは提出は差し控えさせていただきたいと思っております。

小池晃君

 これね、とんでもない話ですよ。だって、この会議がどういう会議だったかということは極めて重大なわけじゃないですか。この時点で柔道整復の療養費について政治的な圧力があったのかどうかということが、これ重大な問題なんですよ。そのことがこの会議の資料に記載されているかどうかというのは、これ極めて政策決定上重大な問題ですよ。

 これが出せないなんて、私、到底認められません。今の答弁ではちょっと審議これ以上進めるわけにいきませんので。提出していただきたい。もう一度求めたいと思います。

委員長(金田勝年君)

 速記を止めてください。

  〔速記中止〕

委員長(金田勝年君)

 速記を起こしてください。

 ただいま小池晃委員の方から質問のありましたそのメモについての、厚生労働省の真野保険局長が答えたメモがありますというメモはどういうたぐいのメモであるかを述べてください。

政府参考人(真野章君)

 資料があると申し上げましたのは、課内会議に提出された資料は今のところございますということを申し上げたわけで、その柔道整復師の療養費に関しまして申し上げますと、柔道整復の実態調査の検討が議題ということで、一番目には現行の頻度調査のレベルアップ、二番目には各県の柔道整復審査会の実態調査、三番目は各県の柔道整復師に対する指導監査の実態調査、四番目は保険者が行う患者実態調査の四項目が説明されたというふうに報告を受けております。

 ただ、一、二時間の会議でございまして、このほかにも医療課には大変課題が多うございます。例えば、この時期でございますと、診療報酬の基本方針についてどういう策定をするかとか、特定機能病院の包括評価の関係、そういうふうに非常に多岐にわたる議題がございまして、私ども担当者から聞いたところでは、この柔道整復の関係については会議の最後に今申し上げたような点について担当者から説明があって、実質的な議論はほとんど行われていなかった、行われなかったというふうに聞いております。

小池晃君

 内部のフリートーキングのメモだから出さないとおっしゃいますけれども、薬害エイズのときもそういうメモの中から様々な事実認定するような材料出たわけですから、私は、これは当然今の説明だけでは、はいそうですかというふうに納得するわけにはいきません。これは資料そのものを出していただかないと、今の答弁自体の真偽も含めて、これ検討することできないというふうに思います。

 あわせて、この時期、どういう時期だったかということなんですよ。先ほども議論ありました。昨年十二月にはこの問題が非常に話題になっていたと。柔整師の保険外請求多発の疑いという報道もされて、国会でも当委員会で西川議員質問されたわけですね、十二月の三日に。そして、その十二月十八日の会議直前の十二月十六日にもまた報道があって、厚労省が会計検査院から改善を求めながら放置したというふうに指摘されているんですよ。その十八日の会議でしょう。実態調査だけの議論で済むわけないですよ。何でこういうふうになったのかということが私はこれ当然話題になったはずです。話題にしなかったとしたら、その方が大変私重大だと思いますよ。どういう経過だったのか、これ間違いなくこの十二月十八日の会議で、この流れからいえば議論になって私は当然必然だというふうに思うんですが、今は全くそういうことを議論していないということでした。これは、資料そのものを改めて出していただくように要求をしたいと思います。

 あわせて、もう一つお聞きしたいのは、この衆議院の厚生労働委員会の理事会に提出された資料を見ますと、保険の請求の資料が、これ療養費支給申請書の書類ですけれども、一ページがあって二ページがあって、次が六ページになっていると。これは坂口大臣もこれ大変不思議がっているわけですね。委員会でも御答弁されている。何で六ページだけあるのと私も聞いたと。六ページだけ出すと、恐らく一から五までどうしたんだと言われるだろう、これは余計に言われる原因作るみたいなものだということを坂口大臣もおっしゃっているんですね。

 真野局長にお伺いしたいんですが、なぜこの二ページから五ページがないのか、これ説明していただきたいと思うんですけれども。

政府参考人(真野章君)

 衆議院の理事会に御提出申し上げました資料は、担当課におきまして保管するファイルの中から関連資料をすべて提出をいたしたものでございます。

 御指摘の一、二ページがあって、六ページということになっているということでございますが、その確認は我々といたしましてもできません。それしか言わば残っていなかったということでありまして、それ以上の説明は難しいということでございます。

小池晃君

 いや、そんな都合のいい言い訳で、はいそうですかというわけにいきませんよ。だって、これだって二ページには何書いてあるかというと、日整の意見と整形外科側の意見が出ているわけですね。そして、その次のページからないわけですよ。これどう見たってほかの団体の意見が書いてあると、順番からいえばそういう書類にしか見えないじゃないですか。私、今のように、これは見付からないから出せないだなんておかしい。この二ページから五ページまでの間に政治家ないし柔道整復師の団体からの意見が書かれていたんじゃないですか。もう一度お尋ねします。

政府参考人(真野章君)

 今申し上げておりますように、保管されていたものをそのままの状態で提出をさせていただいたものでございまして、その間の経緯といいますか、なぜ六ページだけが単独で残っていたかというのは、今となっては分からないというのが実情でございます。

小池晃君

 こんな言い方で国会答弁をやっていくんであれば何でも説明付きますよ。探したけれどもありませんでしたと、都合の悪いものは全部ないというふうに言えるじゃないですか。

 坂口大臣、お伺いしたいんですが、こういうやり方、まずその十二月十八日の会議にしても、さんざんこういうふうに問題にしてようやくメモがあると言い出した。前回、真野局長どう答えていたかというと、そういう議論した記憶がないと。記録があるなんてことは一言も言ってないんですよ。そして、重ねてただしたらばメモがあったと、しかしそれは出さないと。口頭でその中にはないと言うだけ。そして、内部文書については肝心の二ページから五ページまでが抜け落ちていると。恐らくその部分にかなり重大なものが書かれているんではないかというふうに見ると、普通には思うような中身であります。しかし、それは探したけれども見付からなかった。

 坂口大臣、一連のこの問題について厚労省担当局の説明は国民と国会に対して十分に納得のいく説明をしているというふうに大臣はお考えですか。

国務大臣(坂口力君)

 国会、国会じゃありません、厚生労働省の中の議論というのも様々な問題をやっているんだろうというふうに思っております。我々が聞きますのは一番総論的な問題だけでありまして、より具体的なところでどういう話がされているのかということは、大臣だとか副大臣もなかなか聞くようなチャンスはないわけでありまして、いろいろの議論を重ねたその最終的な問題が私たちのところに来るんだろうというふうに思っております。

 それで、その十二月のときにどういう議論がされたかということは、これは本人たちが一番よく知っているわけでありまして、我々はそこへ出ていないわけでありますから、そのときに議論になりましたことはどういう議論であったかということは明らかにして、皆さん方にお示しができるようにしたいというふうに思います。

 そのメモというのも、個人的なメモなのか、それは省として残したメモなのか、それは明らかにしなきゃいけない。個人的なものを出しておったって話にならぬわけでありまして、省として残したものがあるのならば、どういうことかということについては、これは委員長の御指名がございましたら、それに対してはお答えをしなければいけないというふうに思っております。

小池晃君

 いや、今、十二月十八日のことをおっしゃったんですが、三ページ抜けている内部文書もあるわけです。それも併せて、それからその十二月十八日の記録、併せてこれ提出すべきだということで申し上げたんですが、それはよろしいんですね、それで。

国務大臣(坂口力君)

 いや、その抜けている話はそのとき私もしたんです。なぜ抜けているのということは私も話をしたわけで、それすべてのデータが残っているというわけではなくて、そのときに重要だと思うものだけを残しておりますと。それで、ページ数はいろいろのものがありますけれども、こういうページ数のものは残っておりましたということで、大事なものは残しているという、そしてそれが六ページになっていたということでありまして、他の部分は残っていないということで、私もそれ以上言いようがないわけで、あればそれは皆さんにお示しもするし、私もそれは見たいというふうに思っておりますが、私が再三にわたりましてそれは言いましたけれども、その六ページ以外のものは現在のところ残っております資料の中にはない、こういうことでございます。

小池晃君

 いや、大事なものを残したんじゃなくて、肝心なところを隠しているんじゃないですか、正にこの資料でいえば。

 私、これで、こういうやり方で、大臣、私の言ったことに答えてないんですが、こんな形で資料の出方していて、これ国民から見て、この柔道整復師の問題について疑惑が大臣この間ないとおっしゃったけれども、どう考えたっておかしいというふうにみんな思うんじゃないですか。

 今のこのやり方で国民が納得するというふうにお考えですか。もう一度お答えいただきたい。

国務大臣(坂口力君)

 柔道整復師の問題は、これは柔道整復師の問題として議論をしなきゃならないことはたくさんあるんだろうと思っています。

 先ほど堀先生からも御質問いただいたとおりでございまして、そうした問題は別途やっていかなきゃならないというふうに思いますが、その会議でやられたかどうかは分からないわけで、先ほどの局長の話によりますと、議題には上っていたけれども多くの話はその中ではなかったということでありますから、これは二十人か三十人か知りませんけれども、そこへ出ておった者が皆知っているわけでありますから、局長だけ出ておったわけではないんだろうというふうに思いますので、それはいい加減なことを局長が言っているとは私は思いません。

小池晃君

 私、これだけ重大な疑惑があって、全く納得いく説明が得られない。このままこれ放置するわけにいかないと思いますよ。

 委員長、これ国会の責任として、これだけいろいろとどう考えてもおかしいという問題あるんですから、今問題になったものについて、大臣も委員長から要求があれがしかるべく対応するというような答弁もあったと思うんですね。これは、十二月十八日の会議の記録については改めて委員会として提出を求めていただきたいというふうに思います。

 それから、厚生労働省については、これはこの問題について関係した人、これ徹底的に調査をするべきだというふうに思いますし、改めてこの当時のこの問題の室長であった方については、国会にはまだ出てきていただけませんけれども、国会に出ていただいて答弁を求めたいというふうに思いますので、この問題、引き続き追及を続けたいというふうに思っています。

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