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保総発第0912001号
平成14年9月12日

各都道府県・指定都市老人保健主管部(局〉長殿

厚生労働省保険局総務課

老人医療の高額医療費の支給及び食事療養に係る標準負担額の特例的措置の取扱いについて

 標記については、健康保険法等の一部を改正する法律(平成14年法律第102号)により老人保健制度の改正が行われ、健康保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(平成14年政令第282号)及び老人保健法施行規則の一部を改正する省令(平成14年厚生労働省令第113号)において必要な諸規定の整備が図られたところであるが、その取扱いについては、平成14年9月6日保発第0906004号「健康保険法等の一部を改正する法律等の施行について」によるはか、下記の事項に留意するよう貴都道府県内市町村(特別区を含む。以下同じ。)、関係団体等に周知徹底を図り、その適正な取扱いを期されたい。

 なお、本通知の施行に伴い、老人医療の一部負担金等及び高額医療費の支給の取扱いについて(平成12年12月13日保発第216号厚生省保険局企画課長通知)及び老人保健の入院時一部負担金の額の限度額及び食事療養に係る標準負担額の特例的措置の取扱いについて(平成12年12月13日保発第217号厚生省保険局企画課長通知〉は廃止する。

 おって、この取扱いについては、厚生労働省健康局、医薬局及び社会・援護局と協議済みであるので念のため申し添える。

 また、この通知においては、老人保健法を「法」と、老人保健法施行令を「令」と、老人保健法施行規則を「規則」と、健康保険法等の一部を改正する法律を「改正法」とそれぞれ略称する。

I 高額医療費の支給の取扱い

第一 支給要件

  1. 高額医療費は、次の場合に支給することとされたこと。

    (1)  同一の世帯に属する老人医療受給対象者が、同一の月に受けた療養に係る一部負担金等を合算した額から(2〉による外来の高額医療費の支給額を控除した額(以下「一部負担金等世帯合算額」という。)が一定額(以下「世帯負担限度額」という。)を超える場合
    (2)  老人医療受給対象者が同一の月に受けた外来療養に係る一部負担金等を合算した額(以下「外来一部負担金等合算額」という。)が一定額(以下「外来自己負担限度額」という。)を超える場合

  2. 1の(1)による高額医療費の支給においては、住民基本台帳上同一の世帯に属する老人医療受給対象者を同一の世帯に属するものとして取り扱うものであること。

  3. 高額医療費の支給の基礎となる一部負担金等の顔には、特別の療養環境の提供などの選定療養を受けた場合の差額徴収や食事療養を受けた場合の標準負担額は含まれないものであること。 また、この高額医療費の支給の基礎となる一部負担金等の額については、老人医療受給対象者ごと、歴月ごと、医療機関等ごとに算定されることとされたこと。 ただし、同一の老人医療受給対象者が同一の月に同一の医療機関において受けた療養であっても、医科と歯科の療養、外来と入院の療養は、それぞれ別個の医療機関において受けた療養とみなされるものであること。

  4. 世帯負担限度額は、次のとおりとされたこと。

    (1)  一般の世帯
      40,200円
    (2)  定率2割負担の老人医療受給対象者(以下「一定以上所得者」という。)の世帯72,300円と、老人医療受給対象者が受けた療養に要した費用の額(その額が361,500円に満たないときは、361,500円)から361,500円を控除した額に100分の1を乗じて得た額との合算額。ただし、その老人医療受給対象者が当該療養を受けた月に属する世帯の老人医療受給対象者に対して、療養のあった月以前の12月以内に既に1の(1)による高額医療費が支給されている月数が3月以上ある場合(以下「多数該当の場合」という。)には、4月日からは40,200円とする。
    (3)  市町村民税非課税等の世帯
      24,600円又は15,000円

  5. 外来自己負担限度額は、次のとおりとされたこと。
    (1)  一般の老人医療受給対象者 12,000円
    (2)  一定以上所得者である老人医療受給対象者 40,200円
    (3)  市町村民税非課税等の世帯に属する老人医療受給対象者 8,000円

第二 支給額

 高額医療費の支給額は、以下のとおりとされたこと。

  1. 第一の1の(1)により支給される高額医療費 一部負担金等世帯合算額から世帯負担限度額を控除して得た額に老人医療受給対象者按分率(同一の世帯に属する個々の老人医療受給対象者に係る一部負担金等を合算した額から外来の高額医療費の支給額を控除して得た額(以下「老人医療受給対象者一部負担金等合算額」という。)を一部負担金等世帯合算額で除して得た率をいう。)を乗じて得た額。 この按分により1円未満の端数が生じる場合においては、一部負担金等世帯合算額から世帯負担限度額を控除して得られる額と、その世帯に属する個々の老人医療受給対象者に対して支給される高額医療費の額の合計額とが一致するように、その世帯に属する個々の老人医療受給対象者に対する支給額のうち、最も少額のものの1円未満の端数を切り上げ、その他の支給額の1円未満の端数を切り捨てるものとする。
  2. 第一の1の(2)により支給される高額医療費 外来一部負担金等合算額から外来自己負担限度額を控除した額

第三 市町村民税非課税等の世帯に属する老人医療受給対象者の特例

  1. 市町村民税非課税等の世帯に属する老人医療受給対象者については、世帯負担限度額及び外来自己負担限度額が次のとおりとされたこと。
    (1) 市町村民税非課税等の世帯に属する老人医療受給対象者((2)に該当する者を除く。)
    世帯負担限度額 24,600円
    外来自己負担限度額 8,000円
    (2) (1)のうち、所得が一定の基準に満たない老人医療受給対象者
    世帯負担限度額 15,000円
    外来自己負担限度額 8,000円

  2. 1の(1)の市町村民税非課税等の世帯に属する老人医療受給対象者とは、次のいずれ かに該当する者であること。
    (1)  その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員が、療養のあった月の属する年度(療養のあった月が4月から7月までの場合には、前年度。(2)において同じ。)分の地方税法(昭和25年法律第226号)の規定による市町村民税(同法の規定による特別直民税を含むものとし、同法第328条の規定によって課する所得割を除く。)が課されない者(市町村の条例で定めるところにより当該市町村民税を免除された者を含むものとし、当該市町村民税の賦課期日において同法の施行地に住所を有しない者を除く。)
    (2)  その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員が、療養のあった月において、生活保護法(昭和25年法律第144号)第6条第2項に規定する要保護者(以下単に「要保護者」という。)である者であって、1の(1)の限度額の適用により高額医療衰の支給を受け、かつ、令第16条第1項第1号ハの規定の適用を受ける者として食事療養に係る標準負担額について減額されたとすれば、保護を必要としない状態となるもの。

  3. 1の(2)の市町村民税非課税等の世帯に属する老人医療受給対象者のうち、所得が一定の基準に満たない老人医療受給対象者とは、次のいずれかに該当する者であること。
    (1)  その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員が、療養のあった月の属する年度分の地方税法の規定による市町村民税(特別区民税を含む。)に係る地方税法第313条第1項に規定する総所得金額及び山林所得金額に係る所得税法(昭和40年法律第33号)第2条第1項第22号に規定する各種所得の金額(同法第35条第2項に規定する公的年金等の支給を受ける者については、同条第4項に規定する公的年金等控除額を65万円として同項の規定を適用して算定した総所得金額とする。)並びに次に掲げる他の所得と区分して計算される所得の金額がいずれもない者。なお、各所得の金額の算定に当たっては、地方税法の定めるととろに従い、所得税法における計算の例により、損益通算、純損失・雑損失の繰越控除適用後の所得の金額を用いること。
     地方税法附則第33条の3第5項において準用する同条第1項に規定する土地等に係る事業所得等の金額
     地方税法附則第34条第4項において準用する同条第1項に規定する長期譲渡所得の金額から同項の規定により適用される長期譲渡所得の特別控除額を控除した残額に相当する金額
     地方税法附則第35条第5項において準用する同条第1項に規定する短期譲渡所得の金額から同項の規定により適用される短期譲渡所得の金額から控除する金額を控除した残額に相当する金額
     地方税法附則第35条の2第10項において準用する同条第1項に規定する株式等に係る譲渡所得等の金額(同法附則第35条の3第12項において準用する同条第3項の規定の適用がある場合には、その適用後の金額)
     地方税法附則第35条の4第4項において準用する同条第1項に規定する商品先物取引に係る雑所得等の金額

    (2)  その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員が、療養のあった月において要保護者である者であって、1の(2)の適用により高額医療費の支給を受け、かつ、令第16条第1項第1号二の規定の適用を受ける者として食事療養に係る標準負担額について減額されたとすれば、保護を必要としない状態となるもの。

第四 市町村民税非課税等の世帯に属する老齢福祉年金受給者の取扱い

第三の1の(1)の者であって、老齢福祉年金(その全額につき支給が停止されているものを除く。)の受給権を有しているものについては、その者が同一の月に受けた療養に係る老人医療受給対象者一部負担金等合算額から15,000円を控除した額が、第一の1の(1)によりその者に対して支給されるべき高額医療費の額を超えるときは、第一の1の(1)にかかわらず、当該老人医療受給対象者一部負担金等合算額から15,000円を控除した額を高額医療費として支給することとされたこと。

第五 高額療費の支払に関する特例

  1. 老人医療受給対象者が同一の月にそれぞれ一の医療機関について次の療養を受けた場合においては、第一の1により当該老人医療受給者に対し支給すべき高額医療費について、当該老人医療受給対象者に代わり、当該医療機関に支払うものとされたこと。
    (1)  入院療養
    (2)  一入院療養以外の療養であって、一の医療機掛こよる総合的かつ計画的な医学的管理の下における療養として厚生労働大臣が定めるもの

  2. 1の(2)の厚生労働大臣の定める療養は、寝たきり老人在宅総合診療料又は在宅末期医療総合診療料が算定されるべき療養及びこれらの療養を受ける老人医療受給対象者が当該療養を受ける月において当該療養を行う医療機関から受ける外来療養とされたこと。
  3. 1により支払う高額医療費は、当該療養に係る一部負担金等の額から次の額を控除した額を限度とすることとされたこと。
    (1)  入院療養の場合
     一般の老人医療受給対象者40,200円
     一定以上所得者である老人医療受給対象者72,300円と、当該入院療養に要した費用の額(その額が361,500円に満たないときは、361,500円)から361,500円を控除した額に100分のlを乗じて得た額との合算額。ただし、多数該当の場合には、40,200円とする。
     第三の2の者に該当していることについて市町村長の認定を受けている者24,600円
     第三の3又は第四の者に該当していることについて市町村長の認定を受けている者15,000円
    (2)  入院療養以外の療養であって、一の医療機関による総合的かつ計画的な医学的管理の下における療養として厚生労働大臣が定めるものの場合
     一般の老人医療受給対象者12,000円
     一定以上所得者である老人医療受給対象者40,200円
     (1)の③又は④の者8,000円

第六 市町村民税非課税等の世帯に属する老人医療受給対象者に係る高額医療費の支払の特例(第五の3の(1)の③関係:24,600円)に関する事務取扱い

  1. 認定の申請
    (1)  第五の3の(1)の③の市町村長の認定(以下「限度額適用認定」という。)を受けようとする者は、限度額適用・標準負担額減額認定申議書(別紙様式1参照。以下「限度額適用等認定申請書」という。)を居住地の市町村長に提出して申請しなければならないこと。
    (2)  (1)の申請書には、次のいずれかの書類を添付して申請しなければならないこと
     第三の2の(1)に該当する場合市町村民税非課税証明書
     第三の2の(2)に該当する場合福祉事務所長の「限度額適用・標準負担額減額認定該当(II)」と記載された保護申請却下通知書若しくは保護廃止決定通知書又はこれらの写しに福祉事務所長が原本証明したもの
    (3)  申請は、健康手帳及び被保険者証等(規則第15条に規定する被保険者証等をいう。以下同じ。)を提示して行わなければならないこと。
    (4)  なお、市町村長は、申請者が第三の2の者に該当することを公簿等にネって明らかに確認できるときは、添付書類等の一部を省略させることができること。

  2. 限度額適用認定の方法
      申請者の提出する1の(2)の書類により、又は公簿等により、申請者が第三の2の者に該当していることを確認の上、行うものであること。
  3. 限度額適用・標準負担額減額認定証の交付
    (1)  市町村長は、限度額適用認定を行った場合には、その者に交付される限度額適用療準負担額減額認定証(別紙様式2参照)に老人医療の受給者番号、限度額適用認定を受けた者の氏名、居住地、生年月日、有効期間等の必要な事項を記載するとともに、適用区分欄に「区分II」と記載すること。
    (2)  限度額適用・標準負担額減額認定証の有効期間の始期の欄には、申請のあった日の属する月の初日を記載すること。ただし、新たに老人医磨受給対象者となった者については、当該老人医療受給対象者となった日を記載すること。
    (3)  限度額適用・標準負担額減額認定証の有効期間の終期については、翌年度の7月末日まで(当該認定を行った日の属する月が4月から7月革での場合には、当年度の7月末日まで)とすること。
    (4)  限度額適用・標準負担額減額認定証を交付する際には、申請を行った者に対し、当該認定証の有効期間が終了した場合において再度認定を受ける必要があるときは再度申請を行うよう指導されたいこと。
    (5)  限度額適用・標準負担額減額認定証を交付する際には、交付する者に対し、医療機関に入院する際に、当該医療機関の窓口で、健康手帳、被保険者証等とともに、当該認定証を提示するよう指導すること。

  4. その他
      死亡、転出、障害不該当等の場合においては、速やかに限度額適用・標準負担額減額認定証を回収するものとすること。

第七 市町村民税非課税等の世帯に属する老人医療受給対象者に係る高額医療費の支払の特例(第五の3の(1)の④関係:15,000円)に関する事務取扱い

  1. 認定の申請
    (1)  第六の1の(1)の取扱いは、第五の3の(1)の④の市町村長の認定を受けようとする者について準用する。
    (2)  (1)の申請書には、その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員に係る次のいずれかの書類を添付して申請しなければならないこと。
     第三の3の(1)に該当する場合市町村民税非課税証明書及び公的年金等源泉徴収票等収入の額を証明する書類
     第三の3の(2)に該当する場合福祉事顔所長の「限度額適用・標準負担額減額認定該当(I)」と記載された保護申請却下通知書若しくは保護廃止決定通知書又はこれらの写しに福祉事務所長が原本証明したもの
     第四に該当する場合市町村民税非課税証明垂及び老齢福祉年金支給規則(昭和34年厚生省令第17号)に規定する国民年金証書
    (3)  第六の1の(3)及び(4)の取扱いは、第五の3の(1)の④の市町村長の認定の申請について準用する。

  2. 限度額適用認定め方法
    申請者の提出する1の(2)の書類により、又は公簿等により、申請者が第三の3又は第四の者に該当していることを確認の上、行うものであること。
  3. 限度額適用・標準負担額減額認定証の交付
      第六の3の取扱いは、第三の3又は第四の者に該当する者に対する限度額適用・標準負担額減額認定証の交付について準用する。この場合において、「区分II」とあるのは、「区分I」と読み替えるものとする。
  4. その他
      死亡、転出、障害不該当等の場合は、第六の4と同様に取り扱われたいこと。

第八 世帯構成の変更がある場合の限度額適用認定の事務取扱い

 世帯内の老人医療受給対象者及びその他の世帯員の構成に変更があった場合は、変更後の状況を踏まえ、異動のある老人医療受給対象者、異動のある老人医療受給対象者又はその他の世帯員が異動前に属していた世帯に属する老人医療受給対象者及び異動のある老人医療受給対象者又はその他の世帯員が異動後に属する世帯に属する老人医療受給対象者について、速やかに第三の1の区分(以下「低所得区分」という。)の判定を行うものであること。

  1. 事務手順
    (1)  世帯構成の変更の事実の把握老人医療受給対象者に係る転入・転出・居住地変更・死亡等の届出又は住民基本台帳情報による異動状況の確認など市町村の実情に応じた仕組みにより、随時老人医療受給対象者に係る世帯構成の変更の事実の把握に努めること。
    (2)  変更後の世帯・所得状況の把握世帯構成の変更の事実を把握した場合には、次の事項を確認すること。
     変更後の既に低所得区分の判定を受けている老人医療受給対象者の属する世帯の状況
     老人医療受給対象者及びその他の世帯員の所得の状況
    (3)  老人医療受給対象者の負担区分の判定世帯構成の変更のあった世帯に属する老人医療受給対象者について低所得区分を判定すること。
    (4)  限度額適用・標準負担額減額認定証の作成(3)による判定の結果、低所得区分が変更となる老人医療受給対象者についてこ新たな低所得区分を表記した限度額適用・標準負担額減額認定証を作成すること。
    (5)  限度額適用・標準負担額減額認定証の交付及び旧限度額適用・標準負担額減額認定証の回収(4)により作成した限度額適用・標準負担額減額認定証を老人医療受給対象者に交付するとともに、既に交付している限度額適用・標準負担額減額認定証を確実に回収すること。交付に際しては、考人医療受給対象者に対し変更内容の十分な説明に努めること。

  2. 低所得区分の適用及び限度額適用・標準負担額減額認定証の取扱い
    (1) 他市町村への転出又は他市町村からの転入があった場合
     老人医療受給対象者がいる既存の世帯に転入した老人医療受給対象者
     低所得者区分の適用転入した月は、転入者が新たに属する世帯の月初日の低所得区分を適用することとし、当該世帯の低所得区分に変更が生じる場合には、新たな低所得区分を翌月初日から適用すること。
     限度額適用・標準負担額減額認定証の取扱い当該世帯の低所得区分に変更が生じる場合には翌月以降の新たな低所得区分と当月現在の低所得区分を、変更がない場合には当該世帯の当月現在の低所得区分を明記した限度額適用・標準負担額減額認定証を速やかに交付すること。
     老人医療受給対象者がいない世帯に転入した(新しく世帯を形成した場合を含む。(2)の②において同じ。)老人医療受給対象者本人について
     低所得者区分の適用転入日から新たな低所得区分を適用すること。
     限度額適用・標準負担額減額認定証の取扱い新たな低所得区分を記載した限度額適用・標準負担額減額認定証を交付すること。
     転入者を受け入れた世帯に属する老人医療受給対象者について
     低所得者区分の適用転入者を受け入れた月は、当該月初日の低所得区分を適用することとし、当該世帯の低所得区分に変更が生じる場合には、新たな低所得区分を翌月初日から適用すること。
     限度額適用・標準負担額減額認定証の取扱い当該世帯の低所得区分に変更が生じる場合には、翌月以降の新たな低所得区分と当月現在の低所得区分を記載した限度額適用・標準負担額減額認定証を当月末日までに交付し、従前の限度額適用・標準負担額減額認定証は回収すること。
     他の市町村への転出者があった世帯に属する老人医療受給対象者について③と同様に取り扱うこと。
    (2)  同一市町村内で他の世帯への転居又は他世帯からの転居があった場合
     他の世帯へ転居レた老人医療受給対象者本人について
     低所得者区分の適用転居した月は、月の初日において当該老人医療受給対象者が属してい考世帯の低所得区分を適用することとし、当該世帯の低所得区分に変更が生じる場合には、新たな低所得区分を翌月初日から適用すること。なお、転居した月については、世帯の変更前後の自己負担額を通算し、当該老人医療受給対象者が月め初日に属する世帯において自己負担限度額を適用すること。
     限度額適用・標準負担額減額認定証の取扱い(1)の③のイと同様に取り扱うこと。
     老人医療受給対象者がいない世帯に転入した老人医療受給対象者本人について①と同様に取り扱うこと。
     他の世帯からの転居者を受け入れた世帯に属する老人医療受給対象者について(1)の③と同様に取り扱うこと。
     他の世帯への転居者があった世帯に属する老人医療受給対象衰について(1)の③と同様に取り扱うこと。

第九 公費負担医療の場合の取扱い

  1. 老人医療受給対象者が同一の月にそれぞれ一の医療機関等について受けた原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成6年法律第117号〉による一般疾病医療費の支給又は規則第44条各号に掲げる給付(別紙参照以下「公費負担医療」という。)が行われる療養については、当該療養に係る一部負担金等の額が40,200円(外来療養にあっては、12,000円)を超えるときは、当該超える額を高額医療費とし七支給することとされたこと。
  2. 原子爆弾被爆者に対する法律による一般疾病医療費の支給又は規則第51条各号に掲げる給付が行われる療養については、高額医療費は、老人医療受給対象者に代えて、当該療養を受けた医療機関等に対して支払われるものとされたこと。
  3. 公費負担医療が行われる療養について、なお負担すべき額を第一の1の高額医療費の支給の基礎となる一部負担金等の額とするものであること。

第十 被保険者の取扱い

  1. 生活保護法第6条第1項に規定する被保筆者である老人医療受給対象者が同一の月にそれぞれ一の医療機関等について受けた療養については、当該療養に係る一部負担金等の額が15,000円(外来療養にあっては、8,000円)を超えるときは、当該超える額を高額医療費として支給することとされたこと。
  2. 第九の2の取扱いは、1の療養について準用する。

第十一 特定疾病に係る療養の取扱い

  1. 令第14条第5項の厚生労働大臣が定める疾病(以下「特定疾病」という。)に係る療養を受ける者として市町村長の認定を受けた老人医療受給対象者については、当該療養に係る一部負担金等の額が1万円を超えるときは、当該超える額を高額医療費として支給することとされたこと。
     なお、一特定疾病としては、従来と同嘩に次の3つの疾病とされたこと(平成14年厚生労働省告示第286号)。
     人工腎臓を実施している慢性腎不全
     血祭分画製剤を投与している先天性血液凝固第IX因子障害又は先天性血液凝固第?因子障害(いわゆる血友病)
     抗ウイルス剤を投与している後天性免疫不全症候群(HIV感染を含み、厚生労働大臣の定める者に係るものに限る。)
  2. 第九の2及び3の取扱いは、特定疾病に係る療養について準用する。

第十二 特定疾病に係る特例に関する事務取扱い

  1. 特定疾病認定の申請
    (1)  特定疾病認定を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した特定疾病認定申請書(別紙様式3参照)に、厚生労働大臣が定める疾病にかかっていることに関する医師又は歯科医師の意見書その他当該疾病にかかっていることを明らかにすることができる書類を添付して、居住地の市町村長に申請しなければならないこと。
     特定疾病認定、を受けようとする者のかかっている令第14条第5項に規定する厚生労働大臣が定める疾病の名称
     特定疾病認定を受けようとする者が加入者となっている保険者の名称及び事務所の所在地並びに被保険者証の被保険者番号等
    健康手帳の医療受給者証の受給者番号
    (2)  申請は、健康手帳及び被保険者証等を提示して行わなければならないこと。
    (3)  なお、市町村長は、申請者が当該申請に係る厚生労働大臣が定める疾病にかかっていることが健康保険法(大正11年法律第70号)等の特定疾病療養受療証又は慢性腎不全に係る更生医療券の提示等によって明らかであるときは、医師又は歯科医師の意見書その他の証明書類を省略させることができること。

  2. 特定疾病認定の方法
      特定疾病認定は、申請者の提出する医師又は歯科医師の意見書その他の証明書類により、厚生労働大臣が定める疾病にかかっていることを確認の上、行うものであること。
  3. 受療証の交付
    (1)  市町村長は、特定疾病認定を行った場合には、その者に交付される老人保健特定疾病療養受療証(以下「受療証」という。別紙様式4参照)に、認定した疾病名、市町村番号、老人医療の受給者番号、特定疾病認定を受けた者の居住地、氏名、生年月日及び性別、発効期日、発行機関名等の必要な事項を記載すること。
    (2)  受療証の発効期日の櫛には、申請のあった日の属する月の初日を記載すること。ただし、新たに老人医療受給対象者となった者については、当該老人医療受給対象者となった日を記載すること。
    (3)  受療証を交付する際には、交付した者に対し、認定した疾病により医療機関等において医療又は療養を受ける際に、当該医療機関等の窓口で、「健康手帳及び被保険者証等とともに、当該受療証を提示するよう指導すること。

  4. その他
      特定疾病認定を受けた者に係る特例措置は、当意認定を受けた者の治療が長期間にわたり継続しなければならないものであることから、その認定に係る事務は迅速に行うよう特段の配慮を願いたいこと。
    (2)  特定疾病認定を受けている者が、当該市町村から転出する場合においては、転出前の市町村長は特定疾病認知を行っている旨の証明書を発行することとし、転入先の市町村長は阜の革明書により認定手続を行って差し支えないこと。この場合において、受療証の発効期日は当該転入のあった日とすること。
    (3)  死亡、転出、障害不該当等の場合においては、速やや1に受療証を回収するものとすること。
    (4)  第十一の1の③の疾病に係る申請・認定の取扱いについては、「「平成8年6月厚生省告示第第162号」(老人保健法第28条第3項の規定に基づき、厚生大臣が定める疾病を定める件の一部を改正する件)の公布について」(平成8年6月19日老企第60号厚生省老人保険福祉局企画課長通知)に留意すること。

第十三 支給方法

  1. 高額医療費支給制度は、原則として償還払いによるものであり、老人医療受給対象者からの申請に基づき支給するものであること。
  2. 高額医療費の支給の申請は、健康手帳及び被保険者証等を提示し、以下の事項を記載した申請書を市町村長に提出して行うものであること(規則第52条第1項〉。なお、申請書の様式については、別紙様式5を参考とされたい。
    (1)  申請者が加入者となっている保険者の名称及び事務所の所在地並びに被保険者証等の記号番号
    (2)  健康手帳の医療受給者証の受給者番号
    (3)  申請者が受けた療養が公費負担医療が行われる療養である場合には、その旨及び公費負担医療による費用徴収の額

  3. 2の(3)の療養に係る費用徴収の額については、公費負担医療実施者である地方公共団体等が証明することとなっていること(規則第52条第2項)。
  4. 第六の1の(2)から(4)まで及び第七の1の(2)の取扱いについては、高額医療費の支給について、第三の2若しくは3又は第四の低所得者に係る特例の適用を申請する場合について準用する。
  5. 申請書を受け付ける際には、高額医療費の支給は、審査支払機関による審査を終えた上で支給することとなるため、療養を受けた月から実際の支給までに、2か月程度必要となることについて、申請者に対して説明を行うこと。

第十四 その他

  1. 本制度による高額医療費の支給は、平成14年10月1日以降に受けた療養から対象となるものであること。
  2. 平成14年10月1日前に受けた療養については、従前の高額医療費制度が適用されるものであること。

II 食事療養に係る標準負担額の特例的措置

第一 制度の概要

  1. 食事療養に係る標準負担額については、1日につき780円とされているところであるが、所得の状況その他の事情をしん酌すべき者(以下「減額対象者」という。)については標準負担額が減額されること。
  2. 減額対象者となる者のうち、市町村民税非課税等の世帯に属する老人医療受給対象者に該当することについて市町村長の認定を受けた老人医療受給対象者が女払うべき標準負担額は1日650円(減額対象者としての入院日数が90日を超える者については1日500円)、市町村民税非課税等の世帯に属する老人医療受給対象者であって、所得が一定の基準に満たない老人医療受給対象者が支払うべき標準負担額は1日300円であること。
  3. 第六の3又は第七の3により交付される限度額適用・標準負担額減額認定証を医療機関の窓口で提示することにより標準負担額の減額を受けることができるものであること。

第二 減額対象者の範囲・と標準負担額

  1. 減額対象者の範囲と標準負担額
      入院時の食事療養に係る標準負担額については、法第31条の2第2項の規定及び老人保健の食事療養に係る標準負担額(平成8年8月厚生省告示第204号)の規定により、下表のとおりとなっていること。
    入院時の食事療養に係る標準負担額一覧
    老人医療受給対象者の分類 1日当たり
    標準負担額
    A 一般の老人医療受給対象者(B.Cのいずれにも該当しない者) 780円
    B 市町村民税非課税等の世帯に属する老人医療受給対象者(Cに該当する者を除く)
    (B1) 過去1年の入院期間が90日以下(長期非該当者) 650円
    (B2) 過去1年の入院期間が90日超(長期該当者) 650円
    C Bのうち、所得が一定基準に満たない老人医療受給対象者等 300円

  2. 減額対象者の分類
    1の表のB及びCの1欄に掲げる減額対象者の分類は、以下によるものであること。
    (1)  市町村民税非課税等の世帯に属する老人医療受給対象者(1の表のB)について
     市町村民税非課税等の世帯に属する老人医療受給対象者とは、令第16条第1項第1号ハの定めるところによりIの第三の2に該当していることについて市町村長の認定を受けている老人医療受給対象者をいうものであること。
     市町村民税非課税等の世帯に属する老人医療受給対象者については、次のア又はイのいずれに該当するかによって、減額される標準負担額の額専の取扱いが異なること。
     イに該当しない者(1の表の(Bl)。以下「長期非該当者」という。)
     規則第50条1項の規定に基づき市町村長に対する申請を行った月以前の12月以内の入院日数が90日を超える者(1の表の(B2)。以下「長期該当者」という。)
    (2)  市町村民税非課税等の世帯に属する老人医療受給対象者であって、その所得が一定基準に満たないもの。(1の表のC)について令第16条第1項第1号この定めるところによりIの第三の3又は第四に該当していることについて市町村長の認定を受けている老人医療受給対象者をいうものであること。

第三 限度額適用・標準負担額減額認定証

  1. 長期該当者である場合の取扱い
    (1)  限度額適用・標準負担額減額認定証を有する老人医療受給対象者については、当該認定証をもって標準負担額の減額を受けることができるが、市町村民税非課税等の世帯に属する老人医療受給対象者(第二の1の表のB)については、長期該当者と長期非該当者でその取扱いが異なることから、Iの第三の2の市町村長の認定の申請者が長期該当者である場合においては、限度額適用等認定申請書に、当該申請書を提出した月以前の12月以内の入院日数及び当該入院をした医療機由の名称及び所在地を記載し、入院日数を確認できる書類等(既に限度額適用・標準負担額減額認定証の交付を受けている場合にあっては、当該認定証)を添付しなければならないこと。
    (2)  市町村長が、この限度額適用認定の申請者を長期該当者であると認めた場合については、当該申請者に交付する限度額適用・標準負担額減額認定証の「長期入院該当年月日」欄に、当該交付申請のあった日の属する月の翌月の初日(長期該当者に係る限度額適用・標準負担額減額認定証が有効期限に達し、8月中に申請を行ったときは8月1日〉を記載し、市町村長印を押印したうえで交付すること。

  2. 長期非該当者の場合の取扱い
    Iの第三の3又は第四の市町村長の認定の申請者が長期非該当者である場合においては、当該申請者に対して限度額適用・標準負担額減額認定証を交付する際に、医療機関における入院日数が90日を超えた場合には、再度長期該当者に係る申請を行うよう指導すること。

第四 標準負担額減額に関する特例

  1. 標準負担額差額支給申請書の提出
      規則第25条の規定により標準負担額減額の特例を受けようとする者(以下「差額支給申請者」という。)は、標準負担額差額支給申請書(別紙様式6。以下単に「差額支給申請書」という。)に、限度額適用等認定申請書又は限度額適用・標準負担額減額認定証を添えて、申請しなければならないこと。
  2. 添付書類
      差額支給申請書には、現に支払った標準負担額を証明する書類及び入院白数を確認できる書類を添付しなければならないこと。
  3. 標準負担額差額の支給
      市町村長は、差額支給申請書及びその添付書矧こより、限度額適用・標準負担額減額認定証の交付を受けられなかった理由又は限度顔適用・標準負担額減額認定証を医療機関に提出できなかった理由が妥当であると認めたときは、現に支払った標準負担額と標準負担額減額により支払うべき額との差額(以下「標準負担額差額」という。)を、差額支給申請者に支給することができること。
  4. 限度額適用・標準負担額減額認定証の交付
      差額支給申請書と併せて限度額適用等認定申請書が提出されたときは、市町村長は、当該差額支給申請者が市町村民税非課税等の世帯に属する老人医療受給対象者に該当すると認めた場合には、それぞれの区分に応じた適用区分を記載した限度額適用・標準負担額減額認定証を交付するものであること。

第五 その他

 長期該当者に係る限度額適用・標準負担額減額認定証の「長期入院該当年月日」は当該交付申請のあった日の属する月の翌月の初日になることから、当該交付申請のあった日の属する月の末日までの標準負担額差額については、標準負担額差額支給の対象として取り扱われるものであること。

III その他

第一 周知、広報等

 高額医療費の支給及び食事療養に係る標準負担額の特例的措置の取扱いについては、制度の不知等による申請漏れを防止する観点から、文書その他の方法をもって、その趣旨、申請手続等について、加入者等に対し、周知徹底に努められたいこと。

 また、制度の周知徹底を図るだけでなく、高額医療費の支給対象となる者に対し通知を行うことは一つの有効な方法であり、対応を図られたいこと。

第二 申請の負担軽減等

 高額医療費の対象者が高齢者であることにかんがみ、事務的な負担が過重なものとならないよう、

 申請時に、受診状況の申告及び領収書の添付は求めない
 高齢者本人による申請が困難な場合には、代理人による申請を認める
 同一世帯に複数の高齢者が存在する場合には、申請書を1枚でまとめるなどの対応を行うこと。

 また、高額医療費の支給対象となった場合における高齢者の毎回の申請・受給に係る負担率軽減するため、

 申請書の記載内容の工夫などにより実質的な申請は初回時のみで足りるようにする
 高額医療費の受け取りについても初回申請時に高齢者が指定した口座に振り込むなど、適切に対応されたいこと。

第三 経過措置

 改正法の施行の際、現に現行の基準により受けている市町村長め認定lま、改正後の新たな基準により受けた認定とみなすこと。具体的には、改正前の令第2条の2第2 項の規定による認定はIの第十二の1の認定と、同条第3項の規定による認定はIの第五の3の(1)の③の認定と、同条第4項の規定による認定はIの第五の3の(1)め④の認定とみなすこと。また、現に交付されている従来の入院時一部負担金限度額適用・標準負担額減額認定証は、それに記載された有効期間が満了するまでの間は有効であること。

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