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2007年12月19日

厚生労働大臣 舛添要一殿

日本共産党国会議員団被爆者問題委員会
(責任者 参議院議員・小池晃)

「原爆症認定の在り方に関する検討会報告」に抗議し認定行政の抜本的改善を強く要求する

 原爆症認定の在り方に関する検討会は12月17日に報告をとりまとめ、厚労省に提出した。昨年来の原爆症認定集団訴訟の判決すべてが現在の認定方針をきびしく批判したことをうけ、その抜本的な改善が求められていたにもかかわらず、報告は、現行方針の枠組み維持を基本とし、わずかな手直しにとどまる結論となった。60年余におよぶさまざまな苦難に加え、いま、原爆によるものとしか考えられない病とたたかう被爆者のねがいを重ねて踏みにじることは絶対に許されない。

 報告は、現在の認定方針の骨格をなす「原因確率」を「基本的な判断指標」とするとした。機械的な切り捨ての最大の要因であり、裁判で繰り返し批判され、検討会でも個別の認定に用いることへの疑問がさまざまに指摘されていたにもかかわらず、このような結論をだしたことは、検討会の基本的な任務を投げ捨てるものといわざるをえない。

 同時に報告は、現在の認定方針のもとでは、ほとんど考慮の余地なしとされてきた、残留放射線の影響や急性症状を考慮すべきとした。これは裁判で、原告などの証言によって明らかにされた被爆の実相を、まったく無視できなかったことの反映にほかならない。しかし、きわめて困難な残留放射線についての個別の線量評価の導入や、急性症状についての第三者の証言といった条件をつけており、機械的な切り捨てにつながる方針の根幹を変えない限り、真の救済につながらないことは明白である。

 厚労省は現在継続されている各地の裁判でも、あいつぐ敗訴にたいする何の反省もなく、現行方針を絶対的なものとし、原告らの訴えを切って捨てる主張をくりかえしている。今回の報告は、このように現行方針に固執する厚労省の意向に沿ってまとめられたことは明らかであり、強く抗議する。

 残留放射線の影響などを検討せざるをえないことは、初期放射線の影響を基本とする現在の「審査の方針」では対応できないこと、根本的な見直し以外にないことを示している。

 被爆者が強く要求し、われわれもくりかえし主張してきたように、「原因確率」を絶対化する現在の方針をまず廃止し、放射線の影響が否定できない疾病については認定するなど、被爆の実態や司法の流れを踏まえた新たな方針を策定すべきである。その実行を、重ねて強く要求する。

以上


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