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医療事故究明へ新組織
厚労省が試案 届け出は一本化

2008年4月4日(金)「しんぶん赤旗」より

 厚生労働省は三日、医療死亡事故の原因究明・再発防止のための「医療安全調査委員会(仮称)」設置についての試案を発表しました。


 医療死亡事故などの届け出先を、新設される「医療安全調査委員会」に一本化。届け出範囲は、医療機関の管理者の判断に委ね、対象も、(1)医療過誤の疑いのある死亡(2)医療に起因(疑いも含む)した死亡で、予期しなかったものーとしました。現在おこなわれている医師法二一条による捜査機関(警察)への届け出を不要にするため、法改正もおこなうとしています。

 捜査機関との関係では、「悪質な事例」((1)診療記録の改ざん・隠ぺい(2)医療事故を繰り返すケース(3)故意や重大な過失)について通知するとしています。

 また、遺族が委員会に調査依頼もできるとしています。

 調査委員会のあり方については、(1)国の組織として創設するが、厚労省に設置するかどうかはさらに検討する(2)委員会の目的は、関係者の責任追及ではない(3)委員会は、医療の専門家を中心に、法律関係者、医療を受ける立場を代表するものなどで構成するーとしています。

 日本には医療事故問題に対処する専門機関がないため、厚労省は昨年「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」を設置。昨年十月には「第二次試案」を公表するなど議論をすすめてきました。今回発表された厚労省案は「第三次試案」にあたります。


国民的議論を

小池晃参院議員の話: 日本共産党は、医療事故の原因究明・再発防止のための公正・中立な第三者機関の創設を求めてきました。

 本日、厚生労働省が発表した「第三次試案」は、これまで医療関係者から出されていた、刑事責任追及を強めて過酷な医療現場の労働実態をさらに悪化させるのではないかという懸念や疑問にたいして、一定の配慮がされたものとなっています。しかし、批判の強い「厚生労働省への設置」にこだわっていることや、捜査機関への通知対象となっている「重大な過失」の定義など、問題点も残されています。

 この「第三次試案」をたたき台にして、患者・国民、医療従事者の中で大いに議論をすすめていく必要があります。

 そもそも、医療事故の背景にある、過酷な医療労働の原因をつくっているのが政府の低医療費政策です。後期高齢者医療制度をはじめとする社会保障費の抑制路線を転換させるために力を尽くします。



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