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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

障害者福祉/痛み求める政府案
小池政策委員長に聞く(上)

サービス利用、1割負担に

2005 年 1 月 11 日「しんぶん赤旗」より

 障害者福祉制度の「一元化」をかかげた「障害者自立支援給付法案」が通常国会に提出されます。法案にはサービス利用のさい一割負担を求めることがもりこまれるなど、影響が大きく波紋を広げています。障害者施策を系統的に国会でとりあげ、この問題で関係団体と懇談を重ねている日本共産党の小池晃政策委員長に聞きました。 聞き手 斉藤亜津紫記者

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 ――厚生労働省が「改革のグランドデザイン案」を打ち出し、法案にもりこまれる負担増の具体的試算がわかったのは昨年の十二月です。障害者の不安の声が強いですね。

10倍の負担増に

 小池 「グランドデザイン案」は、これからの障害者施策にとって重大な問題となる新しい法律の考え方が打ち出されて、関係者に衝撃を与えています。とくに福祉サービスを利用する障害者に一割負担を求めることです。

 一体どういう事態が起きるのか。いままでの支援費制度のもとで自己負担は、所得に応じた負担になっていたために、ホームヘルプサービス(訪問介護)でいうと、住民税非課税の方までは無料でした。実際には95%の人は費用負担なしにサービスを受けることができました。自宅から通って利用する通所施設についても同じく95%の人は負担なしです。現行制度は実質1%負担と厚労省は説明しています。

 これが介護保険と同じように一割負担ということになります。1%の自己負担が10%になるわけですから十倍の負担増ということです。無料で受けているホームヘルプサービスが、身体障害者でいうと利用者の平均負担額が月八千四百円かかってくることになります。

 厚労省は、所得に応じて負担の上限(低所得で月額一万五千円・二万四千六百円の二段階、一般は四万二百円)を設けると説明しています。しかし上限に達するまでは一割負担ですから、大幅な負担増に変わりはありません。厚労省が示した身体・知的・精神など障害者のホームヘルプ事業全体で見ても、現行で平均約千円の利用者負担が改悪後は約四千円にはね上がります。

食費も自己負担

 通所施設でも95%の人が無料でしたが、食費の負担が加わるうえに一割の自己負担を支払うことになります。

 入所施設も、障害児の場合、いまは平均毎月一万一千円ですが、これが平均で六万一千円(食費込み)と六倍近い引き上げになります。軽減の経過措置があっても三万円(二〇〇六年)です。おとなの障害者は、いまの平均毎月三万五千円が、食費込みで六万一千円の利用者負担になります。

 とにかくすさまじい負担増で、人のやることではないといってもいい。

 ――厚生労働省は一割負担の実施を二〇〇六年一月からとしています。

公費負担医療も

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 小池 〇五年度予算案を見ますと、施設・在宅の障害者福祉サービスの負担増による国庫負担の削減額は二カ月分で四十三億円です。年間で約二百五十億円になります。地方の削減分はだいたい同額なので五百億円。逆にいうとこれが利用者の負担増になります。

 法案には、加えて公費負担の医療の見直しも〇五年十月から行われます。精神障害者の通院医療や、障害者の更生医療、育成医療に、定率負担を導入するもので、患者負担増は年間約百八十億円になります。

 更生、育成医療も所得に応じた負担となっていますから、住民税非課税の世帯は無料です。改悪案はこうした患者にまで月二千五百円から五千円の医療費負担に加え、食費負担まで求めます。さらに対象者の「重点化」まで打ち出し、不安が広がっています。

 精神障害者の通院は、精神保健福祉法三二条があって、自己負担は〇・五割負担です。これを廃止し医療費の一割負担(上限あり)にするのですから、大幅な負担増を求めることになります。

 さらに、医療機関の指定制を導入するとか、一年ごとに医療の必要性を確認する方向も打ち出されています。身近に気軽に医療を受けることが難しくなり、早期発見、早期治療に逆行するのではないかという強い危ぐがあります。

(中)につづく


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