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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

危険だらけの小泉流構造改革
痛みの原因をなくすのが本当の処方箋

 小泉首相は「日本経済再生の処方箋」として、「痛みをともなう」「聖域なき構造改革」にとりくむといいます。小泉内閣の実体は? 小池晃参議院議員(全日本民医連理事)に話を聞きました。

小泉内閣の支持率がすごく高いですよね。国民が彼に一番期待しているのは、「自民党政治を変える」ことです。ところが彼がやろうとしていることは、国民いじめの自民党政治そのものです。国民が小泉首相に期待していることと、小泉首相がやろうとしていることの落差はきわめて大きい。
 だから、今は支持率が高いけれども、実体がわかれば、変化は急激に起こってくると思います。

◆いままでの自民党政治より悪くなる
 では、小泉首相は何をどう変えるのか。彼は「財政赤字を減らすために歳出を徹底的に見直す」といっていますが、そのことで一番やるべき「大型公共事業のムダ使いをやめる」ことについては一言もふれていません。
 公共事業を削らずに歳出を減らすというのなら、削るのは国民の暮らし、社会保障、教育、医療、福祉、介護、そういうところを切るということです。
 所信表明でも彼は社会保障について「これからは給付は厚く、負担は軽くというわけにはいきません」と言っています。これでは、いままでの自民党政治より、もっと悪くなる危険すらあります。

◆弱い人も平気で切り捨てる
 小泉氏は一九九六年から九八年の第二次橋本内閣の厚生大臣として国民にとってひどい「実績」を残しています。
 まず九七年一二月にいま国民に大変な負担となっている介護保険法を成立させました。
 同じく九七年には健康保険法の大改悪で健保本人負担を二割にし、薬剤の一部負担を導入した。これは大きな影響が出ていて、いまだに受診率が減り続けています。今年三月に厚生労働省が発表した「患者調査」でも、改悪二年後の九九年で三五歳〜六四歳の患者数は、改悪前と比べて一二・四%も減少しています。
 九八年にはもっとも弱い立場にある難病患者さんの医療費に自己負担を導入しました。こういう苦しい立場の人も切り捨てるというのが彼のやり方なんです。

◆堂々のタカ派ぶり
 一方で、小泉氏は「憲法九条を変えて『集団的自衛権』を行使できるようにしよう」といっています。「靖国神社公式参拝は当然だ」とも。
 「集団的自衛権」というと、日本の国を守るのかなと思ってしまいますが、全くち違っていて、「同盟を結んでいるアメリカが攻撃されたら、日本が一緒に戦争をやる」ということなんです。アメリカが世界のどこかで仕掛けた戦争に、日本が参加するというわけですから、この集団的自衛権の行使は大変危険なんです。
 靖国神社の公式参拝についてですが、戦争で亡くなった人を慰霊するということは当然のことです。ただ靖国神社というのは、原爆で亡くなった市民とか、東京大空襲で亡くなった人は慰霊されていない。日本を侵略戦争に導いたA級戦犯をふくめて「天皇のために死んだ」軍人だけが祀られているんです。
 そこに公式に参拝するということが、アジアの国々からどのようにみられるのかを考えるべきです。次に行なう戦争の準備をしていると見られてもしかたない。

◆「不良債権処理」で中小企業は
 小泉氏は「不良債権を思い切ってなくす」と言っています。それも一気に二〜三年で最終処理をやるという。
 いま「不良債権」とされている圧倒的多数は中小企業です。この不景気でみんな赤字になっている。「不良債権を処理」するということは、銀行が中小企業への融資を引き上げてしまうということなんです。
 こんなことが全国いっせいに行なわれたら、痛みを感じる前に中小企業はバタバタ倒れてしまい、町中失業者であふれてしまいます。日本の経済も国民も死んでしまう。経済を立て直すどころか、むしろ悪化させてしまいます。
 このように小泉氏がやろうとしている「構造改革」は、国民を痛みつけ、日本の平和憲法を踏みにじって戦争への道につきすすむような、非常に「危険な改革」です。こんな「改革」は、とうてい認めるわけにはいきません。

◆自民党の一番の支えは公明党
 このように小泉氏がやろうとしている「構造改革」は、国民を痛みつけ、日本の平和憲法を踏みにじって戦争への道に突き進むような、非常に「危険な改革」です。こんな「改革」は、とうてい認めるわけにはいきません。
 そんな小泉内閣を支えているのが公明党で、過半数割れし溺れかかっている自民党に浮輪を投げて助けてやっている。難病の予算を二八年ぶりに切り捨てたのは公明党の坂口厚生労働大臣です。「庶民の味方」みたいな顔をしながら、ほんとうに弱い立
場の人に冷たい党です。

◆どうしたら景気はよくなるか
 景気をよくするには、いまの不景気の原因をとり除くことです。
 日本の景気が悪くなったのは、消費税や医療費を引き上げて九兆円の負担増を強いた九七年からです。
 だから消費税を三%に戻すことを、まずやる必要がある。不景気の原因が消費税の引き上げだったわけで、その原因を取り除くのが、一番いい処方せんです。
 それから、もうひとつは社会保障の問題です。今年一月の高齢者医療費は定率負担になり三千億円の負担増になりました。四月からは年金制度が改悪され、一兆二千億円ぐらい年金が削られています。
 さらに介護保険料が、この一〇月から満額徴収になる。これは四千億円の負担増です。雇用保険の改悪で若い人も保険料負担が増えます。一人当たり年間約一万円の負担増。さらに給付は六千億円分が減らされます。
 このような総額三兆円にのぼる負担増が強いられる。景気がこれだけ冷え込んでいるときに、風邪をひいた人を雪が降っている外にひきずりだすような、そういうやり方は、ただちにやめるべきです。
 そして、雇用を守ること。とくに、サービス残業をやめさせる。そうすれば新たに九〇万人の雇用が生まれるという計算を、財界もしているんです。

◆やるべきことははっきりしている
 弱いものに容赦なく襲いかかる消費税の負担や、社会保障の負担、こういったものを取り除くこと。景気をよくするためには、やるべきことははっきりしているし、そういう道をすすむような政治に切り換えていく。これが、こんどの六月の東京都議選と七月の参議院選挙の意義ではないかと思います。

聞き手 斉藤千穂記者/写真 若橋一三
「いつでも元気」(編集:全日本民医連)2001年7月号より転載

▲ドクター小池の処方箋・目次

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