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151-参-厚生労働委員会-6号
2001年04月03日


○小池晃君
 日本共産党の小池晃です。
 きょうは病院薬剤師の問題についてまず伺いたいというふうに思います。
 医療が高度化してきているのに伴って薬剤の種類というのが飛躍的にふえている。薬剤の種類がふえるだけではなくて、投与方法なんかもいろいろあるわけですね。点滴で静脈内に投与するものもあれば、鼻からチューブを入れて胃の中に投与するものもあれば、静脈じゃなくて動脈に直接入れるものもある。非常に専門的な知識が求められるわけであります。それからさらに、インフォームド・コンセントの重要性も言われておりまして、患者さんに対する薬剤の情報提供、服薬指導、これも大変大切になってきている。院内感染を予防するための抗生物質の使用管理も薬剤師さんのかなり重要な仕事だと。薬剤のリスクコントロールも重要である。日本病院薬剤師会などは副作用の重篤化を防ぐためのプレアボイドというような取り組みも進めているそうであります。
 大臣にお聞きをしたいんですけれども、こうした医療全体の発展の中で、専門家として薬の問題を担う病院薬剤師の重要性が高まってきているのではないかというふうに考えるわけですが、大臣は病院薬剤師の役割についてどのように考えておられますでしょうか。

○国務大臣(坂口力君) 今御指摘をいただきましたとおり、病院薬剤師の必要性というのは、これは確かに高まってきているというふうに思います。
 一方、今までのいわゆる調剤業務というのは、機械化されましたり、いろいろなことがございまして、多少減少したというようなことも言われておりますが、しかし今御指摘になりましたように病棟におきます問題等は新しく出てきているわけでありまして、先般も仙台におきます准看護士の問題が問題になりましたけれども、やはり病棟におけるいわゆる輸液の調合というんでしょうか、そうしたことについてもこれをだれが一体行うのかという問題があることは事実でございます。それは、本来ならば薬剤師さんにお願いするのがよろしいんでしょうけれども、そこまでなかなかいかないので、そこに専門の看護婦さんでどうかというような話が出ましたり、いろいろな話が出ていることも事実でございます。
 病院全体の人的配置の問題もあるというふうには思いますが、トータルで見ました場合に、薬剤師さんのお仕事というのは、いわゆる過去における調剤だけをおやりいただいている時代に比較をいたしますと、これは多様化をしてきているというふうに思っております。

○小池晃君 薬剤師の病棟での役割というのは過去に比べて複雑化、多様化し高まってきているんだと。
 そこで、九八年に病院薬剤師の配置基準が緩和をされました。一般病院の薬剤師の配置基準は、それまでは調剤数八十につき一人だったわけでありますけれども、入院患者七十人に対し一人の配置に緩和されております。これによって、実態はどうかというと、約二割の病院でそれまで薬剤師が標欠、いわゆる定員割れしていた病院が定員を満たすようになってきている。逆のケースは極めて少ないと。
 これはまさに規制緩和だと思うんですけれども、この配置基準は三年後を目途に見直すということになっておりまして、ことしの年末がその時期に当たります。検討状況について御説明をいただきたいと思います。

○政府参考人(伊藤雅治君) 薬剤師の配置基準の見直しにつきましては、去る三月十二日に病院における薬剤師の人員配置基準に関する検討会第一回会合を開催したところでございます。この件につきましては、平成十年に定めました暫定的な薬剤師の配置基準を三年後をめどに見直すという、それを受けて検討会を発足させたわけでございます。
 この検討会におきましては、主に外来における薬剤師の人員配置基準の考え方、それから二番目といたしまして入院におきます薬剤師の人員配置基準の考え方、三点目といたしまして施行後三年間とされている経過措置の取り扱いにつきまして検討をしていただくことになっております。
 そして、検討に当たりましては、病院薬剤師の業務内容、それから病院薬剤師の配置状況、それから薬剤師の需給状況、医薬分業の進展等につきまして考慮することとされておりまして、本年十二月を目途に病院薬剤師の配置基準見直しに向けて検討を重ねてまいりたいと考えております。

○小池晃君 一人の薬剤師がきちんと責任を持てるのは一人当たり三十人ぐらいの患者数が限界ではないかという声もあります。事実、関係団体も、一般病院の薬剤師の配置基準、これは診療報酬上の手当てを行うことも含めて入院患者三十人当たり一人、これは現行の特定機能病院の基準でありますけれども、これを一般病院にも適用すべきだという意見が出ているわけですね。私もこの意見に全く同感でありまして、やはりこの三十人に一人という基準にすべきではないかと思うんですが、局長、いかがでしょうか。

○政府参考人(伊藤雅治君) 特定機能病院並みに一般病院を引き上げるべきではないかという今御意見でございますが、その点につきましては病院の機能に応じて薬剤師の配置基準を考えていく必要があると思います。
 特定機能病院につきましては、御案内のように、高度の医療の提供、それから高度の医療技術の開発及び評価並びに高度の医療に関する研修を実施する病院として、これにふさわしい構造設備と陣容を備えるということになっているものでございまして、そのような観点から現在の入院患者三十人に一人が決められているわけでございます。したがいまして、一般の医療機関に比べてその役割を考慮して決めているわけでございます。
 したがいまして、一般病床の薬剤師の配置基準を特定機能病院並みにするということは考えておりませんけれども、現在検討いただいております病院における薬剤師の人員配置基準に関する検討会議の場におきます専門家の御議論を踏まえて、一般病床における適正な基準の設定というものを行っていきたいと考えております。

○小池晃君 どこまで引き上げるかはいろんな意見があると思います。ただ、大臣も言われたように、役割が高まっているということであるならば、やはりここは厚生省がイニシアチブを発揮して関係者の合意に努めて一歩でも前進させる、そういう取り組みを進めるべきだと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(坂口力君) イニシアチブを発揮していますから検討会を持っているわけでありまして、この検討会で御議論をいただいた結論を尊重したいと私も思っております。

○小池晃君 それから、看護婦の配置基準の問題も取り上げたいと思うんですが、これはさきの医療法の審議のときに私も取り上げまして、診療報酬上の問題であります。今二対一が最高基準であるわけですけれども、これでは不十分ではないかと。例外もあります。例外的に診療報酬上設けられているものもありますけれども、基本的な診療報酬上の仕組みとしては二対一だと。日本看護協会は、夜間においても患者十人程度に対して看護婦一人以上が勤務する、そういう体制をとるためには入院患者一・五人に対して看護職員一人の配置が必要だという提言をしております。別にすべてそうしろというわけではなくて、やはり重症、非常に複雑な病状、そういう患者さんを抱えている病棟ではそういう基準の設定もあっていいと。
 ぜひ医療の高度化に合わせて一・五対一看護、これは次期診療報酬改定の課題ということでありますけれども、必ず実現すべきでないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○政府参考人(大塚義治君) ただいま委員からもお話ございましたように、一般病棟におきましては二対一看護まで、それから例外とおっしゃいました終末期ケアにつきましては一・五対一、こういった看護体制について評価をしておるところでございます。
 これまでも看護体制に対する評価につきましては中央社会保険医療協議会での御議論を踏まえてその都度論議をいただき、適切な措置を講じてきているわけでございまして、今後とも中医協での御議論を踏まえて対応してまいりたいと考えております。

○小池晃君 中医協で御議論といっても、中医協に看護婦さんの代表がいないわけでありますから、これはふやせという声を出すのはやっぱり厚生省の仕事だと私は思うんです。ぜひ次期は必ず実現する取り組みを進めていただきたい。あなた方が主張しなければ私はこれは実現しない課題だというふうに思っていますので、やっていただきたいと思います。
 さらに、医療事故の問題についてお聞きしたいんですが、現行法において医療事故に係る報告義務を規定したそういう条文というのは存在するんでしょうか。

○政府参考人(伊藤雅治君) 御指摘のような医療事故の報告義務を規定した法律は現在存在しておりません。

○小池晃君 医師法の第二十一条の規定というのは、これは医療事故に係る報告を想定したものということではないということなんですね。

○政府参考人(伊藤雅治君) 医師法二十一条の規定は、死体または死産児については、殺人、傷害致死、死体損壊、堕胎等の犯罪の痕跡をとどめている場合があるので、司法警察上の便宜のためにそれらの異状を発見した場合の届け出義務を医師に課しているというふうに考えられます。したがいまして、この医師法二十一条の規定は医療事故そのものを想定した規定ではないものと承知しております。

○小池晃君 私、医療事故については、原因究明と再発防止の取り組みというのが極めて重要だと思います。
 そこでお聞きしたいんですけれども、厚生省の今年度の医療事故防止のための予算と厚生労働省の中の医療事故防止に係るスタッフの数、これを教えていただきたい。

○政府参考人(伊藤雅治君) まず予算でございますが、平成十三年度予算におきましては、より総合的な医療安全対策の取り組みを進めるために約四億六千万円を計上しております。
 具体的には、医療機関からのインシデント事例の収集、またその分析や改善方策を検討するための医療安全対策検討会議の設置、さらに病院の職員に対する医療の安全確保のための研修の実施、それから医療事故防止のための調査研究等でございます。
 そしてまた、今年度より厚生労働省に医療安全推進室を設置いたしまして、同室に新たに専任のスタッフを配置するなど人員の面におきましても充実を図っておりまして、この結果、医療安全対策に関するスタッフの数は、専任で五名、併任十六名の計二十一名となっておりまして、厚生労働省といたしましては今後とも医療安全対策がより実効性のあるものとなるよう努めてまいりたいと考えております。

○小池晃君 アメリカの医療リサーチ・クオリティー庁というのがあるんですけれども、医療事故、医療の安全性などを、あるいは患者の声にどうこたえるかというようなことを仕事としている。ここの予算は対前年比三二・五%増で二億六千九百九十九万ドル、スタッフは二百九十四名だというんですね。けた違いなわけであります。
 やはりこの問題の深刻さに比べて日本の対策というのはまだまだ不十分だというふうに私は言わざるを得ないと思うんですが、先ほど届け出義務がないんだという問題ありましたけれども、やはり医療事故の問題というのは刑事的な責任追及、これがもちろん必要なケースもありますけれども、それだけでは事件の再発防止ということについては隠ぺいしてしまうような傾向になりかねないということで、やはり事故の原因究明、再発防止を進めるという取り組みが必要なんじゃないだろうかと。
 アメリカなんかでも患者の安全センターの設置がやられているようでありますし、それからイギリスでも苦情申し立てができる公的機関があると。日本でも、例えば海の事故の場合は海難審判庁があります。それから、航空機事故は航空事故調査委員会があります。もちろん事故の性格というのはこれは医療事故とは大分違うとは思うんですが、全く同様のものにはならないと思うんですけれども、やはり事故の原因究明と再発防止ということを、その指針を医療現場に示すということも含めて事件、事故の検証のための第三者機関、これが今求められているんじゃないかと思うんですが、大臣、この点について御見解を伺いたいというふうに思います。

○国務大臣(坂口力君) 先ほど局長の方からも答弁がありましたが、医療安全対策検討会議というのを設置して、近日中にこれを立ち上げるということになっておりますし、また患者安全推進年というふうにことしを位置づけて、患者の安全を守るための医療関係者の共同行動、ペーシェント・セーフティー・アクションと名づけまして先日も第一回の会合を持ってもらったところでございます。失礼しました。ことしは初めてでございます、今までも二回やっておりましたので、しばらくやっておりませんでしたが、三回目になりました。そういう位置づけをして、もう一度再出発をしてもらったということでございます。
 やはり医療従事者の皆さん方全体にここはお入りをいただいて、そしてそこには医療従事者だけではなくて、いわゆる製薬会社の皆さんでありますとか医療機器の製造業をおやりになっている皆さん方もお入りをいただき、幅広い皆さん方のひとつ御協力をいただいて、そしてこの医療ミスを直していくためにどういうふうにしていったらいいかという御論議をしていただきたいというふうに思っているところでございます。

○小池晃君 さらに、残る時間、介護保険の問題をお伺いしたいんですけれども、現時点での在宅、施設、それぞれの利用者の数について示していただきたい。

○政府参考人(堤修三君) 全国の市町村保険者から介護保険事業状況報告というものをとっておりまして、直近の十月サービス分、これが十二月報告になるわけでございますが、この数値では、一部の市町村がまだ報告がないというところもございますけれども、在宅サービスの受給者数が約百三十万人、施設サービスの受給者数が約六十万人というふうになっております。

○小池晃君 これは大変驚くべき数字だと思います。
 私は昨年八月九日にこの問題を取り上げて、これは九九年の介護保険施行前の概算要求のときの厚生省の推計というのは在宅が二百万人だったわけですね。ところが、昨年三月末での推計は百五十万人だったと。これは五十万人も少ないじゃないかというふうに私が指摘をしたら、当時の大塚局長は、その後三十万人追加申請しているからそう大きな差があるとは認識していないとおっしゃった。
 ところが、厳密な数字が今出てきたら百三十万人だと。五十万人どころか、介護保険施行一年前の二百万人に比べると七十万人も少なかったということになりはしないか。当時の津島厚生大臣は、私が質問したら、百九十八万をどんどん上回っていくことを期待しておりますし、上回ると思いますと、そうおっしゃったんですね。これは私、予測が外れたことは明らかじゃないかと思うんですが、在宅サービスの利用数はこれは予測を下回っていると。このことはお認めいただけますね。

○政府参考人(堤修三君) 今の先生の御指摘の平成十二年度概算要求の数字、御指摘の数字でございます。全国で百九十八万人。二百万とおっしゃったのは、百九十八万人という数字で見込んだということでございますが、これは実は介護保険事業計画の策定過程で市町村が算出した見込み数を全国集計したもので、全国の在宅の要支援、要介護者数でございます。要介護認定、要支援認定を受けた方でございまして、受けたからといって全員がサービスを受けるわけではございませんので、実際にサービスを利用しない方もこの百九十八万人には含まれているわけでございます。そこで、実際にサービスを利用しているのはどの程度かということで、実績は今回百三十万ということでございました。
 実は、昨年の六月末に利用者数の推計をいたしまして、百五十万というふうな推計もしたのでございますけれども、これは十二年三月末のケアプラン作成状況から機械的に計算をしてみますと百五十万と、こういうふうな推計もしたわけでございます。ただ、これはあくまでも機械的な計算でございまして、今回の百三十万人と、こういう実績の数字と比較してどうこうというような数字の性格のものではないというふうに思っております。
 実際に在宅サービスの利用状況につきましては、平成十一年度と平成十二年十一月というこの一年間、制度の施行前、施行後で比べてみましても、ホームヘルプが約五二%、デイサービスが約三六%ということでございますので、サービスの利用の増加が着実にあらわれてきているというふうに考えております。

○小池晃君 いろいろおっしゃったんだけれども、九九年の概算の数字は要支援、要介護者だと。だとすると、当時の老健局長は、要介護、要支援者の八割強が利用するというふうに答弁されたんですね。ということは、二百万人と見込んだのは要介護、要支援者だったとして、そうすると八割だと百六十万人です。それに比べたって百三十万人なんだから、いろいろとおっしゃっても、機械的であっても機械的でなくても、当時考えていたその予想を下回っているということは、これはだれがどう見ても私はもう事実としてはお認めいただけることなのではないかというふうに思うんですが、いかがですか。

○政府参考人(堤修三君) 今御指摘の八割ぐらいの方が使われるということでございますが、これがまさに機械的な計算でございまして、十二年三月末の、それまでサービスを使っておられた方にできるだけ途切れないように使っていただくということで、暫定ケアプランをつくっていただくといったこともお願いをしながら、ケアプランの作成依頼をどれぐらいの方々がやっておられるかということで全国的に調べてみますと八割強ということで、その数字を掛けてみたわけでございます。
 ただ、それは、今申し上げましたように、従来措置制度のもとでサービスを受けている方がサービスが途切れることがないようにということで、市町村を督励してケアプラン作成依頼を出していただいたその結果でございますから、単なるそういう前提での数字を機械的に計算したにすぎないということでございます。

○小池晃君 私は、理由を聞いているんじゃなくて、予想した数字というのは、幾ら機械的であっても予想したという事実はあるわけですから、二百万人が在宅で認定をされるんだと、そのうち約八割強が利用するんだということは厚生省の予想であったわけですから、事実として、現実を見ればその予想を下回っているだろうと。理由はいろいろと今おっしゃったような理由があったとしても、事実として、当初厚生省が介護保険を始めるときに予想した数字より下回っているでしょうと、このぐらいのことは認めてくださいよ。

○政府参考人(堤修三君) 概算要求なりあるいは制度スタート後の状況から、いろんな推計なり機械的な見通しを立てます。しかし、それを実際に初めて制度が動いてみた結果と比べて多い少ないということ、それの対象になるような、そういう性格のものではないということを言っているわけでございます。

○小池晃君 対象であるかないかというのは、それは事実の問題を私は聞いているんですから、これぐらいは認めてもらわないと、ちょっとここから先、議論進めませんよ。ちょっとだめですよ。ちょっと委員長とめてください。

○委員長(中島眞人君) 速記とめてください。

   〔速記中止〕

○委員長(中島眞人君) 始めてください。

○政府参考人(堤修三君) あくまでも機械的な計算をしてみて、その時点でということでございます。単純に数字だけを比べてみますと、それはおっしゃるように百五十万と百三十万ということでございます。ただ、それが伸び悩んでいるとかそういうことの判断はできないだろうと。ただ、数字を比べろとおっしゃいますと、百五十万、百三十万というふうな数字になるということは、そのとおりでございます。

○小池晃君 そう言っていただければ結構なんです。
 これは、大体トレンドで見ても、四、五、六と伸びているんですけれども、八月を過ぎてから在宅のサービスの利用者というのは非常に伸び悩んでいると思うんですね。
 問題は原因であります。私は、これの最大の理由はやはり一割の利用料負担ではないかと。朝日新聞の調査でも、自治体の担当者の六二%が一割の利用料負担を気にして利用が抑制されたと書いているんです。大体どのマスコミの調査を見てもそうであります。それに加えて十月から高齢者の保険料徴収が始まったと。これが重なって、今この当初厚生省が想定していた利用につながっていない、利用が抑制されているという実態があるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。

○政府参考人(堤修三君) 在宅サービスの受給者数でございますけれども、四月以降、各月コンスタントに伸びてきております。給付の金額ベースで見ましても、各月、大の月、小の月ありますから、この日数を平均的な日数で補整をしてみますと毎月十億から三十億というふうに確実に給付は伸びているわけでございます。
 先ほど朝日新聞等の例で六二%の数字をおっしゃったわけでありますが、あの数字自体、いろいろよく確認をしてみますと、市町村の担当者に利用者負担が原因でサービスの利用を控えているというのがいらっしゃるかどうかと。たくさんいらっしゃるか、わずかしかいないかということも含めて、そういう方がいらっしゃるという市町村の数ですね、利用者の数じゃなくて市町村の数ということでアンケートをとられた、やや誤解を招きやすい数字でございます。
 私ども、幾つかの市町村のアンケート調査等々の結果を見てみますとそれぞれ数%と、利用者の方の数%が利用者負担が原因でサービスの利用を控えているという方がいらっしゃる、その程度でございます。

○小池晃君 一体何を調べているのかというふうに私は思うんです。
 こういう声もありますよ。日銀の調査、生活意識に関するアンケート、介護保険の導入で老後の不安が減ったという人は一八・八%です。むしろ不安が増したという人が二二・三%、前からずっと不安だったという人が五一・九%なんです。もう一つ紹介します。介護保険ができたので貯金を減らそうと思っていると、こう答えた人はわずか一・二%であります。それに対して、介護保険ができたので貯金をふやそうと思っていると言った人は一六・一%なんですね。こうした背景には介護保険の利用料負担に対する不安、保険料負担に対する不安というのがやはりあるんだと。やっぱりそこをしっかり見なくちゃいけないと思うんですけれども、大臣、いかがですか。

○国務大臣(坂口力君) 介護制度にとどまらず、社会保障制度というのは、それは保険料の問題もございますが、制度全体として安定、そして制度全体として信頼できるかどうか、安心できるかどうかということでありまして、制度の掛金があるから不安になるというわけではないと思うんです。
 介護保険があったときとなかったときとを比較いたしますと、それは介護保険の保険料は確かにこの介護保険ができましてから余分に支払わなければならなくなったことは事実だというふうに思います。しかし、この介護保険の制度ができたということ、この制度による安心感というものは非常に私は増したというふうに思っております。したがって、保険料の問題だけでこれを片づけられては困るわけでありまして、やはり制度そのものがどうかということを私はごらんいただきたいと思うわけでございます。

○小池晃君 私は、やはりその今の実態をリアルに見れば、介護保険というのは介護の社会化を進めるんだと言ったけれども、実際は利用料負担を苦にして家族介護に戻っているような実例も出てきている。すべてがそうだとは言わないけれども、そういう実例も出ている。それから、施設介護に逆戻りしているという実態もある。そういう中で、本当に介護保険制度を二十一世紀も発展させるという立場に立つのであれば、やはりそういう問題点には目を向けて、改善すべきところは改善すべきではないかと、そういう立場で私は申し上げている。
 例えば、ホームヘルプサービスの利用料軽減、これは自治体のところではかなりのところでやはり軽減するんだと、新規の利用者にも軽減するんだ、あるいは医療系サービスにも拡大するんだという取り組みをやっている。我が党の赤旗の調査では、全国で五百七十一自治体で利用料軽減が始まっている。それから奈良県では、四十七市町村中四十二で実施に踏み切った。約九割であります。例えば東京の武蔵野市、ここは訪問介護、通所介護、通所リハビリを三%にしているんです。そうするとどうかというと、在宅サービスの支給限度額に対する利用率、これは東京全体は四九・五%なんですけれども、武蔵野市は六六・三%なんですね。
 やはり私は、この利用料の軽減というのは、介護保険を本当に利用拡大する、身体介護の部分を拡大する、ぎりぎりでないと在宅で見られないような人を何とか施設介護じゃなくて在宅で見ていくということを本気にやる上では、やはり利用料の軽減というのは真剣に検討すべき課題ではないかというふうに考えるんですが、大臣、そういう点で、すべてをなくせと言っているわけじゃないんですよ。
 やはり私は、この介護保険制度を本当に改善するためにはこの点についての見直しが必要ではないかと、そういう立場で申し上げているんですけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(坂口力君) 中に非常に低所得の方があって、そして年金でも月一万以下という方も中にはございます。そして、ほかに余り多くの収入がないというようなこともある、そういう方もあるということを聞いておりますから、そうした皆さん方に対しましてはやはり考えなきゃならないというふうに思いますけれども、押しなべてこの保険料を全部下げていけばいいと。それは低ければ低いほどいいには違いありませんけれども、全部下げていきましたら、この制度というものが成り立っていかないということも理解をしていただかなければならない。
 この制度を成り立たせていく、その成り立たせていくということを中心に考えながら、本当に低所得に悩む人たちに対しましては手を差し伸べるということでよろしいのではないかというふうに思います。

○小池晃君 だから、私はそういうことを申し上げているので、すべてをなくせと言っているわけじゃないんですよ。
 例えば、今の政府の対策だって、訪問介護だって、今まで利用してきた人だけでしょう。そうじゃなくて、低所得者には新規の利用者にも拡大した方がいいんじゃないか。医療・保健サービスだって拡大した方がいいんじゃないかと。
 そういう点での検討も進めるというふうに受け取ってよろしいんですね。

○副大臣(桝屋敬悟君) 今、大臣の方からは保険料の話もありました。それから委員の方からは、利用料の問題についてるる御指摘があったわけであります。
 ただ、介護保険がここまで今進んできて、この利用者負担が在宅サービスが伸びない最大の原因だというふうに果たして整理できるかどうか。先ほど局長の方からも、一部そういう声も確かにあったというのは私どももつかんでおりますけれども、決してそれは大きい数字ではなかったという現状。
 それからさらには、利用料については、もう委員も重々御承知のとおり、在宅サービスについては社会福祉法人等について相当の軽減策を今現場にお願いをしているところでありまして、これも委員の御党でも御調査をいただいているようでありますが、相当進んでいるということであります。そのような中で、介護保険の在宅サービスは全体としては量が伸びているわけでありますから、いま少しそういう動向を見きわめながら、低所得者の負担軽減ということについてもあわせて検討しなきゃならぬ課題だと、このように思っております。

○小池晃君 それと保険料の問題です。特にこれは十月から満額徴収で二倍になる。大臣は委員会でも、ことしは十月から倍額になってくるわけですから、そのときにそうした問題をもう一遍検討しなければならない、あるいは皆さん方がそれにたえ得るかどうかということが大きな問題となるというふうにおっしゃいました。
 これはやはり、今の消費不況の中で、十月から保険料が倍額になる、このままどんと突っ走っていいのかという点では何らかの検討をする必要性があるというふうに思っていらっしゃると受け取ってよろしいんでしょうか。

○国務大臣(坂口力君) 昨年、半額にいたしましたときに、随分皆さん方からおしかりを受けました。今度はそれをもとへ戻すわけでございますから、今度はおしかりを受けないだろうというふうに思っているわけでございます。
 私が先日申しましたのは、やはり今の倍額にいたしましたときに、中にたえられない人があるだろうということを申し上げたわけで、この倍額にすることによって、いわゆる正規の額にすることによって全部の人がたえられなくなるということを私は申し上げているわけでは決してございません。中にはたえられなくなる人もありますから、その人たちに対してどうするかという問題は起こるだろうということを申し上げたわけでございます。そういうことでございますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。

○小池晃君 ということは、要するに、押しなべてということじゃないですけれども、十月からの正規の徴収になるに当たっては、これは低所得者の保険料については一定の見直しをするという方向で検討したいというふうに受け取ってよろしいんですか。

○国務大臣(坂口力君) そこは、見直しのところまで私は申し上げているわけではございません。保険制度という制度でやります以上、この制度は保険料を支払っていただくという制度の中で考えていかなければならないわけでありますから、その制度の中で考えられることは何かということだろうと思うんです。低所得の人がありますから、その人たちはもう保険料は一銭も払わなくてもいいんだというわけにはいかないだろう。やはり保険料は保険料としてお支払いをいただく。
 しかし、そこでは猶予をしなければならない人があれば、それは猶予をするということを市町村もお考えいただいているわけでありますから、そうした都道府県なり市町村とタイアップをしながら低所得の問題は考えていくということでよろしいのではないかというふうに思います。

○委員長(中島眞人君) 時間が来ていますから。

○小池晃君 一言だけ。
 ケアマネジャーに対するケアプランの作成費の引き上げの問題、午前中も作成費の引き上げの問題が出ました。三年後を待たずにやるべきであるという御主張もありました。私は、この問題も昨年八月にこれは早急に引き上げるべきだというふうに申し上げました。ぜひこれは介護報酬の見直しの時期を待たずに、制度のかなめであるケアマネの努力に報いる取り組みを進めていただきたいということを要望して、質問を終わります。

 

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