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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

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介護保険―実施後の負担2.6倍。減免実施を要求

(2001年5月30日予算委員会・一般質疑)

○小池晃君
 介護保険制度の問題についてお聞きをしたいというふうに思います。
 まず最初に、私が理事を務めております全日本民主医療機関連合会が大規模な全国調査を行いました。これは、調査対象は二万三千百二十三件、有効回答は二万二千二百二件であります。
 介護保険でどれだけ費用負担がふえたかという調査なんですが、介護にかかる一月の平均費用、これは利用料でありますけれども、介護保険の開始前、いわゆる措置制度のもと、あるいは医療保険で行われていたサービス等々を含めて平均五千六百円だったと。これが介護保険が始まってから平均一万四千六百四十円になったと。実に二・六倍であります。
 費用負担が増加しましたかという問いに対して、増加したという人が七四・七%、全体の四分の三の人が介護保険になって利用料、費用負担がふえたと。しかも月大体一万円ふえている。高額所得者というのは、措置制度の時代というのはかなり高い費用負担をしておりましたので、費用負担が介護保険になって減少している。この費用負担増というのは主に低所得者層に重くのしかかっているわけであります。(2000年介護実態調査報告 2001年6月5日(pdf:265k)
 介護保険が始まってから、こうした深刻な負担増という実態が明らかとなっている。私はこれは直ちに負担の軽減を図るべきでないかというふうに考えるんですが、いかがですか。

○国務大臣(坂口力君)
 民医連の調査というのがどういうふうな層のところをどういうふうに調査をされましたか、一度拝見をしてから本格的な御意見を言わせていただかなければならないというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、介護保険導入後は一人当たりのサービス利用料がかなりふえておりますし、それからこれまでの措置制度では、今、委員も少しお触れになりましたけれども、応能負担が基本になっておりましたから、所得の低い層の方の利用が非常に多かったということもございます。
 したがいまして、単純になかなか比較するということもできないだろうというふうに思いますが、比較の仕方、同じようなやはり層の人のところだけの比較に今御指摘になったところがなっているのかどうかというようなことも一遍もう少し細かく拝見をしたいというふうに思いますけれども、今回の制度であるいは若干高くなっているのかなというふうな印象を持ちながら今聞かせていただいたところでございます。
 しかし、現在の制度におきましても、利用者負担の軽減をかなり図っておりますし、それから制度施行前にホームヘルプを利用しておりました方に対しましては、一割の利用者負担を当面三%にするなどの措置をとっておりますことも委員御存じのとおりでございます。きめ細かな配慮もいたしておりますが、これからもよく今後の動向を拝見させていただきたいと思っております。

○小池晃君
 そういういろいろと低所得者対策と称して、特別対策とかいろんなきめ細かい対策とおっしゃったけれども、そういうことをやった上でこの負担増なんですよ。
 私、若干高いのかなとおっしゃったけれども、月平均一万円の負担増というのは、これは幾らサービス量の増大があったとしても、これは大変やはり重くのしかかっていることは間違いないと思うんですね。このことにやはり痛みを感じないようでは、社会保障行政を本当に預かる立場として私は責任持つ態度と言えないんじゃないかと。
 調査の信頼性云々というようなことにも言及されたかと思うんですが、この調査対象は二万人を超えるんですよ。
 厚生省は今までこの介護保険ができてから実態調査、一体どのくらいの規模でやっていますか。

○国務大臣(坂口力君)
 どの調査のことを……。

○小池晃君
 利用料負担。

○国務大臣(坂口力君)
 利用料負担のことにつきましては、今までのこの利用者につきまして、これは昨年度のものでございますが、調査をいたしております。ちょっと今詳しいのを持っておりませんが、何ならばやりましたものをお届けしたいと思います。

○小池晃君
 厚生省の調査は定点自治体の調査なんですよ。わずか百八自治体で、対象住民は千二百六十三人。そういう調査しかしていないで、この二万人を超える対象の調査で層がどうなのかとか、そういう調査の信頼性云々というようなことを私は言う資格がないというふうに思います。やはりこの実態に目を真剣に向けてこの対策を考えるべきだと。
 私は、きょう、午前中からも含めてですけれども、単純に安ければいいんだというような議論をしているわけじゃないんです。やはりどういう層にどういう手を差し伸べるかということをきちっと考えるのが社会保障行政のあるべき姿だろうと。
 その点で、きょう御紹介したいのは配付した資料であります。これは、介護を必要とする人というのは一体どういう人なのかという研究結果です。日本福祉大学の近藤克則助教授が調査した結果であります。これによれば、所得が少ないほど、グラフを見ていただければわかるんですが、所得控除後の所得ゼロ円の高齢者とそれから二百万円以上の高齢者を比べると、介護を必要とするお年寄りが出現する率は実に五倍であります。要するに、所得が少なければ少ないほど介護を要する状態になりやすいと。ちなみにこれは厚生科学研究補助金を受けた研究結果であります。
 人というのは、皆、歴史を背負って高齢者になるわけであります。若いときに貧しい生活を強いられたりあるいは過酷な労働を強いられたという人は、やはり介護を要する状態になりやすい。貧しい人ほど介護を必要とするからこそ、先ほど大臣もおっしゃったように、今までの老人福祉というのは応能負担、所得に応じた負担だったわけであります。しかし、介護保険というのは所得にかかわりなく負担を求める。だから、必要とする人ほど負担が重く、介護を受けにくくなると。ここに私、介護保険制度の最大の矛盾があると思うんです。
 この十月から保険料満額徴収だと。きのうの発表では、保険料の軽減を行う自治体は昨年秋から倍増したと。これも負担増に耐えられない人が出てくるんじゃないかという自治体の心配のあらわれだと。
 大臣、もう一度お伺いしますが、こういう実態を踏まえて、介護保険の利用料、保険料について、自治体も努力しているわけですから、国の制度として恒久的な保険料、利用料の減免措置、これは直ちにつくるべきではないかと思うんですが、いかがですか。

○国務大臣(坂口力君)
 今までは措置制度でございましたから、低所得の皆さん方のところは措置でこれは皆行われていたわけでございます。
 今回導入されましたこの介護保険、約一年たちますけれども、一年これで経過をいたしましたが、介護保険というのはそれなりにやはり負担をしていただいてお互いの助け合いのもとにスタートしました保険制度でございますから、自己負担もそこには存在するわけでございます。
 したがいまして、今までは措置制度ですべて賄っておりました層の皆さん方にも一部御負担をいただかなければならなくなりましたから、その層の皆さん方には、やはり前回に比べればそれは負担増になっていることは間違いがないというふうに思っております。しかし、今までお払いをいただいていなかった皆さん方の中にも一部御負担に耐えていただける皆さん方もお見えになりますし、そして、それでもやはり耐えられないとおっしゃる方にはそれ相応の対応を考えていかなければならないというので、我々もいろいろなことを考えているわけでございます。
 ですから、それらのことを今やっている最中でございまして、さらにまた、今後の動向を見ながら、皆さん方の介護というものに対して余り大きな御負担にならないようにどうしていったらいいかということを、トータルでやはり考えていかなければならないというふうに思います。

○小池晃君
 介護サービスの利用が予想を下回っているという報道もされています。
 東京の板橋区では、二〇〇〇年度当初予算で介護保険の給付に見込んでいたのが百五十億円。しかし、そのうち三十二億円は利用されずに浮いてしまう、保険料に換算すると六十五歳以上の保険料を五億円取り過ぎという、そういう驚くべき数字も出ているんですね。
 私、これ、本当に利用される制度として、持続可能な制度として、そういうふうにしようと思っているんであれば、国の責任でやはり保険料、利用料の減免というのは直ちにこれは取り組むべきだということを申し上げたいと思います。
 さらに、基盤整備の問題ですが、特養老人ホームの待機者が急増しております。
 千葉県では、九九年十月一日には千三百八十八名だったのがことし四月一日、県の発表では六千六百十三人、奈良でも九百四十人からことし一月十五日現在で千六百四人、介護保険になって急増しているんです。
 保険料徴収も始まったのに、特別養護老人ホーム、入りたくても入れない、待機者がどんどんふえている。これじゃ、まさに保険あって介護なしです。直ちにこれは是正の措置をとるべきだと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(坂口力君)
 特別養護老人ホームの入所待機者というのは、かなり地域差もあるようでございます。私も、いろいろの地域にお邪魔をさせていただいて、それぞれの地域でいろいろの御意見をお伺いをいたしておりますが、中には、今まで非常に待機者が多かったんだけれども、新制度になってから十分の一に減ってしまったということをおっしゃる地域もあるわけでございますし、また、今御指摘になりましたように、待機者が非常に多くて困るというふうにおっしゃる地域もございます。
 やはり、都市部におきましては待機者が非常に多いという傾向があることは間違いがございませんので、そうした地域におきましてより積極的にやはり待機者が少なくなりますように対応していかなければならないというふうに思っております。

○小池晃君
 今、いろいろと地方によってはあるんだとおっしゃいましたけれども、では厚生労働省として待機者の実態調査はやったんですか。

○国務大臣(坂口力君)
 今ありますのは十二年に調べたものだけでございます。したがいまして、ごく最近のものというのはちょっとございませんので、最近のものは最近のもので、もう一度調べたいと思っております。

○小池晃君
 実態調査は介護保険が始まってからやっていないわけですから、直ちにやるべきだというふうに思います。
 さらに、医療費の問題、最後にお聞きしたいんですが、経済財政諮問会議で医療費の総枠制が検討されているという報道があります。日本の対GDP比の医療費というのは極めて低い、OECD加盟国の中で二十位だと。医療費に総枠制を導入するということは、こうした低水準に据え置くためにも一層の受診抑制というのが必至になってしまう。これ導入すべきじゃないと私は考えます。
 医療費の総枠制についてどのように考えておられるのか、厚生労働大臣と財務大臣にお伺いをしたいと思います。

○国務大臣(坂口力君)
 まだ総枠制をどうするかというようなことが本格的に議論をされているわけではございません。新聞紙上でそういう議論が出たりいたしております、議論といいますか記事が出たりいたしておりますけれども、まだ私の方がそういう議論に参加をしたことはございません。
 これから、しかし、ことし一年をかけまして医療問題、議論をしていかなきゃならないわけでございまして、その中でとりわけ大事なのは高齢者医療でございます。
 高齢者がだんだんとふえていくわけでございますから、高齢者が増加する分はこれはお認めをいただかなければならないというふうに私も思っておりますが、高齢者が増加する分よりもはるかに超えて二倍も三倍も医療費がふえていくというところは、そこはやはりチェックすべきところはチェックをさせていただかざるを得ないというふうに思っております。
 したがいまして、この高齢者の増加によりますところはお認めいただくとしても、それ以外のところにつきましては、チェックをしながら、全体としてやはり医療がお若い皆さん方の御負担が余りにも大きくならないように考えていくのが本当の医療制度ではないかというふうに思っております。

○国務大臣(塩川正十郎君)
 坂口厚生労働大臣の答弁で尽きておるわけでございますが、この問題につきましては、午前中も総理と小池さんの間で激しくやりとりされまして、大体そのような趣旨が政府の方針でございます。
 要するに、所得あるいは国民経済の成長の伸び以上に飛躍的に医療費が伸びておるから、この際にそのバランスをとっていかなきゃならぬということでございまして、十四年度におきましてもこの配慮を十分いたさなきゃならぬということでございます。

○小池晃君
 総枠制というのはどういう制度かというと、今までは、いろんな受診抑制はやりましたけれども出来高払いで、基本的に必要な医療が積み上がってそれで日本の医療費は決まってきたわけです。総枠制ということは、これは国が一年間の医療費はこれこれ幾らだと、それを決めてしまって国民に強制する制度。
 例えば、こんなことをやったらば、一年たって三月でその年決めた国民医療費全部使いましたと。そうしたら、一体どういうことになるのか。三月は全部自己負担でやってください、一カ月間自己負担で受けてくださいということになるのか。あるいは医療機関に全部その分はこれは持ち出しでやってくださいということになるんでしょうか。こんなことをやったら私、本当に手のかかる患者であるとかあるいは費用のかかる患者さん、もうどんどん切り捨てていくということになりかねないんじゃないかと。
 こういう中身を来年度予算の枠組みを決める経済財政諮問会議の中で医療費の抑制策の目玉として出そうとしているという報道があるんですよ。私が言ったような趣旨お聞きいただいた上で、総枠制ということのあり方がこれはどうなのか、これをどのように考えるのか、今ちょっと坂口大臣もそこのところはっきりおっしゃらなかったけれども、もう一度言っていただきたい。

○国務大臣(坂口力君)
 あなたがおっしゃっているような総枠制はない、私は断言できると思います。きょうも午前中にもいろいろ御議論ございましたけれども、患者さんが減るからだめだというお話がございましたが、患者さんが減るということは歓迎すべき面もあるわけですから、そこはよくお考えをいただきたいと思うんです。

○小池晃君
 何を言っているんですか、私は予防活動は重視することは当然と思うんです。予防を重視して病院にかからないで済む元気なお年寄りが、塩川さんみたいに元気なお年寄りがどんどんふえるということは私は大切だと思いますよ。そのことは重要だと。ただ、窓口での負担増をしてそれで病院にかかりにくくするような、そういうやり方は景気回復にとっても医療費の節約、効率化という点から見ても、これはどう考えても悪循環であるということを申し上げたのであって、今のは曲解であるということを申し上げて私の質問を終わりたいと思います。

○委員長(岡野裕君)
 以上で小池晃君の質疑は終了しました。(拍手)

 

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