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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

154-参-通常国会
2002年2月1日 予算委員会速記録


○委員長(真鍋賢二君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。

○小池晃君 今回のアフガン復興支援NGO会議への一部NGO参加拒否の問題をめぐる事態、これ国会がどう解明するか、国民が注目しております。参加拒否に至る経過を外務省にお聞きをしたいと思います。 このNGO会議への招待状は幾つの国内NGOに送られたんでしょうか。

○政府参考人(重家俊範君) 参加申込みを行っていただいたのは十五団体でございます。

○小池晃君 招待状を十五団体へ送られた。その送られた相手に、ピースウィンズ・ジャパンあるいはもう一つのジャパン・プラットフォーム、この問題の二つのNGOは入っておりますか。

○政府参考人(重家俊範君) 入っております。

○小池晃君 この招待状、何て書いてあるか。貴団体、二十日のNGO会議への参加をお待ちしています、そうして、十六日までに登録用紙を返送するように書いてあるんです。私、現物いただきました。招待しているんですよ。こういう事態あるわけです。
 ピースウィンズ・ジャパンの事務局に私、聞きました。一月十日にこれ、Eメールで外務省から来たそうです。十六日に参加する返事をした。十七日には外務省からこういう返事があったそうです。私たちはあなた方の代表をNGO会合に登録しました、ついては、十九日の十八時から個人識別IDカードの発行を受け付けます。間違いありませんね。

○政府参考人(重家俊範君) そのとおりでございます。

○小池晃君 私ね、これ重大な事実だと思いますよ。今までは国会では何が問題になっていたか。十九日の夜の会場、ホテルに来て、そこでどうこうなったという話だった。そうじゃないんですよ、これ。もう外務省は何と十日の時点で招待しているんですよ、問題となったNGOを。それで、参加の返事も来て、十七日には外務省から参加登録しましたという返事を出しているんですね。だから、つまり当初は、外務省はこの二つの団体を排除するつもり、毛頭なかったわけであります。
 この塩崎恭久衆議院議員のホームページ、拝見しました。前自民党外交部会長です。このホームページにも、今回のNGO会合への参加は外務省が招待したものであるのに、なぜ急に拒否されるんだろうか、ジャパン・プラットフォームにちゃんと招待したんだというふうに言っているわけです。当然であります。アフガン支援では実績のあるNGOだった。参加させない方が不自然であります。だから、ずっと参加させるという方針で来た、招待状まで出した、受付もしていた、それなのに、その後なぜか覆ったと。これ、一体いつかという問題なんですね。
 重家局長が、十九日午後四時ごろ、NGO代表の大西さんに電話している。そのとき、鈴木宗男氏に電話するよう言ったという話であります。参加やめてくれというふうには言っていない。その時点では、参加させるということがその時点での決定だったと思うんですが、いかがですか。

○政府参考人(重家俊範君) 十九日にお電話した際は、参加の辞退をしていただく可能性はありませんかという趣旨のことを申し上げたと思います。

○小池晃君 参加を取り消す可能性があるかもしれないと言ったけれども、参加拒否決まっていなかったわけですね、その時点では。それは間違いないですね。

○政府参考人(重家俊範君) 先ほど申し上げましたように、参加辞退の可能性はないかということを申し上げた次第であります。

○小池晃君 私が聞いているのは、その時点では外務省としては参加拒否という決定をしていなかったですねという確認をしているんです。

○政府参考人(重家俊範君) 先ほど申し上げましたように、参加辞退の可能性はないかということを申し上げましたし、このままでは難しいということも申し上げたところであります。

○小池晃君 要するに、その時点では参加拒否は決まっていなかったんですよ。だから、NGOの代表も参加するつもりでホテルに行っているわけです。IDカードを受け取りに行ったんです。そうしたらば、宮原中東二課長がホテルに夜七時に駆け付けてきたと。ここで初めて正式な参加拒否を伝えたわけであります。つまり、この間に、参加拒否という方針がこの短期間に固まったわけですね。
 一体この背景、一体何があったのか。これ、一番分かりやすい説明というのは、午後四時の電話で大西さんに対して重家局長が鈴木宗男氏に電話するようにと言った、しかし結局そういうことにならなかった、だから参加を拒否したと。これはどう考えたってこういう経過だと余りに明白じゃないですか。いかがですか。

○政府参考人(重家俊範君) 恐縮でございますが、そういうことではありません。決定的だったのは十八日の朝日新聞でございます。

○小池晃君 余りにもこれは無理がある話だと思うんですね、私。外務省というのは十八日の新聞を十九日の夕方に読むんですか。そんなばかなことはないんですよ。十八日の記事が原因だったらば、十九日の夕方になってこんなどたばたどたばた慌てて決定するなんということになるわけない。余りにもこれは不自然であります。
 これ、一番分かりやすい説明はこういう説明なんですよ。このどたばた劇をどうやって解明するか、この主役はだれかというと、問題の人物、鈴木宗男さんであります。重家局長が大西さんに電話するように言ったその鈴木宗男さん以外考えられない。鈴木宗男さん、このNGO、大嫌いなんです。お上を余り信用しないのが許せないらしい。十八日に朝日新聞を、モスクワに出張されていたんです、彼は。出張先のモスクワで鈴木宗男さんは読んだ。激怒した。そして、十九日の午前十一時過ぎに日本に帰国しているんです。その日の午後になって外務省は、NGO代表の大西さんに電話して鈴木宗男さんにわびを入れるように頼んだ。
 私、直接NGOの方に聞きました。こういう電話だったそうであります。朝日の件で鈴木さんが立腹している、このままでは参加が難しくなる、この良くない状況をひっくり返すためには鈴木さんに電話をするように。極めて明快な分かりやすい話ですよ。それがままならないから、このままでは鈴木さんの怒りが、矛先が外務省に向かってしまう、それを恐れた外務官僚が慌てて十九日の夜、会議のもうぎりぎり瀬戸際になってこれを覆したと。これが皆、だれが聞いたって一番つじつまが合う話だと私は思う。
 私、総理にお聞きしたい。総理は先ほど、鈴木議員の発言によって影響を受け過ぎたと。これ、つまり今回の実態というのは、正に鈴木議員の影響を受けてこういう経過で、具体的にどうだったか分かりません、しかし鈴木議員の影響によって出席拒否ということになったというふうに、もうこれ、総理はそういう御認識であるということですね。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 経過の、ああ言ったこう言った、それは私はよく分かりませんが、簡単に言えば影響を受け過ぎたんでしょう。そこが外務省のだらしないところですよ。

○小池晃君 要するに、今回の事態に、一般論じゃないですよ、今回の事態についてはそういうことだという認識でよろしいんですね。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まあ、そんなもんですね。

○小池晃君 そんなもんですねで済む話じゃないんですよ。これが今重大問題になっているんですよ。これが正に世界に対して、日本がいかに時代錯誤な国なのか、お上の言うことを聞かない、特定の議員の言うことを聞かないNGOは排除してしまえと、そういう議論が日本というのは通じる国だということになるわけですよ。
 田中大臣は正にこうした事態を国会の場で私は明らかにしようとしたんだろうと思う。当然のことだと思う。しかし、総理、あなたは正にこのような事態に独り立ち向かった田中大臣の首を切ったわけです。正しい行動をした田中大臣がなぜ首切られなきゃいけないのか、国民はみんなそう言っているんです。正にこれが国民の怒りなんです。あなた、この怒りにどうこたえるんですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 正しい決断をして外務省をまとめればよかったんですよ。そうすればこんな混乱は起こらなかったんです。外務省省内の問題で、私の言うとおりしなさいと、きちんと収まったはずなんです。それが国会全体の問題になっちゃって国会審議ができなくなっちゃった。それで私は、これは混乱の責任を取る、私が乗り出さないと、また言った言わない、本筋の問題でないことで国会審議が空転して予算成立が遅れちゃいかぬということで私が乗り出して、今日こうして正常化のうちに議論が進んで補正予算も早く成立する運びになっている。そうでしょう。

○小池晃君 国会審議が混乱した原因というのは、本を正していったら何なのか。これは正に自分の言うことを聞かないNGOは排除しろというふうにごり押しする、そして、こうした経過をやみに葬ろうとする、だれですか、鈴木宗男さん、あるいは野上事務次官を始めとする外務官僚じゃないですか、本を正せば。
 こうした経過に一切白黒付けることなく、一切これをやみに葬るということをした。あなたがした。そのために正しい行動をした大臣が首になった。小泉内閣というのはこんな不条理なことが通用するんですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) すり替えないでくださいよ。これは外務省内で片付ける問題なんです。大臣が、正しいことをやったら正しいことをしたと従わせればいいんです。NGOを正しく変換したじゃないですか。それで、これからこんなことはしないようにしなさいよと指示すれば収まったんです。

○小池晃君 外務省内だけで解決しろと。あなた、じゃ、田中大臣が外務省内で独りだけで立ち向かって解決しなかったから悪いとでも言うんですか。あなたが政治改革だ、改革だと言っていたのは、正に族議員の抵抗にひるまない、そういうのがあなたは自民党を変えるということで言っていたんじゃないですか。
 それを、じゃ、田中大臣は外務省で独り立ち向かっていた、あなたはそれは外務省の問題で自分は関係ない、大した問題じゃないと言ってきた。それがあなたの言う政治改革なんですか。とんでもないですよ。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは常々私が言っているように、一部の議員が何を言おうと、正しければ受け入れていいけれども、そうでなかったら受け入れる必要ない。各省きちんとしろと。きちんとすれば問題なかったんですよ。

○小池晃君 全くきちっとしていないんですよ。
 もう一回言いますよ。この経過を見れば、先ほど言ったように大臣お認めになった、総理お認めになったんですよ。この経過は、やはり鈴木議員が、これは影響を受けて出席拒否という経過に至ったと。これは明らかに誤った行動じゃないですか。
 一方で、それを国会の場で、これを正しい、事態を告発しようとした田中大臣の行動は正に正しい行動じゃないですか。何で、正しい行動をした田中大臣が首を切られ、そして誤った行動をした議員に対して何の黒白も付けられないまま真相はやみに葬られようとしている。これで何の解決になるんだというふうに私は言っているんです。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは省内できちんと、大臣は最高責任者なんですから省内の官僚と協調体制を取ってきちんと正しい行動をすればいいんです。きちんと収まるはずだったんです。国会全体の紛糾する問題じゃないんですよ、この問題は。しかし、紛糾しちゃった。そこで、政府内の問題、国会全体の問題になったから私の責任に来た。この事態を早く打開するのが私の責任だったからあのような処置をして、早くこの正常化に向けて努力しなきゃいかぬということで、今おかげさまで正常化に向かっていると。

○小池晃君 こんな不条理なことが通用する政治を変えるというのがあなたの言う改革だったんじゃないか。小泉改革なるものが実は全くのまやかしだったということが私ははっきりしたということを申し上げて、私の質問を終わります。

○委員長(真鍋賢二君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手)

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