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155-参議院臨時国会
2002年12月12日 厚生労働委員会・医薬品機構法案審議

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 八十一名もの副作用被害の死亡者を出した抗がん剤イレッサについて、改めてお聞きしたいと思います。

 八月十九日にアストラゼネカが FDA に対して生存率に有意差がないという情報を報告していたと。前回の質疑で、医薬局長はこのことを厚労省の担当部署は承知していたというふうに答弁されていますが、厚労省の担当部署とはどこで、そして情報を得たのはいつか、お答えいただきたい。

政府参考人(小島比登志君)

 情報を受けた部署は、医薬局審査管理課と医薬品医療機器審査センターというところで情報を受けたということでございます。この時期は、アストラゼネカ社が発表いたしました八月十九日、日本時間に直しますと二十日ということになろうかと思います。

小池晃君

 局長には報告は上がったんでしょうか。

政府参考人(小島比登志君)

 それは聞いておりません。

小池晃君

 これ、重大だと思うんですよ。イレッサの保険適用を決定した中医協総会というのは八月二十一日なわけです。ですから、前日に厚労省は、この重大な情報が審査管理課、審査センターには届いていたが、その翌日に保険適用を決定して薬価収載したということなんです。

 私の手元に、この問題になっている生存率に有意差はないというレポートがございます。二種類の第三相試験の結果なんですが、一つは対象者千九十三名のインタクト 1 、もう一つは対象者千三十七名のインタクト 2 です。いずれも大規模なこれは調査であります。

 これを見ますと、インタクト 1 では、平均生存期間が、これはプラシーボ投与の場合が十一・一か月、二百五十ミリグラムで九・九か月、五百ミリグラムで九・九か月。これ、有意差はないと言うんですが、よく見ると、平均値だけ見れば、むしろ投与群の方が、投与した方が平均生存期間は短いわけです。それから、インタクト 2 を見ますと、プラシーボで九・九か月、二百五十ミリグラムで九・八か月、五百ミリで八・七か月ですから、これも同様に投与した方が短いんですね、生存期間は。私、いずれの場合も、これ、二百五十ミリと五百ミリを合わせれば有意差はあるんじゃないかと思うんです。

 こうした重大な情報が届いていながら、翌日には保険適用を決めた。保険適用というのは、これは保険局によれば、中医協では、安全性や有効性はこれは医薬局で承認していれば、そのことを検討するわけじゃないんだ、これは保険収載の是非と薬価を決めるだけだというふうに言っている。しかし、保険収載の前日にこれだけ重大な情報が来ていたんであれば、これは私は医薬局として、保険局に対してこれはちょっと待ってくれ、ちょっと待つべきじゃないかと言って当然だと思うんです。

 ところが、それなのに、審査管理課から情報が上に上がっていない、そこにとどまっていたと。これは極めて重大じゃないですか。医薬局長、どうですか。こういうやり方に問題があると思うんですが、いかがでしょうか。

政府参考人(小島比登志君)

 当時の医薬局は、このアストラゼネカ社の試験が行われていることを承知をしておりました。

 本臨床試験は、アストラゼネカ社が適用を拡大する目的で、抗がん剤を初めて投与された患者に他の抗がん剤とイレッサ錠を併用してイレッサ錠の上乗せ効果を評価しようとしたものでありまして、その結果が延命効果、先生御指摘のように、いろいろ御意見はあろうとは思いますが、認められなかったというふうに聞いております。

 一方で、我が国では、他の抗がん剤を用いても効果がなかった患者に対しましてイレッサ錠を単独で投与して腫瘍の縮小等の効果が認められたことを評価したものでございまして、御指摘の臨床試験とは対象となる患者、用法が異なることから、我が国では承認内容に影響を与えるものではないということで承認取消しはしなかったということでございます。

小池晃君

 しかし、この試験は第三相試験なわけです。第三相試験について言えば、有害事象についての報告はほかにもありますけれども、有効性を検証したものはこの試験しかないはずです。今、局長がおっしゃったのは第三相試験ではありませんね。セカンドステージ、セカンドフェーズの試験じゃないですか。第三相試験の結果が出ている、有効性の結果が出ている報告はこのインタクト 1 、インタクト 2 、これだけじゃないですか。この点について確認していただきたいと思う。

政府参考人(小島比登志君)

 私が理解ができないのかもしれませんが、要するに、先生が御指摘の試験は併用でやられた試験であると、それで我が国で行ったものはイレッサ単独の投与の試験であるということで、違うということではないでしょうか。

小池晃君

 それは違うことは百も承知なんですよ。ところが、第三相試験ではもうこれ千人単位でやっているわけです。局長がおっしゃったのは第二相試験なんですよ。百人ぐらいの試験なんですよ。それが第三相試験で、確かに対象者は違いますよ、併用だということはありますよ。でも、より大規模な試験の中で有意差がないという情報というのは、私は、これは切って捨てるような情報ではない、これは十分検討に値すると。それを重大な情報として考えなかったということが極めて重大じゃないかと言っているんです。

 そのことは、例えばこれはアストラゼネカが出しているパンフレットを見ると、この中でアストラゼネカ社の研究者は言っているんですよ。この秋にはこの第三相試験の結果が出ます、発表される予定ですというふうに予告をしているわけですね。これだけ注目をされた試験だったわけですよ。ところが、その結果が出たらば、これは効果なしだったと。これ、ショックを与えているんです。

 例えば、ヨーロッパで十月の下旬にフランスで開かれたヨーロッパ臨床腫瘍学会では、このインタクト 1 、2 の結果が報告をされている。大変残念な結果だというふうに報告をされているんです。そして、まとめの言葉として最後に締めくくり、こういうせりふなんですよ、これがイレッサの終えんにならないよう願っていると。これ、大変なショックを与えているわけですよ。外国ではそういう議論をしていたと。それなのに日本では、だって局長まで行っていないわけでしょう、情報が。審査管理課のレベルでこれは取るに足らないと。それで翌日保険収載しちゃったわけじゃないですか。こういうやり方に問題はないのかと。

 私、今まで説明しましたけれども、それでもこのインタクト 1 、インタクト 2 の生存率に有意差がないというのは承認に影響を与えるほど、あるいは保険収載をストップさせるほど重大な情報ではなかったと、そういうふうに局長は認識をしているんですか。お答え願います。

政府参考人(小島比登志君)

 少なくとも、当時の医薬局の中の判断ではそれは違った試験であったというふうに考えていたと思いますし、また FDA におきましても、八月十五日より後の九月二十四日に、医薬品に関する諮問委員会が当イレッサの承認の勧告をしているというふうに聞いております。

小池晃君

 大臣に伺いたいんですけれども、これ、こういう重大な情報が来て局長まで行っていないわけですよ、審査管理課のところにとどまっていると。こういう保険収載の前日に、有効性に関して重要な情報が出ていながら、こういう情報が省内を横に行かないと。私は、こういうのは省内で連絡を取り合って、これはやっぱりいったん、ちょっと待って、ストップを掛けると、こういうことがないからどんどんどんどん薬害の被害って起こるんじゃないですか。

 私は、こういうストップを掛けて、取りあえずちょっともう少し時間掛けて検討しようということがあってしかるべきだったと思いますが、大臣、いかがですか。

国務大臣(坂口力君)

 これは、薬務局長はまだその当時局長じゃなかったわけで、そういう面では、彼は聞いていないと言うのはそれはそのとおりかと思うんですが……

小池晃君

 そういう意味で言わないでしょう。それはないだろう。そんなの駄目だよ。

国務大臣(坂口力君)

 それは彼に言ったって、それは駄目で。ただし、今御指摘になりますような事柄について省内でいろいろ横の連携はしなければならないことは、それは当然でございますから、そこは先生の御指摘のとおりと思います。

小池晃君

 いや、そのとき局長じゃなかったから聞いていなかったという、そういうことじゃないでしょう、行政の継続性があるんですから。それは、その当時の局長は聞いていなかった、そこには報告が上がっていなかったということですね。そういうことですね。

政府参考人(小島比登志君)

 そういうことです。

小池晃君

 そういうことだと。

 ところで、イレッサの薬価は幾らですか。

政府参考人(小島比登志君)

 イレッサの薬価でございますが、本剤の薬価は二百五十ミリグラム一錠七千二百十六円十銭でございます。

小池晃君

 一錠七千二百十六円ですよ。もうすさまじい高価な薬なんですよ。私は恐らく内服薬では日本最高ランクだと思います。これ、一錠七千二百十六円の薬が現時点での使用症例数と販売総量を答えていただきたい。

政府参考人(小島比登志君)

 アストラゼネカ社から報告を受けております使用症例数でございますが、十一月三十日現在で推定使用症例数として一万八千百二十、それから販売数量、これも十一月三十日現在ですが、販売錠剤数といたしまして百一万百二十八錠ということになっております。

小池晃君

 ということは、わずか四か月で、単純に掛ければ七十二億九千万円という驚くべき売上げを上げているわけです。これ中医協に提出された市場予測規模では、初年度は七千五百人、ピーク時の十年後でようやく一万九千八百人という予測が出されております。ところが、当初の予想を超えるほど本当売りまくっているわけです。

 私、これ宣伝パンフレットをいろいろとアストラゼネカから取り寄せましたけれども、いただきましたけれども、もう去年ぐらいから次から次へとこういう宣伝パンフレットを出しているわけですよ。(資料を示す)これなんか、わざわざこのために雑誌まで作っているんです、アストラゼネカがスポンサーになって。それでさんざん宣伝をしている。そして、わずか四か月で約七十三億円の売上げを上げた。私はもう、これでもし万が一中止なんということになったとしても研究費、元を取ったんじゃないかと思うぐらいもう売上げを上げているんじゃないかと思うんですよ。

 大臣に私お伺いしたいんですが、まあいろいろあるでしょう、恐らくこの薬で良くなったという方も、私、中にはいると思うんです。そのことは否定しません。この薬が期待されていたということも私否定しません。しかし、これだけヨーロッパでは議論になっていて、けんけんがくがく、これは問題だというような議論がされているわけですよ。それで、まだどこでも承認されていない。ところが、片や、こういう情報は一切、こんなふうに危険だなんて議論があるなんてだれも知りませんよ、国民は。そういう中で、日本では薬価収載後で見れば三か月ですよ、三か月で七十三億円もの売上げを上げるほど大量に使用されているわけです。

 私、この経過を見て、こういう何の歯止めもなく、承認されたらもう一気に広がっていく、こういうやり方に私は問題があるんじゃないかというふうに思わざるを得ないんですが、これ、大臣、いかがでしょう。

国務大臣(坂口力君)

 承認されました後、それがどういう広がりがあるかは、それは需要と供給の関係でございますから、それはなかなか予測のできないことでございます。したがいまして、薬のことでありますから、副作用があったりすることも十分にこれは検討をしなければならないことは事実でありまして、そうした面でもしそういうところに十分でなかった点があるとすれば、我々直ちにそこは見直さなければならないというふうに思っておりますが、しかし、今御指摘になりましたように、この薬によって非常にそれが効果を発揮している人のあることもまた事実でございまして、いろいろメール等におきましても、いかにこの薬を待ち望んでいたかという患者さんの、患者団体の代表の人のメールも来たりもしているわけでございます。安易にこの問題を、駄目だといって一喝の下にこれをなくしてしまうということは、これを待ち望んでいた人にとってそれがいかにつらいことかということも理解をしてほしいということも来ているわけでありまして、それらの点を相互やはり考えながらこの問題に決着を付けなければならないというふうに思っております。

小池晃君

 いやしかし、生存率に有意差がないんだというようなことを皆さん御存じないですよ、この薬に期待をたとえ掛けている人であっても。そういう情報というのは真っ先にまず厚生労働省に来るわけじゃないですか。アストラゼネカがまず報告をしているわけですよ。そのときの厚生労働省の対応が私問われているんだと思うんですよ。そのときに何のストップも掛けず、そのまま翌日保険収載して、そしてこんなふうに広がっていったということに私はこれ重大な責任があると思いますが、大臣、その点どうなんですか。全くこれは、売り出してどれだけ広がるかは、それはもう需要と供給の関係で市場が決めることだと、そんな無責任なことでいいんですか。もう一度お答え願いたいと思います。

国務大臣(坂口力君)

 いや、薬が売れるか売れないかはその効き具合によっても決まってくるわけでありますしいたしますから、そこは私にそれを言われても、それはなかなか答えにくいということを言っているわけであります。

 したがいまして、ただ、これを決めたときにどういう経緯であったかということについては、そこに誤りがなかったかどうかということは、これは常にどの薬であれやっぱり検証をしなきゃならないことでありますから、そういう副作用が出ているということが多ければ、当然のことながらこれはすぐに検証をしたいというふうに思っている次第でございます。

小池晃君

 これ一般論でなくて直ちに緊急に点検すべきですよ、検証すべきですよ、どういう経過だったのか。私は、このイレッサをめぐる申請から承認、そして保険収載に至る厚生労働省の一連の対応、これやっぱり徹底的に解明することが求められていると。何でこんなことが起こったのか。今回の新薬審査、中でも優先審査という在り方にどのような問題点があるのか、そのことを徹底的に解明する、その中からこそ私は新たな医薬品の副作用対策をどう進めるべきかという教訓が出てくるはずだと思う。そのこと抜きにこの仕組みを通してくださいなんというのは、私はもってのほかだと。とにかく、こんなことをやればまた新たな被害を拡大するだけだというふうに思います。そのことを申し上げておきたいと思います。

 その上で、被害者との協議の問題ですが、これも、この法案審議の冒頭で大変問題になった患者団体よりも製薬業界に先に説明していたという問題であります。

 これ、いつどこの団体に説明したのか、詳細に報告をしていただきたい。

政府参考人(小島比登志君)

 日時を追って御説明申し上げますと、日本医療機器関係団体協議会等、医療機器関係団体につきましては七月三十一日、それから日本製薬団体連合会等、医薬品関係団体には八月一日、それから八月七日にはこの両団体と外国の関係団体という形で説明、意見交換をしております。それからさらに、先ほどの医薬品の方の関係団体には八月二十八日、医療機器の団体には八月二十一日というところでございます。

小池晃君

 外国の関係団体とはどこですか。

政府参考人(小島比登志君)

 欧州、米国、それから在日米国商工会議所、欧州ビジネス協議会というところでございます。

小池晃君

 日本の患者団体よりも先に製薬企業、更に外国の製薬企業の方に先に説明していたという驚くべき実態だと思うんですけれども、局長は八月上旬だとおっしゃいましたよね、委員会では。七月三十一日というのは八月上旬じゃないんじゃないですか。これ国会でうそをついたということになりませんか。

政府参考人(小島比登志君)

 私が八月上旬と申し上げましたのは、この一連の協議は八月上旬ということでございまして、メーンは八月七日ということを私承知しておりましたものですから、まあ八月上旬と申し上げたんですが、確かに七月では八月ではないということは確かだと思います。

小池晃君

 国会で、前回、薬事法成立したのが七月の二十五日ぐらいだったと思いますから、その直後ぐらいにもう説明を始めているわけですよ。そして、被害者団体に説明したのは九月に入ってからと。

 大臣、お伺いしたいんですが、こういう体質、私、徹底的に改めるべきだと。大臣もこんなことあってはならぬというふうにこの間おっしゃった。大臣の先ほどの冒頭の発言では、医薬品等による健康被害を受けた方々の代表を含めた学識経験者の幅広い意見を反映するため、現行の評議員会に相当する審議機関を設置するとしていますが、意見を反映するというだけでメンバーに入れるわけじゃないというのじゃ駄目だと思うんです。当然、被害者をこの審議機関に参加させるべきだと考えますが、大臣、いかがですか。

国務大臣(坂口力君)

 審議会のメンバーにつきましては、これはその理事長と申しますか、そこの施設長が行うことになるわけでありますから、私が余り具体的にだれだれというようなことを言うわけにはまいりません。適切な人を、そこに必要で適切な人を入れるという大原則を私は伝えたいと思っております。

小池晃君

 いや、だから、この書き方非常にあいまいなわけですよ。被害を受けた方を入れるという書き方じゃなくて、被害を受けた方々を含めた学識経験者の意見を反映するためと二重三重にただし書が付いたような書き方なんです。

 だれを入れるというのはそれは言えないというのは分かりますよ。ただ、やはり薬害の被害者をこの協議機関の中に入れていくということは基本的な考え方として大臣はおっしゃるべきじゃないですか。いかがですか。

国務大臣(坂口力君)

 先ほど読みましたとおりでございまして、その中に我々の意思は含まれていると思っております。

小池晃君

 それから、更にお聞きしたいんですが、安全対策業務の問題ですが、これは大幅に増員することが必要だと思うんですが、現状の安全対策業務にかかわっている職員数は何人なんでしょうか。現行の機構と本省でお答えいただきたい。

政府参考人(小島比登志君)

 本省の方では六人でございます。機構の方では七人でございます。

小池晃君

 本当に少ないわけです。この数を新法人ではどれだけ増やそうとしているわけですか。

政府参考人(小島比登志君)

 三十人から四十人程度の体制が必要だということを考えているわけでございます。

小池晃君

 これ、そうおっしゃっているんですが、現在の医薬品機構の理事長の宮島彰氏は、「日刊薬業」の十月十七日付けで、安全対策増やすとは一言もおっしゃっていないんです。審査官増員のスケジュールについては、〇四年度から〇六年度にかけて毎年三十人程度増やし、三年間で百人程度増やすことになると。審査官を増やすと言っているだけで安全対策増やすと言っていませんけれども、これは間違いなく安全対策の担当の人も増やすということなんですか。

政府参考人(小島比登志君)

 私どもは、安全対策につきましては機構も新機構も大変重要な役割を果たすというふうに思っておりまして、これは必ず今申し上げました三十人から四十人の体制を確保していくというつもりでおります。

小池晃君

 大臣にお伺いしたいんですが、今紹介したように、宮島さんはまるで新法人の理事長のように具体的なことを新聞で答えているんです。これ、大臣が新法人の理事長を決めるわけですよね。大臣、これ、宮島さんがもう次の理事長になるということになっているんでしょうか。

国務大臣(坂口力君)

 適切な人を決めるということを決めております。

小池晃君

 理事長は大臣が指名するわけですから、ですから大臣の御意思だと思うんです。

 私は、厚労省の天下り、特に医薬局長経験者などが医薬品全体の機構の責任者になるということなどは到底国民あるいは被害者の理解を得られるものではないというふうに考えます。こんなことは決してしないというふうに思うんですが、適切な人ということであれば、こういった人は含まれないと、厚労省の天下りは理事長には据えないというふうに明言すべきじゃないですか、いかがでしょう。

国務大臣(坂口力君)

 そこは共産党の考え方と皆がオーライと言うわけではありません。皆それぞれの考え方があるわけでありますから、多くの皆さん方の御理解を得られるような人をしたい、こういうふうに思っています。

小池晃君

 全然、そんなの答弁じゃないですよ。だって、共産党の考えじゃないですよ。これは正に被害者の皆さんみんな言っていることですよ。

 併せてお聞きしますけれども、その職員の問題ですが、製薬企業等の元職員の新法人への就職と新法人の役職員の退職後の再就職について、国家公務員に対する離職後従事制限の例を勘案して一定の制限を行うとおっしゃいましたけれども、製薬会社元職員の新法人への就職については、これは公務員の離職後従事制限に倣うことはできないんじゃないですか。何でこんなことが可能なのか、どういうことを考えているのか、説明していただきたい。

政府参考人(小島比登志君)

 製薬企業等の元職員につきましては、個人の資質、能力を判断をいたしまして採用の可否を決定したいということを思っているわけですが、しかしながら、一定の職員の方が元の製薬企業のある職に就いていたという場合に、直接その機構のまた関連する職に就くというのも、やっぱり疑いといいますか、健全な姿ではないということでございまして、その退職前の一定期間の職務内容を考慮して、機構に就職いたしましても関連職務には一定期間従事させないということ等を定めることを考えておるわけでございます。

小池晃君

 そうじゃなくて、機構を辞めた後の話じゃなくて、製薬企業の社員を機構に就職させるということが国家公務員の離職後従事制限に倣うというのは一体どういうことなのかと。そこについては先ほどの説明では私は理解できないんですけれども、そこを御説明願いたいということなんです。

政府参考人(小島比登志君)

 公務員法の職員の離職後従事制限の規定におきましては、離職後二年間は離職前五年間に在職していた国の機関等と密接な関係のある営利企業の地位には就いてはならないということを定めているところでございます。これは企業の側から見れば、国をこう入れ替えれば、やはり機構に就職する方についてもこういう考え方というのは当てはまるんじゃないかということであります。

小池晃君

 いずれにしても、今日新たにいろいろと新しい問題が示されました。具体的にはもうまだこれから検討すべきことというのは一杯あるんだろうと思うんです。こんな大事ないろんなこともこれから検討という段階で私は法案を今日通してくださいなどというのは、本当におかしな話だと思うんです。まず顔を洗って出直してくるべきだというふうに思うんですよ。

 そもそも、研究開発振興部門を審査、安全と同じ法人に置くべきでないということをさんざん指摘してきた。大臣は心配ないと言ったわけです。ところが、先ほどの大臣の発言では分離すると言うんです。これ結局、産業振興部門と安全対策は分離すべきだということを大臣も認めたということじゃないですか。

 大体、この産業振興部門と安全対策あるいは審査を一緒にする法案を出して、そして今日採決をするんだと言いながら、同時に分離しますと言う、これは全く支離滅裂じゃないですか。こんなことをやるんだったら、まず大臣、これ、法案を出し直すということこそ求められるんじゃないかと思いますが、こんな支離滅裂なやり方を大臣はどう説明されるんですか。

国務大臣(坂口力君)

 一緒にしていたら一緒にしていたと言って文句を言うし、分けると言ったら分けると言ってまた文句を言うし、それは何をやっても文句を言う人はいるわけです。これはまだちゃんとそういうふうにしますというところまでは書いていない。まだそういった受皿もないんですから、そういう受皿が将来できましたらそのときに検討しますということを書いているわけです。

小池晃君

 分けると言ったからそれに文句を言っているんじゃないんですよ。一緒にするということに対して、それは違うじゃないかと、これは別々にすべきじゃないかと言ったらば、それは大丈夫だ、安心しなさいと言いながら、一緒にするという法律を通して、片や分けますというのは支離滅裂じゃないですかと言っているんです。こんなでたらめな話ないですよ。こういうのを出すんだったら、まず、これは間違っていました、これは全部引っ込めて、頭を冷やして、正月よく考えて、もう一回出直してきますと、これが当たり前の態度じゃないですか。それなのに、こんなに支離滅裂なことを片ややって、片や通しなさいと、こんな話じゃない。こんなのでたらめじゃないですか。

 大臣、私言っているのはそういうことなんですよ。これは当たり前のことだと思いませんか、私の言っていることを。筋が通った話じゃないですか。大臣、答えていただきたい。

国務大臣(坂口力君)

 余り答えるべきことじゃないように思いますけれども、皆さん方の御意見も尊重をしながら変えるべきところは変えていこうという努力をしているという、こういうことでございます。

 我々の考え方としては大丈夫だというふうに思っていたけれども、いるけれども、しかしいろいろの皆さん方の御意見もある、そこはしかし、我々が思っているだけではなくて、皆さん方の御意見も反映をやはりしていくことを心掛けねばならないということを我々はここに表現をしているわけでありまして、そうむきになって怒るほどのことではないと。

小池晃君

 大臣の言い方は全く分かりませんよ。これは私だけが正しいと思っているけれども、こう言われたから変えるんだと、こんな筋の通らない話はないですよ。この指摘が正しくて言われたとおりだと思うんだったらば、この法案は引っ込めて改めて出し直すと、これが当然のやり方なんですよ。こんなやり方、本当にでたらめだと私は思うんです。(「それをいちゃもんと言うんですよ」と呼ぶ者あり)いちゃもんじゃないですよ。

 そもそも、今日の大臣の冒頭の発言というのは、私は趣旨説明のやり直しだと思うんです。事実上、中身はほぼ法案の根幹部分を修正するようなものだと。だったら私は審議を一からやり直すべきだと。それなのに今日のうちに採決する、こんなことはもう断じて認められない。採決には断固として反対をしたいと思います。

 しかも、今回の法案で最大の問題の一つとして指摘されてきた産業振興部門と、それから審査・安全部門を一つの組織で行うということについて、それをやはり分離すると言い出した。要するに、これは正に法案の根本部分が間違っていたということを認めていることになるんですよ、提出者自らが。だったら潔く撤回するべきだと。事実上の修正のような発言でこれは採決するなんということは私は認められないということを申し上げて、私の質問を終わります。

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