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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

157 臨時国会 厚生労働委員会 感染症法等改正案審議

2003年10月9日(木)


【速記録】
診療報酬 減算方式やめ院内感染対策の推進を


小池晃君

 (中略)それから、併せて院内感染対策の問題をお聞きしたいんですが、これは今の診療報酬では院内感染対策は減算方式という仕組みになっています。これは、果たして技術料評価の方法としてこういうやり方が正しいのか。以前、武見理事も御質問されていましたけれども、質が高い医療をすると、それに見合って技術料が付いてくるということであれば、これは医療の質を高めるインセンティブになっていくというふうに思うんですが、一定のことを決めて、それが満たしていないからペナルティーで減算していくというのは、私は技術料の評価の在り方としては正しくないというふうに思います。

 しかも、院内感染対策はお金が掛かるわけです。これは、例えば大阪の耳原総合病院、ここはセラチア菌の感染事件があったわけですが、この教訓を踏まえて徹底的な対策今やって、国立感染症研究所からも高い評価を得ていると聞いております。ここは、医療材料費や薬剤費、諸経費などで年間六千四百万円費用が新たに掛かるようになったというふうに言っております。

 しかし、今の診療報酬では今言ったように減算で、一日患者一人当たり五十円、もしやってなければ五十円引きますというだけの話になっている。私は、これでは本当に十分な対策ということができるんだろうかということを大変心配するわけです。

 保険局長にお聞きしたいんですが、そもそもこういう減算方式というような診療報酬の仕組みは、やっぱり来春の診療報酬の見直し、ここで撤廃をすべきではないだろうか、それからあわせて、やはり院内感染対策が進むような診療報酬の仕組みを考えていくことが必要なのではないかと。お答え願いたいと思います。

政府参考人(辻哲夫君)

 まずもちまして、御指摘の院内感染対策に関してのことからお答え申し上げます。

 この減算方式は、言わば当該保険医療機関におきまして、病院長や看護部長等で構成される院内感染対策委員会が月一回程度定期的に開催されていること、あるいは各病室に水道又は乾速式手洗い液等の消毒液が設置されていること、こういった要件を満たさない医療機関につきましては、御指摘のように、入院基本料から一定額、一日五点を減額するということになっております。

  〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕

 これは、御案内のとおり、加算から減算に変わったわけでございますが、この考え方といたしましては、確かに技術料という見方あろうかと存じますが、この程度の措置はやはり医療機関の安全確保の観点から当然取ることが基本だという考え方の下で、それを基本にして、しかも、加算点数を入院基本料に包括をいたしました上で減算にしたということで、そのようなことから、こういう措置がむしろ当然取ることが基本だという観点から減算方式というものが妥当だと考えております。

 ただ、技術料との関係で、減算につきましては、方式というものについて様々な議論が行われているということも今承知しておりますので、この点につきましてはこれから十分中医協等で御議論いただくものと考えております。

小池晃君

 私は撤廃すべきだと思います。やらなければ五十円減算されるということは、これはやることが五十円の価値というふうに思われても仕方ないわけで、これはいろいろ理屈をおっしゃいましたけれども、やはり院内感染対策に対してやはり診療報酬上しっかりこれを裏付けするようなものを作っていくということを求めたいと思うんです。

 あわせて、診療報酬にかかわる問題ですが、肝臓がんのちょっと問題なんですけれども、ラジオ波の焼灼療法という治療があります。これは、肝がんの死亡患者数、今、年間三万四千人で、肝臓がんというのは、これはなかなか外科的治療の対応にならないのが二割か三割いるという中で、非外科的な治療というのは非常に重要になってきている。ラジオ波の治療というのが四年ほど前から始まって、これは一・五ミリほどの電極をがんに差し込むと三センチほどの範囲で完全に壊死させるということで、非常に効果が高いと言われている。東大病院ではこの間千二百例以上を治療しているんですが、再発率は一・七%だと言われています。合併症五・八%だけれども、いずれも内科的に治癒していると。入院日数も十四日ということで、手術よりも短い。

 これは、今、高度先進医療ということで認定されているのは全国で三つの大学だけなんですね。ところが、非常に効果があるということで、それ以外の病院でも今非常に広く行われるようになってきている。ところが、指定病院以外、この三つの病院以外の場合は、治療を受ける場合は、大学が研究費で全額負担する、あるいはその病院が全部負担する、あるいは患者さんに全額自己負担させる、こういう仕組みになっておりまして、これだけかなり成果が明らかになり普及されてきている治療が保険で使えないというのは大変問題ではないだろうか。

 私、この問題について速やかに保険適用すべきだというふうに考えているんですが、この点いかがでしょうか。

政府参考人(辻哲夫君)

 御指摘の肝がんに対するラジオ波焼灼療法でございますけれども、これにつきましては、現在、医療保険制度上、平成十三年三月に特定療養費制度である高度先進医療として承認されておりまして、御指摘のように今三病院で承認されているわけでございます。

 この高度先進医療から保険適用への移行につきましては、この一般手続を申しますと、その普及性あるいは技術的成熟度などを勘案いたしました上で、中央社会保険医療協議会での御議論を踏まえて診療報酬改定時に検討すると、こういう手続、取扱いとなっております。

 今御指摘のラジオ波焼灼療法につきましては、各方面からの要望もあると承知いたしておりまして、今申しましたような手続、取扱いの中で今後御論議いただけるものと考えております。

小池晃君

 これは入院期間短いといった経済的メリットもあるわけですから、是非ともこれ保険適用するということを求めたいというふうに思います。

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