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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

156-参議院通常国会 厚生労働委員会 公益法人「見直し」法案審議

2003年5月13日(火)


木村副厚労相に 1 億 3500 万円

医療関係団体から献金

“渡り鳥”で 4 億円懐に

公益法人への天下り官僚 小池議員追及


小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 今日、公益法人の問題を議論をしたいんですが、天下りの問題あるいはその退職金、役員報酬の問題も後ほど議論をしたいと思うんですが、最初に公益法人と政治家、政党とのかかわりの問題から議論をさせていただきたいというふうに思うんです。

 そもそも、大臣に最初にお伺いしたいんですが、公益法人というのは不特定多数の利益の実現を目的とする事業、いわゆる公益事業を行う、そして営利を目的としない法人であると。ところが、その公益法人やその関係団体が特定の政党、政治家に政治献金を行い政治をゆがめているのではないかと、こういう問題が指摘をされております。KSD 事件以来、いろいろ出てきております。

 最初に大臣にお伺いしたいんですが、公益法人が特定の政党、政治家に政治献金を行う、これは不特定多数の利益の実現という公益法人の目的と照らして私は反することになるのではないかと思いますが、大臣の見解を最初に伺いたいと思います。

国務大臣(坂口力君)

 今お話がありましたように、KSD のときでございましたか、確かにこの公益法人と、そして政党、政治家に対する献金のお話が多分出たというふうに記憶をいたしております。そのときにも、これはたしか片山大臣からであったというふうに記憶いたしておりますが、公益法人といえども献金をすることは禁止されていないというお話があったというふうに記憶をいたしておりますし、公益法人も中身はいろいろでございますから、公益法人といえども献金をすることは許される範囲の中に入っているというふうに思っております。

 ただしかし、そうはいいますものの、公益法人の中におきましても、午前中から議論のありましたとおり、国からの多くの補助金等によって賄われているというような公益法人もあるわけでございますから、ほとんどが国からの出資によって行われているというようなところにつきましては、それはやはりその公益法人といたしましてもよく自覚をして行動をしなければいけないというふうに思う次第でございます。

小池晃君

 そういう不特定多数の利益を実現する組織だからこそ、献金をする場合には多くは政治団体を作って献金をしているわけであります。

 そこで、ちょっと具体的にお聞きしたいんですが、資料配付をお願いしたいんですけれども。(資料配付)木村副大臣の資金管理団体である国際政経研究会、それから同じく大臣が代表を務める自民党香川県第二選挙区支部の収支報告書を拝見させていただきました。

 それによりますと、まず資金管理団体、国際政経研究会の政治資金収支報告見ますと、厚労省認可の日本医薬品卸業連合会から、これ、九八年、九九年にそれぞれ五十万円ずつ献金をされております。これは政治団体ではなくて公益法人そのものから献金をされています。それから、副大臣が代表を務めておられる自民党香川県第二選挙区支部の収支報告書を見ると、二〇〇〇年六月十三日、総選挙公示の日であります。この日に、同じく日本医薬品卸業連合会から百万円の献金がされている。それから投票日直前の二十三日、六月二十三日に、やはり公益法人である日本医療法人協会から二十万円の献金がされております。

 木村副大臣、事実関係間違いございませんか。

副大臣(木村義雄君)

 収支報告書に書かれているとおりでございまして、でございます。

小池晃君

 副大臣、先ほど大臣がお答えになったように、公益法人からの、そもそも法的に禁止されているわけではないが、団体の趣旨に照らして問題があることもあるという趣旨であります。そういう中で、正に厚労省認可の公益法人から総選挙のさなかも含めて直接献金を受け取っておられる。これは正に不特定多数の利益を実現する公益法人の性格に照らして、私は重大な問題がある献金だと思いますが、副大臣、どのように考えていらっしゃいますか。これは大変問題大きいんじゃないですか。

副大臣(木村義雄君)

 公益法人も一つの社会的存在であります以上、その政治活動につきましては政治献金も含めまして一切禁止されるものではないと一般的に解されていると承知をしているところでございます。

 もちろん、公益法人の政治活動について様々な議論があることは承知をしているところでございまして、いずれにせよ、公益法人の業務運営に当たりましては、設立目的に沿った適正な運営がなされるべきものと考えているところでございます。

小池晃君

 それは公益法人の側の問題としてはそれはあると思うんです。私がお聞きしているのは、副大臣は正に自民党の厚生労働関係の重責にこの時期あったわけです。そういう時期に公益法人そのものから直接献金を受け取ったということについて問題を感じていらっしゃらないのかと。大臣が受け取ったことについての私は政治家としての問題があるのかないのかという副大臣の御認識をお聞きしているんです。お答えいただきたい。

副大臣(木村義雄君)

 今御答弁をさせていただいたわけでございますけれども、公益法人も一つの社会的な存在であるわけでございます。その政治活動につきましては、政治献金も含めまして一切禁止されるものではないと一般的にも解されておりますし、そのように承知をしているところでございまして、もちろんその公益法人の政治活動につきまして、それは今、先生がおっしゃったような様々な議論があるということは承知をしているところでございますけれども、それでもって、献金を受けたからとか受けないからとか、そういうことでもっていろいろ様々な政策が変更されるものでもないわけでございますので、そこはこれからも私自身もそういうことがないようにしっかりとこれからも踏まえてまいりたいと。

 それから、今、私自身は副大臣でございますので、大臣、副大臣、政務官規範にのっとった、ちゃんとした行動を取ってまいりたい、このように思っておるような次第でございます。

小池晃君

 同じことしかお答えにならないんですが、引き続きちょっと別の問題もお聞きしたいんですが。

 副大臣に対する公益法人からの献金についてはほかにも疑惑があるわけです。衆議院で大変問題になっている柔道整復師の団体からの圧力の問題です。

 これ九七年、柔道整復師の団体から副大臣が要望を受けて、旧厚生省に圧力を掛けて保険請求適正化の行政指導を見送らせたという疑惑が衆議院の厚生労働委員会でも取り上げられています。この謝礼として、直後に香川県接骨師会の政治団体から五十万円の献金、さらに、二〇〇〇年の選挙の最中、これまた六月二十日ですから正に総選挙の真っただ中、日本柔道整復師政治連盟から三百万円の献金、同じく九六年の選挙のときにも三十万円の献金、私の資料に載せてあるとおりです。副大臣は衆議院の議論の中で、厚生省への働き掛けについては全く身に覚えがないというふうにおっしゃっている。ところが、関係団体の整復師の方からは、指導の見送りで働いてもらったお礼に献金したという証言もございます。

 副大臣、もう一度お伺いしますが、あれから幾晩かお休みになって思い出されたこともあるんじゃないかと思いますので、本当に完全に厚生省に働き掛けを掛けたということは身に覚えのないことなのか、お答えいただきたい。

副大臣(木村義雄君)

 衆議院の委員会の答弁でも申し上げたわけでございますけれども、先生も今おっしゃっていただきましたけれども、正に身に覚えのないところでございます。

 率直に言って、陳情があるかどうか書類等も調べました。ところが、そういう陳情を受けた書類もありませんでした。正に身に覚えのないことでございます。

小池晃君

 ところが、木村副大臣と厚生省との九七年十月のやり取りを明らかにした文書、これが九日の衆議院厚生労働委員会で示されたわけであります。

 坂口大臣にお伺いしたいんです。

 大臣は、衆議院の委員会でも、当時の担当者、これ原さんですか、に会って聞いたが、こうしたペーパーを書いたり持っていた事実はない、厚生労働省の正式の文書の中には全くないと御答弁をされています。

 大臣にお伺いしたいんですが、書類を作っていない、書類を持っていないということはお述べになっているんですが、私がお聞きしたいのは、旧厚生省の担当者が木村議員にこの件について説明したという事実があったのかどうか、この件についてはいかがですか、担当者に確認されましたか。

国務大臣(坂口力君)

 そのことも併せてお聞きをいたしておりますけれども、そういう事実は記憶にない、覚えがない、こういうことでございますので、そう申し上げる以外にありません。

小池晃君

 それは、記憶がないということなんですね、ないということじゃなくて。

 文書がないということは、大臣は衆議院の委員会でも何度も原さんに丁寧に問い直したというふうにおっしゃっている。私はこれ、木村副大臣、当時からこれは厚生労働行政にはやはり大きな影響力があったと思うんですよ。そういう方から働き掛けがあったとすれば、これは覚えていないでは済まされないと。私は、この問題については当時の担当者に、大臣、何度も何度も問いただすべきなんじゃないですか。何度も何度も問いただしたけれども、結局、記憶にないと、そういうことなんですか。

国務大臣(坂口力君)

 何度もただしましたけれども、そういうことはなかったというふうに本人は言っております。

 これは、その当時はどういうことであったかということを聞きましたところ、これはいわゆる柔道整復師の皆さん方との間のこれは保険上の取扱いの問題であって、そして協会との間で一生懸命これは議論をして詰めた、そしてその結果を得た後、それをこういうふうにしますというようなことを全体に、与党の方にも話をしたということはあったかもしれない、しかし個々にそういうふうに皆さんに歩いてどうこうということはなかった、そういう筋合いのものではなかったと、こういうふうに言っているわけでございまして、私は、その原さんのそういう発言を私は尊重したいと、こういうふうに思っております。

小池晃君

 もう一つ、今朝の毎日新聞で報道されているんですが、昨年十二月、厚生省の担当課の会議で木村副大臣から圧力があったというふうに説明されたんだという報道がされております。

 この件について、大臣、事実関係はどうなっているんでしょうか。

政府参考人(真野章君)

 本日報道されました記事につきまして、医療課内の会議だということでございまして、医療課長に確認をいたしましたが、この会議自身は昨年の十二月十八日に行いましたけれども、柔道整復師の療養費につきまして負傷原因を記載させる通知が見送られたという問題が話題になったり、その件が特定の議員の影響で変更されたというようなことが話題になったという記憶はないということでございます。

小池晃君

 これ、すべて記憶がないということでごまかされようとしているようなんですが、これ大変、文書のもう提出はされているわけですし、こうした疑惑をこのまま放置することは私許されないと思います。

 これは大臣にお伺いしますが、これだけの疑惑が起こってきているわけですから、大臣がただお聞きになった、記憶がないと、それで済まされる問題では私はないと思うんです。当然、省を挙げてこれは徹底的な調査を行うべき問題ではないですか。その点について今後どのように取り組まれるおつもりか、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

国務大臣(坂口力君)

 私は疑惑があったとは思っておりません。そういう経緯があったということが、だれの手からかは分かりませんけれども、マスコミに流れる、あるいはまた野党の皆さん方の方に流れる。そして、どれほど調べましても、私を始めとして厚生労働省の関係者にはそうしたものは一切出てこない。この体質を一体どうするのかということが私にとりましては大きな問題でございます。

 これ自体は私は疑惑と言われるような内容のものではないというふうに思っておりますが、こういう事態が続くということになりますと、中で真剣に議論もなかなかできない。議論をしたこと、しなかったことが、あたかもしたかのごとくマスコミや外に流されるというような事態になってくれば、やはり私は一つの省としての体を成さないと思っているわけでございます。その点私は、省に対しまして厳しく私は今言っているところでございまして、こうしたことが一体どういうことで起こるのかということを詰めているところでございます。

小池晃君

 今の御発言は、とにかく情報が漏れたことが問題なのであって、そもそも木村副大臣の問題について議論になっていること自体疑惑でないと。私、驚くべき認識だと思います。これだけ新聞でも大変な問題になり、国民の関心も集めている。それでしかも、これがもし便宜を図った見返りにお金を受け取ったとすれば受託収賄の疑いもあるわけですよ。極めて重大な問題じゃないですか。

 そういう点でいえば、これは省を挙げて、もし、じゃないというのであれば、全くないんだということを省を挙げて徹底的に証明する、調査をするというのは当然の責任じゃないですか。それを疑惑でないんだと言い放って調査もしようとしない。私は、これを疑惑でないと言う大臣の姿勢に大変重大な疑問を持たざるを得ないと思います。

 引き続き、こういう問題もあるんです。木村副大臣の献金、中身を調べておりますと、国の公共事業を請け負った企業からの献金もあるんです。香川県高松市の大一電気工業株式会社、この建設会社は二〇〇〇年の総選挙の時期に国の公共事業を請け負っています。国土交通省に事実確認しております。一つは、国土交通省四国地方整備局発注の九九年度光ケーブル工事、四千九十五万円、工期は二〇〇〇年の二月から七月。それからもう一つは、建設省四国地方建設局の善通寺管内照明工事、七千七百七十万円、工期は同じく二〇〇〇年三月から八月。

 これ、総選挙の投票日は、二〇〇〇年五月十八日に与党党首会談で正式合意された。木村副大臣は、五月二十七日、これ解散の六日前です、この大一電気工業から二百万円の献金を受けております。しかも、選挙の前三年間も、選挙の翌年も、この企業からは献金、一切受けていないんです。これはどう見たって、選挙に際して突出した献金を受けているとしか見えない。

 この大一電気工業からこの時期献金を受けたという事実について、事前に質問通告でこのことはお伝えしてあるはずです。確認されましたか。

副大臣(木村義雄君)

 大一電気工業からの最近の献金といたしましては、平成十二年五月に二百万円の献金をいただいているところでございます。

小池晃君

 公職選挙法では、国からの請負その他の特別の利益を伴う契約の当事者は選挙に関する寄附をしてはならないと定められているんです。これ長崎県知事選挙をめぐる疑惑で大変問題になったわけですね。これ自民党長崎県連の前幹事長の問題があったわけです。これ、政治献金の名目で木村副大臣のように政治資金収支報告に届出をしていても、実質的に選挙に関する寄附であれば、これは違法になるということなわけです。

 大一電気工業は、これは九七年、九八年、九九年は献金なし。で、九六年、今おっしゃったとおり二百万円献金を受けている。総選挙の年だけに公共事業の受注を受けた企業から突出して献金を受けている。副大臣、こんなこと許されるんですか。

副大臣(木村義雄君)

 この平成十二年五月の献金は通常の献金であると、このように認識をしているところでございますし、公共事業受注企業からの政治献金を禁止することを含めました法案を野党四党が提出されていることは承知をしているところでございますが、政治献金の在り方につきましては、各党会派において十分議論がなされていくべき問題と認識をしているところでございます。

小池晃君

 そんな第三者的なことで逃げられる問題じゃないんですよ。

 閣僚はみんな、こういう問題が明らかになった人はみんな返しているんですよ。あの大島農水大臣も、この問題が予算委員会で取り上げられて、同様のケースです。最初は返さないと言っていた。今、返すと言っているんですよ。これ重大な問題なんです。政治的、道義的問題ですよ。法律にたとえ違反でなくても重大な問題です。

 これしかも、木村副大臣のこの問題は、疑惑については、既に二月の衆議院の予算委員会で我が党の志位和夫委員長が資料配付という形で、もう既にこの問題については資料として出しているんですよ。ところが、いまだに何の対応もしていない、返却していないですね。

 これ、副大臣、今まで閣僚は、みんなこういうケースは、後で分かれば返却しているんです。当然、返却すべきじゃないですか。いかがですか。

副大臣(木村義雄君)

 大勢の閣僚の皆さんが全員返却しているという事実は、本日初めて聞かせていただきました。

小池晃君

 本当に信じ難いですね。これ当然返却すべき献金だというふうに副大臣は認識されないんですか。

 私は、これは正にあの自民党長崎県連の問題で摘発されたような性質の献金ですよ。これだけの献金であれば返却するのは当然じゃないですか。それを、今まで知らなかった、こういう問題があるんだということを知らなかったということですか。

副大臣(木村義雄君)

 先ほどから申し上げておりますように、一般の、通常の献金というふうに、私はこのように認識している次第でございます。

小池晃君

 これ、重大な問題だと思います。

 それから、副大臣はほかにも公益法人関係の政治団体から多額の献金を受けています。この表を見ていただくともう一目瞭然なんですが、九八年八月に副大臣は衆議院の厚生委員会委員長に就任しています。九六年、九七年、九八年になって以降、急速に医療関係団体からの献金、それからパーティー収入が急激に増えているんです。

 資金管理団体の分で見ますと、九六年は二百四十万円、九七年は六百九十万円。それが九八年には千六百七十五万円、九九年には二千五百五万円、二〇〇〇年、三千三百八十万円、そして二〇〇一年、三千万円です。もう九八年を境に、もう木村副大臣の株はうんと上がっているわけですね。もう献金額がけた違いに増えているわけですよ。(「日本の株は下がっている」と呼ぶ者あり)そして、日本の株は下がったということですね。

 それで、一方、副大臣が代表を務めている自民党香川県第二選挙区支部を見ますと、正にこれは選挙のときだけ動いていると。選挙のときだけ動いていてあとは休眠状態ですが、九六年には四百三十万円が、二〇〇〇年には千五百三十万円です。

 この流れを見ますと、正に私は、これはほとんど医療関係の業界団体、公益法人が作った政治団体ですよ。こうしたところからこれだけの献金を受けている。六年間で一億三千五百万円です。派閥の長でもない、大臣経験者でもない、失礼ですが、議員としては本当に破格の集金能力だと私は思うんです。それがほとんどこういう医療関係団体──笑い事じゃないですよ。私は、このような医療関係団体からの多額の献金が、国民から見れば、これだけの献金を受けている人が副大臣やっているのであれば、厚生労働行政がゆがめられるんじゃないか、そういう心配が起こるのは私当然だと思うんです。

 副大臣がこのような、大臣、これごらんになっていただいて、これだけの献金を業界団体、正に医療関係の業界団体だけですけれども、受けていることについて、坂口大臣は適正なものというふうにお考えなんでしょうか、お聞かせ願いたいと思います。

国務大臣(坂口力君)

 公選法の規定にのっとって、それぞれの政治家は政治資金を受けているわけであります。その範囲の中でありますれば、どういうふうに政治資金を受けるかということは、それぞれの政治家が決定、それ以上のことはそれぞれの政治家が私は決定すべきことだというふうに思っております。

 私は私の考え方がありますし、小池議員は小池議員としてのお考えがございましょう。木村副大臣は木村副大臣としてのお考えで政治資金をお受けになっている。そのことがいいかどうか、それは選挙で国民の皆さん方からそれぞれの選挙区において評価をされるわけでございますから、一つの法のおきての中で、法の範囲内であれば、私はそれは許されることではないかと。それは、その後それぞれの政治家がどのように、その受けたことに対して、それはそれとしながらも、しかし国民の皆さん方から見て中立公平な政治をやるという決意があるかどうかということだろうというふうに私は思っております。

小池晃君

 これだけの献金を受けているということを国民に明らかになれば、国民から見れば、中立的な行政やれる、そんなふうに思えないです。しかも、大臣おっしゃったのは、選挙でと言いますけれども、私は議員の資格がどうこうと言っているんじゃないんです。副大臣としての、厚生労働副大臣としての職責に照らして、このような献金が適正なものなのかと聞いているんですよ。

 しかも、坂口大臣、木村副大臣の前任者がなぜお辞めになったのか、まさか忘れたわけじゃないと思います。口利き疑惑で辞任されたわけですよ。その後を継いだのが木村副大臣じゃないですか。政治と金の問題であれだけ問題になって、疑惑を持たれて辞めた副大臣の後の副大臣が、これだけの業界団体との関係、金の問題がある。それだけじゃありません。公共事業受注企業からの献金の問題もある、公益法人からの献金の問題もある。もう本当にいろんなタイプの、今まで問題になったような政治と金の問題を抱えている、そういう副大臣ですよ。

 木村副大臣、あなた、これだけの政治献金を受けているということが、御自身の副大臣としての職責に照らして、国民からこんな献金を受けて疑問を持たれないというふうにお思いですか。私は当然疑問を持たれるというふうに思います。どうですか。

副大臣(木村義雄君)

 政治献金は政治家の活動として法律上認められているものでございます。そして、私は政治資金規正法に基づき適正に処理をしているところでございます。

 今、先生から御指摘の点、私は厚生労働副大臣といたしまして、国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範に基づきまして、国民全体の奉仕者として公共の利益のために職務を遂行しており、政治献金の有無にかかわりませず、一部の利益のために影響力を行使することは断じてなく、今後ともあり得ない、このように思っているような次第でございます。

小池晃君

 それでは副大臣、お聞きしますが、副大臣在任中は厚労省関係団体からの献金は一切受けないということなんですか。

副大臣(木村義雄君)

 今お話をいたしましたように、政治献金は政治家の活動として法律上認められているところでございまして、私は政治資金規正法に基づき適正に処理をしておるところでございますし、国務大臣、副大臣、大臣政務官規範にのっとって行動を取っておる次第でございます。

小池晃君

 もう全く、すべて開き直りですよ。もう公共事業受注企業からの献金、それから医療関係団体からの献金がこれだけ露骨に増えているということもお認めになる、しかも副大臣在任中の献金も否定をしないと。私は、法律に違反しているかどうかという問題じゃないですよ、これは。あなたがお答えになっているのは、政治資金規正法に照らして適正に処理していると、そのことだけを言っているだけじゃないですか。そんなことは、だって政治資金収支報告から引っ張ってきたもので今日議論しているんですから、当然のことなんですよ。

 私が言っているのはそういう問題じゃない。政治家としての政治的、道義的責任、それから副大臣としての職責に照らして、国民から見れば重大な疑惑を招くということになるんじゃないですかというふうに聞いているが、一切お答えにならない。私は、公益法人からのこういった献金というのが続く限り、本当に公益法人に対する国民の疑念というのは深まるし、国民が願う厚生労働行政が実現できるとは到底考えられない。

 この問題、ちょっと今日一部ということでやらせていただきましたが、明日、衆議院では集中審議もやるというふうに聞いております。私、この問題について徹底的に解明する、このことが公益法人問題も議論していく前提になるんだと思います。

 原勝則現国民健康保険課長、当時の柔道整復師からの圧力問題での担当者だった原勝則さん、参考人として当委員会に招致することを要求いたします。

 それから、この問題、木村副大臣にかかわる、柔道整復師の問題も含めた疑惑についての集中審議を当委員会で行うことも要求をいたします。

委員長(金田勝年君)

 ただいまの件については、後刻理事会で協議させていただきます。

小池晃君

 引き続き、公益法人の在り方について、天下りの問題についてお伺いしたいと思います。

 厚労省の所管する公益法人の数と役員数、それから、そのうち国家公務員出身の役員、その比率についてお示し願いたいと思います。

政府参考人(鈴木直和君)

 平成十四年十月一日現在でございますが、厚生労働省所管の公益法人数は千二百五十八法人でございます。その法人の役員数は二万四千五百九十七人、そのうち国家公務員出身の役員数は千三十一人でありまして、全体の四・二%となっております。

小池晃君

 これを常勤役員に置き換えるとどうなりますか。常勤役員の数それから常勤役員に占める国家公務員出身者の数、それから国家公務員出身者というときのその条件も簡単に説明していただきたいと思います。

政府参考人(鈴木直和君)

 同じく平成十四年十月一日現在でございますが、所管の公益法人の常勤役員数は千八百六十四人、そのうち国家公務員出身の常勤役員数は二百九十八人でありまして、常勤役員数全体の一六%となっております。

 それから、国家公務員出身者とは何かということでございますが、これは公益法人に関する概況調査においてその範囲が定められておりますが、その中では、本省庁課長相当職以上の経験をして、それから退職後十年未満の間に当該公益法人の役員等に就任した者を指しております。

小池晃君

 本庁課長職経験した役人が三百人近く公益法人に天下りをしている。しかも、今説明あったように、退職して十年以上たった人とか課長補佐で退職した人はカウントされていませんから、実質的に公益法人の運営をしているのはほとんど課長補佐で辞めた方だと思うんです。だから、もう厚労省出身の天下りというのは、これは実態としてはもっともっと多いはずです。正に公益法人が天下りの受皿になっている、公益法人改革というのであればここにメスを入れる必要があると思うんです。

 さらに、個別のタイプ別にちょっと議論したいんですが、まず特殊法人が箱物を造るわけですね。この箱物を運営委託されている公益法人、これをちょっと取り上げたいと思うんですが、年金保養協会について、主要な業務内容を簡単に御説明願いたいと思います。

政府参考人(吉武民樹君)

 財団法人の年金保養協会は、主として年金資金運用基金の委託を受けまして、大規模年金保養基地グリーンピアのうち、北海道の大沼基地、それから新潟県の津南基地、それから兵庫県の三木基地の運営業務を行っております。

小池晃君

 要するに、特殊法人である年金資金運用基金がグリーンピアを作って、箱物を造ったらば、その運営を年金保養協会という公益法人に下請させて業務をやっていると。

 この公益法人の歴代理事長と最終官職をお示し願いたいと思います。

政府参考人(吉武民樹君)

 財団法人の年金保養協会は昭和四十八年に設立をされております。それで、最初の理事長は花村仁八郎氏でございまして、民間の出身の方でございますが、その後の歴代の理事長の氏名と、それから最終官職を申し上げますと、山本正淑氏、厚生事務次官、実本博次氏、厚生省援護局長、河野義男氏、厚生省援護局長、熊崎正夫氏、厚生事務次官、加藤威二氏、厚生事務次官、加地夏雄氏、行政管理事務次官、山崎圭氏、環境事務次官となっております。

小池晃君

 二代目以降すべて天下りなんです。特殊法人が天下りを引き受け、さらにその特殊法人の下請の公益法人がまた天下りを受け入れるという天下りの下請みたいな構造があると。

 さらに、同じような性格の公益法人勤労者福祉振興財団の主要な事業内容を説明していただきたいと思います。

政府参考人(戸苅利和君)

 勤労者福祉振興財団でありますが、これは雇用・能力開発機構が設置しております全国勤労青少年会館、中野サンプラザと呼んでおりますが、それの運営、それからそこに設けております職業あるいは生活上の相談室、その運営、そういったところが主たる業務であります。

小池晃君

 要するに、これも特殊法人である雇用・能力開発機構が造った中野サンプラザ、これ、箱物を造ったものを運営するだけの法人だということになる。

 この法人の歴代理事長と最終官職はいかがでしょう。

政府参考人(戸苅利和君)

 昭和六十三年の七月からでございますが、初代が藤縄正勝、それから二代目が細野正、それから三代目が谷口隆志、以上の三人はいずれも労働事務次官が最終官職であります。それから、現在の理事長、四代目でありますが、これは中村正でございます。大臣官房の総務審議官が最終官職であります。

小池晃君

 これまた、すべて旧労働省の天下りです。年金保養協会と全く同じ構造になっている。

 こうした法人は、特殊法人から箱物の運営を委託されながら、グリーンピアにも中野サンプラザにも賃料を払っていないんですね。それにもかかわらず、経営もなかなか苦戦しているようです。そんなに順調とは言えないと。これ、賃料払っていませんから、特殊法人には収入が入らない、その分、その特殊法人に対して税金投入されることになりますから、結局国民負担はどんどん増えていくという構造なんですよ。

 私、これ天下りの受皿作りのために作っているとしか思えない公益法人ですね。特殊法人の下請、ちょっと言葉は悪いですけれども、寄生虫みたいなこれは公益法人ですよ。

 大臣に伺いたいんですが、こういう特殊法人が造った箱物を運用するだけの、特殊法人の下請だけのこんな公益法人なんて要らないじゃないですか。こんなの、なぜ必要なのか。

 しかも、それとは別に、このグリーンピアと中野サンプラザについて言えば、これはもう二〇〇五年度までの廃止決まっているわけですから、これについては少なくとも、今方針示されていないんですけれども、少なくともこの二法人は当然速やかに廃止されるべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(坂口力君)

 総論的なことを言えば、今日、山本議員にも申し上げたとおりでありまして、特殊法人なり何なりに旧労働省あるいは旧厚生省の役人が役員として全部そこに占めているというのは、これは異例なことであって、ここは改善をしなきゃいけない、改革しなきゃいけない、私もそう思っております。

 それから、今お話のございました、施設の譲渡に伴って施設の運営を目的として設立されたものだから、その後はもう要らないではないかというお話でございますが、それはそのとおりだろうというふうに思っておりまして、一つは年金保養協会でございますか、それからもう一つは勤労者福祉振興財団、こうしたものは目的とする業務が終了いたしましたらそれは解散事由に該当すると、こういうふうに思っております。

小池晃君

 私は、ほかにもこういう特殊法人の下請型みたいな公益法人、たくさんあるんじゃないだろうかと。こういったところにも本当にメス入れる必要があるというふうに思うんです。

 それから、別のタイプについても論じたいんですが、補助金のトンネル型と言えるような公益法人です。そこで、ヒューマンサイエンス振興財団について、これも主要な事業内容を簡単に御説明願いたいと思います。

政府参考人(篠崎英夫君)

 ヒューマンサイエンス振興財団の主要事業につきましてでございますが、まず、先端的、基盤的技術の研究開発について、官民共同研究を行う創薬などのヒューマンサイエンス研究というのがございます。それから、エイズに対する有用な医薬品などの開発を目的とする、これも官民を中心とするエイズ医薬品などの開発研究がございます。それから、適正な手続を経て提供されたヒト組織の保管、増殖、そしてそれを研究者へ提供を行う研究資源の供給事業というのをやっております。それから、賛助会員が主体となっておりますけれども、ヒューマンサイエンス分野における研究開発の振興を目的とした調査協力あるいは規制や基準に関する提言などのいわゆる一般事業をしております。それからまた、これは本年度からでございますけれども、厚生労働省所管の国立試験研究機関などが保有する特許権、特許などにつきまして、民間事業者への技術移転を行う業務を今年度から始めたと、このようなことが主要事業でございます。

小池晃君

 この法人の常勤理事、歴代常勤理事、お一人だけ民間の方のようなんですが、あとは国家公務員だというふうにお聞きしていますので、その国家公務員出身の方の最終官職のみお示し願いたいと思います。

政府参考人(篠崎英夫君)

 この法人、昭和六十一年にできましたけれども、二代続けて理事長は民間の方でございましたが、平成七年の八月から平成九年四月までが石丸隆治という者でございまして、最終官職は厚生省の医務局長でございます。それから、平成九年五月から現在まででございますが、竹中浩治で、最終官職は厚生省の健康政策局長となっております。

 それから、あと、常勤理事という御指摘でございますので、専務理事というのがおられますけれども、これも昭和六十一年四月から、七月までが石丸隆治で、先ほど申し上げました。平成七年八月から九年七月までは海老原格という者でございまして、薬務局の安全課長でございます。それから、平成九年八月から十二年三月までが薬務局の藤井基之さんでございまして、薬務局麻薬課長でございます。平成十二年九月から十四年の八月までが生活衛生局の食品化学課長で、内田康策さんという方でございます。それから、十四年九月から現在までが池谷壮一氏でございまして、医薬局審査管理課長となっております。

小池晃君

 この公益法人の収支、見させていただきましたけれども、収入の八割以上が補助金なんです。その支出のほとんどが研究事業費として研究機関に配分されているんです。要するに、結局、国から補助金を受けて、それをそのまま中で配分をして、その研究機関に分配するだけの組織だというふうに言っても差し支えないと思うんですね。私はこんな公益法人、何で必要なんだろうか。

 大臣にお伺いしたいんですが、こんなことをするんだったら国が直接必要な研究に補助金を配分すればいいじゃないですか。結局、これも天下り受け入れるものなんじゃないかと。こういった公益法人の改革については、改革の方向性として今言われているのは、補助金の年収比率を三分の二まで引き下げるということだけなんですよ。こんなことでいいのかと。こんなふうにただただその補助金を配分するためだけだったら、国がやればいいじゃないですか。補助金比率を下げるということじゃなくて、こんな公益法人そのものをなくするということを私、真剣に考えるべきだと思いますが、大臣、いかがですか。

国務大臣(坂口力君)

 ヒューマンサイエンスは、たしかエイズ等の研究もやっているというふうに記憶いたしておりますが、こうした研究をやっていきますのに、もちろん国からの補助というのも必要でございますし、しかし、それだけではなくて、民間からも資金を集めて、そして産官学共同して研究を行っていくという性格のものだというふうに思っております。

 したがいまして、そうしたことを行いますときに、国自身が行うというのではなくて、やはりそこはそうした産官学まとめていくという一つの場所が必要でございまして、産官学をまとめて、しかもまた民間からも御協力をいただいてというふうにいたしましたときに、一つの、国そのものではなくて、やはりそうした機構が必要であるということを私は、それは必要ではないかというふうに思っておりますが、ただ、だからといって、そこへ全部、天下り先のそれが場になっているということ自体は、それは改善をしなきゃいけないと私は率直にそう思っているところでございます。

小池晃君

 さらに、今回の法案で見直し対象になっているのは、いわゆる免許とか認可を行う公益法人です。こうしたものも、わざわざ公益法人を作らなくたって、民間にできるものは民間がやればいいし、国がやっぱり責任持つべきものは国がやればいいというものばかりであります。今回の法案での見直し対象というのはわずか六分野だと。私は、その見直しの対象というのは、もうまだまだ本当にたくさんあるだろうし、今回の見直しの対象なんというのは本当にごく一部だし、肝心のその天下りあるいは利権の構造にはほとんど全くと言っていいほど手が付いていないんじゃないだろうかというふうに思わざるを得ないんです。

 しかも、大きな公益法人というのは、かなり厚生労働省、トップ、上り詰めた方、事務次官あるいは社会保険庁の長官を退職した官僚によって占められています。

 現時点でもあるいは本年三月まで公益法人の理事長を務めている方の中で代表的な人、黒木武弘さん、北郷勲夫さん、吉原健二さん、この三人について経歴をお示し願いたいと思う。

政府参考人(鈴木直和君)

 御指摘の三人につきましては、黒木武弘氏は平成五年六月に厚生事務次官を最後に、それから北郷勲夫氏は平成四年七月に社会保険庁長官を最後に、吉原健二氏は平成二年六月に厚生事務次官を最後に、それぞれ退職をしております。

 その後の、国家公務員退職後につきまして、現在私どもが把握している限りで申し上げれば、黒木武弘氏は平成五年十月から平成十三年一月までは社会福祉・医療事業団理事長に、平成十三年四月から社団法人全国国民年金福祉協会連合会理事長に、平成十四年十月から平成十五年三月まで社団法人全国社会保険協会連合会理事長に、それから、北郷勲夫氏は、平成四年八月から平成八年八月まで社会保険診療報酬支払基金理事長に、平成八年十月から社団法人国民健康保険中央会理事長に、吉原健二氏は、平成二年十一月から平成十一年二月まで厚生年金基金連合会理事長に、平成十一年二月から財団法人厚生年金事業振興団理事長にそれぞれ再就職しております。

小池晃君

 これら三氏の旧厚生省の退職金と、それから天下り後の役員報酬、それから退職金は幾らになるんでしょうか。

政府参考人(鈴木直和君)

 今、御指摘のありました国家公務員としての退職手当の額等につきましては、個人のプライバシー保護の観点もありますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

小池晃君

 今のは退職金の問題ですか。公益法人、特殊法人の報酬、退職金の問題はどうなんですか。

政府参考人(鈴木直和君)

 その両方でございます。

小池晃君

 私は、これはプライバシーという問題ではないと思うんですね。やはり官僚トップにあった人の退職金額、あるいはその後天下りをして公益法人、特殊法人、先ほど経歴を聞くと渡り鳥のように渡っている。ここで幾ら受け取っているのかというのは、これは国民に対して説明する責任あると。すべてこれ、厚生労働省監督の特殊法人、公益法人ですから、当然これは公表する責任ある。こういったことも情報開示しないで、私は、一体どこが、これが公益法人改革かというふうになると思いますよ。

 大臣、このくらい当然開示すべきじゃないですか、いかがですか。こういったこともプライバシーということで示さないということで、果たして国民の納得が得られるのか。公益法人の改革の名に値すると大臣お考えですか。

政府参考人(鈴木直和君)

 退職手当の額等について個別にお答えするというのは、これはプライバシーの問題があるというふうに考えております。

 したがいまして、個別に答弁することは差し控えさせていただきたいと考えておりますが、例えば、仮に勤続期間が三十七年あり、五十九歳で厚生労働事務次官を勧奨退職した場合、現在の国家公務員退職手当法に照らして額を計算すれば、約八千七百万円となります。また、仮に勤続期間が三十七年ありまして、五十九歳で社会保険庁長官を勧奨退職した場合、これについては、同様に額を計算しますと、約七千七百万円でございます。

 それから、退官後の特殊法人、公益法人等でも、公益法人等でも行政委託型等につきましては、特に国との関係が深いということで報酬規程等は公表するようにということになっております。ただ、いずれにしても、個別に答弁するのは差し控えさせていただきたいと思いますが、御指摘の三人が再就職したそれぞれの法人の現在の役員報酬規程、退職手当支給規程等によれば、理事長の報酬月額は大体百万から百三十万円程度、それから退職手当は、おおむね退職日の報酬月額掛ける〇・二八掛ける在職月数と定められておるものと承知しております。

小池晃君

 こういったことを個別に開示できないというのは、私、改革の名に値しないと思います。

 どれほどの退職金、役員報酬出ているのか、今示された基準に照らして計算してみました。それから、厚労省の退職金については調査してみました。

 黒木武弘氏は、退職金が八千三百四十七万円です。それから、三法人の理事長の退職金が併せて三千四百万円です。それから、退職金額合計で一億一千七百万円、これにボーナスを含めた役員報酬一億九千万円、合計で三億七百万円であります。

 北郷勲夫氏について言えば、厚生省退職金が七千七百三十八万円です。それから、二法人の退職金、現規程で計算すると四千二百万円で、退職金の合計で一億一千九百万円です。ボーナスを含めた役員報酬が二億四千万円ですから、総額で三億五千九百万円であります。

 吉原健二氏は、厚生省退職金が七千五百四十四万円です。二法人の退職金が四千七百万円、退職金総額で一億二千二百万円です。ボーナスを含めた役員報酬が二億六千五百万円ですから、総額三億八千七百万円であります。

 これは、直近の数字で計算しましたので、以前の数字だともっと高くなる。実際にもらっているのはもっと多いかもしれません。厚生省退官時にかなり高額な退職金を受けているわけです。その上、各法人渡り歩くたびに退職金が支給されている。しかも、この退職金の計算は在任の月数で計算するということになっている。

 これ、大臣、お聞きしたいんですが、私も試算、今お示ししました。こうした役員報酬、退職金、余りにも高過ぎるんじゃないですか。こういったところを次々と渡り歩いて退職金、報酬を受け取っていくと、こういう在り方は大問題ではないですか。きっぱりやめるべきだと思いますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

国務大臣(坂口力君)

 私は、この退職金というのは、仕事の成果によって、仕事の実力の発揮した程度によって私は決まってくるものだというふうに思っております。公務員はそんなわけにはいかないかもしれませんけれども、二度の勤め以降は何もしなかったら何もない、大きな仕事をすればそれなりの評価がされるということがあって私はしかるべきだというふうに思っております。

 したがいまして、今後の退職金の在り方につきましては、仕事をしてもしなくても一律というようなやり方は、これは良くない。もっと仕事、大きな仕事をすればそれを評価をする、しなければ、それは評価をしない、そうしたことをやはり導入をしていくべきだと、私はそう思っております。

小池晃君

 これはもう仕事をしたもしないも関係ないんです、月数で単純に計算して退職金ばんばん出しているんですから。

 私は、この問題について、関係閣僚会議の申合せでも民間の水準に比べて不当に高くないようということを言っているわけですから、この問題については本当に徹底的なメス入れる必要があると。で、やはり天下りはきっぱり禁止するということに足を踏み出すべきだということを申し上げておきたいと思います。やはり、その公益法人の改革というのであれば、正にこうしたことにメス入れることこそ求められているんだと思うんです。

 それから、今回薬事法の改正もあるんでちょっと併せてお聞きしたいんですが、抗がん剤イレッサの副作用の問題について、当委員会でこれは承認過程の再検証を約束されました。その取組状況について簡単に御報告願いたいと思います。

政府参考人(小島比登志君)

 御指摘のイレッサ錠の問題でございますが、本年五月二日に第二回目のゲフィチニブ安全性問題検討会を公開で開催をいたしました。安全対策の進捗状況、有効性、安全性に関する報告、イレッサ錠の承認に関する事項等について御議論をいただいたところでございます。

 この検討会では、イレッサ錠に批判的な考え方を持つ専門家も参考人として出席をいただいて意見陳述を求め、検討会での議論に参加していただいたところでございます。イレッサ錠に批判的な考え方を持つ専門家からは、イレッサ錠の承認を取り消し、販売及び使用を中止し、今、現に市場に出ているイレッサ錠を改正、回収させるということなどの意見が出されましたが、検討会といたしましては、前にマスコミで取り上げられました動物実験の報告遅れ等の問題も議論をいたしまして、そういった問題が審査に直接結果を、審査結果に影響するものではないということで、イレッサ錠につきましては、承認を取り消すということではなく、臨床現場で慎重に使用していくべきとの意見が大勢であったと考えております。

 なお、基本的にはこの承認時の経過判断の問題は、事態の推移に応じまして常に検証されていくべきものと考えておりまして、今後このイレッサ錠につきましても、アストラゼネカ社が市販後の臨床試験、あるいはまた三千例を取り上げましたプロスペクティブ調査、あるいは作用機序を解明するための試験研究等をこれから行うこととしておりまして、これらの進捗状況を踏まえまして適切な対応をしてまいりたいというふうに考えております。

小池晃君

 この問題については、引き続き十分な検証を求めたいと思います。

 それから最後に、過去に深刻な薬害被害を引き起こしたサリドマイドのことをちょっとお伺いしたいんですが、これは、多発性骨髄腫とかがんの治療用に大量に個人輸入されて使用が広がっています。これは服用中止や患者死亡後の薬の管理が個人任せになっていて、未使用の薬が第三者に渡っているという実態が出てきています。これは私、大変な問題だと思うんです。再びこのままでは薬害が起こりかねないという問題もあります。これは禁止をするとかそういう意味ではなくて、やはりその適切な使用ということの観点で厚生労働省として責任ある規制措置を取るべきではないだろうかというふうに思うんです。

 アメリカでは、医師、薬剤師の登録とか、あるいはその取扱いに関する厳しい規定を定めて管理しているというふうに聞いておりますので、やはりこういったものを参考にしながらこのサリドマイドの使用についての必要な対策を直ちに取るべきではないかというふうに考えるんですが、この点についてお伺いをしたいと思います。

政府参考人(小島比登志君)

 サリドマイドについてでございますが、この薬は我が国におきましては昭和四十年代に既に承認が整理されておりまして、現在、製造、輸入とも承認薬としては行われておりません。しかしながら、医師が個人的に輸入して患者に使用しているというものにつきましては、個人的な輸入というものが行われているわけでございます。このような実態に対しまして、サリドマイドの患者団体や慢性・多発性骨髄腫の患者団体などから、サリドマイドによる新たな副作用被害の防止、あるいは適正使用を図る観点から様々な要望が私どもの方にも出されております。

 厚生労働省といたしましては、これらの状況を踏まえまして、平成十四年度の厚生科学研究で、サリドマイドの輸入、販売、管理及び使用の実態に関する調査及び適正使用のための方策に関する研究を実施いたしております。この研究調査結果が取りまとめられた段階でその結果を公表するとともに、私どもといたしまして、先生御指摘のような副作用の発現を防止するためにも、どのような対策が必要か検討して、実効ある手段を考えてまいりたいというふうに考えております。

小池晃君

 二〇〇一年度には十五万六千錠を個人輸入されているということであります。昨年度はもっと増大しているというふうにも言われています。大変重大な問題だというふうに思いますので、できるだけ速やかに適正な使用のための対策を取ることを求めて、質問を終わります。

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