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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

159 通常国会 参院 厚生労働委員会質問(午前)

2004年5月20日(木)

  • 森副大臣年金未納/衆院採決後まで隠す/坂口厚労相を追及(関連記事
  • 年金積立金流用疑惑/ファミリー企業 社保庁事業を随意契約/受注 3 社で 39 億円(関連記事

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 最初に、先ほども議論がありました問題、ちょっと通告ありませんが、一言お聞きしたいんですが、七十五万人厚生年金の加入者が減少すると、これたちまち五割を切るという御答弁がございまして、これ七十五万人というのは大丈夫なんだと、これは頑張るんだというお話でした。しかし、五年前の再計算のときに、これは厚生年金の加入者の数予測しております。このわずか一年後に予測よりも二百十一万人下回っている。それから、二〇〇一年には二百七十二万人厚生年金の加入者下回っているわけです。

 二百万人単位で計算違い、見込み違いをしておきながら、七十五万人減ることはないんだということは、私はどう考えても納得できないんですが、大臣、いかがですか。この実績から見れば、私は、七十五万人、見込み狂う、あってはならないことではありますが、そういう危険性は極めて高いし、そうなれば、たちまち六十五歳の支給開始時点から五割を切るということになるというふうに思いますが、大臣、お答えいただきたい。

政府参考人(吉武民樹君)

 先生お尋ねの前回財政再計算とそれから今回財政再計算、それから最近の実績でございます。実績の関係はおっしゃるとおりでございますが、今回の財政再計算は、その実績を基本にして、将来の将来推計人口、あるいは労働力率、被保険者数ということで推計をいたしております。それから、七十五万人という数字は、あれは経済財政諮問会議自身の数字ではございませんで、経済財政諮問会議で経済産業省が御説明をされた数字でございますけれども、一三・五八%の保険料率を一挙に一八・三%に引き上げる、そういう前提の数字でございます。したがいまして、一年間で約四・八%保険料率を引き上げるというそういう数字を、それまでのある時期の、今申しましたような負担と、それからいわゆる雇用者数といいますか、これは逆でございまして、雇用者数が増えるときのデータに対処して出されたものでございます。私どもの今回提示を申し上げております保険料率の引上げにつきましては、年〇・三五四%ということで、相当の期間を掛けて引上げをお願いをするということでございますので、私どもとしては、基本的には、その間の日本経済の成長、その中における雇用の問題という形になってくるんではないかというふうに考えております。

小池晃君

 いや、私はそんなことは聞いてないんで、七十五万人の数字の是非を言っているんではないんですね。二百万人単位で前回見込み違いが起こっていると。それとは違うんだと言うけれども、どこが違うんですか。全く、前回を踏まえてまたやったと言うけれども、前回二百万人減っているのに、今回は大丈夫ですと。

 大臣、私、お聞きしたい。率直に国民から見れば、前回、五年前だってこれだけ見込み狂ったのに、今回は大丈夫ですと、七十五万人減ることはないですというふうに、見込み違いは絶対ないというふうに大臣、胸張って言えるんですか。私は、国民から見れば、先ほどのやり取りを聞けば、これは五〇%切る危険性は極めて高いんじゃないかと率直に皆さん思われると思いますよ。大臣、そう思われませんか。

国務大臣(坂口力君)

 今おっしゃいました七十五万人なり百万人の問題は、それはそうした経済の動向によりまして起こり得るときもあるだろうというふうに思いますけれども、それは一時的には起こったといたしましても、それが連続してそれが続いていくということは考えられません。そしてまた、先ほどから申し上げておりますように、現在の人口動態からいたしましても、これから労働力人口が減少していくわけでありますから、その減少分につきましては十分に計算の中に入れているということを申し上げているわけであります。

 したがいまして、そうした計算も行いながら、そして過去に予測をしたのを違ったことも計算に入れながらこの再計算を行っているということでありまして、先ほどの御質問は、それに更に輪を掛けて、それにプラスして七十五万なり百万なりが更に減ったらどうだという、こういうお話でございましたから、それは御質問としてそれにお答えをしなければなりませんからお答えはいたしましたけれども、決して五〇%を下がると思ってはおりません。

小池晃君

 五年前も大丈夫ですと、こういう数字ですというふうに言って、そこから二百万人更に減ったんですよ。今回も大丈夫だと言っているけれども、七十五万人割ったらこうなるんだという指摘なわけですから、私は今のは全然国民から見れば説得力ないというふうに思います。ちょっともう一回改めて議論したいと。

 続けて、厚生労働副大臣の年金保険料未納問題についてお伺いをしたい。

 森副大臣、確認したいんですが、御自身の未納については、四月十四日の衆議院厚生労働委員会の時点でこれ把握していたということでよろしいですね。

副大臣(森英介君)

 そのとおりです。

小池晃君

 さらに副大臣は、先日の記者会見で、坂口大臣に報告したというふうに発言をされています。

 坂口大臣に報告したのはいつですか。

副大臣(森英介君)

 私のその事実関係が判明いたしまして、でも、大臣も大変お忙しくて、私の記憶で、委員会が始まるその前か何かに、私は、実は私もこういうことになっておりましたということを私は御報告したつもりなんですけれども、今から思いますと、大臣はいろんなことがある中だったものですから、私が自分のことを申し上げていると認識されてなかったんじゃないかなという気がいたします。

 そういう意味で、ちょっと若干私が御報告申し上げた、説明申し上げたことと結果的には違ったことになってしまっております。

小池晃君

 ちょっと何かすごいことを言い始めましたが、四月十四日の委員会の前に言ったというんですね、大臣に。

副大臣(森英介君)

 いや、それはいつか覚えておりませんけれども、少なくとも四月十四日以前ではありません。

小池晃君

 それじゃ、大臣にお聞きします。

 森副大臣から副大臣の未納問題をお聞きになったのはいつですか。

国務大臣(坂口力君)

 委員会の席上だったというふうに思いますけれども、森大臣から、自分の年金の問題についても今調べておりますと、機会を見て発表したいと思いますと、こういうお話がございまして、是非そうしてくださいということを申し上げたわけであります。

小池晃君

 いや、未納期間があるということはお聞きになったんですか、ならなかったんですか。

国務大臣(坂口力君)

 委員会で並んでの隣同士の話でございますから、そんな詳しい話はお聞きはいたしておりませんが、しかし、調べて時期を見て発表したいというふうにおっしゃったことは事実でございます。

小池晃君

 調べて発表したいということは、これは未納期間があったということですよね。こんな大事なことを委員会の席で、ちょっと何というんですか、世間話みたいに聞いて、定かには覚えてない、そういう話でいいんですか。これ、担当副大臣がもし保険料未納だとすれば、正に衆議院で年金改革の是非をめぐって大議論がされているときに、その問題についてこんなあいまいな対応でよかったんですか。

 副大臣、こういう、まあ大臣にお聞きしますよ。こんな大事なことをそんなあいまいなことで済ましたんですか、大臣は。お聞きになったのであれば、これは直ちに調査して直ちに発表せよと言うのが担当主管大臣として当然の責任じゃないですか。こんなことをあいまいにしたまま審議を続けたことは、私、責任重大だと思いますが、大臣、いかがですか。

国務大臣(坂口力君)

 先ほど申し上げましたようなお話がございまして、是非そうしてくださいということを申し上げたわけでありまして、そのころはまだ皆さん方の全体として出ていないときであったというふうに思いますから、是非副大臣も、そういうふうに思っていただいているならそういうふうにしていただいたらいいというふうに私は思ったわけでありまして、そういう時期であったということであります。

小池晃君

 確認しますけれども、それはいつですか。そういうふうに大臣がお聞きになったのはいつのことだかお答えいただきたい。

国務大臣(坂口力君)

 その日までちょっと覚えておりません。

小池晃君

 いや、全く無責任ですよ。これ重大な情報じゃないですか。

 大臣、この副大臣が保険料を未納しているかどうかということは、これは国会と国民に対して報告すべき重大な情報だという認識はお持ちでないんですか。

国務大臣(坂口力君)

 ですから、そういうふうにしてくださいということを申し上げたわけであります。

小池晃君

 そういうふうにしてくださいと言ったけれども、その日も覚えてないし、その後、じゃ何かされたんですか。そんなに重大でこれは大事な情報だというのであれば、その後、副大臣に対して、あれはどうなったんですかと引き続き問いただしていくべき問題だと思いますが、大臣はその後副大臣に対して問いただしたんですか。

国務大臣(坂口力君)

 もうその当時それぞれで自分の履歴というものはだんだんと発表していくという時期でありましたから、それは、副大臣は副大臣としておやりをいただけるというふうに私は思っておりました。それは、だから発表していただいたというふうに思います。

小池晃君

 何を言っているんですか。発表したのは、衆議院通過して、参議院に来て、参議院の委員会やった後でしょう。しかも、一国会議員の問題だけじゃないんですよ、これは。厚生労働副大臣でしかも厚生省担当の年金を主管している副大臣、先ほどから答弁に何度も立っている、そういう人の情報をそんなあいまいにしたと。

 大臣、これこの程度の軽い問題だったのかということをお答えいただきたい。

国務大臣(坂口力君)

 何も軽い問題だというふうに言っているつもりはありません。御本人からそういうお話がございましたから、そのようにしてくださいということを申し上げたわけでありますから、私は別に軽く扱ったということでは思っておりません。

小池晃君

 確認しますが、じゃ、大臣は四月の委員会の、衆議院で審議をしている真っ最中の委員会の、四月中ですね、四月中の委員会でお聞きになったと。しかし、その後は副大臣に対してそのことを問いただすことは一切していないと、そういうことでよろしいですか。

国務大臣(坂口力君)

 それはまあ同じ間柄でございますから、いろいろの話はしていますよ。しかし、その問題につきましては、そこでそのようにお答えをして、その時期を待っていたということでございます。

小池晃君

 じゃ、大臣、お伺いしますが、大臣は副大臣が未納期間を持っているという認識を持たれたのはいつですか。

国務大臣(坂口力君)

 それは、そのときには調べて発表したいと思いますというお話でございましたから、そのように申し上げたばかりでございまして、そのときにはまだその未納があったかどうかというところまで十分に私は存じておりませんでした。

 しかし、いつの時点でございましたか、その未納問題があるということをおっしゃったのは事実でございますけれども、それはそんなに前の話ではございません。

小池晃君

 いや、肝心なところをごまかしちゃいけませんよ。大臣はその未納問題あるというふうにお話を今されたと言いました。それはいつだったんですか。

国務大臣(坂口力君)

 それはいつだったかというところまでは覚えておりません。お聞きしたことは事実でございます。

小池晃君

 正確に、克明にとは言わずとも、要するに、大臣は、確認したいのは、大臣は森副大臣が記者会見で発表する前の時点で森副大臣から未納期間があるということをお聞きになっていたということは間違いないですね。

国務大臣(坂口力君)

 それはそのように御理解いただいて結構でございます。

小池晃君

 それは衆議院での委員会採決の前ですか、後ですか。

国務大臣(坂口力君)

 ですから、そこまで詳しくは覚えていないということを申し上げているわけで、お聞きしたことは、最終的にお聞きしたことは事実でございます。

小池晃君

 この問題は森副大臣の問題にとどまらないと私は思います。

 坂口大臣が、このことを知りながら、本当にのらりくらりとあいまいな答弁していると。私、この問題明確にしていただかない限り、この議論できません。ちょっと止めていただきたい。ちょっと、これじゃ駄目ですよ。

委員長(国井正幸君)

 速記止めて。

  〔速記中止〕

委員長(国井正幸君)

 速記を起こして。

 小池晃君、質問続けて下さい。

小池晃君

 続けろといったって、答えないのに続けられないじゃないですか。

委員長(国井正幸君)

 質問続けてください。

小池晃君

 大臣、私が聞いているのは委員会の採決の前か後かなんですよ。これ、重大なんですよ。だって、このことをあいまいにしたまま採決をしてしまうということは、このことにふたをする。衆議院で議論しないで、衆議院の議論にはこの重大な情報を提供しなくていいというふうに大臣が判断したということなんです。

 この前か後かは、これ、記憶にないじゃ駄目です。答えていただかないことには、これ以上前には進めません。はっきり答えていただきたい。

国務大臣(坂口力君)

 四月の時点でそういうふうに調べておりますというお話はございまして、その話をお聞きをしたのは五月に入ってからというふうに思っておりますが、定かに幾日であったかというところまで記憶をいたしておりません。

小池晃君

 五月のいつごろなんですか、それは。

国務大臣(坂口力君)

 ですから、そこまで具体的に幾日だったかというところまで覚えていないということを申し上げている。

小池晃君

 しかし、四月の十四日に未納の問題について調査しているというふうにお聞きになったのであれば、これは四月十四日に、四月、四月に、四月に委員会の席上で会ってお聞きになったということは、森大臣が未納の可能性があるということは大臣はそれは認識されていたというふうに思います。

 しかしながら、それをじゃ二週間余りにわたって大臣は問いただすこともせず、確認もせず、そして採決を迎えたというわけですか。

国務大臣(坂口力君)

 いや、調べるというのは調べてみないと分からないでしょう。お調べをいただきたいということを申し上げたわけで、それでその結果を発表したいというふうにおっしゃったんですから、そうしてくださいということをそこは申し上げたわけで、それは別に何ら問題ないと思います。

小池晃君

 大臣は、この副大臣が保険料を未納していたという情報は、衆議院の委員会質疑、採決の前までに国民に対して明らかにするべき重要な情報だという認識を持っていなかったということですね。

国務大臣(坂口力君)

 副大臣は両副大臣もおみえになりますしいたしますから、それぞれの副大臣にもお調べをいただきたいというふうに思っておりました。したがいまして、それは両副大臣とも、あるいは政務官も含めてお調べをいただいたわけでありまして、森副大臣は少し早めにそうした自分も今調べているということを連絡を、連絡と申しますか、お話をいただいたということを先ほどから申し上げているわけであります。

小池晃君

 いや、全然答えてないんです。私、事実経過聞いているんじゃないんです。

 この担当副大臣が保険料未納の可能性があるとしたら、極めて重大な情報なんです。それは、そのことを国民に明らかにしないまま委員会採決するなどということは許されないはずなんです。しかし、大臣は委員会採決までそのことについて、これは国民に対して明らかにするべきだと、これは急いでやらなきゃいけないと、そういう認識持っていたんですか、いなかったんですか。

国務大臣(坂口力君)

 ですから、五月に連休が終わりましたどの時点でございますか . .. .. . (発言する者あり)いやいや、それは四月の段階のところでは、それはお調べになるということでございますから調べてくださいということを申し上げたわけでありまして、調べないと分からないじゃないですか。

小池晃君

 答えてないんですよ。

 大臣、調べるといったって、こんなの、副大臣ですから、厚生労働省の副大臣ですよ。一日でもう、何分間で分かる話じゃないですか、すぐに聞けば。それを二週間にわたって調査中だということで済ましていいような情報だったんですかと。大臣は、だからこの問題は採決までに国民に対して明らかにすべき情報だという、そういう認識だったんですかと、この一点についてお答えを。

国務大臣(坂口力君)

 副大臣でありますから、お調べをいただきたいというふうに思っております。そしてまた、いつの時点かは御本人が決められることでありますけれども、それは発表していただきたいということを申し上げていたわけであります。

小池晃君

 未納を五月十三日まで隠し通してきた森副大臣の責任も重大ですが、今日の質疑通じて、それを知りながら、未納の可能性があるというふうに分かりながら衆議院の採決が終わるまで明らかにさせようとしなかった、私は厚生労働大臣の責任問題にこれはなってきているというふうに思います。これは、引き続きこの問題は追及していきたい。

 それから、年金積立金の浪費の問題についてちょっと残る時間でお聞きしたいんですが、グリーンピアの問題ですけれども、これ全施設を売却するというふうに決めましたけれども、これ今のところ売却できたのは岩沼と二本松、そして横浪の施設の一部だけであります。そのほかはそれぞれの自治体と調整中というふうにされている。

 今日お配りした資料、これは私が自治体議員や地方自治体からお尋ねした資料なんですけれども、これは既に売却をしている二施設に加えて、私が今回調査した結果、売却見込額が出ていること、これは大体七か所あります。これ合計しますと、九施設で建設費が千百九十四億円、修繕費と維持管理費で百三十三億円、合計千三百二十七億円。これに対して売却予定価格は合計三十二億円なんです。建設費と維持費を合わせた合計のわずか二・四%の売却額にしかなっていない。十三施設中九施設の分だけでもうこれ年金保険料約一千三百億円が消えてなくなる、今、こういう売却の状況になっていると。

 局長、簡単でいいんですが、このグリーンピアの売却を取り巻く環境というのはこういう厳しい環境にあるという御認識ですか。

政府参考人(吉武民樹君)

 売却予定額につきましては、自治体を中心に引受けをしていただくということを考えておりますけれども、自治体が引受けができない場合には民間譲渡ということで、その場合には入札方式を取りますので、売却予定額自体は公表をいたしておりません。それから、基本的には直近の鑑定評価額に従いまして自治体には参考価格を示しておりまして、自治体の方で現実にその譲渡を受けるということをお決めになりますと、その時点でもう一度直近の鑑定評価を行うという形でございます。

 鑑定評価の点で申し上げますと、御案内のとおり、最近は収益還元法といいますか、この施設自体の将来の収益を現在の価値に還元するというこういう考え方、あるいは周辺の同様の価値があるものをどう考えるか、あるいは現実に今再建設しましたときにその価値は幾らあるかというような、こういう幾つかの評価法がありますので、この評価法につきまして、鑑定の専門家に二社を選びまして鑑定をしていただくという形でございます。

 現実には、グリーンピアはある程度時間もたっておりますし、そういう意味で現実の、今申しましたような鑑定をしていただく、鑑定評価額が下がってきておるというのが現実の姿でございます。

小池晃君

 厳しい環境だということをお認めになった。大臣、こういう状況になっている。この責任について、大臣、どのようにお考えですか。

国務大臣(坂口力君)

 これ、売却が済みましたのはまだ三か所でありますから、そのほかのところがどれだけの額になるかということ、これ、ここにはえらい数字まで書いてありますけれども、これからの話でございますから、これはまあ分からない将来の話と思います。

 ただ、この建設費を丸々そのまま売却をして得られるというふうには、それは思っておりません。もう建築いたしましてから何年間もこれは経過しているわけでございますしいたしますから、その評価というのは多分に下がっていることは事実でございます。その間、様々な利用もしてきたことは事実でございますから、そうしたものを織り込んでこれからどうしていくか。

 しかし、このグリーンピアができました最初のその意向というのは、それは国会でもいろいろ議論をされて、そして附帯決議が出たりもいたしまして、その中でこの施設を中小企業を始めとするなかなかそういう機会に恵まれない皆さん方のためにこれは使うということでしたわけでありますから、私は、今後もできるだけ地元の皆さん方を始めとして、そうした地域の皆さん方に御利用をいただけるということが前提条件というふうに思っております。

 そこを抜きにして、例えば産廃業者のような方も買いに来ていただいたりしておりますよ。しかし、何でも高く売ればいいというわけではない。私はその本来の趣旨というものを尊重していかなければいけないというふうに思っている次第でございます。

小池晃君

 この売却については、いろいろと地元にお聞きすると、道や県はほとんどお荷物引き受けたくないというふうに言っていて、その結果、財政力のない市町村に押し付けられていると。市町村からは悲鳴が上がっているという実態もある。年金掛金使いながらこれだけ無駄遣いをやり、赤字になったら売却だということで市町村に破綻のツケを押し付けると。非常に二重三重に無責任なやり方だということを申し上げたいと思います。

 それからもう一点、目的外流用の疑惑を取り上げたいんですが、二〇〇三年三月に全国の社会保険事務所に金銭登録機というのが導入されまして、これは全国三百十二か所のすべての社会保険事務所が個別にカワグチ技研という会社と随意契約を結んでおります。カワグチ技研というのは社員七名の小さな会社です。金銭登録機というのはハンディータイプの保険料の徴収員が持ち歩く端末なんですが、一台十七万六千円、全体で二千五百七十四台購入して、総額四億四千六百万円、こういう金額が国民の年金保険料から支払われている。

 配付資料の三枚目に経過が、社会保険庁からいただきましたが、これは二〇〇三年の三月十一日に事務連絡で各事務所に年度内に機器導入を終えるように指示をして、この三月十一日から三月末日までのわずかの期間で三百十二か所の社会保険事務所がすべて個別にカワグチ技研というところと随意契約を結んで、そしてすべて期限内に購入したという、そういう経過なんです。

 私は、これは社会保険庁が指示でもしなけりゃこんなことになるはずがないと。ところが、社会保険庁は一切指示していないというふうに私に説明している。しかも、このカワグチ技研というのは、繰り返すけれども、社員七名、資本金一千万円の会社だと。こういうところに、社会保険庁がゴーサインもなしに、四億円ものシステム開発費が掛かっているんですが、こんなことするんだろうか。社会保険庁が組織的に関与することなしに、七名の社員でわずかな期間で稚内から石垣島までのすべての社会保険事務所と個別に随意契約を結んで契約、納品する。

 大臣ね、これ常識的にはこんなことあり得ないと、思いますが、大臣、いかがですか。──ちょっと併せてお聞きしますからお答えいただきたい。

 しかも、これはこれだけじゃないんです、問題。調べていくといろいろと驚くべき事実がある。カワグチ技研というのは、これは金銭登録機のほかにもパピアートという伝票類の専用のプリンター、これを社会保険庁とリース契約しています。これがやはり全国の社会保険事務所とそれから地方自治体に配置されて、これ五年間で二十二億七千万円、見積価格のまま随意契約をされております。実際にこれは使用されていないということが新聞でも取り上げられています。

 しかも、このカワグチ技研という会社には関連企業がございます。カワグチ技研の代表取締役は川崎義幸さんという方です。ところが、この人はニチネン企画という会社の監査役で、フォーム印刷社という会社の取締役なんです。ニチネン企画というのは、これは社会保険庁と出版物なんかの印刷でこれはやっぱり随意契約をしていて、契約高は五年間で十億八千五百万円。それからフォーム印刷社というのは、これは単年度ですけれども一億数千万円の契約がある。年金に関する帳票の印刷までやっている。すべてこれ随意契約なんです。これを全部合わせると、この関連企業で三十九億円の費用になる。しかし、カワグチ技研の社員数七名、ニチネン企画は十四名、フォーム印刷七名、延べ二十八名で年金絡みの三十九億円の受注を受けているんですね。私は、これは一人当たりにすると一億四千万ぐらいになるんですが、これ極めてこの三企業と社会保険庁の関係、私は異常なものを感じる。

 大臣、いかがですか、この関係に極めて異常なものを感じる。私はこれを徹底的に調査すべきだと思いますが、大臣、いかがですか。

国務大臣(坂口力君)

 この議論は衆議院の方でもかなりたくさん出していただきました。

小池晃君

 全体、やってないです。

国務大臣(坂口力君)

 全体、いやいや、出ております。

 そうした中で、私がそこで申し上げましたのは、確かにこの随意契約という契約の仕方というのは好ましくないということをそこでも申し上げたわけでありまして、社会保険庁の方に言わしめれば、いろいろの理由があってしたというふうに言うんでしょうけれども、しかし、第三者的に見れば、随意契約でこういうふうに全国にやっているということは良くない。したがって、今後は随意契約をやらないということでやってほしい、こういうことを今申し上げているわけであります。

小池晃君

 そんな一般論を聞いているんじゃないんです。随意契約の在り方の問題じゃないんです。年金ファミリー企業というのはそういう実態じゃないですか。こんなことを放置していいのかと。

 私、これだけの特別な関係を持っているのであれば、私は、厚労省関係者がこうした企業とつながりを持っているのかどうかというのは徹底的に調査すべきだというふうに思いますが、大臣、最後に、これ、厚労省からの天下りがこの三企業にあるのかどうか。大臣、こうした疑惑に対して、人的関係について、厚労省として徹底的に調査すべきだというふうに思いますが、大臣、いかがですか。

国務大臣(坂口力君)

 衆議院のときにもそういうお話がございまして調べましたけれども、厚生労働省から行っている者はおりません。

 そして、これらの問題につきましては、先ほど申しましたように、そうした疑いを持たれないようにこれからどうするかということに結び付けていかなければいけないということを申し上げているわけであります。

委員長(国井正幸君)

 小池晃君、時間が来ていますので。

小池晃君

 はい、はい。

 今のは事実と違うと思います。

 この問題、課長以下も含めて徹底的に人的つながりも含めて調査をすべきだということを申し上げて、取りあえず午前中の質問を終わります。

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