本文へジャンプ
日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

162通常国会 参議院厚生労働委員会
独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案
参考人質疑

2005年4月14日(木)


参考人
  • 年金の福祉還元事業に関する検証会議委員 岩渕勝好
  • 社団法人日本経済団体連合会常務理事 紀陸孝
  • 日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局長 小島茂君
  • 星ヶ丘厚生年金病院院長 吉矢生人
  • 健康保険病院労働組合中央書記長 濱田實
小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 年金や社会保険による施設を一からげにしてたたき売りにするというのは、正に大切な財産を損なうという点で誤りを重ねることになるのではないかと。天下りの受入先として利用をしながら、そういう問題一切責任が問われないと。地域住民や利用者あるいは職員に苦難を押し付けると。もう最悪のやり方ではないかというふうに思いますし、新たな独法をつくって新しい天下り先つくるのかと勘ぐりたくもなるわけであります。

 参考人の皆さんにお聞きをしたいんですが、最初に濱田参考人にお伺いしたいんですが、先ほど職員、労働者の立場から実態をお話しいただきましたが、先ほど御指摘もあったように、厚生年金病院、社会保険診療所の単年度収支は黒字であると。経営状況あるいはその職員の皆さんがどういう努力をされているのか、ちょっと実態も含めてお話し願えればというふうに思います。

参考人(濱田實君)

 政管健保のこの社会保険病院ですが、長い間三Kと言われまして施設整備はほとんどない時代がありました。私たちはそういうときに本当に頑張ったと思います。そこでやっていけることの最大のことというのは、やはり患者さんや地域住民の皆さんから病院が信頼されるということ以外に財産はないわけです。そういう意味で、昼夜努力をするということで施設の不十分さ、こういうものを補ってやってきました。

 保険給付からは、人件費についてはこれまで戦後一円もお金は出ておりません。当然といえば当然かもしれませんが、国有施設でも一円も出ていないと。収入、保険料収入によって支出に回してきたと、こういうことでやってきました。近年、診療報酬が引き下がり、様々厳しい状況がありますので、そういう中でも私たちは経営努力を私たちの立場でもやってきまして、今日では、単年度ではもう何年間黒字で来ております。そういう病院がもう多くなっております。

 我々労働組合といたしましても、今までは、二年前の数字でありますが、私の病院の看護師さんというのは、お医者さんは千九百九十五万、これ平均額ですが、それから社会保険病院は千三百五十六万、看護師さんは、私立の病院は六百六十六万だったわけですね、社会保険病院などは五百七十五万でやりました。今日では、賃金の一律五%カット、定期昇給停止、これ月額にしますと、約一人当たり平均三万円ぐらいになりますが、年収にしますと、五十万円以上賃金が下がっているということもあります。

 経営努力で患者さんに対する安全、安心の信頼の医療をやっていこうということを一生懸命やりながら、一方、職員の労働条件は逆に悪くなっておりますが、そういうことについても、我々は今の時代、一生懸命頑張らなくちゃいけないというふうに思っていますが、今、今日ここで議論されているような話も含めまして、この一年間で千人以上も職員が退職をされております。優秀な人材が残念ながら去っていっているという状況がありまして、私たちは、ここのところを含めそういうことがあっても、今後、地域住民の皆さんに立派な医療を提供して頑張っていきたいと、経営にも努力していきたいというふうに組合としても思っております。

小池晃君

 病院の質の問題でもいろんな評価がされていると思うんですが、その点について御紹介を若干していただけますか。

参考人(濱田實君)

 私たちの病院は、例えば日本病院機能評価認定証の発行状況が一つ例として挙げられるかもしれませんが、一般的には良質な病院の指標というふうに言われておりますが、平成十五年の一月の資料では、全体の当時の医療機関九千二百三十九施設の中でこの認定を受けているのは九・一%でありますけれども、社会保険病院、厚生年金病院については施設の四五・三%取得しておりまして、この認定を受けるためには病院一丸となってすごい努力が必要なわけですね。そういう意味で、良質な病院のために努力をしていると。その他、臨床研修指定病院だとか、それからエイズ拠点病院、それから協力病院、それから災害拠点支援病院、救急告示病院、それから医師会の皆さんへの開放病棟、こういったことも含めまして地域医療に貢献してきたというところがあります。

小池晃君

 そうした中で、本当に賃金が低いことを是とするわけではないし、もっと良くあるべきだと思いますが、しかし非常に過酷な中で職員の皆さん頑張ってこられて、一方で関係公益法人の歴代役員は厚生労働省出身者、言わばいわゆる天下りで占められてきていると。こういう天下り役員の下でこういう努力を強いられてきた皆さんがどのようなことをお感じなっているのか、率直にお話しいただければと思います。

参考人(濱田實君)

 職員とか地域の住民の皆さんのまず最初の思いは、社会保険庁の様々な問題あるいは天下り、いわゆる天下りの皆さんの問題となぜ社会保険病院や厚生年金病院を同一視して売却するのかというのがもうほとんどの方の意見であります。いわゆる箱物については様々意見があろうかと思うんですけれども、私も意見持っております、一国民としては。しかし、医療機関についてやっぱりそれは問題だという意見だと思います。

 昭和三十三年九月一日から、全部の社会保険病院ではありませんが、全社連が受託をするということになりましたけれども、私は、全社連については、戦後の様々な状況の中で、医療の提供という点では一定の時期、私の感想では、昭和五十年代までは全社連は一定の役割は果たしたというふうに思いますが、その後、残念ながら、私たちの見るところ、中央集権化も含めて、非常に問題が多いというふうに思っております。

 私が、三十年近くお付き合いをしておりますが、事務次官経験者の方がもう五、六人、私、ちょっと名前が分からないぐらいに事務次官経験者の方が理事長で来られていますし、副理事長も局長クラスの方、それからその下の常務理事の方は、今は三人ですけれども、かつては二人ですが、二人の方も本省の課長を経験者ということで、その下の部長もそうでありますが、ずっとこの方たちと長い間付き合ってまいりまして、例えば、私たちは三十年前から公務員準拠、人事院勧告準拠によらない賃金でやってほしいということを要望してまいりました。社会保険病院はそれぞれ独立採算制の病院でありますからそういうことを要求したけれども、答えとしては人事院勧告準拠が全社連の方針であります、こういうことで、種類の話でずっと言われてきましたし、大体勤続年数が長くて五年ぐらい、短ければ三年しかいないわけですね。

 そういう中で、病院全体の把握をしてやっていくというのはとっても厳しいという中で、労働条件もそうでありますけれども、何せ一番やっぱり医療内容にそういう意味では余りいい影響はないというふうに非常に痛感してきたところです。

小池晃君

 先日ちょっと話題にもなりました新宿の東京社会保険協会会館の問題にかかわってお聞きしたいんですが、これ、この会館の建設にかかわって東京都内の三つの社会保険診療所から財政が拠出された、そういう問題があるというふうに思います。この問題についてどのようにお考えか、お聞かせください。

参考人(濱田實君)

 これは平成九年に、新宿の診療所、鶯谷診療所、葛飾診療所、この三つから合わせて三十九億円、東社協が召し上げたわけですね。独立採算制からするとおかしな話です。そして、会館を建てるという方針を出しました。そのときは実はそこには労働組合はありませんでした。二年たって、労働組合、平成十一年にできるわけですが、そこから、私たちはなぜだろうという情報の公開も含めて経営者に求めまして、当時の受託者は石原慎太郎知事でありました。その石原慎太郎知事にも質問状を出しました。社会保険庁長官にも質問状を出したりしました。そういう中で、解明されていく中で今のことが分かったわけです。

 三十九億円召し上げて、そのうち三十三億円を使って東京社会保険協会の会館を造ると。これは私たち組合としては、国のお金、みんなで働いたお金、これは受診者に還元しなければならないお金、そういうことで、これは会館は中止しなさいということを労働組合としては態度を出しました。しかし、会館は建ってしまったわけですね。三十三億円で建てました。しかし、これについて私たちはあきらめないで、三十三億円の中の約六五%、二十二億円ぐらいに該当しますが、これは国費として診療所の特別会計に、管理特会といいますが、管理特別会計に記載をさせて、国のお金ということで二十二億円は明確にさせたということがあります。

小池晃君

 ありがとうございました。

 続いて、吉矢参考人にお伺いをしたいんですけれども、先ほど非常に現場のリアルなお話をお伺いして、やはり大切な役割を改めて感じましたが、聞くところでは、大阪の福島区の大阪厚生年金病院は二十日間で二万二千人の住民の存続署名が集まったというふうに聞いておりまして、本当に住民の信頼が厚いんだなということを感じております。

 その点で、先ほどのお話をお聞きして、非常にやっぱり重要な役割を果たしているということはよく分かりましたし、改めて厚生年金病院としてすべての病院が存在していくということの持つ意味を参考人はどのようにお考えなのかということと、それからもう一点は、参考人の皆さん、院長の連名で、機能の維持のために純粋に民間の医療の専門家から成る公益法人的な一つの運営組織に所属させていただきたいという、言わば民営化の、民営化というか、その後の次善の策としてこういう御提案もされているのかなとも読んだんですが、このことの意味について、その二つについてお聞かせ願えればというふうに思います。

参考人(吉矢生人君)

 署名運動につきましては、かなり時期的にはずれておりまして、星ヶ丘の場合は今スタートし掛けているところでございますが、大阪病院は既に五万ぐらい集まっているようでございます。

 後の御質問でございますけれども、純粋に民間の法人、公益法人に委託していただきたいというのは、やはり民間の医療法人ですと今の公的な機能を維持するのが非常に難しかろうということでございます。特に、継続性といいますか、リハビリテーション医療につきましても、いろいろ紆余曲折があっても、各病院、五十年、六十年継続している。そういう継続性を保つには、やはり公益法人的なところでないと、そういったことがその時代時代に流されて継続できなくなる可能性があると。そういう思いでこういう言葉を使ったわけでございまして、具体的にどうするかというところまではもちろん煮詰まっておりませんし、先ほどもお答え申し上げたように、病院の立場として、そういう法人といいますか、次の経営母体というのを注文を付けるという立場ではございませんので、希望として公益的な機能を存続させる一つの形としてそういう文言になったということでございます。

小池晃君

 ちょっと併せて聞いちゃったのがまずかったのかなとも思いますが、そもそもやっぱりこういう売却しないで現状のままでいくのが一番いいというふうに恐らくお考えだというふうに思うんですが、やっぱり厚生年金病院という形で残っていかないといろんな被害、デメリットがあり得ると思うんですが、医療上、利用者の皆さんにとって、患者さんにとって、職員の皆さんにとってどういう不利益が予想されるかということについてお聞かせ願えますか。

参考人(吉矢生人君)

 地域の方々にとってのデメリットということになりますと、やはり十病院が一丸となってやるということの、あるいはやらないことのデメリットというのは、やはり一部だろうとは思います。

 例えば、救急医療だとかリハビリテーションにしましても、その地域地域で、もちろんその病院の機能が発揮されれば地域の方々はそれなりのメリットを受けられるわけですが、ただ一つの、まあ何といいますか、緩い連合体というような協調できるというグループにしたいという考え方は、例えばリハビリテーション医学というのはこういった病院群でかなりそれによって積み上げてきたわけですね。厚生団の七病院は人の交流も非常に盛んでございまして、例えばリハビリの技師もAの病院からBの病院、Cの病院へと転勤しておりますので、そこで非常にリハビリテーション医学というものを普及させて、あるいはそれを進める牽引的な役割を果たしてきたと。それが翻って各病院を受診される方に還元されているというのが今までの状況だと思います。

 ですから、そういう形をやはり今後ともやりたい。ある病院はもうリハビリテーションをやめてしまったとか、救急はもう余り採算的に悪いからやめるというような形では困るということでございます。

小池晃君

 あと、先ほど同僚委員の方から減価償却費入れると大半赤字になるんじゃないかという指摘があって、ちょっと吉矢参考人が何かお答えになりたかったような御様子があったので、あの指摘に対しておっしゃりたいことあればお答え願えればというふうに思っておりますが。

参考人(吉矢生人君)

 資料、お手元の資料の平成十五年度の会計決算の大きな表がございます、A3の表でございますが。実は私、こういう数字を見るのがもう非常に苦手でございまして、ただその下の方に、米印の3というところのちょうど右に減価償却費が挙がっております。これが左の三つ、東北、星ケ丘、高知というのが五億、六億三千万、一億九千万となっておりまして、その右の東京から右はもう少し少ない状況です。これは、厚生団の七病院はいわゆる減価償却費として算定してございまして、全社連の三病院はこれに建物の更新費も入れた数字がこれでございます。

 ですから、いずれも平成十五年度に関しましては、これが適正な額かどうかは別としまして、減価償却費は一応計上した上の決算でございます。

小池晃君

 ありがとうございました。

 私も先ほど吉矢参考人のお話をお聞きして思い出したのは、東京北社会保険病院、国立病院、王子病院の跡地に造られる病院が全社連委託でなくなるという経過の中で、非常に優秀なお医者さんたちが不安を感じて離れるというふうな経過があって、やっぱり医療機関というのは本当にソフトの部分、どういうやっぱり技術者がいるかということが本当に評価に深くかかわると思いますので、その点で大変な御苦労だろうというふうに思いますけれども、是非地域医療を維持、発展させるために御努力、引き続きいただきたいというふうに思います。

 ありがとうございました。すべての参考人に質問できず、大変失礼いたしました。

<参考人> 財団法人厚生年金事業振興団理事長 吉原健二 社団法人全国国民年金福祉協会連合会理事長 加藤陸美 社団法人全国社会保険協会連合会理事長 伊藤雅治 財団法人社会保険健康事業財団理事長 金子洋
小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 先ほどの四人の皆さんの、地域の皆さんにとっても、あるいは職員にとっても大事な施設を乱暴になくしていくやり方に対する懸念ということには、完全に同意もし共感もいたします。

 しかし、ここにおられる四人の皆さんの責任というのは、全くそれとは別の問題として私は存在しているというふうに考えます。

 その点で、最初に四人の方に端的にお伺いしますが、最終官職を教えてください。

参考人(吉原健二君)

 厚生事務次官でございます。

参考人(加藤陸美君)

 環境次官でございます。

参考人(伊藤雅治君)

 厚生労働省医政局長でございます。

参考人(金子洋君)

 社会保険業務センターの所長です。

小池晃君

 全員天下りなわけですが、厚生年金事業振興団について特にお聞きをしたいんですが、これ調べてみますと、昭和二十六年以来九名の理事長、これ全員が厚生事務次官の出身者であります。何でそのすべて、これ厚生事務次官が理事長を昭和二十六年以来務めてきたんでしょうか。厚生事務次官でないとできない仕事なのか、その点についてなぜなのか、御説明願いたい。

参考人(吉原健二君)

 なぜ、なぜかと、なかなか御質問、お答えしにくい御質問でございますけれども、財団法人厚生年金事業振興団は財団法人でございまして、理事長は、まあ何といいますか、理事、理事会、評議員会で、最初は、かつては評議員会というのはなかったんでございますけれども、理事会の中でこう選ばれるということになりまして、その理事会のメンバーには公益代表でありますとか、あるいは労使の代表の方が理事に、役員になっているわけでありますけれども、そこでこう、その事業を推進するのにまあ一番ふさわしいといいますか、適任な方が選ばれるというふうに制度の上でなっております。

 そういったことで、実は、まあそれは自分で申し上げるのはなんでございますけれども、そういう手続といいますか制度の中で、微力でございますけれども私などが選任されたというふうに考えております。

小池晃君

 現在の理事見ましても、常勤理事三名すべて厚生省の出身者であります。

 これを見ますと、学識経験者の枠が四名あります。学識経験者四名のうち三名が厚生省ということになっている。一名、慶応大学の方もいらっしゃいますが、学識経験者四名中三名が厚生省というのは、これは、学識経験者というのは厚生省の出身者以外にいないんでしょうか。なぜこのような構造に、構成になっているんでしょう。

委員長(岸宏一君)

 よろしいですか。吉原参考人。

参考人(吉原健二君)

 なぜと言われますと、理事会は……。

 理事は、評議員が理事を選任するということになっておりまして、また評議員は理事会ですか、そういうふうに相互、相互に相互の理事なり評議員を選ぶという、これどの財団法人も恐らくそういうことになっていると思いますけれども、そういった中で、その事業、その団体の事業を運営するのに一番まあ適任者、適当な人が選ばれてきたということだろうと思います。

 まあでき上がった、こう選ばれている姿についていろいろ今御指摘のいただきましたような御意見はあるかと思いますけれども、そういうことで選任をされてきているというふうに思っております。

小池晃君

 国民から見れば全く納得できない構造だと思うんです。

 先ほど、私、四名中三名と言いましたが間違いで、理事長一名含めて五名中四名が、学識経験者五名中四名が厚生省の出身者ということになっているというわけです。

 重ねてお尋ねしますが、吉原参考人は年金局長を二年間務めておられますが、その在任中にグリーンピア、どれだけ造られたでしょうか。

参考人(吉原健二君)

 ちょっと大分昔のことになりますし、事前に御質問いただいていましたら正確にお答えできるんですが、質問を伺っておりませんでしたので、ちょっと正確なお返事ができませんのでお許しをいただきたいと思います。

小池晃君

 一つぐらい覚えていていただきたかったと思いますが、グリーンピア田老、グリーンピア津南、グリーンピア南紀、グリーンピア安浦、グリーンピア指宿、十三か所のグリーンピアのうち五か所が吉原年金局長の在任中に造られているんですが、これは事実ですね。間違いございませんね。

参考人(吉原健二君)

 その辺も、私が年金局長をしておりましたのは昭和六十年ごろでございますけれども、グリーンピアの計画は昭和四十年代の終わりごろからの計画でございまして、たまたま、あるいは六十年ごろ、五十年代の終わりから六十年ぐらいの間に施設が完成をしたと。

 あれはもう日本の各地で是非こういう施設を造ってほしいというすごい大きな要望がございましてできた施設でございまして、このでき上がりもたまたま同じ時期になったのではないかというふうに思います。

小池晃君

 たまたま同じ時期じゃない。昭和五十九年六月から六十一年六月まで年金局長を務めておられて、今私が申し上げた五つのグリーンピアは昭和六十年四月から六十一年四月までの間にすべて開設をしているんです。

 重ねてお伺いしますが、二年前の当委員会で私、天下りの問題、退職金の問題、取り上げて、そのときに調べさせていただいて、吉原参考人のその当時の時点でのこういう数字になっているんですね。

 厚生省の退職金は調べさせていただいて、七千五百四十四万円でした。それから、退職後、二つの特殊法人を渡り歩いておられる。厚生年金基金連合会の理事長を務めて、その後、今の厚生年金事業振興団の理事長をされていますが、二年前の時点で、当時の現規程で計算すると、退職金が合計で一億二千万円です。ボーナスを含めた役員報酬が二億四千万円。まあ二年前の時点ですから、今はもっとそれに上乗せされているはずで、二年前の時点で総額で三億五千九百万円、あっ失礼しました、三億八千七百万円という数字になっておりました。大方このような数字で間違いございませんか。

参考人(吉原健二君)

 私の記憶ではそんな額にはならないんではないかと思います。

小池晃君

 これはそれぞれの法人が報酬規程等公表しておりますので、それに基づいて計算させていただいた。

 先ほど、ちょっと私、言い間違えたかもしれませんが、退職金が総額で一億二千二百万円、それからボーナスを含めた役員報酬が二億六千五百万円、総額三億八千七百万円という計算でした。

 今までちょっと指摘してきたような問題あるわけです。それで、グリーンピアを十三か所中五か所を在任中に造るその当時の年金局長であられた、そしてこれだけ膨大な退職金を受け取って天下りをして、二つの特殊法人を渡り歩いて報酬を、高額な報酬を受け取ってこられた。こうしたお金もすべて年金資金の無駄遣いということで指弾されているわけであります。

 吉原参考人はこうした一連の経過についてどのような責任を感じていらっしゃいますか。

参考人(吉原健二君)

 今御指摘のございましたような金額は私はとても理解できないような金額、そのとおり、それは間違いだろうと思います。間違いだろうと思いますし、決して年金の資金でそういったものが支払われたわけではございません。これだけはもうはっきり、そういう誤解のあるような質問はできれば避けていただきたいというふうに思います。全部がそういったことで年金の資金が原資である、あるいは年金の資金でそういう退職金をいただいたということは全く事実と違いますので、その点はそういうふうに御了解をいただきたいと思います。

小池晃君

 私聞いたのは、直接その報酬が出ているかどうかは別として、グリーンピアは正に年金資金から出ているわけです。十三か所のうち半分近くを当時年金局長在任中に開設されたんですよ。そして、こうした特殊法人からのこれだけの高額な報酬受け取ってきているわけです。これは事実です。

 そういうことについて、そういったことを放置したまま今回のやり方で非常に、こういったことに指一本触れない構造ですよ。そして利用者や住民や職員には痛みを押し付けると。こういうやり方に納得できるかという声、私出てくるのは当然だと思うんです、こういうやり方に対して。

 どうなんですか、ここにおられる四人の方、もうどなたでも結構ですけれども、皆さん同じようなそういう天下りという形で、今そういう立場におられて、今こういう痛みが本当に何の関係もない利用者に押し付けられようとしているということについて、何か感じておられることないですか。何か一言あったらどなたでも結構ですけれども、是非やっぱりお答えいただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

参考人(吉原健二君)

 グリーンピアが幾つか、数は正確に覚えておりませんけれども、幾つかが私の年金局長在任中に完成をしたということはそのとおりかもしれませんが、私あるいは年金局、厚生省が言わば勝手に造ったという施設では決してございません。資金はもちろん年金の資金でございますけれども、国民の方々といいますか、そういった方々のそういった保養施設、大規模な保養施設を是非全国各地に造ってほしいというような強い要望がございまして、厚生省が当時の与党、また与党の先生方といろいろ御相談をさせていただいてああいった施設を造ったわけでございまして、今となればいろいろと御意見があろうかと思いますけれども、役所の立場で、役所だけの判断でそういったことをした、またできるものではございませんので、その点は誤解のないように、こういった席でそういう御質問を受けますと本当に残念でございますけれども、誤解のないようにしていただきたいと思います。

小池晃君

 いや、誤解でも何でもなくて、そういうことを言い出したら、もう役所の責任なんか問われないということになりますよ。とんでもない責任のなすり付け合いみたいな議論は、国民から見れば、本当にそういったことが一切不問にされて、そして実際の利用者や住民や職員にだけ痛みが押し付けられていくと。こんなやり方は絶対許せないというふうに、私、今日のやり取りも通じて感じました。

 時間が来ましたので、終わります。

ページトップへ
リンクはご自由にどうぞ。各ページに掲載の画像及び記事の無断転載を禁じます。 © 2001-2010 Japanese Communist Party, Akira Koike, all rights reserved.