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162通常国会 参議院厚生労働委員会

  • 国立大病院の新卒看護師/年内退職が倍化/小池議員質問に国(関連記事

2005年4月28日(木)


小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 看護師の不足が改めて医療現場で問題になりつつありまして、日本看護協会が今年二月に実施した調査では二〇〇三年度の新卒看護職員の十二人に一人が一年以内に離職をしたとされております。

 今日、文科省おいでいただいていますが、国立大学病院の看護師の退職者数について、勤続一年未満、三年未満ということでお示しいただきたいと思います。

政府参考人(泉紳一郎君)

 お答え申し上げます。

 国立大学の附属病院におきます常勤の看護師及び准看護師の在職一年未満の退職者数でございますけれども、平成十三年度が七十四名、十四年度が百四十名、十五年度は百五十七名でございます。

 また、在職一年以上三年未満で退職した数というのは、平成十三年度が二百八十八名、十四年度は三百五十二名、十五年度が四百十七名となっております。

小池晃君

 勤続一年未満、三年未満で増加していますけれども、その原因はどうでしょうか。

政府参考人(泉紳一郎君)

 国立大学附属病院におきます看護師の在職一年未満あるいは三年未満の退職者の退職の理由等につきまして、全国的に網羅的に調査を行っているわけではございませんので、増加の要因については必ずしもつまびらかではないわけですけれども、幾つかの大学病院に対しましてこの在職三年未満の退職者の退職の事由を照会してみたところでございますけれども、それによりますと、例えば、知識や技術が未熟などであることから命を預かるという業務の重さ、あるいは現場の業務量に対してなかなか自信を持って当たることが難しいといったようなこと、あるいは重症の患者さんのケアやリスク管理等に伴って大変緊張した業務が長時間続いて精神的な負担が大きい、それから現場、職場での人間関係の困難さがあった、あるいは勤務条件、待遇等についてより条件の良い勤務先の病院が見付かったといったようなことが原因であるというふうに聞いているところでございます。

小池晃君

 日本病院会など病院関係四団体の調査でも、四九・七%の病院が看護師不足を訴えている。六八・六%の病院が採用困難だというふうにしていますが、医政局長にお伺いしますが、今需給見直しの作業をやられているわけですが、やはりその必要数、養成数を大幅にこれは見直していくという必要があるんじゃないでしょうか。

政府参考人(岩尾總一郎君)

 マクロで見て、私ども平成十七年に需要と供給が均等する、均衡するという見通しを立てておりますが、十八年以降の需給見通しということでは現在検討会で検討しております。

 確かに、医療現場においては、在院日数の短縮化などを背景に看護師の不足感が強まっているという指摘もございますので、今後、少なくとも、もう少しミクロに見ようということで各都道府県ごとに需給見通しの策定を行っていただいて、その結果を積み上げていく、本年末にはこの全国の需給見通しは策定したいと考えております。

小池晃君

 ある看護雑誌に大学病院の看護部長さんが座談会をやっておりまして、ちょっと大臣にこれを紹介したいんですが、こんな議論になっているんです。新卒者ケアできる余裕が現場の中になくなっている。せっかく勉強して免許取った人が一年もたないと。私立大学の看護部長会というのが二、三か月に一回あるんだけれども、そこの最初のあいさつが、おたく何人辞めたというあいさつだと。そういう実態なんだと。同時多発テロが起こっているなんという議論もありまして、これは何を言っているかというと、在院日数短縮の圧力とそれから電子カルテなどのIT化、それから医療事故対策のリスクマネジメント、これが現代医療現場における同時多発テロだと、そんな議論があって、こういう状況をこのまま放置していたらいけませんと。やっぱり矛盾は今噴出しているところかなと思うんだけれども、でもその噴出する矛盾が社会に知られていない、どうしたらいいでしょうかと、こういう議論が大学病院の看護部長さんの間でされております。

 在院日数十日ちょっとでどんどんどんどん患者が入れ替わるわけですから、夜勤やって次の夜勤になるともうほとんどの患者が入れ替わっていて、大半知らない人で、もう看護の喜び感じられないなんていう声も私聞くんです。例えば看護学校の退学者の割合というのも、ここ十年で三、四%台だったのが一〇%以上に急増しているんですね。やっぱり現場の忙しさ見て、とてもこれは私にはできないということで、一割の学生が在学中に辞めてしまうと。

 やはり看護師というのは、私、医療の根幹支える職種だと思うんですが、今こういう事態が起こってきているというのは、私、放置できないんではないかと思いますが、大臣、今の話聞いてちょっと御感想なり、お聞かせ願えればと思うんですが。

国務大臣(尾辻秀久君)

 在院日数を短くするということでの関連してのお話でありましたけれども、私が理解いたしておりますところでは、日本の日数というのはまだ外国との比較において長いわけでありますから、そうするともっと短い外国では一体今のお話がどういうことになるのかなと、もし今のお話をそのまま言うともっと離職する人の割合が大きくなるのかなと、そんなことでもないんじゃないかと思いながら今のお話を、最後の部分はお聞きをいたしました。

 ただ、まあ、新たに看護職に就いた人ができるだけ働き続けられるということは大切なことだと、これはまた当然思うわけでございまして、新人看護職員の受入れ環境を整備していく、このことはまた同時に必要なことだというふうに考えます。

小池晃君

 外国のお話出ましたけれども、百床当たりの看護職員の数、全然違うわけですよ。イギリスは日本の三倍です、アメリカは日本の六倍看護職員がいるわけです。だから、短いけれどもそれだけの人手があるわけですね。日本は少ないところに今急激にそういうプレッシャー掛かってきているという問題がある。

 日本看護協会の実態調査では、こんな調査もあるんですね。半数以上の新人看護師が入職二か月後までに夜勤に入るんだそうです。しかし、七割以上の人が基本技術百三項目のうち六十八項目一人でできないというふうに答えております。本当に、先ほど大学病院の話ありましたけれども、技術付いていけないと、本当に率直なそういう悩みがある。

 私は、この間御努力いただいて、医師の卒後研修制度というのは一定、体制がつくられてきたというふうに考えるんですが、学校での教育の見直しも必要なんですけれども、やはり看護師についても、医療現場できちっと新卒看護師の教育担当者を置くとか、あるいは卒後研修制度化するとか、もちろん抜本的な人員増を図るということをやりつつ、そういう手だてを考えていくべき時期に来ているのではないかと考えるんですが、大臣、その点いかがでしょうか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 先ほど、冒頭でお述べになりました日本看護協会が行いました調査の中にも、新卒看護職員の職場定着を困難にしておる要因という調査がありまして、まず一番目に出てくるのが基礎教育終了時点の能力と看護現場で求める能力とのギャップというものがございます。

 こうしたことなどを踏まえますと、やはり新人看護職員の臨床実践能力の確保は、看護の質でありますとか医療安全の確保上も重要な課題でございます。そのためには、看護の基礎教育と卒後の臨床研修、両方の充実が必要であると考えます。看護教育の面では、技術教育の標準化でありますとか実習環境の整備に取り組んできたところでございまして、本年度はカリキュラムの見直しに取り組むこととしておりまして、医療安全などの今日的な課題に対応する内容としてまいりたいと考えておるところでございます。

 新人看護職員の臨床研修につきましては、平成十六年に標準の研修到達目標と指導指針を策定しておりまして、その中で教育担当者の配置など、研修体制の充実を図ることとしておりまして、現在、その普及に取り組んでおるところでございます。

 さらに、新人看護職員の研修の在り方につきましては、現在行っている医療提供体制の在り方の議論の中でもまた検討しておるところでございます。

小池晃君

 目標とか指針を示されても、財政的な裏付け、診療報酬上の裏付け、やはりそういうものがなければこれは絵にかいたもちになるわけでありまして、むしろ矛盾はますます深まるわけですから、そこのところを本当に真剣に考えていく時期なんだということを問題提起をさせていただきたい、是非検討してほしいと思います。

 それから、歯科診療についてちょっと簡単にお答えいただきたいんですが、在宅歯科診療の現場でポータブルレントゲン撮影を行われることありますが、これは医療上必要であれば保険請求できるということでよろしいですね。

政府参考人(水田邦雄君)

 歯科のエックス線撮影に係る診療報酬についてでございますけれども、外来診療、訪問診療にかかわらず算定できる取扱いとしているところでございます。

 したがいまして、歯科訪問診療におきまして、診療上必要があって歯科用ポータブルエックス線撮影装置を用いて撮影を行った場合には、所定の歯科診療報酬を算定することが可能でございます。

小池晃君

 障害者加算を算定している患者でも、その条件が、もちろん上限があればですけれども、歯周疾患指導管理料、これは算定できますね。このことも確認をさせていただきたい。

政府参考人(水田邦雄君)

 歯科診療におきます障害者加算につきましては、条件が幾つかございます。

 脳性麻痺等で身体の不随意運動や緊張が強く、体幹の安定が得られない状態でありますとか、知的発達障害により開口保持ができない状態や、治療の目的が理解できず治療に協力が得られない状態等にある患者に対しまして歯科診療を行った場合に算定できるものでございます。したがいまして、障害者認定を受けているということだけではなくて、こういった正に状態にあるということが必要なわけでございます。

 一方、歯周疾患指導管理料でございますけれども、歯周疾患に罹患している患者に対しまして、診療方針を明確にした上でプラークコントロール、栄養等に係る療養上必要な指導を行った場合に歯科診療報酬で算定が可能でございまして、この指導管理料を適切に運用するために、算定要件に係る通知におきましては、歯周疾患に罹患している患者に対し診療方針が明確でない場合、それから実際に当該疾病の療養上の指導が行われていない場合、実態的に当該疾病に対する治療が当該保険医療機関では行われていない場合においては算定できない取扱いを明確にしているところでございます。

 したがいまして、一般に歯科診療におきまして障害者加算の算定が可能な患者さんにつきましては歯周疾患指導管理を同時に行うことは困難であると考えられますが、この歯周疾患指導管理が適切に行われた場合であれば、所定の歯科診療報酬を算定することが可能でございます。

小池晃君

 何でこんなことを聞いたかというと、これは神奈川県で指導医療官がいずれもこれ算定できないという一律のルールを指導しているんですね。

 お尋ねしたいんですが、診療報酬にないような新たなルールを県の独自ルールとして保険医の皆さんに押し付けるということは、これはあっていいんでしょうか。

政府参考人(水田邦雄君)

 歯科診療報酬の算定要件等につきましては、診療報酬に係る告示、通知等で規定されているところでございまして、その解釈は全国統一で行われているところでございます。

 ただ、このような全国統一ルールの下に、個別具体的な事案への適用に当たりましては、その趣旨等を踏まえて適切な判断がなされているものと考えてございます。

小池晃君

 じゃ、ルールにないものを別のルールとして示すと。個別の解釈についてはありますよ、しかしこれは一律に駄目ですと、そういうのはいけないんじゃないですか。

政府参考人(水田邦雄君)

 あくまでもルールとしては全国統一でございまして、それを具体的な事案への適用に当たりましては、個別にそれはその趣旨等を踏まえて判断がなされるべきものであると考えております。

小池晃君

 神奈川県保険医協会の調査では、支払基金の審査内容について問題があると答えた開業歯科医が八八・三%なんです。保険診療を進める上で現場のドクターの大半が問題があるというふうに言っているようなことでは、私本当に信頼関係ないのはゆゆしき事態だというふうに思いますので、こういったことがないようにきちっと指導なりチェックをしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 続けて、混合診療解禁の動きについて関連して聞きたいんですが、制限回数を超える医療行為について、二十二日の中医協で、患者の選択という観点よりも、医療上の必要性から制限回数を超える医療行為が実施されると考えられる項目、これを保険外負担を患者に求める対象として挙げておりまして、実例としては、血漿交換療法など六十項目あるんですね。これは、医療上の必要性があるのであれば、これは保険適用するということが本来の筋ではないんですか。

政府参考人(水田邦雄君)

 制限回数でございますけれども、これ自体は、医学的な知見に基づいて必要とされる標準的な回数を診療報酬で賄うと、こういう観点から設定されているものでございます。今般、制限回数を超える医療行為につきまして、患者の要望に的確にこたえるという観点から、適切なルールの下に併用を認めるとしたものでございまして、正にその条件等について検討を行っているところでございます。

 なお、厚生労働大臣と規制改革担当大臣の合意におきまして、医学的な根拠が明確なものについては、保険導入を検討するとされているところでございまして、医療技術、医療技術評価分科会における検討におきましてそのような評価がなされたものにつきましては保険導入の可否を検討すると、こういう手順になろうかと思います。

小池晃君

 医療上の必要性がありながら、保険外負担に、取るというのは、私、根本的に間違いですよ、これ。血漿交換療法をやる事態というのは本当に救命治療で、やはりこれをやらなければ助かるか助からないかと医師が判断してやっているわけですから、こういったものはやはりきちっと保険で対象にしていくということをすべきだと、当然のことだと。

 それから、未承認薬の治験の問題を聞きたいんですが、これ、今回、医師主導の治験で患者に対して薬剤料負担を求めるというふうになっているわけです。これ、私、本来、薬剤料の負担というのは患者に求めるべきものではないはずだと思うんですが、通知の中では、この料金について、特別な料金については、社会的に見て妥当適切な範囲の額とするということを示しております。しかし、その社会的に見て妥当というのは一体だれが判断するのか、高いという場合は変更させることができるのか、この辺が非常にあいまいだと。ここは一体どうなっているんですか。

政府参考人(水田邦雄君)

 治験の費用、治験におきます医薬品の費用の問題でございますけれども、メーカー主導の治験と異なりまして、医師主導の治験におきましてはこれまでも患者等に、患者にその費用負担を求めることは禁止されていなかったわけでありますけれども、今回そのことを明確化するということをいたしますとともに、その料金が、徴収する料金が不当に高くならないように二つのことを手を打とうというふうに考えてございます。

 一つは、患者から薬剤料等の特別の料金を徴収するに当たりましては、患者に対し、当該徴収額を文書で提示すること。もう一つは、特別の料金の内容を定めたり変更しようとする場合には、当該薬物の購入額、外国における価格などを示す資料の添付を求めつつ、治療実施医療機関から社会保険事務局長にその都度報告させることとしたものでございます。

 今後、医師主導の治験の推進に当たって、不当な患者負担が生じないように適切な運用を図っていきたいと考えてございます。

小池晃君

 いや、だから、その不当に高くしないようにするというそういう通知出したんですけれども、保証はないじゃないですかと。

 私、この治験の薬剤料というのはメーカー負担当然であって、これまでもメーカーは無償提供でやってきているし、どうしても採算ベース乗らないんだったら国が支援するということをするべきだと。患者に負担求めるということを根本から考え直すべきだというふうに思いますということを申し上げておきたいと思います。

 最後、この間何度も取り上げてきた抗がん剤イレッサの問題についてお聞きしますが、副作用の現時点での最新の状況を示していただきたいと思います。

政府参考人(阿曽沼慎司君)

 お答えを申し上げます。

 平成十七年の一月二十日の第一回のゲフィチニブ検討会で公表いたしましたけれども、販売開始しました平成十四年の七月十五日から平成十六年の十二月二十八日までに報告されたイレッサの急性肺障害、間質性肺炎等に関する副作用報告数でございますが、千四百七十三例でございまして、うち死亡症例は五百八十八例でございます。直近の数字で申し上げますと、これはまだラフな数字でございますけれども、平成十七年四月二十二日までに新たに報告された副作用症例を加えた粗い推計でございますが、イレッサの急性肺障害、間質性肺炎に関する副作用報告数でございますが、千五百五十五例でございまして、死亡例数は六百七例ということでございます。

小池晃君

 今、亡くなった方は六百人を超えたと。

 私は、本当にけしからぬと思いますのは、アストラゼネカは今年一月の検討会まで推定使用患者数八万六千八百人と言っていたのを、三月二十四日になって急に、間違っていましたと、実は四万二千人でしたと、もう半分なんですよ。これだけたくさん副作用の被害出して、社会的にも問題になっている薬の使用実態を本当に把握してなかった。厚労省もこの企業の言いなりにその数字を国会での答弁でも使っていたし、検討会にも報告してきた。私ね、これ、責任重大だと思うし、徹底的にこれ洗い直すべきではないかと思うんですが、その点いかがですか。

政府参考人(阿曽沼慎司君)

 推定の累積使用患者数でございますけれども、これは、企業が各月の販売金額を基に一定の仮定のを置きまして、使用患者数を推計しているということでございます。したがいまして、厚生省への報告義務というものは特にございません。企業の方で判断をして、そういう推計をしているということでございます。

 したがいまして、今回の患者数の修正について、私どもとしては企業側がもう少しきちんとすべきだとは思っておりますけれども、厚生省に責任問題が発生するというふうには考えておりません。

 ただ、急性肺障害、間質性肺炎のリスク等、このイレッサについては副作用情報があるわけでございますから、従来から添付文書の改訂など必要な安全対策を企業に対して指導してまいりました。したがいまして、私どもこの安全対策を引き続き実施をしたいというふうに思っております。

小池晃君

 いや、これね、半分、八万七千人が四万二千人ですからね、誤差の範囲の話じゃないんですよ。

 それで、患者数の把握については、検討会後一か月たっていますけれども、どうなっていますか。

政府参考人(阿曽沼慎司君)

 今の患者数の修正の問題でございますけれども、一月二十日のゲフィチニブの検討会の後に、私ども厚生労働省の方から企業にもう一回推計方法を確認してほしいということでいたしました。そういたしましたら、企業の方で幾つか修正がございまして、その結果が、今お話しのようなことが三月二十四日に報告をされました。

 三月二十四日の検討会におきましては、御指摘がございましたように、企業は患者情報の把握に一層努めるということでございまして、私ども厚生労働省といたしましても、企業に対して患者情報の把握を指導いたしました。その進捗状況を確認するということにいたしております。

 現在までのところ、アストラゼネカ社におきましては、いわゆるMRによる患者数の調査方法、あるいは病院を選定して推計に用います平均投与期間の調査等を行っているというふうに承知をいたしております。

小池晃君

 まだその使用者数も把握できてないと。

 これね、検討会の中でもやはり全例調査、すべての使用患者を登録して追跡調査行うべきだって意見出ました。これ、世界で初めての承認だし、作用機序が不明の薬だと言われているし、どういう人に効くのかということを克明に化学的に判断する上でも、私、これ全例調査するというのが必要な薬だということを以前から主張もしておりましたし、当然大事だというふうに思っているんです。

 検討会では専門家からそういう声が出た。ところが、出席していた厚労省の幹部が検討会の最後になって全例調査に消極的な意見を述べたというふうに聞いております。結論としては、患者情報の把握に努めると。ところが、こうした発言をした人たちがどういう人たちかというと、発言した医薬担当の審議官、審議官、この人はイレッサ承認のときの安全対策課長ですよ。それから、もう一人の現在の安全対策課長というのはイレッサ承認時の審査第一部長なんですよ。だから、その承認したときの責任者が今安全対策の責任者に座っていて、そのこと自体、私、本当に問題だというふうに思う。その人が審査会の最後に発言をして全例調査やる必要ないという結論に持っていく。

 私ね、こういうやり方したらば、これは被害者の皆さんからも国民から見ても、これは一体何の議論しているんだと不信を呼ぶのは当然ではないかというふうに思うんですが、いかがですか。

政府参考人(阿曽沼慎司君)

 三月二十四日の検討会でございますけれども、一部の委員から全例調査はどうかという提案といいますか、お問い掛けがありましたことは事実でございますが、全体の委員の中で議論をした結果、最終的には検討会の取りまとめといたしまして、先ほど申し上げましたように、企業は患者情報の一層の把握に努めるべきだという結果になったわけでございます。

 それから、全例調査について申し上げますと、そもそも全例調査といいますのは、国内で治験症例が非常にない場合とか、非常に少ない場合、あるいは重篤な副作用が高頻度で発現している場合において、承認後の副作用の発現等を把握するということで、適切な市販後の安全対策を講じていくために、承認時の条件として必要最小限度の範囲で製薬企業に義務付けるということでございます。

 したがいまして、イレッサにつきましては、販売から既に二年経過しておりまして、必要な安全対策も講じているということでございますので、私どもとしては、全例調査を義務付ける必要はないものというふうに考えております。

小池晃君

 いや、承認時に全例調査はすべきだったと私は思うんです。で、それしなかったと。それしなかったときの当事者が今検討会で厚労省の責任者として座っている。大臣、この一点だけ取っても、私はこれ疑念招くんじゃないですか、こういう人を配置しておくということは。だって、審査、承認した人たちが今その副作用が出たその安全対策の検討会に出て、そこで座っているというのは、これはどう考えたっておかしいじゃないですか。大臣、おかしいと思いませんか、こういうやり方。

政府参考人(阿曽沼慎司君)

 厚生省内の人事異動でたまたまその審査に担当しておった時期の……

小池晃君

 たまたまって、そんな……

政府参考人(阿曽沼慎司君)

 担当の審査センターにおった部長が二年後に安全対策の課長になったということでございまして、別にそれによって安全対策に問題が出るとかということはないというふうに考えております。

小池晃君

 全く納得できません。

 終わります。

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