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162通常国会 参議院厚生労働委員会

  • 高齢者医療3割負担/対象、112万人超/小池氏 “一部の問題でない” (関連記事

2005年7月19日(火)


小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 最初に一問だけ介護保険のことをお聞きしたいんですが、今年十月からホテルコスト、食費が保険給付対象外になる改悪が先日行われました。大混乱しておりますので、改めて実施中止を求めたいというふうに思いますが、財務省に一言お聞きしたいことは、新たにホテルコストや食費部分について利用者負担になってくるわけですが、この部分については消費税の課税対象には私はすべきでないというふうに考えるんですが、この点、どのようにお考えでしょうか。

政府参考人(佐々木豊成君)

 お答え申し上げます。

 今般の介護保険法の改正によりまして、施設介護サービスのうちのいわゆるホテルコストが介護保険給付の対象外になり、利用者負担ということになりますが、その具体的な内容につきましては現在厚生労働省におきまして省令改正等の作業が進められているものと承知いたしております。

 したがいまして、御質問の消費税の課税関係につきましては現段階において確たることを申し上げることはできないわけでございますけれども、介護保険法の規定に基づく施設介護サービスに対する消費税につきましては基本的に非課税、現在基本的に非課税、利用者の選択により提供されます特別の食事、特別な居室等を除き非課税というふうになされておりまして、今般の介護保険法の改正に伴いまして食費及び居住費が利用者負担となることを理由として、現在、現行の課税関係を変更するということは考えておりません。

小池晃君

 当然そういうふうにすべきでないというふうに思いますので、そういう方向でお願いしたいと思います。

 続いて、高齢者医療制度の問題についてお聞きをしたいんですが、いろいろ報道されておりまして、被用者保険の被扶養者である前期高齢者から保険料を徴収するという案も検討されているやに聞いております。

 そこで、こういう考え方でいくとすると、一体何人の方が新たに保険料の徴収対象となるのか、お答えください。

政府参考人(水田邦雄君)

 被用者保険の被扶養者のうち、六十五歳から七十四歳までの前期高齢者の数は何人かという問いであるというふうに理解をしてお答えさしていただきますと、平成十九年度におきまして約百七十万人と推定しております。

小池晃君

 そこで、こういう方にその保険料をもし徴収するとすると、被用者保険というのは基本的には加入者の収入に対して保険料が定率で賦課されているわけであります。被扶養者の分も言わばそこに含まれているはずのものであって、それとは別に、その前期高齢者にだけは被扶養者分のその保険料を徴収するということになると、私は言わば二重取りということになってしまうんではないかと思うんですが、その点はいかがですか。

政府参考人(水田邦雄君)

 お尋ねの被扶養者からの保険料の徴収の問題につきましては、これは広い意味で新たな高齢者医療制度をどうするか、こういう観点から現在社会保障審議会の医療保険部会で検討されているものでございます。

 その中で、高齢者の保険料負担につきましては、個人単位の保険料負担とすることについてどう考えるかという点、それから高齢者につきましては一般に定型的な年金収入があるということ等につきましてどう考えるか、こういった論点をお示ししながら検討が進められているわけでございます。

 したがいまして、お尋ねの被用者保険の被扶養者である前期高齢者の保険料の徴収をどうするかということにつきましても、そういう意味では正に議論の過程にあるものでございますけれども、仮にこういった方々から保険料を徴収することとした場合でありましても、一般論として申し上げますと、保険料の賦課総額そのものは一定でございますんで、当該徴収分を更に被保険者から徴収することにはならないのではないかと考えてございます。

小池晃君

 私は、この前期高齢者から保険料を取るというのは、年金の削減などで非常に暮らしが悪化している層でありますし、やるべきじゃないというふうに思いますが、引き続き七十歳以上の一定以上所得者の窓口負担を現行の二割から三割に引き上げるということも検討されているやに聞いております。

 一定以上所得者の割合は何%なのか、対象者数というのは、これは何人になっていくのか、現在のそういった層の自己負担は一体幾らなのか、お答えいただきたいと思います。

政府参考人(水田邦雄君)

 老人保健制度におきまして一定以上所得者がどのくらいいるかということでございますけれども、実際の割合を見ますと、平成十四年度平均で約八%という数字でございました。

 で、この一定以上所得者の水準でございますけれども、本年八月から適用される基準で申しますと、課税所得で申し上げまして……

小池晃君

 いや、それ聞いてない。人数。

政府参考人(水田邦雄君)

 実数でございますね。実数はですね、──失礼いたしました。平成十五年度の老人保健の実績見込みで見ますと、一定以上所得者は約百十二万人、医療給付費で六千七百億円、自己負担額で約千二百億円となってございます。

小池晃君

 老健の対象でない七十歳以上の高齢者というのがおりますから、私は更に人数が増えると思うんです。

 いずれにしても、百万人以上にこの三割負担という負担がかぶさることになるわけで、私は決して一握りの高額所得者だけの問題ではこれはないというふうに認識をしております。

 大臣にお伺いしたいんですが、私は、所得が一定以上でたとえあったとしても、高齢者としての特性、すなわち受診回数が多いというこれ特性には変わりがないわけですから、やはり高齢者に対して、現役世代と、たとえ一定以上所得であっても、同じ比率で自己負担をかぶせるというのは私は許されないことではないかと考えるんですが、大臣、いかがですか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 現行の老人医療制度におきましては、今お話しいただいておりますように、また局長も御説明申し上げておりますように、現役世代の平均以上の所得がある方を一定以上所得者と、こういうふうに位置付けて、医療費について通常の一割より高い二割の自己負担をお願いしておる、こういうことでございます。

 この中で、一定以上所得者の自己負担の在り方については、掛かった医療費の公平な負担、それから現役世代とのバランスといった観点を含めていろいろ御議論があるところでございますけれども、これは御議論があるということを申し上げておるわけでございまして、現時点において今お話しいただいているような負担を二割から三割に引き上げるといったことを決めておるものではございません。

 したがいまして、決めておるものでもございませんので、特に何かを申し上げるということは控えさせていただきたいと存じます。

小池晃君

 決めていないと言っても、新聞報道であれだけ出てきているわけですから。

 やはり、こういう層に、先ほど若年者、現役世代とのバランスということをおっしゃいましたけど、そのバランスということを踏まえて、一定以上所得でも二割。三割に対するバランスを付けていたはずなので、私は、高齢者に対して、たとえ所得が一定以上であったとしても現役世代と同じ水準で賦課をするということは制度の趣旨からいってもこれはおかしいと、こういう三割にするということはやめるべきだということを申し上げたいと思います。

 残る時間、アスベストの問題を今日はお聞きをしたいと思っておりますが、最初に大臣にお伺いしたいんですが、このアスベストに起因する肺がん、中皮腫、これはアスベストを吸引することで発症するわけであります。潜伏期が非常に長い、発症して数年で亡くなることも多い。

 これ、基本的な認識なんですが、まず、この病気というのは、ならないためにはアスベストを吸引しない、これしかその病気の予防策としてはないというふうに思うんですが、大臣、その点での認識は、簡単で結構ですが、いかがですか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 石綿が原因として起こる幾つかの病気がありますけれども、その予防は石綿を今おっしゃるように吸入しないことが一番であると考えております。

小池晃君

 一番というか、それしかないわけです。

 そうすると、要するに、行政としての対策としては、吸引をどうやって根絶するかということと、過去に吸引をして病気になった人をいかに救済するか、これがやはり基本になってくるだろうということで、具体的に聞きたいんですが、経済産業省がこの間被害の状況調査を発表しています。

 私、これ、厚生労働省としても情報公開必要だと思うんですよ。ところが、その労災認定された方が勤めていた事業所名や職種、こういった問題が厚生労働省からは明らかにされていない。私は、どこでどのように使われてきたのかを広く国民に知らせる上でも、やはりその労災認定された方が勤めていた事業所名あるいは職種、こういったものを当然明らかにすべきだというふうに思いますが、局長、いかがですか。

政府参考人(青木豊君)

 労災認定の状況につきましては、業種別、年度別の状況というものをこれまでも公表をいたしてきております。

 お尋ねの事業場名でございますけれども、労災認定を通じて把握した事業所に関する情報の中には、例えば建設工事の従事者のように石綿の暴露場所が特定できない者などが多く含まれております。このため、事業場名を一律に公表することとした場合には、国民に誤解を与えたり無用の混乱や不安を生じさせるおそれがございますので、かえって問題があるものと考えております。

 周辺住民やあるいは被害者の家族あるいは同僚の方々等の御不安に対しましては、これ適切に対応するために今関係省庁と連携をしながら石綿対策を進めておりますので、そういった中でその方策の在り方についてもよく相談していきたいというふうに思っております。

小池晃君

 しかし、二〇〇三年までの労災認定件数六百三十三人に対して、今月企業が発表した死亡者数は三百五十八名です。療養中の方含めて四百二十三名なんですね。経済産業省が発表した被害者数は四百六十二名なんです。既に労災認定の数に近づきつつあるわけですよ。

 企業とかあるいは経済産業省は積極的にこの企業名も含めて情報公開しているというのに、国民の命を守るべき厚生労働省が守秘義務を盾にして情報公開をしないと。これ、どう考えたって納得いかないじゃないですか。いろんな事情があったとしても、それはただし書で付けるなどして、これは国民に対してしっかり情報公開すべきじゃないですか。

政府参考人(青木豊君)

 先ほども申し上げましたように、労災の認定件数につきましては、業種別でありますとか地域別、地域といいますか、都道府県別でありますとか、そういった状況は公表を都度いたしてきておるところでございますし、それにつきましては私ども従来と同じように公表をしていくつもりであります。

 しかし、先ほど申し上げましたように、建設従事者のように転々としまして石綿の暴露がどこであったかというのがはっきりしないと、事業場には石綿はないんだけれども転々と職場をしているというような場合もございますし、それから事業場とはまた別のところで、明らかに、何といいますか、そこへ行きまして暴露をしたという場合もございます。

 そういうことでありますので、その事業場名を公表するということが直接に石綿の状況とマッチしているというわけでもありませんので、そういうことで、先ほど申し上げましたように、御不安の解消のためには関係省庁とも相談をしながら対処していきたいというふうに思っております。

小池晃君

 命を守る省なんですからね。そういう意味じゃ、事業所の都合で考えるんじゃなくて、私は、これはいろんな細かいことあると思いますよ。ただし書付けるとか、いろんな手もあるかもしれない。しかし、基本的に情報公開していくということは当然じゃないですか。大臣、いかがですか。基本的な考え方で結構ですから。細かいことは結構です。

国務大臣(尾辻秀久君)

 正に安全と安心を守らなきゃいけないのが私どもの立場でございます。そうした中で、安心という意味で今局長が答弁しておると思うのでありますけれども、誤解を生じさせないようにとかいろいろ配慮してやっておるわけでありまして、先生御指摘のように、それがまた逆に不安になれば、これは安心を求めてということと反対になりますので、局長も答弁しておりますようなこともありますし、これはよく考えて、国民の皆さんの安心のために何が一番いいのかということは私どもも判断させていただきたいと思います。

小池晃君

 これは情報公開すべきだと思います。

 ちょっと労災認定の問題についてお聞きしたいんですが、アスベストを原因とする労災認定、二〇〇三年、合計で百二十一名にすぎないんですね。なぜこういうふうに後れているのかということをいろいろと具体例をお聞きをすると、非常に認定の作業歴の証明に非常に手間と時間が掛かるんだというお話をお聞きしました。

 私、聞いた方でいうと、東京目黒区のAさんという方、この方は二〇〇二年の十二月に肺がんが見付かって入院されています。アスベストによる可能性高いということで労災申請をした。で、二〇〇三年の四月に亡くなられたんです。ところが、認定されたのは死亡一年後の二〇〇四年の五月なんですね。何でこんな時間掛かったのかというふうに聞くと、書類提出したときに、一体どの現場でどういう種類の仕事をしたのかということを証明することを求められた、どんな材料を使っていたのかということを証明を求められたというんです。

 このAさんというのは、配水管のトミジパイプというのを使っていたそうです。これ説明したんだけど、それでは受け付けられない、トミジパイプというのはどういうものなのか証明せよと言われて、で、今使用禁止なんです、このパイプは。現物手に入らないので、本人が亡くなってから御夫人が回って、カタログを探して回って、それでたまたまそのトミジパイプのカタログを発見して、そのカタログの中に管の外側に石綿セメント管というふうに書いてあったので、それを持っていってオーケーになったと。非常にこういう手間暇掛かっている作業がやられているんですね。

 暴露歴の証明が綿密にやられなくとも、私はアスベストによる疾病、例えば中皮腫である、あるいは胸膜肥厚斑のある肺がんであるということになれば、これはアスベストによるものの可能性、医学的に極めて高いわけですから、そういう場合は一定期間建設事業に従事していたということが確認できさえすれば私は柔軟に労災認定していくべきだと考えるんですが、この点いかがですか。

政府参考人(青木豊君)

 確かに石綿については、その暴露されている期間がうんと長くなきゃいかぬということでもありませんし、そういう面ではおっしゃる面もあるわけでありますが、いずれにしても非常に長時間掛かったものということであります。そういうことで、労災補償制度の前提からいきますと業務上の疾病ということでありますので、その業務を、業務上か否かをきちんと判定せざるを得ないということでありますので、非常に長い時間掛かってはおりますけれども、その間、何とかその事実を認定して、できるだけ迅速に判定をしようということでやってきておるわけであります。

 できるだけ私どももその認定に当たりましては証明ができやすいような形というものを考えてやっていきたいというふうに思っておりますけれども、あくまでも労災の業務上であるか否かという判定は必要だということで考えておるところでございます。

小池晃君

 しかし、今おっしゃったように、長い時間たった後の証明になるわけですね。二十年、三十年たってからと。そうすると、その材料が実はもう使われていないとか、あるいは会社倒産しているとか、そういうケースもたくさんあるわけですよ。この方の場合も、この管使われてないという、もう既に製造中止になっていると、そういう問題だと。しかも、九割の建設現場では、実際、建材の九割ではアスベスト使われてきたという実態があるわけですよね。

 大臣、大臣にちょっと私お聞きしたいんですけれども、やっぱりこの問題については、この疾病の特殊性や、あるいは非常に、二十年、三十年前の話だと。もう証明しようといったって非常に大変な作業になるわけですから、私はできる限り柔軟にこれは対応していくと。実態に合わせて、やはり建設現場で働いていたということさえはっきりすれば、そして、しかもその疾病が極めてアスベストによるものである可能性が高いということが医学的にはっきりするようなケースは、私は拾い上げていくと、できるだけ拾い上げていくという立場でこの行政臨むべきだと思いますが、大臣、いかがですか。大臣に。大臣。

国務大臣(尾辻秀久君)

 今お話しいただいておりますように、このアスベストの被害というのは時間が掛かって出てまいります。大変長い時間が掛かっておりますのでその証明に困難なことが多い。そのことはよく理解できます。したがいまして、これを本人の証言のみで業務上とするということはこれは難しいとは思いますけれども、今申し上げたように長い時間が掛かっておるからその証明に、暴露の、暴露歴の証明に困難なことが多いということは十分に配慮して今後の対応はしなきゃならぬというふうには思っております。

小池晃君

 是非そこのところをできるだけやはり拾い上げる方向で、これだけの大問題になってきているわけですし、臨むべきだということを重ねて強調したいと思います。

 それから、問題としては、実際に中皮腫やあるいは胸膜肥厚斑ということになかなか医者の方で気が付かない、あるいはそれがアスベスト起因だということに思いが至らないということも多いやに聞いています。

 私は、こういう職業歴をきちっと聞くことであるとか、あるいは胸膜肥厚斑をしっかり見破ると、診断を付けると。肺がんや中皮腫がアスベスト起因性というのが高いんだということをやはり医学教育の中でも大いに強調するし、現場で診療に当たっている医師に対して何らかの手段で今緊急に注意を喚起するということも必要ではないかというふうに考えているんですが、医政局長、いかがですか。

政府参考人(岩尾總一郎君)

 先生も御存じの内科診断学ですとか、そういうようなところでこういう肺がんあるいは胸膜中皮腫といったような疾病の診断等々習っていると思います。私どもも医師の国家試験の出題基準にもこういうものを位置付けております。

 したがいまして、こういう病気とアスベストとの関連性などは当然医学の教育の現場でも取り上げられていると思いますが、したがいまして、通常お医者さん、こういうことを分かっていただいているとは思いますけれども、今後必要に応じて文科省、関係団体とも連携して適切に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

小池晃君

 いや、それは私も教科書の隅にあった記憶はあるんですけれども、ほとんどその後そういったトレーニングというのはされてないんですよね。だから、やっぱりこういう問題意識高い専門家のところに行くと診断付くんだけれども、そこに行くまでもう全然診断付かないと。そういったところに行って初めて労災認定という手があるんだよということを教えてもらうという、そういう事例たくさんあるわけですから、私はいろんな手段あると思うんですよ、今の現場の医師に対して注意喚起する手段。いろいろと検討していただきたいというふうに思っております。

 そして、この問題は単に労働者の問題ではとどまらずに、地域住民や家族にも及んできている。今日の報道では、兵庫県尼崎市のクボタの工場周辺では三十一名の住民が中皮腫で亡くなったというふうに報道されています。こうした被害の実態を見れば、今までの枠組みを超えた取組が必要であるというふうに思うんです。

 細田官房長官も十一日の記者会見で、これまでの蓄積がたくさんあって、一種の蓄積公害みたいなものだと、こういうふうにおっしゃっているんですね。

 大臣、これは被害の特性からいっても、やはり従来の労災対策の枠を超えたこれ対策が必要になっているというふうにお考えになりませんか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 対策を考えるとすると、今おっしゃるように、従来の枠組みの中では無理だということはもう御理解の上でお聞きになっておられるものというふうに存じます。したがいまして、改めて申し上げるまでもないわけでありますが、何も先に逃げようという意図で申し上げるわけでもありませんけれども、この労災保険制度の中でやろうとするのは率直に言って無理があろうかというふうに思います。

 したがいまして、今後のことは、今ちょっと言われましたけれども、アスベスト問題に関する関係省庁会議もできておりますから、そうした中で十分協議をすべきものというふうに考えておりますし、厚生労働省としても必要な協力は行いたいというふうに考えます。

小池晃君

 是非、関係省庁会議でやはりその従来の枠を超えた対策をしていく必要があると。

 その点で具体的には、アスベスト被害が出た事業所付近住民の健康診断を行うこと、無料で行うこと。それから、労災補償の対象とならないような親方の問題なども含めて救済制度をつくることも必要だろうと。労災申請の時効期間の見直しを行うことも必要ではないかというふうに思っております。

 それから、解体工事における安全対策の問題もあって、これは予防規則できました。これは関係者の要望にこたえるもので一歩前進だと思いますが、実際はこれ非常に手間とお金が掛かると言われております。隔離したり、それから湿らせて、湿潤させて飛散防止対策を取って、シートを張ってマスクをして服を着るというふうになると、最低でも一平米当たり七千円から一万円掛かると言われて、小規模事業者の負担、大変なんですね。私は、こういう解体に掛かる費用なんかについても公的な支援が必要になってきているというふうに考えるんですね。

 そういったものも含めて、これ、大臣、アスベスト問題に関する関係省庁会議でやはり検討していくことが必要ではないかというふうに思いますが、いかがですか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 今お話しいただきましたように、石綿障害予防規則は本年の四月一日より施行されておりますので、まずそのことの周知徹底を図りたいというふうに考えております。この規則に基づいていろんなことを義務付けておるわけでございますけれども、中小規模の事業者にとって十分知識を有していない場合もありますから、更に指導していかなきゃならないというふうには考えております。

 ただ、お話しのように、私どもはこれが周知徹底されるようにということで努力をしてまいりますけれども、場合によってはこれらのほかに、今おっしゃったような会議においての検討も必要になるのかなというふうには考えております。

小池晃君

 最後に、この問題、ヨーロッパなどでは既に禁止されているような国もたくさんあります。日本では使用され続けたと。細田官房長官は十一日の会見で、より早く禁止措置がとられればよかったというふうにおっしゃっておりますが、大臣、日本のこの対応がやっぱり遅れたんじゃないかと、このことについてどうお考えなのか。やはりその責任等について最後に見解をお伺いしたいと思います。

国務大臣(尾辻秀久君)

 私も気になりましたので、このことに関する国際的な動きについて年表も作ってみました。細かいことは申し上げませんけれども、確かにドイツとか、非常にこの使用禁止を、早めに手を打った、それからまた非常にそういうふうに考えたところから比べると日本の場合は遅れもございますが、そうした国からは遅れておりますが、また一方、アメリカのようにいまだに全面禁止というふうには言っていないような国もありますし、あるいはEU辺りと比べますと日本の方が早く禁止を決めておりますし、比較の仕方で様々だというふうには思っております。

小池晃君

 質問しませんけれども、アメリカはもう物すごい賠償措置をとって、物すごい企業の訴訟がこの問題で相次ぐような状況になっていますから、そういう点で一律に時期の問題だけで比較できない。私は、世界の流れからいえば明らかに遅れていたというふうに思います。

 終わります。

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