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医療改悪法案 住江保団連会長の陳述 参院委
病床削減、負担増…
現場の実情ふまえ廃案に

2006年6月4日(日)「しんぶん赤旗」より転載

 二日の参院厚生労働委員会で行われた医療改悪法案の参考人質疑での、住江憲勇・全国保険医団体連合会会長の意見陳述(要旨)は次のとおりです。

 長期にわたって療養を必要とする患者が入院できる、療養病床削減は疑問です。

“老人難民”

 三十八万床を十五万床に削減すること自体に私どもは反対です。

 行き場を失う“老人難民”を多く生み出す問題があります。厚労省保険局の担当課長が福岡県内の講演で、終末期医療のあり方を問われて「家で死ねっていうこと。…病院に連れて来るな」。こういう驚くべき発言をしています。こういう発言からも、厚労省の官僚に誘導されたのが今回の問題ではないかと思います。

 近年、在宅死が減り、病院での死亡が増えてきています。この政策は、在宅の死亡を増やそう、病院の死亡を減らそうとする以外の何物でもありません。

 厚労省の言い分は、たとえば一日あたり三万八千三百三十円かかる入院医療費が、在宅ならその半分ですむ。そういう論議なのです。

 しかし、患者さんは医療施設を望んでいます。厚労省の調査でも「医療施設への入院ができる体制を望む」という人が84%いるところに切ない思いがでています。

 国民の健康・医療格差を拡大する計画への疑問です。とりわけ、高齢者を直撃する保険給付削減と負担増への疑問です。新高齢者医療保険制度で新たに保険料を支払う高齢者は、二百万人ともいわれています。払えなければ保険証を取り上げられ資格証明書が発行されるという事態が、現実に起こります。

 そして、後期高齢者制度専用の診療報酬を設けることになります。これは、「みとり医療」、または「終末期医療」とも指摘されています。

 とくに問題なのは、障害認定一級から三級をうけた六十五歳から七十四歳までの高齢者も、後期高齢者医療制度の対象になることです。人工透析の患者は二十五万人おられます。その約五割が対象になるという危険があります。

 混合診療の問題では、どのような内容を想定しているのか具体的に明らかにしたうえで、国民の健康、医療にどのような影響をおよぼすのか、十分に審議をお願いしたいと思います。

緊急の課題

 「歳出歳入一体」問題がいわれ、社会保障削減、庶民大増税がいわれていますが、法人税などは一言も触れられていません。ここから税収をえることこそが緊急の課題ではないでしょうか。

 医療改革関連法案は、いたずらに国民の不安をあおるのではなく、現場の実情を十分にふまえたうえで、議論をつくしていただきたいと思います。問題点は山積しています。そういうことを解決するための手だてをとるべきです。関連法案については、廃案を求めたいと思います。


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