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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

164通常国会 参議院厚生労働委員会
国の補助金等の整理及び合理化等に伴う児童手当法等の一部を改正する法律案及び児童手当法の一部を改正する法律案の両案

2006年3月29日(水)

出席者

  • 川崎医療福祉大学教授・産経新聞客員論説委員 岩渕勝好
  • 宮城県社会福祉協議会会長・前宮城県知事 浅野史郎
  • 高浜市長 森貞述
  • 高齢者運動連絡会事務局長 篠崎次男
  • NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西理事 中野冬美
小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 浅野参考人にお伺いしたいんですけど、参考人のお話を伺って、事前に何の相談もなく、前触れもなくやられたことの問題点、大変よく分かりましたし、我々国会の側もちゃぶ台をひっくり返さないといけないのかなと、ちょっとそういう気分にもなってきたわけですが、今回の問題点については先ほどの御指摘で大変よく分かったんですが、この三年間の三位一体ということを総体としてどう評価されているか、まあ点数付けるとしたらどのくらいのことになるのか、お聞かせ願えますか。

参考人(浅野史郎君)

 点数を付ければ私の場合は極めて低いです。六十点が合格点とすれば、少なくとも合格点は行っていません。何点かが分かりませんが、二十点とか三十点ということなんでしょうか。

 ふざけて言っているように聞こえるかもしれませんけれども、さっきもちょっと言ったように、地方側からすると期待していました。で、その気になってやったんです。何か誘惑されて捨てられてという文句が浮かんでくるんですけれども、それとも泣いた女がばかなのか、だました男が悪いのかというようなこともいろいろ浮かんでくるんですが。

 この動きは、やはり最終的には政治の場というか国会の場で決められるということになります。ですから、霞が関と闘っているのかというお話があって、どの点が問題なんだと。この問題はもちろんありますけれども、これは今回の流れの中でどうしても乗り越えられる筋の問題ではないんですね。したがって、内閣総理大臣が政治的な指導力を持って、あの郵政民営化で果たしたようなああいったようなやり方で、もしその方針に従わない大臣があったら罷免するというようなことも懐に持ってやらないとできなかったと。

 そういう意味では、その誘惑されてと言った部分は、最終的には小泉内閣総理大臣の覚悟、ひょっとしたら理解ですね、この三位一体改革は何のためにやるのかということについての本当の本質的な理解、また覚悟、これがやっぱり我々から見ると不足していたということでこういう結果になったと思っています。

小池晃君

 今日のお話を聞いて、これだけその地方団体との間に問題を抱えていることを本当に短時間でこの国会が通してしまうということが許されるのだろうかという思いを非常に強くしているところです。

 ちょっと浅野参考人に一つお聞きしたいことがあるんですが、先ほど国庫負担金をなくしても財政中立だからそれが即後退ということにならないんだという御指摘があって、それは即後退にならないのはそれはそうだと思うんですが、一つは、その財政中立といっても、例えば地域介護・福祉空間整備交付金とか、社会福祉施設の負担金などは、これは見合いの税源移譲はなされておりません。しかも、やっぱり現場に行きますと実態としては、福祉に熱心な自治体であれば別なんですけれども、やはりどうしても社会保障分野にしわ寄せが行くという傾向が実態としてはあるという中で、やはり今回のやり方の中で、そういう結果としてやはり社会保障分野での施設整備などにしわ寄せが来ているということはあるんじゃないかと思うんですが、その点はいかがでしょう。

参考人(浅野史郎君)

 ここはやっぱり明確に分けて考えるべきだと思います。つまり一つ、今おっしゃったように、その補助金は廃止され、それに見合う税源移譲をされてないというのは、これは駄目なんですよ。これは財政ニュートラルでありませんから、これは駄目と。駄目というか、駄目ですね。

 で、一方において、今ちょっとおっしゃったこと、私は気に掛かる発言ではあるんですね、私の立場からいうと。つまり、補助金をやめたら熱心でない自治体はサボるでしょうと。さっき私そのことを言いましたけども、もしそれをおっしゃるんだったらこんなのやめたらいいんですよ、三位一体改革なんてのは。あくまでも、国が最低水準を決めて、それの下支えのための補助金は永遠に出し尽くすというのが善なんですね。そうではないでしょうと。高浜市長のように、ずっとおっしゃっているように、こうやって自分たちで緊張感を持ちながら住民を巻き込んで、どうするどうすると。どこかからお金が突然降ってくるわけじゃありませんから、こういう財源の中でどうするどうするということをやっていく。その中で、実はうまくやっていける自治体とそうでないところ出てきます。だけど、それを認めないというんだったら、これやめた方がいいんですね、三位一体改革なんて、言い出す方が間違ってます。

 というので、二つ分けて考えるべきで、税源移譲がちゃんとなされるんであれば、これはさっきから言っている住民によって鍛えられる自治体というのを早く持たないと、我が日本国は危ういということを考えております。

小池晃君

 分かりました。

 ただ、そのやはり見合いになってないということがかなりの分野で、厚生労働分野でもありますんで、やっぱりそういう問題点はそれはあるんだろうと思うんです。

 その上で篠崎参考人にお伺いしたいんですが、こういう中で、医療、介護の分野で公的な施設が持っている役割というのはやはり非常に大きいものがあると思うんですが、この間の三位一体改革の中でかなり後退させられているという現実があるというふうに思うんですが、その点についてどう見ていらっしゃいますか。

参考人(篠崎次男君)

 今のやり取りともかかわってくると思うんですが、先ほどから地域分権ですとか地域づくりですとか、住民参加が強調されていますけれども、私は住民参加というのは、やっぱり自治体がきちっと公的な責任を明確にするというところに住民が参加していくんだというふうに思います。

 福祉法人といえども昨今の状況では、先ほども申し上げましたように、私のかかわっている特養ホームですらいろんな名目を付けて利用料を徴収しているわけですね。ですから、純粋に社会福祉法人が非営利で公的性格が強いとばかりは言えなくて、そういうところに住民の力が、知恵が集まるかどうか。具体的に、今回の介護保険制度の見直しで地域密着型サービスというのが新設されました。あれは使いようによっては物すごく家族と高齢者のためになると思うんですけれども、これが成功するかどうかというのは、やっぱり地域住民のボランティア活動がどこまで生かせるかということだろうと思うんですね。ところが、包括支援センターの直営というのは、民間が受けにくい地方では多少あるようですけれども、もう大都市部分ではほとんどストレートに民間委託ということが出てきております。

 したがって、地域密着型サービスが本当に実のあるサービスをつくり出せるかどうか、住民のボランティア活動が発揮できるかどうか、そういう点は物すごく不安に思っております。

 当初、この問題で議論されたときに、地域見守りサービスというのが出ていたんですね。あれは住民が主体的に取り組まなかったらできないことだし、それから年寄りにとって一番大切なサービスのはずなんだけれども、あれが影も形も今なくなっちゃっていると。そういうことも含めて公的な責任のある施設を、特に福祉の場合には不可欠だと思います。それが存在して呼び掛けるからこそ住民参加が進んでいくんではないかなと、ここがまず第一点です。

 あと第二点は、やはり混合型の保険の下で行われますから、個人負担がどんどん増えていきます。それから、人的体制も不備になりがちです。そういう点では、公営の施設がそういう従事者の働く基準であるとかサービスの基準を具体的に示していく、基準になっていくんだろうと思います。これがなくなってしまうとサービスの質の低下というのは防げないんではないかな、いろんな意味で公営の施設はきちんと充実させていくべきではないかなと、そんなふうに思っております。

小池晃君

 それと、今回の法案の中に一くくりにされている年金の法案が入っております。この基礎年金に対する国庫負担の引上げという法案で、全く三位一体とほとんど何の関係もない、便宜上三月中にということで一体の法案にしたんだと思うんですが、この中で、やはり問題としては基礎年金国庫負担の引上げの財源として年金課税の強化ということをこの間やってきました。この実態についてどう思われているかということと、定率減税の縮小、廃止ということもこの財源になっていくという仕組みが盛り込まれているわけですが、その点について御意見をお聞かせください。

参考人(篠崎次男君)

 これは、もう少し調査しないと分からない面があるんですけれども、今年の確定申告の決定額の通知が高齢者の世帯にも届き始めております。その中で昨年と今年で違うのは、最高で七十万円ほどの課税額が引き上げられたと。そういうところから、年金で二百万前後の保障を受けている人たちで、大体年金生活者というのは病気でもしない限り控除がそれ以上増えませんから、だから元気で暮らした百八十万、二百万台の年金生活者が源泉徴収された税金だけでは不足が生じてきているんではないかなと思います。三、四万の追徴課税がこの層に起こってきております。そういう形で、これから起きるんではなくて既に今年の段階で高齢者にとってそういう大きな影響が出始めてきております。

 年金百八十万から二百万というとほぼ厚生年金満額受給で、それでほぼ生活している人たちのところで数万円の追徴課税というのは非常に大きいし、それが地方税と介護保険料と国民健康保険料の増額につながるということですと、心理的な負担も含めて高齢者にはかなり耐え難い状況をつくり出しつつあるんではないかなと。だから、これ以上の課税強化やめてほしいと、それが率直な意見です。

小池晃君

 さらに、法案の中には基礎年金に対する国庫負担二分の一の引上げの問題が入っていて、川崎厚生労働大臣は、再来年にも消費税増税の法案を出す必要があるというような発言もされているようなんですが、基礎年金財源に消費税を充てるということについてどうお考えでしょう。

参考人(篠崎次男君)

 年金生活者の支出の大半が、率直に言って食費と。食費と言うけど、そんな、年寄りは外食の傾向が増えると言われておりますけど、外食というのはコンビニの弁当を買うんではなくておにぎりを買うという、その程度の外食ですけれども。ですから、非常に質素な食生活ですけど、その食費と、率直に言って公共料金でもって、ガス、水道、光熱費ですね、それでもって支出の大半を占めるというのが実態だろうと思います。

 したがって、聞くところによると一〇%とか一五%とか、かなり大幅な税率の引上げが議論されているようですけれども、それはもう年金課税の強化以上に高齢者の生活を逼迫させるんではないかなと、そんなふうに思っております。消費税というのは上げてはならないんではないかと、これが切実な要求です。

小池晃君

 それから、高齢者に対する社会保障の問題と子供に対する社会保障の施策がしばしば対比されて、日本は非常に子育てに対する支援が少ないんだと、それは事実はもうそのとおりだというふうに思いますし、そこは引き上げなければいけないと私も思うんですけれども、これを対立させて見る、ともすればその財源を高齢者に対する社会保障から持ってくるかのような、そういう議論も出始めているように思うんですが、この点についてちょっとどうお考えかお聞かせ願いたい。

参考人(篠崎次男君)

 おっしゃるとおり、少子化が言われるとき、必ず少子化・高齢化社会と、こういう形で少子化と高齢化がセットになって使われているように思います。これの意図というのは、年寄りが保険料も税金もろくに納めずに医療費は若者の五倍を使うと、今度の医療構造改革でも言われておりますけど、そういう形でことごとく高齢者が悪者にされるという、それを言っている限りにおいては子育て支援の予算が少ないことについては余り注目を浴びずに済むからかなと、そんな勘ぐりさえ出るように思います。

 くれぐれも考えてほしいのは、年寄りというのは今の子供たちのごく近い未来の姿が年寄りなんですね。その年寄りが増えたということで灰色社会のように言いくるめるというのは、子供たちの未来を灰色だというふうに言うのと僕は同じだろうというように思います。そういう点で、子育て支援と高齢者に対する支援をともに両立するような方向で考えていただかないと困るなと、そんな思いがしております。

 それから、小学校や中学校の統廃合なんかが出るときに、一番敏感な反応をするのが年寄りです。やっぱり学校が少なくなるということは町が寂れるという形で、それで子供たちがどうなるんだろうかということを一番気にしているのは年寄りです。やはり高齢者と若者と赤ちゃんが本当に庶民のレベルでは仲良く暮らしているわけですから、それを意図的に離反させるような世論操作に近い言葉遣いは私は改めてほしいと、そう思っております。

小池晃君

 ありがとうございました。

 中野参考人にお伺いしたいんですけれども、児童扶養手当の問題で、先ほどもお話ありましたけれども、この国庫負担比率が減らされた場合に、今の窓口対応でさえ非常にいろいろ問題がある中で今後の対応が心配だというお話がありました。この辺ちょっと、実態としてそういう心配を持たれる背景みたいなことをちょっとお聞かせ願えますか。

参考人(中野冬美君)

 先ほども申し上げましたように、私たちは毎年夏にホットラインをしております。そのときの相談内容が、いつも大変多いのが、そういう窓口でのトラブルといいますか、プライバシー侵害、人権侵害のようなものです。

 母子家庭の母親にとってはやはりこの児童扶養手当というのは、なくてはならない、なくては生きていけないものですので、できるだけ、ある意味、何といいますか、卑屈にならざるを得ない、卑屈と言うと言葉があれですけれども、卑屈になってしまわざるを得ないんですね、その窓口に行くときに。その上で、そのこと自体の精神的なプレッシャーもある上で、様々な言葉掛けの足りなさなり対応の乱暴さなりの中で、減らされて、受け取れないんじゃないか、受給できないんじゃないかという不安がいつもいつも、毎回毎回あるんですね。

 だから、それは本当に身近な窓口の対職員なんですよ。だから、国とかそういうことではなくって、身近な窓口の職員から受けるそういうプレッシャーの積み重ねの中であることですので、それが今度そういう自治体によって差がもし出てくるなら、それは絶対にこちらに返ってくるだろうと。それはもう既に去年の、去年じゃないけど、最近の相談の中でもありました。今度、児童扶養手当の現況届をしたときにどういう形、それは大丈夫なんだろうかという、そういうふうな問い掛けも受けましたので、当事者にとっては非常に身近な不安としてあります。

小池晃君

 ありがとうございました。

 就労支援も全く進んでいない、その中で、児童扶養手当の削減も進行している中で国の責任も後退すると。生活保護の母子加算の見直しもあって、あのときに、保護を受けている母子家庭と一般母子家庭を比べると一般母子家庭の生活水準の方が低いから、だから加算を削るんだというとんでもない議論があって、一般母子家庭が生活保護以下で暮らさざるを得ないような実態を放置している行政にこそ責任があると私は思うんですけど。

 今回の法案の中に、こういう児童扶養手当の問題、母子家庭に不安を与えるような中身が盛り込まれているということも大きな問題点として、ちょっと委員会では議論をしたいというふうに思います。

 ありがとうございました。

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