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166通常国会 参議院厚生労働委員会 社会福祉士・介護福祉士改正案に対する質疑・採決/救命救急医療に関する一般質疑/ドクターヘリ法案採決

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2007年4月26日(木)

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。外務省にお聞きをします。

 一昨日の審議で審議官は、協定締結の過程で、昨年七月の厚生労働省の検討会においてそういう方向が示されていたということでございますが、そのような可能性についてはフィリピン側にも説明をしておったと答弁されています。

 このそういう方向、そのような可能性というのは、いわゆる制度が国家試験合格で一元化される、いわゆる養成施設コースでも国家試験合格が必要になる可能性があるという説明をされたということですね。

政府参考人(田辺靖雄君)

 御指摘のフィリピン側とのやり取りでございますが、一昨日御答弁申し上げましたように、厚生労働省の検討会においてもそのような方向が示されているというような、この制度の改正の可能性があるという一般的な状況についてはフィリピン側にも説明をしておったということでございます。

小池晃君

 いや、だからちゃんと答えて。そのようなというのは、要するに制度が一元化されて国家試験合格が条件になると、養成施設でも国家試験合格しなければ介護福祉士になれないという、そのような方向で検討されているということを説明したということなんですね。

政府参考人(田辺靖雄君)

 このフィリピンとの協定は、現在までの介護福祉士の制度である二つのコース、実務経験コースと養成施設コース、それを前提としてフィリピンとの協定もできておりまして、ただし、このような制度というものは将来変更の可能性があるということを説明しておったということでございます。

小池晃君

 ごまかしちゃいけないよ。あなた、答弁では、昨年の七月に検討会でそういう方向が示されていた、そのような可能性と言っているんだから、一般的な制度改正の可能性について議論したんじゃないでしょう、これは。要するに、そういう方向という、ここで言っているそういう方向というのは正に養成施設も含めて国家試験がこれは課されることになるということに違いないじゃないですか。ごまかさないでちゃんと答えてください。

政府参考人(田辺靖雄君)

 制度の改正の可能性があるということは、養成施設コース、すなわち養成施設を卒業すると国家資格が得られるという現在の制度の変更の可能性があるということを申し上げたということでございます。

小池晃君

 ということは、その時点で准介護福祉士なんというのは影も形もなかったんですよ。だとすれば、そういう可能性を説明したということは、当然日比FTAと制度改定がそごを来す可能性があるということになるじゃないですか。そこはどう説明したんですか。

政府参考人(田辺靖雄君)

 昨年の九月に日本・フィリピン経済連携協定を署名するまでの間におきましては、具体的な制度改正の内容、とりわけ法改正の内容については確定をしておらなかったというふうに聞いておりますので、そのような形でフィリピン側とは話をしておりませんでした。

小池晃君

 駄目だよ、そんな説明じゃ。だって、そこが変わる可能性があるというふうに説明したのであれば、それは当然その条約とここは矛盾してくることになるわけでしょう、あなた方の説明によれば。そこはどうなるんだという説明はしなかったんですか。

 もし、制度の改正の可能性、要するにいわゆる養成施設コースでも国家試験合格が必要になるという可能性、説明しながら、そうなった場合の協定との整合性について説明もしないで署名したんだとすれば大問題ですよ、これ。説明してないということなんですか。

政府参考人(田辺靖雄君)

 具体的な改正の中身について昨年の九月に署名をするまでの間においては確定をしておらなかったというふうに理解をしておりますので、その可能性については説明をいたしましたが、現行制度を前提とした協定を署名をしたということでございます。

小池晃君

 私、これ本当に無責任だと思うんですね。

 しかも、じゃフィリピン側は、養成施設コースでも国家試験合格が必要になる可能性があるというふうに説明されたら、それはどうフィリピン側は受け止めたんですか。それじゃ話が違うじゃないかということになるじゃないですか。フィリピン側の反応はどうだったんですか。

政府参考人(田辺靖雄君)

 協定の交渉の経緯につきまして、この段階におきまして公にするということは、これは外国政府との交渉、やり取りの中身でございますので、差し控えさせていただきたいと思います。

小池晃君

 本当に、この日比FTAが私は本当にずさんに結ばれたというふうに思いますよ。明らかにこういう方向になる、こういう制度変更があるとすればこの協定に引っ掛かってくる可能性があるということは明らかであるにもかかわらず、それを説明もしない。しかも、その中でのやり取りについても言わない。で、署名してしまう。

 大臣、こういうやり方というのは私、問題があると思うんですが、いかがですか。こういう形で条約を結んだことが、これだけ国内制度を、すったもんだ、大騒ぎになっている原因になっていると思いませんか。

国務大臣(柳澤伯夫君)

 外交の衝に当たっている外務省の審議官から説明がありましたとおり、この介護福祉士法の改正の動きといったようなものについては、あることを承知して条約交渉に当たってくれたということでございますけれども、その具体の中身が、まだ九月段階では、その前の大筋の合意といったようなところでは明らかになっていなかったということでありますので、こうした経緯になることについては、これはなかなか避け難かったというか、やむを得ないことであったと、このように考えます。

小池晃君

 やむを得なくなんかないですよ、これは。余りに拙速なやり方だったということだと思います。

 それから、もう一つ聞きたいのは、これは厚労省側なんですけれども、准介護福祉士を置く理由の一つとして日比EPAとの整合性が言われていますが、もう一つ審議の中では理由として、養成施設の卒業者が千八百時間という現在よりも長い時間の教育を受けるということを挙げているわけですね。言わば、この二つの理由ということで説明をされているわけです。先ほど、きっかけはEPAだったというふうにおっしゃったんですが、この二つの関係はどうなのか。

 例えば、仮に日比EPA問題が解決したとしても後者の問題というのは、これはあるわけですね。そうすると、日比EPA問題が解決しても、その養成施設の教育内容が変わったということに対する対応という理由は残るんですか。

政府参考人(中村秀一君)

 お答え申し上げます。

 教育内容の改正につきましては、養成施設のみならず福祉系高校その他もございますし、先ほど来問題になっております実務経験から受けるところでも六百時間のカリキュラムをやっていただくというようなことで、カリキュラムの改正自体は全部に及び、それは施行期日でも配慮しているということで、そこの点について、教育内容という意味では一般的な施行期日で解決する問題であると思っております。

 先ほど委員からお話がありましたように、端的に申し上げますと、この規定は海外との国際的な経済連携協定と法制的な整合にも配慮しつつ盛り込んだものでございますが、また、しかしフィリピンの方だけでなく日本人との間の、言わば法の下の平等という観点からひとしく適用されるものであると。そういった意味で、効果として、直接の契機とは別に、委員の言われるように養成施設校卒業生の方々に対してこの規定が適用されますので、その規定について改正するという際にはどういう形の処理にするかということについて一昨日の議会でも、この委員会でも議論になったところであると思いますので、そこのところは改正法のまた御審議をいただくというところで御判断いただく問題ではないかと考えております。

小池晃君

 要するに、そういう関係であるならばいいんですが、しかし教育課程、養成施設の教育時間が延びたという議論自体は、これは審議会では全くなかった議論が後からくっ付いてきているわけで、こういうやり方自体は非常に問題だというふうに申し上げておきたいと思います。

 しかし、大臣、最後に確認したいんですが、ということは、日比EPA問題が解決すればこの准介護福祉士というのはこの世の中に生まれ出てこないと、五年までにやれればということになるということは、これ断言していただいていいんですね。まあ、いろんな議会の過程で法律変えなきゃいけないという、そういう機械的な問題はともかくとして、政治論として、日比EPA問題が解決すればこの問題が解消するんだということでよろしいですね。

国務大臣(柳澤伯夫君)

 政治論としてどうかということでございますので、そういう観点から私の考え方というか感じ方を申し上げますと、日比のこの協定ではやはり人的なサービスの提供を行うということが非常にセンシティブな問題であったということは私もずっとこの交渉の中で聞いておったことでございます。したがいまして、その枠組みができたということで、相手国の立場に立ってみれば、これで自分たちの交渉の目標がある程度達成できたという、そういう受け止め方をしているのは、これは当然だろうと思うわけでございます。そういう意味合いでこの前説明をし、理解も求めたというような経緯を考えますと、この再交渉というのはやっぱり、先ほどの津田委員のお言葉を借用させていただければ、切り口を見付けていくというのはなかなか難しい問題だと私は考えております。

 しかしながら、我々としては、そうした附帯決議あるいは修正をいただいたということを考えて、これから外務省当局に対して、できるだけ早い時期にこうした仕組みが必要でなくなる状況を我々としては実現したいので、是非この外交交渉で適当なきっかけあるいは適当な切り口を見付けてこれをやってもらいたいということを求めていくということになります。それがすべてうまくこの設定された期間内に終えることができれば、それはもう論理的に今回の准介護福祉士というのはこの世の中に生まれずに済みますけれども、なかなか難しいことだと私は考えております。

--以下 社会福祉士・介護福祉士法改正案及び同修正案に関する反対討論

小池晃君

 私は、日本共産党を代表して、社会福祉士・介護福祉士法改正案及び同修正案への反対討論を行います。

 反対の理由は、本法案が、介護福祉士の資格を国家試験の受験を必須とする一元化により資質の向上を図ると言いながら、養成施設卒業者について、国家試験に合格しなくても准介護福祉士という別の国家資格を付与するからであります。

 国家試験を合格していない者にも資格を付与することは、介護福祉士に対する社会的評価、制度に対する国民の信頼を損ねることになりかねません。さらに、介護福祉士資格への二重構造の持ち込みは、上下関係、処遇面から様々な混乱、差別を介護現場に持ち込むことになります。また、介護職全体の労働条件を低い水準に固定化、介護職員不足に一層拍車を掛け、むしろ介護の質の確保を困難にする危険もぬぐえません。

 准介護福祉士創設は、日比EPAとの整合性が理由の一つです。交渉中に介護福祉士の資格取得方法の変更の政府方針は明らかだったのに、全く反映することなく署名を行ったことには重大な問題があります。我が党は日比EPAに反対いたしましたが、本法案の質疑を通じて、この交渉がいかに拙速であったのかも明らかになったと思います。

 もとより、修正案提出の趣旨にあるように、日比EPAが早期に修正されることを強く求めるものであります。しかし、修正されてもなお、准介護福祉士という資格が生まれ、将来に禍根を残すことになるという懸念をぬぐい去ることができないのであります。

 さらに、准介護福祉士は、現行制度下では資格取得ができた養成学校卒業生に対する救済策との説明もされておりますが、本法案の基になった社会保障審議会部会では全く議論になっていないことであります。

 以上、反対の理由を申し述べて、反対討論とします。

--以下 救命救急に関する一般質疑

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 救急医療体制についてお聞きをしたいと思います。

 消防庁にお聞きをしたいんですが、一一九番通報の段階で緊急度、重症度を選別することについて、消防庁が救急業務におけるトリアージに関する検討会の報告書を最近まとめられています。これです。これによりますと、試行事業でのいわゆるアンダートリアージ、すなわち、実際は重症なのに、緊急度、重症度が一一九番通報の時点では低く判断されたと、こういうケースが多数ありまして、例えば、一一九番通報の段階では頭痛、震えという八十二歳の女性が、病院到着時は心肺停止で呼吸不全で亡くなられている。あるいは、発汗、熱感ということで通報があった八十二歳の男性が、軽症というふうに判断されましたが、やっぱり病院到着時は心肺停止で心筋梗塞だったと。

 やっぱりこういった結果を見ますと、一一九番通報の段階で選別を行う、これについては、国民の生命を守るという点からも、あるいは住民合意の形成という点からも、あるいは法的責任がどうなるのかという様々な問題から見て、やっぱり問題がまだまだたくさんあるというふうに考えるんですが、御認識をお伺いします。

政府参考人(寺村映君)

 救急の出場件数といいますのは年々増加いたしておりまして、平成十七年中は約五百二十八万件でございますので、十年間で約六一%増加する一方で、救急隊の方の数は十年間で約九%の増加にとどまっております。

 これらの結果、救急隊の現場到着所要時間というのは十年間で六分から六・五分ということで遅延傾向にございますので、救命効果の低下が非常に懸念されるところでございます。

 消防庁といたしましては、真に緊急を要する傷病者への対応が遅れることがないように、平成十七年度に救急需要対策に関する検討会というのを開催いたしまして、民間搬送事業者の活用とか、あるいは救急車の適正利用の呼び掛け、あるいはポンプ車との連携の推進等を対策として示してきたところでございます。

 この中で、一一九番受信時やあるいは救急現場におきまして緊急度あるいは重症度を選別しようとするトリアージにつきましては引き続き検討が必要であるということから、昨年、十八年度でございますが、救急業務におけるトリアージに関する検討会を開催いたしまして、緊急度、重症度選別のための判断基準でありますとか、あるいは質問要領の作成、さらには消防本部におきます検証を行ってきたところでございます。

 しかしながら、御指摘にもございましたように、緊急度、重症度の高い事案を次に低い事案と誤認することを少なくしていくこととか、あるいは最も低い事案というのは非常に少のうございましたのでそれを拡大するとか、そういう判断基準とかあるいは質問要領の完成に向けた更なる検討が必要であるというふうに考えております。また、住民等への周知あるいは合意形成の必要性というのも課題として指摘されております。

 こういうことでございますので、今年度も引き続きましてこういう課題を検証いたしまして、緊急度、重症度が高い事案により迅速な対応が可能となるように検討を進めてまいる所存でございます。

小池晃君

 これ、いろいろまだまだ問題山積だと思うんですよね。

 それから、救急車の有料化の問題についてもお聞きしたいんですが、これもいろんな議論、検討されたようですけれども、かなり前向きに検討されていた横浜市なども、救急車の有料化は不適当だという結論を出しているようです。これはやっぱり経済力によって命の格差につながるような有料化というのはやはり断じて私ども導入すべきでないというふうに考えているんですが、この問題についての現時点での消防庁のお考えを聞かせてください。

政府参考人(寺村映君)

 救急車の有料化に関しましても、平成十七年度に開催いたしました救急需要対策に関する検討会で取り上げられております。これは、他の対策を講じてもなお十分でない場合には、救急行政の予算、体制の充実の検討を行うとともに、有料化につきましても国民的な議論の下で様々な課題について検討しなければならないと、こういう御指摘をいただいております。

 そういうことでございますので、まず有料化の議論の前に、民間搬送事業者の活用とか救急車の適正利用の呼び掛け、ポンプ隊との連携の推進などに全力を掲げていく所存であります。

小池晃君

 そのまず前にということで言いますと、先ほど答弁にもありましたけれども、要するに救急体制の問題なんですよ。十年間で出動件数は六五%増加しているのに対して、やっぱり救急隊数の、言い換えれば救急車の数の増加はわずか九%だと。六五%出動は増えているのに九%しか増えていない。このギャップを埋めるということこそやっぱり真っ先にやるべきことなんではないか。この検討会でもそういう指摘もされているようですけれども、やっぱりその供給力の強化ということが今優先課題としてはまずあるのではないかと思うんですが、その点についてはいかがですか。

政府参考人(寺村映君)

 御指摘いただきました出場件数というのは十年間で六一%増しておりますけれども、救急隊の数は微増にとどまっております。地方公務員の数が純減を続けておりまして、消防本部の財政事情も厳しい中ではございますが、十年間で約九%増加をしているところでございます。

 しかしながら、現状におきましても、都市部を中心に消防力の整備に関する指針に基づく救急隊の配置基準を満たしていない消防本部もあることでございますので、この基準の充足に向けて、指針の充足に向けて取り組む必要があるというふうに認識しているところでございます。

 消防庁といたしましては、真に緊急を要する傷病者への対応が遅れることのないよう、先ほど申し上げました検討会、いろいろな検討会開いておりますけれども、これを開催いたしまして総合的な救急需要対策を示してきたところでございまして、これらの検討対策を講じてもなお不十分だという場合に救急行政の予算、体制の充実の検討を行う必要があるというふうに今認識しているところでございます。

小池晃君

 大いにそれやるべきだと思うんですよね。真にといっても、誤ったトリアージ、あるいは料金が障壁になって重症者を搬送しないというようなことは絶対あってはならないというふうに思うんですね。やっぱりこういうやり方を先行させていくと救急業務に対する国民の信頼が揺らぐことにもなっていくだろうと。一一九番すれば必ず来てくれるんだと。やっぱり全搬送という基本的な制度の根幹を守るべきだというふうに我々思っていますし、救急隊の増加がやっぱり必要だと。不適切な利用については、やっぱりあくまで啓蒙活動を通じて正していくことが基本的な考え方なんだろうと思います。

 民間利用という話もさっきありましたけど、これは経済的な基盤もないんですね、診療報酬の手当てなどもないので、やっぱりそういったことも含めて大いに知恵を出していく必要があるのではないかと思います。

 続いて、心肺蘇生のための自動体外式除細動器、AEDの問題をお聞きしたいんですが、これは医療従事者以外も使用可能であって、普及が進んで、今年四月一日現在で千七百四十一か所だと。子供さん、八歳未満の小児に対する使用については、昨年八月、ガイドラインができて使用できるようになりました。ところが、そのガイドラインでも、小児用パッドを用いるべきであるというふうにしていながら、小児用パッドがないなどの場合は、成人用パッドについて薬事法上の有効性、安全性確認されていないが、これを代用すると書いてあって、これちょっと違うんじゃないかなという感じがするんですよ。

 医政局にお聞きしたいんですけど、まあ具体的にあれこれ言い出すと何かいろいろとややこしいことになるらしいんで、基本的な方向として小児用パッドをやっぱり普及していくという努力していく必要があるんじゃないかと思うんですが、その点いかがですか。

政府参考人(松谷有希雄君)

 AEDの設置は次第に進んできておりますけれども、今委員御指摘のとおり、小児用につきましては昨年の八月のガイドラインで普及を図るよう努めているところでございます。必要に応じて小児用パッドを備えたAEDが設置されるということが大事だと思っておりまして、AEDの普及啓発協議会や関係者を通じて働き掛けておるところでございます。

 根本的には小児用パッドが速やかに承認されるということが必要でございますので、そういう方面にも働き掛けて、いずれにしても実際に救急のときにすぐに助けられるような体制がより普及するという方向で努めていきたいと思っております。

小池晃君

 やっぱり善意で助けようというときに、大人用のだと大きいから接触しちゃってショートしたりとかいろいろとトラブルが起こり得るわけですね。だから、やっぱりきちっと備えておくと。だから私、こういうのが備えあれば憂いなしと言うんだと思うんですけれども、きちっとやっておく必要があると思います。

 しかし、ちょっと厚労省としては、これは普及啓発だという範囲の施策でしかない。それから、消防庁もあくまで普及啓発ということのようなんですが、これお値段が五十万円程度掛かるんで、なかなか設置者の善意だけに頼るのでは限界があるわけです。

 そこで、経済産業省来ていただいていますが、経済産業省の方で全国の商店街にAED設置するために費用補助ということを今年度予算で決められたそうですが、どういう理由でこれをやられるのか、どの程度の規模を考えておられるのか、ちょっと御説明いただきたいと思います。

政府参考人(近藤賢二君)

 お答えを申し上げます。

 先生御指摘の商店街でございますけれども、商店街は地域の多くの人々が集まる地域コミュニティーの場でございます。商店街に来られる方々、地域住民の方々にとって安全で安心な商店街を実現するために、中小企業庁では全国商店街振興組合連合会と協力をいたしまして、全国の商店街のAEDの設置促進を支援するということをしたところでございます。

 具体的に少し申し上げますと、商店街の会員等を対象といたしまして救急救命講習会を実施することを条件といたしまして、その設置等に掛かる費用の半額を補助するということを考えております。来月下旬から募集を開始いたしまして、今後五年間ぐらいを重点的な整備期間と考えておるところでございます。具体的には、これから申請が出てきた段階で、どのぐらい申請が出てくるかによって執行額もちょっと変わってこようかと思いますけれども、できるだけそれに対応していきたいと思っておりますし、今後とも商店街が地域社会に根差した安全、安心な空間となるような努力をしてまいりたいと考えているところでございます。

小池晃君

 お聞きするところでは、全国すべての商店街が申し込んできても対応できるぐらいの規模で考えているみたいなお話もあったんですけれども、これは非常に私はいいことだと思うんですね。

 ただ、商店街だけが安全、安心であっては、ほかのところだって安全、安心でなければいけないわけですから、これ大臣にお聞きしたいんですけれども、これ経済産業省としてのこういう補助というのは、経産省自身の文書にも国がAEDの整備に補助を行うのは今回が初めてだというふうに書かれていますが、やっぱり商店街にとどまらず、これを全国的に展開していく必要があるんじゃないか。具体的にどうこうということを今おっしゃっていただかなくても結構ですが、やっぱりこういう考え方に倣ってAEDの普及促進のために具体的な手だてを、これは正に厚労省がこの旗振りをやる責任があるお役所だと思いますので、やっていく必要があるんじゃないかと思いますが、大臣、どのようにお考えですか。

国務大臣(柳澤伯夫君)

 厚生労働省といたしましては、これまで、AED普及啓発協議会を都道府県に置く場合のその協議会の設置について補助を行う、またAEDの講習等について補助を行うというようなことで、今委員が御指摘のように、普及啓発という側面で補助を行ってきたところでございます。これまで全国でおよそ七万台のAEDが設置されて、量的には相当なテンポでもって配備されているというふうに認識をいたしております。

 現在、AEDの設置場所や使用実態等の調査を検討しているところでございますが、その調査結果等を踏まえまして、AEDの今委員の指摘されるような整備ということにどのように取り組んでいくかを考えてまいりたいと思います。

小池晃君

 検討課題として受け止めていただいたということで、是非お願いしたいと思います。

 救急体制の充実にとってドクターヘリは重要だと思います。今から十六年前の九一年三月十三日の衆議院の予算委員会の分科会で我が党の辻第一衆議院議員が取り上げまして、当時消防庁長官だった木村仁さんが積極的に取り組みたいと答弁をして以来、私どもとしても一貫して要求をしております。

 救急医療体制全体を充実させる中でこそドクターヘリの活用も私は効果的に進んでいくし、役割を果たせるんだろうというふうに思いますので、もちろん今回のドクターヘリ法案、これから提案されるのかもしれませんが、こういうことをきっかけにしてやっぱり救急医療体制をあらゆるステージで充実させていく、そのために厚生労働省として役割を発揮していただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。

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