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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

169通常国会 厚生労働委員会 予算委員会からの委嘱質疑(2008年度政府予算案について)

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2008年3月27日(木)

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 トヨタ自動車で二〇〇二年に起こった当時三十歳の内野健一さんの過労死の問題について最初質問します。

 これは昨年十一月に名古屋地裁の判決がありまして、トヨタの社内で自主的に行われていたQCサークル、自主的に行われているというふうにされていたQCサークルなどの小集団活動を労働時間というふうに判断したわけですね。私、十二月にこの委員会で取り上げて、これは控訴すべきじゃないと大臣にただしました。その後、国は控訴せず、判決は確定をしております。

 さらに、名古屋地裁判決の判断に沿って豊田労基署が平均賃金を計算して遺族年金と一時金の支給を行っております。これは判決を国が受け入れて、それに沿った行政を進めたという意義は大きいと思いますし、私は大臣の決断を高く評価したいというふうに思っています。こういうことを言うのは余り珍しいんですけれども、これは率直に評価をしたいというふうに思っております。

 裁判の中で国は、こういう小集団活動、創意くふう提案、QCサークル、EX会などを業務と評価すべきでないと、労働時間から除外すべきだという主張をしていたんですが、名古屋地裁はこれを退けたわけですね。

 局長、お伺いしますが、判決では小集団活動についてどういうものを労働時間と判断する判決になっているんでしょうか。

政府参考人(青木豊君)

 御指摘の判決につきましては、被災者の労働時間を管理、認定する権限を有する上司の業務命令下で行われる小集団活動について、労災認定上は労働時間性を肯定することが相当とされたものでございます。

 その小集団活動につきましては、業務として認めた活動といたしまして、創意くふう提案とかあるいはQCサークル活動でありますとか、交通安全活動あるいはエキスパート会の実施・運営に必要な準備行為というような、被災者の労働時間を管理、認定する権限を有する上司の業務命令下で行われる業務内容ということでございまして、認められなかったものが、エキスパート会における懇親会等の行事への参加でありますとか組合活動である職場委員会の活動というようなものでございます。

小池晃君

 いや、ちょっと判決、違うと思うんですね。命令下でなくても、上司が在社して、上司に管理されて、上司にその勤務状況を管理されて、その命令で業務に従事する可能性があった時間帯に行われていたものについては労働時間と、業務と判断したんじゃないですか。きちっと正確に言ってくださいよ。そういうことですね。イエスかノーかで結構です。

政府参考人(青木豊君)

 今申し上げました創意くふう提案などの小集団活動は、上司である者に管理され、その命令で従事する可能性があったことから、労災認定上は、本来の業務の手待ち時間として労働時間性を肯定することが相当というふうに言っております。

小池晃君

 だから直接に業務命令というんじゃなくても、同時に在社していて、勤務状況を管理されていて、その命令によって業務に従事する可能性があったものについては、これは業務と判断して労働時間に認定したわけですよね。

 裁判所は過労死の判断基準は一か月分ですから、この死亡直前一月の労働について労働時間を認定いたしました。一方、労災保険を支給するに当たっては、これは死亡前三か月の労働時間を認定して平均賃金を算定する必要があるわけです。

 この内野さんの事件について豊田労基署は、名古屋地裁の判断に従って、この三か月間の労働時間、平均賃金を算定したということですね。これもイエスかノーかで結構です。

政府参考人(青木豊君)

 御指摘の点については、もう既に報道されておりますように、その判決の内容を踏まえたものでございます。

小池晃君

 大臣、労基署が算定したのは、これは労働基準法十二条に規定する平均賃金で、すなわち、これは労災行政だけじゃなくて労働行政の根幹にかかわる問題であります。賃金、労働時間にかかわる問題です。

 この判決に基づいて、今後の労働行政というのは、上司が在社をして、その業務命令に従事する可能性がある時間に行われたQCサークルなどの小集団活動については、これは労働時間と判断した名古屋地裁の判決に沿って今後の行政は行われるべきだというふうに考えますが、大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(舛添要一君)

 これは、先ほど来判決を引用なさっているように、指揮命令下にあって業務命令が下されたと考えられる可能性があるときは労働時間として算定すると、その基本的な原則を今後とも貫きたいと。つまり、判決の趣旨に沿って今後とも労働基準行政を行っていきたいと思います。

小池晃君

 いや、今後ともと言われるとちょっと引っかかっちゃうんですよ。今までそうじゃなかったわけですね。こういうQCサークルについては、これは時間外労働にはならないというふうに指導してきた経過があって、今、トヨタで何を言われているか。

 これはトヨタの人事部が出している内部文書があるんですよ。そこでは何と言っているかというと、今回の判決は国と遺族との労災認定に関する判決であり、自主活動に対する勤務取扱いについて従来の国のルールが変更されるかどうか現時点では不明だと。そのため当社の自主活動の活動時間の取扱いを変更する必要があるかどうかは不明であると言っているんですよ。こういう態度を取っているんですよ。

 だから、私、はっきり言うべきだと。大臣、やはりこれだけ判決確定したのに何の反省もないわけで、国がやっぱり明確な姿勢を取らないから企業もなめているんじゃないかというふうに言わざるを得ない。

 これ、トヨタのQCサークルというのは、社内報を見ますと、国内で四万四千人、海外で四万六千人やっていると。これ国際問題にもなると思いますよ、私。やっぱり、この自主活動を装っているこういう業務命令下にある可能性のある小集団活動というのは、私ははっきり言って隠れたサービス残業だと。やっぱり労働行政には、名古屋地裁判決の判断基準に沿って、厳格に対応していくことが必要だというふうに思いますが、大臣、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 いろんな制裁を加えられたりってすることがなくて、全く強制の要素がなくて自由に参加するというのが、これは就業時間外の自由な活動ですけど、今申し上げてきたように、管理下にあって業務命令とみなされる可能性があるということは、当然そこに制裁その他の措置が裏にあるということを意味しますから、それについては判決の趣旨に沿った形できちんと労働行政を行うべきだというふうに思います。

小池晃君

 そういうメッセージをしっかりやっぱり企業にも伝えていただきたいというふうに思います。

 それから、この事件では、労基署が算定した時間外労働時間は三か月で二百五十四時間五十五分、労基署の当初算定と比較してこれ百五十時間余り時間外労働増えて、相当な部分が不払残業になっておりますが、現在までトヨタはこれ支払っておりません。これは言うまでもなく、賃金不払は刑事罰付きの重大な企業犯罪であります。本件は、これは厚生労働省が不払残業の存在を明確に認識し認定している、そういう事案でもあると思うんですね。

 私は、厚生労働省はこれをしっかり払うようにトヨタに指導すべきではないかと思うんですが、いかがですか。

政府参考人(青木豊君)

 個別の事案についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

 一般的に申し上げれば、労働基準法上の労働時間の取扱いにつきましては、その名称にとらわれず、実態を判断いたしまして使用者の指揮監督下に行われているというそういう実態が認められれば、これは労働時間に該当するということであります。そうした実態のない場合は労働時間として認めることはできないというふうに考えております。

 なお、労働時間に該当する場合でありましても、労働基準法上時効となっている場合などには労働基準監督官としては割増し賃金の支払を指導することはできないというふうに考えております。

小池晃君

 時効だからっていってね、逃れるということがあっていいんですか。

 大臣、人一人過労死で亡くなっているというのに、今日までトヨタは民事上、刑事上、行政上何の責任も問われていないわけですよ。しかも不払残業、これ明確になっているのに払ってもいないんですね。大臣、予算委員会でも企業の社会的責任が問われる時代だとおっしゃっていますよね。そういう中で、こういうことが、まあ法的にはこれは労働基準法で時効だといっても、私は許されるのかと。これはやっぱり毅然として道義的な責任、社会的責任というのを企業に求めていくべきじゃないですか。いかがでしょうか。大臣に。

国務大臣(舛添要一君)

 労働基準行政というのは、この労働基準法にのっとって法に従ってきちんとやらないといけないですから、一般的に言えば法律に二年の時効というのが書いてあるということですから、これは法的な措置はとれません。

 しかし、今委員がおっしゃったように、この一つの重い判決が出た、それを受け止めて企業としてどう対応するかということは、これはそれぞれの各企業の自発的な判断によるところでありますけれども、働く人たちの権利をきちっと守る、そういうことをきちんとやっている企業がこれから社会的責任をきちんと果たしている企業として国民に受け入れられると、そういうふうに私は考えております。

小池晃君

 そういうやはりきちっとした指導をしていただきたいし、私、これで時効がここであるというのはちょっとこれ、法律の不備ではないかというふうにも指摘をしたいというふうに思います。

 それから、偽装請負の問題をお聞きします。

 公務の職場でもこれ横行しているわけですが、職安局長に、偽装請負の定義について、ちょっと時間ないんで簡単に、これ形式上は請負契約だけれども、発注者からの指揮命令関係がある場合は、これは実質労働者派遣に該当するので、労働者派遣契約を締結しないまま労働者派遣を行った、これが偽装請負になるということでよろしいですね。

政府参考人(太田俊明君)

 偽装請負の定義でございますけれども、今お話しございましたように、請負、業務委託と称して労働者派遣契約を締結しないまま労働者派遣を行うことでありまして、労働者派遣法に違反するということでございます。

小池晃君

 つまり、請負契約の下で指揮命令できない、やったとすれば偽装請負になるわけであります。

 資料をお配りいたしました。これは国土交通省の説明資料なんですが、これは国土交通省が航空機の運航に係る業務の委託の運用指針というのを二〇〇二年に決めておりまして、その中で旅客機の乗員の一部を外部委託できるようにいたしまして、今回その指針を四月一日から一部改定しようとしているその説明です。

 国土交通省にお聞きします。

 この資料によれば、機長などの運航乗務員からチーフパーサー始めとする客室乗務員に対して連絡・連携すると書いてあるんですが、これは指揮命令に当たるのではないですか。

政府参考人(谷寧久君)

 航空機の機長には、航空法に基づきまして、機内で職務を行う者に対しまして指揮監督権限が与えられております。運航の安全を確保する観点からこの権限を行使するということがこの連絡・連携で表されている行為でございます。

小池晃君

 ということは、指揮命令をするということですね、これは航空法七十三条にある。

 ですから、同じ機内で運航乗務員の指揮監督、指揮命令下にある客室乗務員がこれが別会社に業務委託するというのは、これ、労働者派遣法違反の偽装請負になるんじゃないですか、国土交通省答えてください。

政府参考人(谷寧久君)

 私ども、この通達の中で委託という言葉を使っておりますけれども、この用語につきましては、第三者に業務をゆだねるという意味で使用しておりまして、その受託者と委託者との間の契約形態について特に限定をしておるものではございません。したがいまして、受委託の契約形態については、もちろん請負もあろうかと思いますけれども、準委任あるいは派遣などの様々な形態が考えられるというふうに思っております。

小池晃君

 いや、ここで言っているのは派遣じゃないでしょう。これは請負ですよ。準委任といったって、それだって請負だという、その場合でも偽装請負になるというふうに言われていますよね。

 厚生労働省にお聞きしますが、これ国土交通省が出しているこの指針というのは、まさにこれは労働者派遣法に照らせば偽装請負のスキームになっているんじゃないですか。

政府参考人(太田俊明君)

 このスキームで、客室乗務員の業務委託を行う場合におきましては、委託元から労働者に指揮命令を行う必要があればこれは労働者派遣の形態で業務委託を行う必要があると思います。

 今お話がございましたように、派遣以外の形態で委託元から労働者に対して指揮命令を行うものであれば偽装請負に該当する可能性が高いものと考えます。

小池晃君

 だから、大臣、これ偽装請負になるんですよ、はっきりこれは。一企業がやろうとしているんじゃないんですよ。厚生労働省のすぐそばの国土交通省で偽装請負をやりなさいというこれ方針出しているということになるんですよ、大臣ね。

 私、これは国土交通大臣に対して、これは労働法制から見て重大な問題があるということをちゃんと指摘すべきじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 偽装請負に該当する可能性はこの法律の案文をそのまま読めばその可能性は極めて高いと思います。

 こういう問題についてどう対応するか、これはまた国土交通大臣ともこういう問題があるよということは指摘をしておきたいと思います。

  〔理事谷博之君退席、委員長着席〕

小池晃君

 これは規制改革会議が言い出しているんですよ。本当にやっぱり人の命を預かる客室乗務員と運航乗務員が別会社の飛行機なんかに乗ったら本当に命が守られるのかと。私、こういうやり方は本当に労働行政の立場からもしっかり物を言うべきだというふうに申し上げておきたいと思います。

 最後、生活保護の問題をお聞きしたいんですが、通院移送費の問題で、北海道の滝川市の不正受給事件をきっかけに通院移送費の支給基準の見直しが突然浮上いたしました。これ暴力団関係者による詐欺で犯罪であります。許し難い事件です。行政もかかわっていた。

 これを口実に通院移送費の支給基準改悪するということは私おかしいと思うんですね。通院医療機関を原則福祉事務所管内に限るといっているんですけれども、治療の必要からやむを得ずこれ離れた医療機関にかかるというケースはこれはあるわけです。言うまでもなく、生活保護制度というのは、憲法二十五条で定められた健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障するものでありまして、やはり通院移送費の打切りで必要な受診ができなくなる、そんなことになれば私は生活保護制度の役割は果たせなくなると思うんですね。

 大臣、ああいう滝川市の本当に許し難い例は、これは絶対許しちゃいけないと思うんです。そういったものを認めろなんというつもりは全くありません。しかし、圧倒的多数の生活保護の利用者というのは、必要な最小限度の額をこれは請求しているわけですよ。やっぱりああいうとんでもない犯罪を口実にしてこういう人たちの権利まで奪われてしまうということはあってはならないと思うんですが、大臣、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 今の滝川の事例については、これはもう厳格に対応して、二度とこういうことを起こしちゃいけないと、そういうことで基準の見直しということをやりましたけれども、しかし、今おっしゃったように、生活保護の方々が必要な医療を受けられないような事態は、これは絶対起こさない、そういう方針で例外的な移送費についてもきちんと定めております。

 例えば、へき地などで交通費がどうしても高額になるとか、それから身体障害者なのでこれは電車やバスなどは利用できないと、そういう場合もありますし、それから検診命令によって受診する、それから医師の往診がどうしても必要だと、こういうことについてはきちんと対応して、この生活保護の方々が必要な医療を受けられないというような事態は起こさないと、そういう立場で臨みたいと思います。

小池晃君

 今大臣がおっしゃったような基準は国民健康保険上の基準であって、やっぱり生活保護制度というのはこれは最後のセーフティーネットなわけですから、もっと広くこれは救っていかないと私は駄目だと思うんですよ。やっぱりそういう限られた例じゃなくて、やはり治療上の必要で通院しなきゃいけないような場合の通院移送費というのはちゃんと認めるということをやっぱり続けるべきじゃないですか、いかがですか。

政府参考人(中村秀一君)

 今大臣から御答弁申し上げました例は、国民健康保険の基準よりも更に被保護者の方に配慮した例外的な基準ということで申し上げたものでございますので、国民健康保険の例よりも更に配慮した基準できちんとやりたいということを大臣から御答弁したものでございますので、御安心いただきたいと思います。

小池晃君

 いや、これ、やり方自体も、支給基準見直し示されたの今月三日なんですね。それで、パブリックコメントもなしで、四月一日には局長通知が出されるというのは、これは余りに拙速ではないかなと。一月に実態調査をやっているんですが、その結果もまだ集計中だというふうに聞いております。

 私は、この支給基準の見直しというのは、いったんこれはストップをして、この全国実態調査の調査まとめて、それを公表して、しっかり国民的な議論もやって意見も聞いてやっていくべきで、こんな一月足らずの間に通してしまうというやり方は、これはやめるべきだというふうに思いますが、いかがですか。

政府参考人(中村秀一君)

 今の通院移送費については百三十万件の方が年間生活保護で使っておられますけれども、例えば各県ごとに見ましても数十倍の利用度の格差があるというようなことがございます。

 今回、基準を厳しくしたと、そういうことではなくて、移送費に必要な最小限度の額は生活保護で見るという基準があったわけでございますが、そこを変えるわけではなく、ただ、こういうふうに全国的に格差があるのは、統一基準がはっきりしていないので実施自治体も混乱しているということから、今回、滝川の事件も踏まえまして基準を明確にしたということでございます。

 実態調査もしておりますけれども、その調査の結果に基づいて、もし必要な措置があるようでございましたら、またそこの点については御報告しながらきちんとやってまいりたいと思っております。

小池晃君

 必要な受診まで妨げられるようなことは絶対にあってはならないので、この通院移送費の見直しについては、私はストップさせる、そのことを申し上げたいというふうに思います。

 質問を終わります。

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