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169通常国会 厚生労働委員会 一般質疑

  • 後期高齢者医療制度/保険料 国保より上がる/小池議員、独自調査示し追及/下がる根拠なし厚労相が認める(関連記事)
2008年4月17日(木)

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 年金から天引きが始まった後期高齢者医療保険料についてお聞きをしたいと思います。

 不安と怒りも広がっているんですけれども、大臣は七、八割の人は保険料が下がるというふうに発言した根拠は何でしょうか。

国務大臣(舛添要一君)

 それ先ほど御説明いたしましたように、正確な数字は分かりません、各自治体によっても違います。

  〔委員長退席、理事谷博之君着席〕

 ただ、私が、もうあえて言えばどれぐらいなんでしょうか、印象でいいから言ってくださいと他の閣僚に言われたんで、そういえば、要するに国保方式を取っておる、国保の算定方式四方式採用しているところ、これが大体市町村の八割なんで、そういう数字を申し上げましたけれども、先ほど来御説明いたしておりますように、各自治体によってそれぞれ算定方式も違います、上がるところもあれば下がるところもある。ただ、平均値で申し上げれば、もう繰り返しは避けますけれども、例えば二千八百円が千円になったり、七千七百円が五千八百円になったり、そういうことを申し上げた次第であります。

小池晃君

 大臣の言葉というのは重いんですよね。七、八割なんということを安易に言うべきでないと。

 今おっしゃった数字も含めて厚労省の試算というのは、現在の国保料とそれから新しい後期高齢者の保険料を比較、その現行国保料には資産割含んでいます。今言われた四方式の自治体を取ってやっているわけです。

 そこで、局長に聞きますけれども、市町村国保の中で資産割を用いている保険者というのは一体どれだけあって、それから世帯数でいうとどれだけの割合になるんですか。

政府参考人(水田邦雄君)

 お答えいたします。

 平成十七年度国民健康保険実態調査報告におきまして、保険料の算定に当たって資産割を用いている市町村国保の保険者は、二千三百二十七保険者中千九百六十三保険者となっておりまして、全体の約八割となっております。これら資産割を用いている保険者に加入している世帯は、これも二千五百九万世帯中千百七十六万世帯となっておりまして、市町村国保全体の約五割となっております。

小池晃君

 だから、資産割というのは五割の世帯しかないんですよ、八割と言うけれども、世帯数でいうとね。だから、結局、厚労省の試算というのは、そもそも資産割の制度そのものが加入している世帯というのは半分しかないわけですからね、その半分は最初から当てはまらないというそういう試算になっているという、そういうことでよろしいですね。

政府参考人(水田邦雄君)

 国民健康保険料につきましては、先ほど申しましたように、約八割の市町村が資産割を含む四方式を採用しているわけでありますが、七十五歳以上の世帯主で見ますと、その七割が資産割を付加されておりますので、これを含めて考えるのが平均的な姿を示すものだと考えております。

小池晃君

 私は、これは本当に全体を示すものではないと思うんです。

 資産割がない場合の国保料と、それから後期高齢者の医療保険料というのを試算して比較してみるとどういうものになるのか、厚労省に試算をしていただいて今日資料で配付をしております。全体でいうとそもそも資産割付加されている世帯というのは三割足らずで、所得の少ない世帯ではもっと少ないわけですね。

 厚労省の試算のように、この表を説明していただきたいんですが、月額六万六千円の基礎年金の受給者の単身世帯と夫婦世帯の場合、それから月額十六・七万円の平均的な厚生年金受給者の単身世帯と夫婦世帯のそれぞれで、国保の保険料と後期高齢者保険料がどうなるか、資産割がない場合で言ってください。

政府参考人(水田邦雄君)

 まず申し上げたいのは、現に資産割というのは存在するわけでございまして、それをゼロとする試算、その他の資産割以外の部分については全国平均を使いながら資産割の部分だけをゼロにするというのは平均的な姿を表すものではないと考えておりますが、あえて委員のお求めに応じまして個別ケースとしてお示ししたのがこのお示しになった表のとおりでございます。

小池晃君

 これ見ていただくと分かるように、資産割が、これは平均、だって、あなた方が言っているのだってその資産割入れているんだから平均的な姿じゃないんですよ。だから、私は、資産割取らないケースでいうとどうなるかということで作っていただいた。これ見ると、夫婦世帯でいえば、基礎年金受給者で月額千八百円の保険料が二千百円になるわけですから、上がるんですね。それから、平均的な厚生年金受給者でいうと、夫婦世帯で月額七千六百円が八千六百円だから、千円上がるわけですね。単身世帯でも、まあ若干下がりますけれども、厚労省が最初示したような数字ほど大きく下がることにはなっていないわけです。資産割がなければ、夫婦世帯では保険料は、これは上がっているわけです。

 私ども更に、皆さんがきちんと実態を示さないもんですから、独自に調査をしました。それが今日お配りをしている二枚目、三枚目の資料です。これは、全国の市、それから東京二十三区も含めて調査をいたしました。厚労省のモデルどおりで計算をしてみました。資産割のある自治体は資産割も含めて計算をしました。それから、国保料について、それから後期高齢者については、法定減免はもちろんですが、各自治体、広域連合の独自減免措置も可能な限り盛り込んで計算をして、上から百自治体、市区ですが、並べてみました。これで全人口の四分の一に相当することになります。

 住民税方式のところだけが何か上がるように言うけれども、実態はそうじゃないんですね、これを見ると。最初の方のベストテンぐらいは、これは住民税方式のところ多いです。川崎でいうと三千四百五十六円、月に上がります。金沢市三千三百四十三円、神戸市で三千三百二十一円、それから広島、武蔵野、横浜、名古屋、藤沢、仙台、それから東京二十三区というふうに続いてまいりますが、月三千円程度上がるところがかなりあるんですね。しかも、下の方に行きますと、住民税方式じゃなくて四方式のところでも、資産割を取っている自治体でも上がるところはあるんですよ。これが実態なんです。

 こういう実態を見れば、私は、大臣がこの間言ってきているように、平均的な年金では保険料が下がるなどという説明は成り立たないんじゃないか。平均的な年金ですよ、これ全部。まさに、皆さんのモデルどおりに計算したんですよ。でも、これだけの自治体で保険料が上がるというところはあるわけですから、これ一概に、平均的な年金だったら保険料下がるなんて言えないんじゃないですか、大臣、いかがでしょう。大臣、答えてください。

国務大臣(舛添要一君)

 だから、全部、一人一人の保険料、千三百万人について一人一人集計してみないと正確なところは分からないということを何度も申し上げているわけです。そして、これについても、住民税方式もあれば、先ほど来やっているように資産割がそもそもないところもあれば、それからやはり豊かな自治体においては、例えば東京の二十三区なんかは特別の補助金を出していたんです。したがって、今回そのシステムが都道府県の広域連合になりましたからなくなっている。だから、個々の方々にとってみると、ああ、こんなに増えたなというのは、それはあり得るということであります。ただ、数字を出せと言うから、一般的に平均値を出せばこうですよということを申し上げているわけであります。

小池晃君

 いや、だれも出せなんて言っていないんですよ。勝手に出したんじゃないですか。この実施直前になって余りにも評判が悪いから、慌てて保険料が安くなるんだという宣伝を始めたんですよ。しかし、その宣伝は本当に乱暴な宣伝だと私は思うんです。

 こういうふうに実態を見れば、平均的な年金だって上がるところはいっぱいある。しかも、何か豊かな自治体だけとおっしゃるけれども、これ見ると、決してそんな自治体ではないと思われるようなところだってかなり上がりますよ。

 これ、別にこの自治体が悪いんじゃないですよ、私、一言言っておくと。これは国が悪いんですよ。こういう一律の制度を押し付けるから、独自の努力をやってきた自治体も保険料が上がらざるを得ないわけで、一番の被害者はこういう自治体で暮らしている私は住民だというふうに思う。

 大臣、今日議論してきましたけれども、ああいうふうに、保険料は平均的には下がるんだとか、七、八割下がるんだとか、これはミスリードじゃないですか。こういう宣伝はもう一切やめていただきたい。きちっと、個々具体的に違うんだということを国民に正直に説明すべきではないかと思うんですが、大臣、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 できるだけ実態が分かるように、今調査を指示しているところであります。

  〔理事谷博之君退席、委員長着席〕

 しかし、下がっている人もいるわけですよ。そういう方はきちんと下がりましたということをおっしゃっているわけであって、ただ、いろんな要請に応じてたくさんの方々がどういうふうに保険料なりますかと、そうすると平均値はこうですよということをお答えしている次第でありますので、更に全体像がつかめるように調査はできるだけやっていきたいと思います。

小池晃君

 今までの宣伝が余りにも乱暴だったということは申し上げておきたいというふうに思います。

 しかも、今日議論が与党の議員からもありまして、保険料の制度も複雑であると。どういう医療が行われるかも理解されていないし、なぜ七十五歳以上なのかも理解されていない、与党の議員も理解できないという発言があったんですね。

 こんな制度をこのまま、大臣、国民に押し付けるというのは余りにも無責任じゃないですか。与党の議員も理解できないような制度であれば、いったんやめて最初から考え直す、それが政府の責任じゃないですか、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 与党の議員のみならず全国民がよく理解できるように、この制度のメリットについてきちんと説明を今後続けてまいります。

小池晃君

 こんな制度は直ちに中止をして、やっぱり考え直さないと駄目ですよ。みんな、国民そう思ってる。

 最後一問、ワンビシのことについてお伺いしますが、先ほど風間委員が指摘をした問題、私も同じ思いを持ちまして、民間企業にゆだねている、倉庫で保管するだけじゃなくて、記録の索出というところまで委託をしているわけですね。私は別に民間はその力がないとか、そんなことを言うつもり全くありません。実際に優れた力を持つ職員の方にやっていただいているという説明もありました。

 ただ問題は、あの記録が索出できるかどうかということで、これは企業名が分かるか分からないか、年金の受給権にかかわるような、行政処分である年金の裁定ということにかかわってくる業務をやっているということになるわけですよ。だから私、能力の問題じゃないですよ、こういう形でそれを、保管するだけだったらそれは百歩譲ってよしとしても、その記録の索出まで民間企業の、それもパートの職員さんにやっていただくというのは、私は国の責任から見ていかがなものかというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 そういう形で昔契約をしていてそれが続いているということですので、先ほど申し上げましたように、来月中には入札をしてこのコンピューター化、インデックスをするということになれば作業工程も効率化されるし、そういう人手を使わないでこちらからのコンピューター操作もできるようになりますので、そういうことも含めて、きちんとしかるべき検討を行いたいと思います。

小池晃君

 私はあの実態を見たら、データベース化したものを最終的にあそこから探すというのは、これは手作業にならざるを得ないと思いますよ。

 だから、そういう意味ではきちっとこの旧台帳の管理、記録の索出については、私は何らかの形できちっと国が責任を持つシステムに変えなければ、これは年金に対する国の責任を果たしたことにならないと思いますので、そこは根本的に見直していただきたい。

 終わります。

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