本文へジャンプ
日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

169通常国会 厚生労働委員会 後期高齢者医療制度廃止法案の参考人質疑と法案質疑

  • 後期高齢者医療制度/国費投入を減らし現役世代に負担増/井上氏追及(関連記事)
2008年6月5日(木)

小池晃君

 大変ありがとうございました。説得力のあるお話で、笹森参考人からお話あったように、この場に与党がいないというのは大変残念だし、与党の議員にもしっかり聞いていただきたかったお話ではないかなというふうに思います。

 その上で最初にお伺いしたいのは、両参考人にお伺いしたんですけれども、原中参考人は県医師会長という立場で、そして笹森参考人はかつての労働運動のリーダーという立場で、その影響力を堂々と発揮をしてこの問題について本当に信念を持って訴え続けておられることに本当に心から敬意を表したいと思っておりますし、なぜそこまでお二人を動かしているのか、端的に言って、もうこの制度のここが一番許せないというところを絞って言うとするとどういうことになるのか、お二人に最初にお話しいただきたいと思います。

参考人(原中勝征君)

 やはり年齢で区別をしたということと、それから生活のできない人からも保険料を取るということ。それから、現実に、私たちの方の田舎では七十五歳以上の人が家に帰りますと枕元に二つのおにぎりを置かれて、訪問看護の人たちが行きますと、あるいは役場の人と一緒に行ってもらうと、もう部屋の中は外からかんぬきを掛けられて外に出られないようにしてあると。それで、部屋に入るとうんちからおしっこからもう非常に臭くて、とてもじゃないが、足が入れない、役場の人はもう部屋に入れない、そういう環境にいる老人が私たちの近くにいっぱいいるわけですよ。

 一つの例を挙げますと、先日、役場の方から是非引き取ってほしいという患者さんが運び込まれまして、玄関から入った途端に何かみんな、中にいる人たちがみんなさあっと逃げた。それはなぜかといったら、物すごいにおいがした。私も、みんな何で動いているんだろうと思ってふと見たら、その運ばれたところからぽんぽんぽんぽんと物が落っこってくる、小さなものが。よく見たらウジ虫なんですね。もうおしりの中に褥瘡ができて、その褥瘡の中にウジ虫がわいていると。そういう老人が現実にいるということを考えたときに、私たちはやっぱりこんなに豊かな国でこういう人をつくってはいけないということが私の個人的にこの問題を、やっぱり優しさということがこの国の最大の今までの伝統だとすれば、これが今消えているんじゃないかと。その典型はこの後期高齢者の制度だということで反対をしなきゃいけないと、そういう気持ちでございました。

参考人(笹森清君)

 一言で言うと、長寿を喜べる国にしたいということです。それを政治や制度のせいで駄目にされたくない、この思いに駆られたということですね。それを訴えてきた人がたくさんいるんです。

 最近ヒットしている映画で、「ALWAYS 三丁目の夕日」ってありますね。あそこに出てくるのは、昭和三十年代、貧しい時代でした。しかし、中に出てくる画面からは、本当にほのぼのとした温かい家族、夫婦、そして地域社会の住民たちとの触れ合い、これがあるんですよ。それを支えてきたのが国民皆年金であり、国民皆保険であり、そしてそのことによってすべての人たちが世代を超えて支え合う、助け合うという日本の特色だったと思うんですね。これを壊されたくない、そういう思いです。

小池晃君

 ありがとうございました。本当に同じ思いがいたします。

 やはり負担が増える増えないというのはもちろんあるんですけれども、本当にこういう優しさのない、年を取れば取るほど肩身が狭くなる、つらい思いをする、こういう制度そのものに対して本当に党派を超えた怒りが今広がっているんだというふうに思います。だからこそ、我々、これは制度を直ちにやっぱりやめなきゃいけないという法案を今出しているわけです。

 議論の中で与党が指摘をしているのは、老健制度に戻すという仕組みになっている、これでいいのか、無責任だというふうに言われるんですね。私どもも、老健制度が改革が必要だとは思っているんです。これはもうまさに国庫負担をどんどんどんどん削減していく仕組みの中でつくられているわけですし、非常に老健制度自体にも様々な問題があります。これは改革が必要ですが、しかし、老健制度というのは、今の保険に入ったまま財政調整をするという仕組みであって、強制的に今の保険から脱退させる、そして新たな制度に囲い込む後期高齢者医療制度とは根本的に違うと。だから、いったんそこに戻すんだ、そしてそこから改革の議論を始めようと、これが今度の考え方なんですね。

 現場で診療されている原中参考人、そして高齢者の皆さんの声を代表して笹森参考人に、もし老健制度にいったん戻ったとして、何か不都合が生じるようなことがあるのか、もちろんそのままでずっといけということではない、それは議論していかなきゃいけないんですけれども、その点について、何か老健制度にいったん戻すことによって問題が起きたり不都合が生じたりということがあるかどうか、お伺いしたいと思います。

参考人(原中勝征君)

 実は、私たちは、医療と介護というのが今社会的に分けられているわけですよ。でも、介護を必要とする人は、病気あるいは老齢化によって起こっているんですよね。ですから、介護を受ける人は病気を持っているということからすれば、介護と病気というものを分けたこと自体が私は間違いではないかというふうに思っているわけです。必ず両方の問題が、だれもが年を取って機能的な不具合ができて、そのときに基本的にやるのはやはり老齢化と病気だと思うんです。ですから、介護の必要な人が本当に医療必要ないんだろうか、とんでもないことなんですね。

 それから、医療に入っている人は介護が必要じゃないだろうか、全く同じ人がどちらに入っても同じなんです。ただ、それが制度上、介護保険であるとか医療保険であるとか、あるいは介護の中でも療養型病床群と、病床群の中にも介護型と医療型がある、それから老健施設が中間型だと言われている、それで最後に住居としてはケアハウスがあり老人ホームがあるというようなシステムになっているわけですが、少なくとも住居ということを考えたケアハウスとか老人ホームを別としても、三つの今分けられている、あるいは四つに分けられている保険制度、これは私はやはり間違いだと思いますので、是非この点をきちんと今後のいろんな医療、介護の手直しがあるときに、介護の方は地方自治体に任せればいいんだ、あるいは医療の方は保険から払わなきゃいけないからという、そういう考え方ではなくて、患者さんあるいは老人の方から見ればどちらでもいいんだ、要するに自分の体は両方悪いんだというようなことから始まれば、私は両方一緒に考えなきゃいけないときだと思います。

参考人(笹森清君)

 私ども、原中参考人も含めて、撤廃を求めている。撤廃したらどうするのか、健康保険がなくなっている、じゃ、後期高齢者医療制度が撤廃した、じゃ、保険制度は全くないんですか、そんなことにはなりませんね。

 じゃ、撤廃をするとどうなるかというと、今までの保険制度に戻しなさいということですから、この老人保健制度に戻すという提案をしている野党四党の方針は私は決して無責任ではないと思います。その上で、このままやり続けることの方がよっぽど無責任よと是非言ってほしいと思うんですね。

 そこから先、老人保健法も確かに問題がなかったわけではありません、小池議員のおっしゃるとおり。今おっしゃられたように、元々が国民皆保険一つだったやつが高くなり過ぎると、したがってその高くなる部分の中から介護だけ別にしましょうよ、要するにかさの高さを二つに分けて大きく見せないようにしたというのがまず分離です。それで今度も、またたくさん掛かるところの高齢者が出ちゃったからまた別にしましょうよ。しかしこの介護がまずできたときに、じゃ、残った国民健康保険の方が高くなりませんでしたって、やっぱり上がっているんです。そして介護保険はというと、先ほど言ったように上がり続けてきているわけですね。その上で、制度があって介護なしと言われるようなもう非常に現場の混乱を招いている。恐らく数年たったらばもう介護保険制度はもたないだろうまで言われている。じゃ、今度の後期高齢者医療はどうなるのか。その二の舞どころかもっとひどいことになるということですね。

 したがって、一度戻してスタート地点をもう一回やり直しをして、その中でつくるとすれば、年金、医療、介護、そして生活保護まで含めた社会保障制度と、税制を、それこそ消費税をどういうふうに組み込むのか、そして保険方式をどういうふうにそこにミックスするのか、保険方式だけでいくのか、もう一体的見直しした中での負担をつくり替えなきゃならないということだと思うので、私はそのためにも是非老人保健制度に一度戻すべきだというふうに思います。

小池晃君

 ありがとうございました。

 それから、原中参考人に後期高齢者診療料についていろんな場所で発言をされているのでちょっとお聞きをしたいんですけれども、これはフリーアクセスを阻害するんじゃないか、いや、しないんだというふうに与党・政府などは言っています。ただ、主病は一つだという考え方を持ち込んできていて、やはり結果としてこういうことになればいろんな管理料がありますよね。それはやっぱり一診療機関で取ればほかは取れないということになってくる。やはりほかの診療機関にとってみれば、診療がしにくくなってやっぱりフリーアクセスを阻害する方向に持っていくことになるんじゃないか。将来的にはやっぱりこういう制度によって人頭払い制のような形に完全にフリーアクセスを遮断するようなことになりはしないかということを大変私は危惧をしております。

 そもそも、それぞれの医療機関において、それは診療報酬請求上、主傷病名というのはあるわけですが、幾つかの医療機関にかかっている場合にどれが主病かと。例えば、眼科に行っている、整形外科に行っている、内科に行っている、その高齢者にとってこれが主病です、こんなことはちょっと医学的にはあり得ない話ではないかなというふうに考えておりますけれども、この考え方、主病は一つだという構造そのものについて現場診療担当者としてどんな思いをお持ちか、お聞かせください。

参考人(原中勝征君)

 実は、この問題、以前に出たことがあるんですよね、外総診という形で。外総診の場合には外来患者の問題で、主病はそのときも一つだと。それで、それが物すごく反対が強かったものですから、それじゃ最終的にはレセプトの中に主病と思われるところを下線を引けということで、いつの間にかそれも必要ないということで、一度消えたものなんですね。ところが、今回また出てきましたのは、私はやっぱり厚労省の人たちがドイツとかフランスの制度を勉強しに行って、この制度があるんですよ。そうすると、確かに外国では主病は一つという、というよりも、主治医制度ができますとよその診療所に行けなくなるという非常に抑制が働いているという現実を見てきて恐らく導入したんだろうというふうに思います。

 私は、これは若い人でも何でもみんなそういうふうになるわけですけれども、でもこの国は今まではそういう制限を加えなかった。要するに、今、例えば七十五歳以上の人が例えば目が悪くなった、あるいは別なところが悪くなったといっても、自分ではその病院に行けないんですよ。だから必ず家族の人が付いて連れていかなきゃいけない。そういう場合には本当に悪くならない限り行っていません。ですから、私はこのことも、またどこかで学んできたことを机の上で考えて、そうやれば複数の診療所に行かないだろう、医療機関に行かないだろうという単純な発想だったと思うんです。でも、私はやっぱり主病は一つだということで、その先生だけが高い診療料を取ったら、これはよその診療所に紹介しにくくなることは事実だろうと思います。

 それから、もう一つですが、いつでもこの厚労省のやり方というのは、それは月に一回高血圧の薬をもらいに来る人があれば、今、再診料がわずか数百円の中で六千円もらえるのはこれは非常にいいことですから、むしろ今、開業の先生方だって普通のサラリーマンの収入になっておりますから、それから物すごく幅があります。本当に一千万行かない開業医が私の県には数人おります、粗収入でですね。ですから、そういう先生からすれば夢のような話で、入りたいという気持ちがあるだろうと思います。

 ただ、そこで考えなきゃいけないのは、今は五千五百円以上の検査料は別に取っていいですよ、あるいは治療費は別に請求していいですよ、これは前の老健施設と同じなんですよ。レントゲンは別に取っていいですよ、それからおむつ代も別ですよ、何々も別ですよ。ところが、いったん包括医療を採用してしまうと、ただ一つ、これ全部中に、入院料に入りますと言われればそれで終わりなんですね。それでまた、その六千円が、実際この老健施設のように三十六万からいつの間にか三十万以下にされちゃったということも抵抗できないんです、決められたものになっちゃいますから。

 だから、そういうふうになったときに、本当に医療側だけではなくて、御老人の検査あるいはいろんなことに対して、治療も今度含まれるようにもしなったとしたら、治療の薬すら制限しなきゃいけなくなるということで、さっき笹森参考人から何回も言われておりますように、この制度は保険料を物すごく高くするか、それから制限医療を物すごく追加しなきゃ、もたないんですよ。だからこの制度は早くなくさなきゃいけないというふうに思っております。

小池晃君

 ありがとうございました。本当、私も同じ思いですし、厚生労働省というのは大体、診療報酬決めるとき、最初は大きく付けて、普及したらはしご外すということをもう歴史的にずっとやってきていますから、これも非常に危険な仕組みだというふうに思います。

 それから、最後になるかと思うんですが、笹森参考人に、とにかくこの間の議論の中で、経済財政諮問会議などは特に典型だと思うんですが、社会保障というのはコストであるとしか見ない、とにかくこれは削減の対象としてしか見ないという、そういう議論が続いていると思うんです。私は、社会保障というのは非常にやっぱり人件費率の高い仕事であるし、特に雇用創出効果、経済波及効果というのは物すごく大きな、医療、介護というのはそういう分野でもあるというふうに思っておりまして、日本のように社会保障をどんどんどんどん削っていくということになれば、結果としてやはり経済活性度を低め、経済成長を落とし、そしてひいては税収も低めていって、結局国家財政にとってもマイナスになっていくと、今のやり方というのはまさに悪循環の道ではないかなというふうに思っているんですが。

 今のこういう、社会保障をコストとしてしか見ないようなこういう全体の政治の議論についてどのようにお考えか、お聞かせください。

参考人(笹森清君)

 まず、結論から言えば、もう決定的な間違いですね。今、小池議員がおっしゃられたとおりだと、私も同感です。

 その上で、今の政府、特に小泉内閣以降の三代にわたる自民党中心政権の中で何が行われているかというと、経済財政諮問会議がすべてオールマイティーの権限を持っているような状況になっているわけです。あそこに集まっている人たち、普通の審議会ですとみんな委員と言うんですが、あそこだけ何で議員と言うんですか。それも民間議員とあえて言いますね。ここがまず不思議なんです。国会承認人事でもないということですね。それが何であんなことを決めちゃうの。

 そこの中に入っている人たち見れば、学者、バランス取ってあるのかもしれないけれども、各界代表者じゃないですよ。もう言ってみりゃ利益誘導型の、マイカンパニー利益誘導型みたいなところですから、そういう人たちが決める制度といったらば、これはもうコスト削減、自分たちが必要でないと思う分については減らす、それから自分たちが出費になるものについては減らす、そういう発想になっちゃうんですね。だから、そういうシステムから出てくる制度については、もうこれは国会がリードして直すしかないということだと思うんです。そういう中で、私は今の社会保障は、コストとしての意識は大切であるけれども、それが最前提で、最重要でという位置付けの中でやってはいけないというふうに思っています。

小池晃君

 ありがとうございました。

 時間が参りましたけれども、今日のお話を受けて、一刻も早くこの廃止法案を成立をさせて、そして新たな議論を始めるために力を尽くしたいと思います。

 ありがとうございました。

井上哲士君

 日本共産党の井上哲士です。与党欠席という事態に至ったことは大変残念でありますが、国民が廃止法案の成立を望んでおりますので、質問をいたします。

 まず大臣に、昨日の発表された保険料調査についてお聞きをいたします。

 先ほども、この調査結果が実態を反映していないんじゃないかという質問がございました。もう一点、これまで政府は低所得者ほど負担は軽減されると言っていたのに、これと全く逆の結果となりました。所得と保険料の関係というのは一番の国民の関心事なのに、それが逆の結果になったと。なぜこういうような事態になったのか、お答えください。

国務大臣(舛添要一君)

 先ほど、風間委員に対する私の御説明の途中で終わっていたような感じがいたしますけれども、厚生労働省が説明しているときに使った様々な資料に、一般的に言えば低所得者の方が高所得者に比べて負担の低減率が大きいということが書いてありましたが、その中に、一定の条件を付けてということで一定の条件がたくさん書いてあります。

 その中で、四方式を使ってやったときにはそういう傾向があるということで、先ほどの資料の五の中の数字を途中まで説明いたしましたけれども、その中で、確かに四方式についてはそのことが当てはまりますが、中所得については、四方式で資産割がない部分が、今まで資産割を取っていた部分をなくしましたから、資産割の占める比率について言うと、中と低の間の比率について言うと、比較的に中の方が比率が軽くなりますから、したがって若干中所得者が一番上に来たということでありますので、そういう説明をすれば一定の説明はできます。

 しかしながら、最初に大書特筆したのが一般的に言えば云々ということであって、今言った細かい条件はきちんと説明してあるんですけれども、そのことの説明というのが十分なされていなかったというか十分周知徹底していなかったということでありますので、これはきちんと反省しないといけないと、そういうふうに思っております。

井上哲士君

 この結果について、提案者小池議員のお考えをお願いします。

委員以外の議員(小池晃君)

 これは極めて重大だと思っております。

 大臣は先ほどの質疑の中で、自分は国会答弁ではそのようなことを言っていないというふうにお答えになりましたが、四月八日の厚生労働委員会で私の質問に対して、年金収入、夫婦世帯では五百二十万円程度まで、単身世帯では収入にかかわらず負担増にならないというふうに答弁をされております。その答弁に照らして実態は違っていたということだと思います。

 この保険料調査については、問題点はもうこれははっきりしていて、要するに、たった四つのモデル世帯に当てはめてやっているから、この四つのモデルに当てはまらない世帯がこれは一昨日の質疑でも二割除外されるというふうに政府も認めているわけです。ということは、モデル世帯の三割ということは、そのモデル世帯というのは全体の八割ですから、これは二四%ということになる。しかも、除外された世帯の多くが負担増だったらば、最大でいえば負担増は四割近くになる可能性もあるわけで、これは実態を反映するものではないと思います。

 しかも、同時に、この前提として、資産割を持っている、資産割を払っていた世帯が夫婦とも基礎年金という世帯の五割が国保料の資産割を払っていたという前提で計算をされているというのが政府の説明でありまして、こういう低所得の世帯で五割も資産割を払っているというのは、私は現実から懸け離れているのではないかというふうに思います。そもそも、このようにモデルを設定して計算するというやり方をするからこういう矛盾が起こってくるんだと。

 全日本民医連が今日発表した実施直後アンケート、四千六百二十五名の集計で、保険料負担高くなったという人は四二・四%、安くなったという方は七・二%であります。こういうサンプル調査をきちっとやって、実態に即した調査をやらなければ、高くなった低くなったなどということは言えない。

 そして、最後に一言付け加えれば、たとえ始まったときに一時的に下がったという高齢者であっても、これはもう未来永劫自動的に保険料が上がっていく仕組みなわけですから、この制度を廃止しない限りこの問題は解決しないということだと考えております。

井上哲士君

 もう一つ、政府の宣伝と実態の違いについて聞くんですが、政府はこの制度について、後期高齢者医療制度は公費を重点的に充てることにより国民全体で支える仕組みというふうに説明をしてきました。しかし、老人保健制度も後期高齢者医療制度も公費負担が五割、国庫負担が三三%なのは同じなわけで、なぜ公費を重点的に充てるということが言えるんでしょうか。

国務大臣(舛添要一君)

 それは、平成十四年にこの老人保健法を改正しました。そのときに対象年齢を七十から七十五歳に引き上げた。それまでは三割だったんですけれども、公費の負担をずっと上げて五〇%まで持ってきた。したがって、今申し上げたように、老人保健法の改正に伴う公費の負担を五割まで上げるということですから、重点的に上げてきたということは矛盾しないわけであります。

井上哲士君

 それでは納得できないんですね。

 聞きますけれども、老人保健制度の最後となった二〇〇七年度、老人医療費全体に占める国庫負担の割合が定率負担、拠出金を合わせてどれだけになるのか、そして、始まった二〇〇八年についてはその数字がどうなるのか、数だけお答えください。

政府参考人(水田邦雄君)

 二〇〇七年度、十九年度におきます老人医療費に占める国庫負担の割合についてのお尋ねでございますけれども、老人医療費を支えるための定率負担に係る国庫負担につきましては約二八%、各国保や政管健保からの老健拠出金に係る国庫負担につきましては約一〇%となっております。

 それに対しまして、二〇〇八年度、二十年度における後期高齢者医療費に占める国庫負担の割合は、後期高齢者医療費を支えるための定率負担に係る国庫負担につきましては、二〇〇七年度と同様、約二八%でございます。その一方、国保や政管からの後期高齢者支援金に係る国庫負担につきましては約七%となっております。

井上哲士君

 違う数を言われましたが、老人医療費全体に占める国庫負担の割合、昨日資料で確認しましたけれども、二〇〇七年度は三七・三%、二〇〇八年度は三五・四%、要するに下がっているんですね。つまり、政府の宣伝とは逆で、国庫負担はむしろ後期高齢者医療制度になって減っていると。

 そのしわ寄せがどこへ行っているかという問題なんですが、私どものところに、娘を派遣労働者というお母さんから手紙来ました。娘は人材派遣の組合の健保組合に入っているんですが、後期高齢者医療制度に伴い組合の拠出金が急増し、健康保険料が大幅に増加する見通しだという通知が来ているわけですね。ですから、今一番劣悪な賃金、労働条件が問題になっているような派遣労働者にしわ寄せが来ていると。

 だから、政府は税金を投入して現役世代の負担を加重しないと言っていますけれども、実際は、国費の負担は、投入を減らして、現役世代に負担を押し付けると、こういう事態になっているんじゃないですか。これについて、大臣から答弁をいただきたい。そして、小池提案者にも答弁をいただきたいと思います。

国務大臣(舛添要一君)

 誤解があると思いますが、要するに公費の割合の五割というのは変わりないんですね。しかし、若者が負担していたのが五割あったのが四割に減りましたから、それに伴って一〇%が七%に減るのは当たり前であって、三七から三五に変わったということをもってして公費の負担割合が変わったということにはならない。まさに、一割、四割、五割という明確な負担区分をやったことに伴うわけですから、私はいつも申し上げていますけれども、ただ単に老人医療費を無料にすればいいというんではありませんと、しかるべきものを払うということもまたこれは必要だと、そういうことを申し上げてきたつもりです。

委員長(岩本司君)

 小池晃君。簡潔に願います。

委員以外の議員(小池晃君)

 今のは全く誤解ではないと思うんですね。老人医療費というのはその老人医療費全体に占める割合に国庫負担がどうなっているか、それはだから定率負担分とそれから拠出金の中に国庫負担がどれだけ入っているか、これが老人医療費に対する国庫負担なわけです。この老人医療費に対する国庫負担、まさに拠出金の部分で明らかに老人保健制度と後期高齢者医療制度を比べると比率は減っているわけですから、公費を重点的に投入したというのはまやかしの説明であるということが今日の答弁でもはっきりしたというふうに思っております。

 以上です。

井上哲士君

 終わります。

ページトップへ
リンクはご自由にどうぞ。各ページに掲載の画像及び記事の無断転載を禁じます。 © 2001-2010 Japanese Communist Party, Akira Koike, all rights reserved.