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170臨時国会 参議院 厚生労働委員会 一般質疑

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2008年11月13日(木)

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 七年前、国立循環器病センターに勤務していた看護師の、当時二十五歳の村上優子さんがくも膜下出血で亡くなられた件で行政訴訟がありました。十月三十日、大阪高裁が公務災害という判決を下しました。私もこの問題、当委員会で何度か取り上げてきましたし、先日山下芳生議員とともに大臣に申入れもいたしました。日本看護協会もこれは上訴を断念すべきだという表明をしております。

 改めて大臣に伺います。これは上告をすべきではないと思います。決断をしていただきたい。いかがでしょうか。

国務大臣(舛添要一君)

 今の案件ですけれども、平成十三年に国立循環器病センターで勤務した看護師さんがくも膜下出血でお亡くなりになったと、公務災害かどうかの行政訴訟でありますけれども、私は、判決につきまして関係省庁と協議した結果、上告しないということにいたします。

小池晃君

 今日、お母さんもお見えになっていますが、大変喜んでおられると思います。関係者も喜ぶと思うんですね。感謝をしたいと思います。

 やっぱりあの二階発言ありまして、私も本当に心から怒りを覚えます。政治の立場だというのであれば、こういう問題を解決すると、やっぱりこういう声にこたえるのが政治の責任だというふうに思いますので、やっぱり看護師の労働条件の問題も含めて実態調査をしっかりしていただいて、国立医療機関はもちろんですが、看護師さんの今の労働実態について、日本看護協会も長時間労働の実態調査を始めるというふうに言っておりますし、是非そういう道に踏み出していただきたいということを申し上げたいと思います。大臣、もし何かありましたら。

国務大臣(舛添要一君)

 先般の墨東病院に訪ねましたときも、ああいう案件があったので皆さん、そこにお勤めになっているお医者さん、それから看護師さん、非常にショックを受けられて、ただ、看護師さんがNICUの中で私に訴えたのは、本当に厳しいんだと。だから、十五ユニットあるのに、足りないので十二しか稼働していない。

 これは南野委員にもお願いいたしまして、来週、看護協会の方ともお会いし、様々な実態調査を行い、それから、今免許を持っておりながら様々な理由でお仕事を休んでおられる方は是非復職していただいて、こういう過酷な医療現場の改善を一緒に協議して、前に進めたいと思っております。

小池晃君

 是非よろしくお願いしたいと思います。

 引き続き、今の経済情勢にかかわって、リストラと年金の株式運用の問題について今日は聞きたいと思います。

 大規模な労働者の首切り、雇い止めが始まっています。しかし、ウォール街のばくちのような経済によってつくられたこのツケをやっぱり労働者に回すというのは私は許してはいけないというふうに思うんです。

 厚生労働省として、現在起こっているリストラの動きについてどのように把握しておられるか。製造業の派遣・請負労働者の離職、百名以上の離職者を出している企業の数とか離職者数について御報告をしていただきたい。

政府参考人(太田俊明君)

 都道府県労働局からの十月の地域の雇用失業情勢の報告でございますけれども、雇い止めあるいは中途解除は十八件となっているところでございまして、派遣労働者、請負労働者、またいわゆる期間工の方々約四千九百四十人が雇い止め等をされているところでございます。

 それからまた、同じ都道府県労働局の報告でございますけれども、解雇などによる雇用変動、これは原則百名以上のところでございますけれども、三十五件ということで、これは正社員とかパート社員の方々でございますけれども、約六千三百人が解雇等の対象になってされているというふうに聞いているところでございます。

小池晃君

 資料で詳細はお配りをいたしました。

 厚労省が把握しているだけでも一万人を超える。しかも、報道では、トヨタ自動車とそのグループ企業だけで七千八百人に及ぶ期間社員、派遣社員の首切り、日産で七百八十人、マツダ八百人、スズキ六百人と、大企業が相次いでリストラ計画を発表しています。こういう一斉に大量解雇というのはかつてなかった事態ではないかと。

 減益とはいっても、トヨタでもなお年間六千億円の利益を今年見込んでおりますし、内部留保、ため込み十三兆円あるわけですね。トヨタのかつて奥田碩会長は、経営が悪化したときに労働者の首を切るような経営者は腹を切れと言った。ところが、やっていることと実態と違うわけです、今。

 大臣、昨日、首相あてに申入れも私ども日本共産党として行いましたが、この大量解雇、雇い止めをやめさせて、雇用維持のために最大限の努力をするように、日本経団連を始めとする経済団体に対して大臣が直接乗り込んで物を言うべきときではないですか。指導すると、改善を申し入れると、やるべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

国務大臣(舛添要一君)

 今の委員の御意見も受けまして、近々、経団連に参り、そのことについてもきちんとやることを検討したいと思います。

小池晃君

 これは是非やっていただきたい。厳しくやっぱり申入れをしていただきたい。指導をしていただきたい。

 厚生労働省に仕組みをちょっとお聞きしたいんですが、こういう大規模なリストラが始まっている中で、これを監視したり企業に雇用責任を果たさせるための仕組みは現行制度では、簡単に説明していただきたいんですが、どんなものがあるんでしょうか。

政府参考人(太田俊明君)

 今御指摘の企業での大量雇用変動に対応する仕組みでございますけれども、雇用対策法に基づきまして二つ仕組みがございまして、一つは再就職援助計画の作成、もう一つは大量雇用変動の届出でございます。

 再就職援助計画の作成につきましては、これは事業規模の縮小等に伴って離職を余儀なくされる労働者の職業の安定を図るということで、事業主に計画を作っていただきまして、円滑な再就職を促進するというものでございます。

 それから、大量雇用変動の届出につきましては、これは一時的に大量の離職者が発生してその地域の労働需給に影響を及ぼすおそれがあるという場合には、この事業主からの届出を受けて、ハローワーク等の関係各機関が再就職支援のための措置を講ずるということで迅速かつ的確に対処するということでございまして、そのような仕組みがあるということでございます。

小池晃君

 その大量雇用変動や再就職援助計画の直近までの提出の数字見ましたけれども、例えばトヨタなどでは今年既に二千人の期間労働者が辞めさせられたと報道されているんですけど、それらしき数字が見当たらない。トヨタからは、法律で定められている大量雇用変動の届出若しくは再就職援助計画の報告は出ていますか。

政府参考人(太田俊明君)

 個別の企業に係る事案についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思っておりますけれども、一般論として申し上げれば、これらの制度の対象となる大量の離職者が発生した場合には、これは事業主は当然ながら法に基づき計画等の提出をしなければならないということでございますので、もし提出がなされてない場合には、これは当然ながらハローワークにおいて適切に指導等を行ってまいりたいということでございます。

小池晃君

 これ、マスコミが大々的に報道されているような事態ですから、何で答えられないのかなと。事前にも答えられないという話だったけれども。

 私、やっぱりこういう態度では、本当に企業側から労働行政というのが足下を見られるというか、甘く見られるということになると思うんですよ。きちっとそういうところでは言うべきだと。

 そもそも、じゃその今の大量雇用変動や再就職援助計画の仕組みが今のリストラの動きに対応できているのかどうかということなんですが、ちょっとお聞きしますけれども、今大企業のリストラの主な手段としては期間社員が期間満了したということで雇い止めをすると、あるいは派遣労働者の契約解除ということがかなりの部分を占める。局長、そうした場合も再就職援助計画の提出の対象になるんでしょうか。

政府参考人(太田俊明君)

 再就職援助計画の対象でございますけれども、これは事業所に常時雇用されている労働者のうち事業規模の縮小等を伴って離職を余儀なくされる者を対象としているところでございます。常時雇用される労働者でございますけれども、これは六か月以上雇用されている者又は継続して六か月以上雇用されていることが予定されている者をいうということでございます。

小池晃君

 いや、でもその有期雇用の場合はそうじゃないでしょう。六か月以上雇用されていたらすべて対象ですか。正確に言ってください。

政府参考人(太田俊明君)

 今のお尋ねの件でございますけれども、期間を定めて雇用されている者のうち期間満了により雇い止めとなるという者につきましては、こうした支援の必要性を勘案して、労働契約の更新により三年以上引き続き雇用されている者を再就職援助計画の対象としているところでございます。

小池晃君

 ということは、三年以内で期間満了の場合は届出の対象にすらならないということですね。

政府参考人(太田俊明君)

 御指摘のとおりでございます。

小池晃君

 大臣、こういう仕組みなんですよ。三年以内は対象外と言うけれども、今トヨタを始めとする製造業大手の雇用形態というのは、二年十一か月というのを上限として五か月、六か月の期間契約を繰り返して二年十一か月で全部もう終わりと、そういう雇用形態の中で多くの大企業の期間労働者は雇用されているわけですね。

 結局、今の話でいえば、ずっと働きたくても三年以内に期間満了になるわけで、三か月とか六か月とかその契約期間の満了さえ待てば企業は何の対策も問われずに再就職援助計画出さないでいいという仕組みになっています。これで雇用対策といっても絵にかいたもちではないかと。

 それから、派遣労働者に至っては、これは登録型だったら、これは派元が大量に解雇すればそれはまた別ですけど、派先が幾ら切ったってこういう中に載ってこないという仕組みになっているわけですよ。

 率直に言って、私は今の雇用対策が大企業の雇用の今の在り方にマッチしていないと。要するに、一時的、臨時的な仕事じゃなくなってきているんです、派遣も期間社員も。それがまさに企業、工場内の期間労働者になってきている。そこに今リストラの嵐が襲ってきているときに、そこに全く作用しないような雇用対策になっているんではないだろうか。私は、今のままでは実態の把握すらできないし、そういう労働者に対して雇用対策の手を差し伸べることすらできない。これ、構造的問題だと思うんですよ。

 大臣、やっぱりここは抜本的に見直していく必要があるというふうに私は思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(舛添要一君)

 三年以内ということでその再就職計画の対象になるかどうかが切られているという今の仕組み、それはそれなりの判断で行われたと思いますけれども、やはり今委員がおっしゃるように、この再就職計画の対象となるべき労働者を確実に捕捉していく、そして今の制度がこれでいいのかどうなのかということも含めて少し検討させていただきたいと思います。

小池晃君

 派遣労働者についてちょっと追加で聞きたいんですが、これは中途解除の場合は、派先にはどういう対応が求められていますか。

政府参考人(太田俊明君)

 派遣契約の中途解除につきましては、これは違法ではないわけですけれども、当然ながら派遣労働者の雇用の安定の面からは好ましいものでなくて、可能な限り避けるべきものと考えております。

 したがいまして、これは派遣元、派遣先、派遣先だけでなくて派遣元も含めてその指針に基づきまして、中途解除の際には派遣元、派遣先の双方の企業に対しまして、例えば具体的に派遣先ですと関連企業での就業をあっせんするということによりまして、新たな就業機会を確保するように必要な措置を求めているということでございます。

小池晃君

 しかし、それはその指針の努力義務にすぎないわけですよね。

 大臣、今、大規模な派遣切りが進んでいるわけです。何百人単位で派遣労働者の首を切っても、これは努力義務で終わっているという実態なんですね。これでいいのかと。やっぱり指針に沿った対応がちゃんとなされているのかどうか、大量に、もう報道されていますから、いっぱい。こういう企業に対して一斉点検などをやっぱり今こそやるべきじゃないかというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 労働基準局を始め必要な監査、指導、これは行っていきたいと思います。それとともに、やはりこの派遣労働そのもの、それから常用雇用でない方々、この方々を何とか安定した職に就いていただく。そのため、先ほど来申し上げています十月三十日の生活対策でもそのための様々な施策を取り込んでおりますので、調査検討、指導監督、それとともに総合的な施策でこの派遣労働者の雇い止め、その他に対応していきたいと思っております。

小池晃君

 一般的な対応ではなく、特別対策を是非打っていただきたい。

 それから、雇用を打ち切られて失業した労働者の生活と再就職を支える、これも待ったなしです。雇用保険財政の積立金の残高については、これは失業等給付費で四兆九千三百六十二億円、二事業の安定資金で一兆一千七百六億円です。合計が六兆円超えるわけですね。

 私ども、一昨日、緊急経済対策も出しましたが、これ活用すべきだと。やっぱりこの間の失業給付の削減を見直すとともに、雇用保険から排除されて未加入の労働者なんかも含めて、やっぱり生活援助制度をつくる、職業訓練や再就職活動中の生活支援制度をつくる、それから住宅困窮者に対する家賃補助、あるいは家を借りるときの保証人などの制度、こういったものも具体的に提案をしておりますが、大臣、やはりこの雇用保険の積立金を、雇用対策以外に使えって言っているんじゃないですよ、やっぱり雇用のためにこれは使っていく、これは私は道理があることだと思うし、今こそやるべきだと思うんですが、大臣、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 四兆九千億、これは失業した場合の積立てですから、私はこれはこういう状況であればまずしっかり守りたい。それから、二事業の一兆一千億円、これをどういうふうに活用するかと、それも考えたいと思いますし、それから、ただ安易に最後のセーフティーネットである積立金を埋蔵金などと称して使うということに対しては、私は非常に消極的なんです。むしろ、生活対策であるように、様々な常用化のプラン、それから、例えば非正規労働者就労支援センターを設置する、その他の追加経済対策でこれは対応すべきだというふうに思っております。

小池晃君

 安易に使えとは言ってないんです。漫然とため込むことが許されるのかと。こういうお金があれば、やっぱり雇用のためにこそ使うべきじゃないかということなんですよ。やっぱりこれ、真剣に検討すべきだと。

 それから、雇用保険については国庫負担の廃止を求める議論がありますが、そもそも国庫負担、なぜあるのか説明していただきたい。

政府参考人(太田俊明君)

 失業等給付の国庫負担でございますけれども、これは保険事故である失業というものが政府の経済政策あるいは雇用対策と関係が深いものであって、その財源を労使双方の負担のみにゆだねるのではなくて政府もその責任を担うべきであると、そういう考え方でしているものでございます。

小池晃君

 大臣、今の国庫負担の考え方からすれば、今議論されているような雇用保険に対する国庫負担を廃止するということなどは到底許されない議論ではないかというふうに思うんですが、大臣いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 私もそのとおりだと思います。

 やはり、国が労働政策にきちんと責任を持つということは近代国家の必要な要件だと思いますので、私はあらゆるところでそこのことに対しては反対で、そうじゃなきゃ労働省って要らないはずです。そういう思いでおります。

小池晃君

 そこはしっかりやっていただきたいということと、それからちょっともう一点、さっきの雇用保険の積立金の活用について、安易だというような形でやっぱりその議論をしてしまうのは私はおかしいと思うんですね。やっぱりきちっとそれは、今これだけ、百年に一度だとグリーンスパンが言うような事態の中で、大リストラが襲ってきたら何が起こるかって、これは景気が悪化するわけで、大不況を呼び込むようなことになるわけですよ。だから、そこを阻むためにこの積立金を使うというのは私は安易でも何でもないと、まさに理にかなった使い方ではないかというふうに思いますよ。

 大臣、どうですか。やっぱりそれ、もっと踏み込んでこれ活用するというふうに決断すべきだと思いますよ。どうですか。

国務大臣(舛添要一君)

 これから先の例えば失業者がどれだけ増加するか、そういうことで、四兆というのは過剰に過ぎる、どんなことがあっても四兆九千億円使うことはあり得ないということは言うわけにはいかないと思います。

 ですから、私はそこに手を付けるよりも様々な経済対策でこの経済社会の活性化をし、失業者を一人でも出さない施策をやっていくということでありますから、委員のお気持ちはよく分かりますけれども、最後のとりでとして私はこれは今のところはきちんと守り、そのほかの施策でもってまず闘いたいと思っております。

小池晃君

 全部使えと言っているわけじゃないんですよ。共産党の提案だって一兆円程度活用しとちゃんと書いてあるんですから。だって、雇用保険財政だけ残ってあとは焼け野原になったって何の意味もないじゃないですか。だからやっぱりしっかりそこは考えてやってほしいと。

 それから、金融危機の年金財政に対する影響なんですが、これどれだけ損失出ているのか。これごく控えめに試算をしてみましたが、六月末と現在を比べると、年金積立金管理運用独立行政法人が用いているインデックス、国内株式の指標TOPIXは三二・六%、外国株式の指標MSCI-Kokusaiは四〇・六%下落しています。これ六月末の資産残高は国内株式で十五兆円、外国株式では十一兆四千億円、これパッシブ運用ですから指標どおりの下落率これ掛けると、国内株式では四兆九千億円、外国株式では四兆六千億円、今の時点ではこの程度の資産の下落になっているという考え方で、局長、大体考え方はよろしいですか。

政府参考人(渡邉芳樹君)

 ただいま委員おっしゃいましたように、国が年金積立金管理独立行政法人に資産を寄託してそこで国内債券を中心に一定割合で内外の株式などを組み込んで分散投資している、そういう運用状況につきまして、もとより年金でございますので長期的な観点で評価すべきものでございますが、諸外国の例も踏まえまして、年金加入者に運用状況を適時適切に情報提供するという観点で四半期ごとに公表してございます。

小池晃君

 簡単にね。

政府参考人(渡邉芳樹君)

 はい。

 四月から六月の第一・四半期の段階でこうした分散投資によって十九年度末に比べて市場運用分で約一兆四千億のプラスが出てはおりますが、その後、委員御指摘の最近の株価動向等を踏まえた状況というのは更に厳しいものが予想されております。第二・四半期を含む上半期の公表は、現在、当該法人が昨年と同様、近々公表する予定で作業を詰めておると聞いております。

 そうした中で、四半期に一度きちっと公表しそれを見ていくというのが基本であると思いまして、今御紹介いただいたようなものは一部金融関係の報道などにも類似の報道はあるわけでございますが、直近の第二・四半期、それから十月、非常に大きな変化がございましたが、十月から十二月の第三・四半期、一つ一つその四半期ごとの公表を待ちたいと思っております。

小池晃君

 大臣、これ外国債券加えると更に損失は拡大する可能性高い。昨年度の五・八兆円を上回って十兆円を超える損失が出る可能性もあると思うんですね。

 昨日、年金部会での議論では、しかし前回の利回りよりも上回る利回りを設定するということになった。これは余りに私は甘い見通しではないかというふうに思うんです。こういう利回りで設定すれば、さらに国内株式なんかの組み込み率を高めるという、そういうポートフォリオになっていくという危険性もあるわけですし、安全第一である年金の運用からますます乖離していくんじゃないかと。

 私どもは、かねてから年金の資金は株式運用をやめるように提案してまいりました。御承知のようにアメリカもやってないわけですね。国民の貴重な財産である公的年金資金を国内株式なんかにこういう幅の大きいリスク運用をするということについて、やっぱり考え直すという時期に来ているんではないかというふうに私は考えるんですが、大臣、政治家としてお答えいただきたいと思います。

国務大臣(舛添要一君)

 どういうポートフォリオで年金運用するかというのは非常に難しい問題です。私が任命権を持つ年金運用委員会、これは今回新たな血を入れて新しい人をメンバーに入れました。

 今、委員、非常にアメリカ発の金融危機でこういう状況で株価も大幅に暴落しているところでの御意見ですが、今度逆に、非常に景気がいいときに何でもっと積極運用して利回り稼がないんだという、そういう意見が出てくる。ですから、それは、私はやっぱり長期的に、国民の大事な資産ですから、それをどう運用するかということで年金運用委員会できちんとやる。必ずしも、じゃ株式を完全に排除した方がいいか、債券だけでやったときに例えばインフレに対するヘッジをどうするかとか、様々な問題がありますから、年金運用委員会できちんと議論していただいて、ポートフォリオの選択をやり、そして短期の変動ではなくて長期的にきちんと利回りを確保していくと、こういうことでいきたい。

 高い数字、昨日出ておりますけれども、まだまだしかし諸外国の運用に比べればはるかに運用実績が劣っているということもまた確かでございます。

小池晃君

 長期で見ろと言うけれども、五年前の計算からいったって、五年間で結局、二〇〇七年度までは八・八兆円プラスだったけれども、このままでいくと今年分ですべて使い果たすという可能性あって、五年たって結局ゼロになると。運用利回り、予想利回り下回ると。それどころか、もうゼロになってしまうという危険になってきているわけですから、私は、やっぱりこういう危険に国民の大切な財産ですからさらすということはやめるべきだし、やっぱりこの巨額の資金というのがマーケットに対する影響というのも考えれば、これは経済の原理からいったって、こういったことをどんどんやっていくことは改めるべきだというふうに思います。

 このことは検討すべきだということを申し上げて、質問を終わります。

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