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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

159 通常国会 参院 厚生労働委員会質問

2004年5月18日(火)

  • 保険料上限なし 給付5割下回る/国民に一度も説明せず/年金法案は撤回を(関連記事
  • 小泉首相、坂口厚労相 居直り 言い逃れ/これで国民に痛みおしつけか/年金法案 小池議員が追及(関連記事

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 今日は総理に伺います。

 総理は、これまでこの法案について、保険料は上限を決めたと、それから受け取る年金は下限を決めたと、だから抜本的だと、安心できるんだと言ってきました。

 しかし、これが事実でなかったと。十二日の参議院の本会議で、私、こう質問しました。(図表掲示)これが政府の答弁、パネルにしたんですが、保険料の名目額は一体どうなるか。国民年金保険料は、今までの政府の説明では、二〇一七年に一万六千九百円になり、そのまま固定をする保険料固定方式だと言っていた。ところが、実際の名目額は、二〇一七年には二万円を超え、二七年には二万五千円を超え、二〇三七年には三万円を超えると。実際に支払う保険料は全く固定されずに上がっていくわけですから、保険料の上限など存在しないじゃないですか。どうしてこれが固定方式だと言うんですか。

内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 それは、年金も物価スライド、賃金スライド、あるんです。今の時点において一定の額、数字は示すことができます。しかし、例えば一万三千三百円、今の時点で生じて、将来上限が一万六千九百円になりますよと、しかし物価が上がればそれも上がっていきますから、そういうのを前提にしてやっているんです。

 年金の有利なところは、貯金と違って、将来も物価スライドありますから、あるいは賃金スライド等、その辺は現時点での額だということを御理解いただきたいと思っております。

小池晃君

 そんなに胸を張って説明するんだったら、何で今まで一言もそのことを言わなかったんですか。衆議院の審議でも一切このことを説明してこなかったんですよ、政府は。今まで保険料の上限決めるというふうに宣伝されてきたから、多くの国民は、これは二〇一七年から保険料はもう上がらないんだと思っているんです。ところが、実際には二万円、三万円と上がっていくと。何でこんな大事なことを、今まで総理は衆議院の審議では一度も説明しなかったんですよ。おかしいじゃないですか。これで国民に十分に説明したと胸を張って言えるんですか。お答えいただきたい。

 これ、総理に聞いているんです。総理に答えてくださいよ。総理の説明を聞いているんです、私は。

国務大臣(坂口力君)

 総理がお答えになったとおりでございまして、それは物価の価格の固定をいたした上での一万六千九百円でありますから、これから賃金は上がっていくわけですね。

 例えば、現在、現役男子の平均手取り賃金ですと三十九万円ぐらいですよ。だけれども、それが一七年ごろになりましたら、これは五十万円ぐらいに上がる。あるいは、それ、二七年になっていますか、二七年ぐらいでありますと、これは六十三万円に上がっていくというふうにして賃金上がっていくわけでありますから、その中でどれだけ保険料を払っていただかなければならないかというのは、それは、それも上がっていくのは当然のことであります。

小池晃君

 当然のこと、当然のことと言うけれども、例えば自民党の年金改革のパンフレットには、一万六千九百円、これ以上は絶対に引き上げませんと、こういう宣伝してきたんですから、これは法案のでたらめさが、私、一つはっきりしたというふうに思う。

 さらに、受け取る年金についてはどうか。これは、政府の説明は、どんなに下がっても、現役世代の収入の五割は保障すると。しかし、これも先日の本会議の質問でこのパネルにあるとおりだということが明らかになりました。

 これ、確かに年金を受け取り始める六十五歳の時点では五割を超えていると。しかし、この年金支給が始まると、みんな水準が下がっていって、結局すべての世代で現役世代の五割を切ってしまう。総理の五割保障だという説明は、これは偽りだったんじゃないですか。お答えいただきたい。総理、お答えいただきたい。

内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 それは、年金説明する場合に、ある時点、モデルを示さないと、それは分かりやすく説明できません。今の日本の年金制度は非常に細やかに決めておりますから。

 六十五歳の時点においては五〇%程度です。しかし、八十歳まで長生きした方がその時点の年金をもらえるかというと、これまた別です。同時に、また逆に、八十過ぎて六十五歳と同じような年金もらったらおかしいじゃないかと。消費量だって六十五歳の時点と八十歳とは違うだろうという議論も出てまいります。

 ですから、ある時点においての、ある時点においての一つのモデルを示さないと説明しにくいんです。いずれにしても、私は、一つのモデルとしてはそうだと。今、しかし、年を経て、六十五歳と七十五歳と八十五歳では違うだろうと言われれば、その時点で違うのは事実であります。

小池晃君

 今、高齢者にとって一番の負担は社会保険料や医療費の負担で、七十五歳、八十五歳になったら介護保険料の減免制度あるんですか。ないんですよ。私は、七十五歳、八十五歳、少なくてもいいという議論は暴論だと思います。

 しかし、それはわきに置いたとしても、私が言いたいのは、一度もこのことを衆議院の審議でも説明しなかったと。法律の要綱にすら書いてないわけですよ。五割保障だ、五割保障だとさんざん皆さん宣伝したわけじゃないですか。こんな大事なことを一度も説明しないでおいて、参議院の審議が始まって初めて説明した。このことは、私、大問題だというふうに言っているんですが、そのことに答えていただきたい。これで国民に対して説明責任果たしたということになるんですか。総理ですよ。これ重大問題です。

内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 たしか、私は総理大臣ですから、毎回この年金に関する委員会に出席しているわけではございませんが、たしか、私も出席した委員会の中にはそのような議論がなされたことがあると記憶しておりますが、今初めてじゃありません、それは。しかし、厚生労働大臣は毎回委員会に出ておられるようですので、その点については質問があれば答弁されるでしょう。しかし、私はそのような議論を衆議院の委員会にいたときに聞いたことはありますし、それについて厚労大臣がたしか答弁したことあるでしょう。ありますよ、衆議院でも。

国務大臣(坂口力君)

 それはなぜ下がっていくかというと、それは実質賃金の上昇率と物価の上昇率が一致しておりましたら、それはもうずっと横ばいですよ。実質賃金上昇率の方を高く見ている。だから、それはだんだん下がっていくわけでありまして、それを下がっていくような社会を作らなければいけないというのが我々の考え方であります。それ、物価の上昇と賃金の上昇が一緒だったら、これはいつまでたっても良くならない。実質賃金の上昇をできるだけ上げて物価の上昇をいかに抑えるかということが今後の年金にとって一番大事なことになってくると思うんですね。それを、そういうふうに、あたかもそれを見ると、それは現役時代の年金がだんだん下がっていくようにそれ見えますけれども、現役時代じゃないんですね、次の現役世代の皆さん方の賃金との比較においての話でありますから、それは間違わないように見ていただかないとですね . .. .. .

小池晃君

 現役世代と言っているじゃないですか。

国務大臣(坂口力君)

 いや、だから、私は現役時代の年金額というのは決して下がっていかないということを申し上げております。

小池晃君

 今のは完全にでたらめですよ。私は、さっきから現役世代ということを言っているわけじゃないですか。そして、これ見てください。(資料提示)公明新聞、四月二十六日付け、これ給付は、これは五〇%以上確保しますとはっきり書いてあるんですよ。だから安心だとハートマークまで付いている。皆さん方、こういう宣伝してきたんじゃないですか。保険料はこれ以上上がりません、給付は五〇%以上下げません、こういう説明を一貫してしてきて、いざ参議院に来てから、これは当たり前なんだと、当然なんだと、下がるんだと、こんな説明して国民が納得すると思うんですか。あなたね、でたらめなこと言っちゃいけない。総理、総理にお聞きしているんですよ、私は。こういうでたらめな説明をしてきて、そして五割保障だなどということを言って、そんなこと通用すると思うんですか。総理、答えていただきたい。

国務大臣(坂口力君)

 でたらめと言われて私も黙っておるわけにいかないんで、それはね、現役時代の平均手取り、そのモデルケースで五〇%ということを申し上げているわけで、そこから先は、先ほど申しましたように下がって、そのカーブが下がっていくような、いわゆるそれぞれの次の世代の皆さん方の賃金は更に上がっていくような世の中を作らなきゃいけない。だから、そこは下がっていくのは当然でありまして、その責任 . .. .. .

小池晃君

 そんな説明一度もしていないでしょう。

国務大臣(坂口力君)

 それにつきましてはね、例えばね、民主党の古川さんが、古川議員があれですよ、予算委員会のところでそのグラフ示しておっしゃいましたですよ。二〇二五年か何かのモデルケースについて。それはちゃんと出ているんですよ。それはそこでも議論をいたしたところでございます。

小池晃君

 衆議院の法案審議の中で、現役時代の水準に照らして六十五歳時点過ぎると下がっていくということは一度も説明していない。しかし、皆さん方は、これ五割保障だと、これ以上下げません、保険料はこれ以上下げませんと、こういう宣伝をしてきた。衆議院の委員会での強行採決の後になってから衆議院の委員会で審議ありましたよ。しかし、法案の通過のめどが付くまで、こういう大事なことについて今まで一度も説明していないじゃないですか。まともにこの問題についてしゃべったのは今日が初めてだと思いますよ。

 私、このような大事なことを国民に事実を隠して審議を続けた。年金というのは国民の信頼が一番なわけじゃありませんか。それにもかかわらずこんな大事なこと、年金の五割保障というのは、これ、私ほとんどの国民は知らないと思います。みんな五割保障だというふうに聞いていますから、これはどんなに下がっても現役時代の五割は年金もらえるんだろうと。しかし、それが六十五歳で年金をもらい始める時点のときのことだけなんだと、こういう理解をしている国民は、私は一人もいないと思います。皆さん方はそういう宣伝してこなかった。

 総理、私お聞きしたいのは、こういう大事なことをまともに議論もしないでこの審議をすり抜けようと、こういうことが許されるのかということを私はお聞きしているんです。総理、答えていただきたい。

内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 もうまともに議論してきましたよ。予算委員会だって、もう私は年金の議論随分しましたね。厚生労働委員会になっても、今あたかも今日初めてこの話をしたという話をしていますけれども、そんなことありませんよ。私は坂口大臣ほど詳しくはないけれども、こういう議論はよくしてきたと。これはもう坂口大臣も間違いないとお答えしているし、今後更にこの参議院で審議を、議論を深めていけばいいと思っております。

小池晃君

 全くでたらめであります。

 坂口大臣は、五月七日の衆議院厚生労働委員会でこの問題について質問されて、私も新聞を拝見して初めて知ったわけでございますと、こう答弁しているじゃないですか。五月七日ですよ。こんなこと知らずにあなたはずっと衆議院の審議やってきたわけですよ。このこと、あなた、議事録でちゃんと残っているんですから、ごまかしちゃいけない。今回の政府案が本当に偽りで塗り固められているものであるということは、私、はっきりしたというふうに思います。

 さらに、国会議員の年金保険料の未納、未加入問題が国民の激しい怒りを呼んでおります。法律を作る国会議員には、私、特別の責任があると思っています。国会議員になってからの八六年の強制加入以後の納入歴を公表する、これは私は個人の責任ではなくて政党の責任であるというふうに考えておりますし、我が党はこういう立場で各党に先駆けて五月六日に全国会議員について公表しました。しかし、自民党はいまだに公表をしていない。

 総理、総理は自民党総裁でもある。国会議員になってからの八六年の強制加入以後の自民党所属の国会議員の年金加入、保険料納付状況について国民の前に明らかにするべきだ。総理は先ほど、これは個人がやるべきだと言いましたが、私はこれ、個人任せにすべき問題ではない、このことを明らかにするのは法律を議論する政党としての責任だというふうに考えます。これ公表することを求めたい、いかがですか。これをなくして国民の信頼の得る年金制度など作れるとお考えですか。

内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 先ほどもお話ししましたように、もう国会議員それぞれの責任を感じているわけですから、公人ですから、こういうことについていかに国民の信頼を確保するかというのは、個々人に任せればいいと私は思っております。

小池晃君

 全く無責任だと思いますね。私はこう言っているんですよ。八六年以後の強制加入以後の、そして国会議員になったときのその納付状況というのは、これはやはり公人としての、法律を作るんですから国会議員というのは、法律を作る国会議員としての特別の責任あるんですよ。そこについて個人の責任に任せるなんというやり方は、私は全く間違っていると。

 百年安心だというふうに宣伝してきましたが、その二つとも、保険料上限設けます、給付は下限を設けますと、両方うそだった。百年安心どころか百年不安の年金制度だと。しかも、都合の悪い未納議員の公表すらやろうとしない。こんな中で、国民に限りない痛みを押し付ける法案をこんな通すなんということは断じて許されない。潔く撤回をするべきだということを申し上げて、私の質問を終わります。

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