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国民年金法改正案に対する質疑

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2009年6月18日(木)

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 ちょっと冒頭、大臣、私もついさっき聞いた話なんですけれども、逮捕された村木前局長の件で、障害者団体に対して厚生労働省から励ましの手紙を出してほしいという連絡が行っているというんですよ。私、耳疑っているんですけれども、調査中だというふうに大臣も答えられているのに、こんなことあっていいんでしょうか。私、これ確かな話として聞きましたので、是非、こんなのゆゆしき事態なんでちゃんと調査していただきたいと思うんですが、ただしていただきたいと思いますが、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 ちょっともう一遍、厚生労働省からだれに対してどういうことが行ったというのがちょっとよく理解できないんで、もう一遍言ってくださいますか。

小池晃君

 厚生労働省の官僚の方から障害者団体に対して励ましの手紙を村木さんに出してくれという依頼が行ったというんです。

国務大臣(舛添要一君)

 私は全くそういうことは聞いておりません。

小池晃君

 これ、調査をしていただきたい。これはゆゆしき事態だと思いますので、ただしていただきたいと思います。

 年金について、今年は年金の物価スライドがありませんでした。平成二十年平均の物価指数の対前年比変動率は一・四%で、名目賃金変動率の〇・九%を上回っているということで、名目手取り賃金変動率で改定をした。しかし、それは現在支給されている特例水準の年金の方が高いために据置きになったと、そういう経過だと思うんですね。問題はその物価指数の見方なんですが、これ対前年比で食料品は三%上がっていますし、光熱水道費は五・五%上がっている。一方で下がっているのは、ノートパソコンがマイナス四一%、カメラが三〇%、薄型テレビがマイナス二二・五%で、これが全体を引き下げているという実態がある。

 私、今の消費者物価指数というのは、年金生活者の生活実態をやっぱり反映したものとは言えないんではないかというふうに思っていまして、やっぱり老後の最低生活保障である基礎年金額にまでこうした物価指数を当てはめていくということでいいんだろうか。高齢者の生活水準を維持するためには、やはりこれは一つの検討課題として考えていくべきではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(舛添要一君)

 この物価指数の取り方、CPI、これは今までずっと確立してきた方法で、ただ高齢者にも様々いるし、高齢者だって価値観違いますから、年金生活者でも、どの指数を取れば高齢者の生活を反映させられるかというのは非常に難しいと思いますから、私は社会学的にも経済学的に見ても、ちょっとそれは困難だという気がしますね。

小池晃君

 ただ、その現行物価スライドは、社会保険料負担も反映されないわけですよね。

 今、高齢者の生活にとって一番負担が増えているのはやっぱり社会保険料部分、後期高齢者保険料なんかも含めてですね。やっぱり私は、この物価指数を、年金全体じゃなくて、例えば最低生活保障である基礎年金の部分についてはまた別の考え方というのがあってしかるべきじゃないかなというふうにも思うんですよ。ここは是非今後の検討課題としていただきたいということを言っておきたいというふうに思います。

 それから、若年生活困窮者の年金権保障の問題を前回取り上げましたが、医療保障の問題をちょっと今日取り上げたいんですが、国民健康保険法の四十四条は一部負担金の減免制度を設けております。医療機関の未収金問題の検討会の求めに応じて、厚生労働省が一部負担金減免の実施状況について調査をやっていますが、全国の保険者のうち減免制度があるのはどれだけでしょうか。

政府参考人(水田邦雄君)

 国民健康保険制度におきましては、法律に基づきまして、保険者は、これは市町村でございますけれども、一部負担金の減免又は徴収の猶予を行うことができると、このようにされております。したがいまして、特段の定めがなくてもすべての自治体でこれを実施することは可能となっているものでございます。

 なお、条例、規則等におきましてその運用の基準を定めている自治体の数で申し上げますと、平成十九年度の調査では、千八百十八保険者のうち一千三保険者となっております。

小池晃君

 この一部負担金減免制度というのは、本来公平性の観点からいえばすべての自治体で実施されるべき制度でありますし、非正規雇用の広がりあるいは不況の深刻化の中で生活苦しい方は増えているわけですから、これは制度の必要性が増していると思うんです。

 大臣にお伺いしますが、今御説明があったように、これは条例がなくても国民健康保険法四十四条を根拠に直接実施可能というふうにされている、そのことから考えても、保険者の半数近くが制度を持っていないという実態について、このままでいいというふうにお考えなのか、どうすべなのか、大臣の見解を伺います。

国務大臣(舛添要一君)

 今、未収金検討会の報告書は出ていまして、それに基づいてこの二十一年度にモデル事業をやりたいと思っていますが、様々な識者の意見をお聴きした上で統一的なガイドラインのようなものが出せるかどうか、まさに国保法の四十四条で規定がなくてもやれるんですけど、これは半分ぐらいがやっていないということですから、どうするかちょっと検討させていただきたいと思います。

小池晃君

 基準を示すということになると、今既にやっている自治体の関係者からは制約されるんじゃないかという心配の声が上がっているので、低所得者に対するものを含めて今やっているその制度を否定しない、手を縛るものでないというふうにしていただきたいと思うんですが、その点確認します。大臣、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 これは費用負担の問題がありますから、先ほど申し上げましたモデル事業を見た上で、その点についても検討させていただきたいと思います。

小池晃君

 今やっているものを、手を縛る、制約するようなものにはしないということでいいですね。イエスかノーかでお答えください。

国務大臣(舛添要一君)

 そのことも含めて、特別調整交付金の算定との絡みもありますから、少し検討させてください。

小池晃君

 今お話もありましたが、やっぱり財政影響というのを自治体は心配をしているわけです。これは未収金検討会の報告書でも、市町村への財政影響に対する配慮等の対策を検討すべきと、こうなっております。やっぱり今自治体財政厳しい中で持ち出しが増えるようなことになると、二の足を踏む自治体が多いことは、それはそうだと思うんですね。

 局長、具体的な財源の手当てについて、検討状況どうなっていますでしょうか。

政府参考人(水田邦雄君)

 今お話ありましたとおり、医療機関の未収金問題に関する検討会の報告書におきまして、市町村の財政影響の懸念に対する配慮を検討すべきであると、このようなことは記載されてございます。この内容を含めまして、私どもとしてどのような方法がいいか検討をしているところでございます。

小池晃君

 大臣、基本的な認識をちょっと聞きたいんですけど、やっぱりこれ、今こういう社会状況、苦しい人が増えている中で、この制度をやっぱり前向きに広げていくという基本姿勢で臨むべきじゃないかと思うんですが、その点について、大臣、スタンスをちょっと言ってください。

国務大臣(舛添要一君)

 滞納者の中に悪質なやつもいるわけですね。これに対しては厳しく当たらないといけない。しかし、生活が困窮してどうしてもという方に対しては、それはセーフティーネットを更に広げるという方向で努力すべきだと思っております。

小池晃君

 是非そういうふうにしていただきたい。

 一部負担金減免制度を持っている自治体のうち、低所得を理由にする減免制度を持っている保険者は百五十五なんですね。基準はいろいろあるんですが、ほぼすべてが生活保護基準を参考にして減免の判断を行っております。

 最後に大臣に伺いたいんですが、医療を受ける権利を、低所得者の皆さん、生活に本当に苦しんでおられる方も含めてひとしく保障していくためにも、やはりこの低所得者に対する一部負担金減免制度というのは重要な制度だというふうに思っておりますし、本来は国がやはり自らやるべきような仕事ではないかなというふうにも思っております。やっぱり自治体がやっている取組を国としても支援をして、更にこれ拡充を図っていくということが必要じゃないかと思いますが、大臣の見解を最後に伺います。

国務大臣(舛添要一君)

 まさにモデル事業でそういうことが実現できればというふうに思っておりますので、特別調整交付金、これを負担分の半分ぐらいは国が見るという形でできないものかということで検討を進めておりますので、セーフティーネットは重層的に様々なものがあっていいと思いますから、これも一つとして活用したいと思っております。

小池晃君

 やはり年金財政と並んで国民健康保険というのは今の財政問題で非常に深刻な問題だと思いますので、きちっとセーフティーネットとしての役割を果たせるように見直していくということを引き続き求めていきたいというふうに思います。

 終わります。

(以下締めくくり質疑)
小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 十六日に示された骨太方針二〇〇九の原案では、年金など社会保障の自然増二千二百億円の抑制を決めた骨太方針二〇〇六を踏まえて歳出改革を継続するということで、今もそういう御発言がありました。

 二千二百億円の抑制路線というのはどれだけの被害をもたらしてきたのか、このことについて総理の認識をただしたいと思います。

 パネルに示しましたが、二千二百億円の削減というのは、第一に一回限りじゃないわけです。どんどんどんどんこれが積み上がっていくわけですね。年を経るごとに削減額がこれは大きくなってまいります。社会保障には人口の高齢化などでどうしても増える自然増というのがある。これを抑えるわけですから、これほど不自然なことはないわけであります。

 この分、毎年二千二百億円ということは、翌年は四千四百億、その次は六千六百億というふうに積み上がっていく。初年度、二〇〇二年は三千億でしたから、これ今年で八年目ですので、積み上がった削減額は今年一年分だけで一兆八千四百億円、約二兆円になるわけですね。しかも、こうした毎年の削減を累積すると、骨太の方針〇六ではあと二年やると言っていますから、これ全部累積すると何と十二兆九千億円になってくる。こんなことは許されないと思うんですよ。

 それから第二に、自然増を抑制するわけですから、不自然なことをしなきゃいけない。制度の改悪が必然的に伴ってくる。そのために今まで何がやられてきたか、一覧表にしてまいりました。医療費や介護保険の負担増、それから医療、介護の報酬の引下げで、現場は医療崩壊、介護崩壊、介護難民という事態になっている。年金改悪も行われて、保険料は引上げの一方で給付は抑制されてまいりました、引き下げられてまいりました。失業保険や生活保護の削減もやられた。極め付けが、後期高齢者医療制度、障害者自立支援法、生活保護の母子家庭への老齢加算の廃止であります。

 総理、二千二百億円の削減というのは、皆さん、こういうものなんですよ。こういうことが続けられた結果、どれだけ多くの国民の暮らしが痛め付けられたのか、どれだけの命が奪われたのか、あるいは日本の貧困と格差にどれほど追い打ちを掛けたのか。私は、はっきりこれ国民の悲鳴が聞こえてくるじゃないですか。こういうやり方は間違っていたと、はっきりきっぱりやめるということを明言していただきたい。

内閣総理大臣(麻生太郎君)

 近年行われました一連の改革、毎年一兆円、約、社会保障費が伸びております分の二千二百億ということになってきたんだと理解をしておりますが、社会保障費が増大していくという中において、これは制度の持続性を確保するためには、私はある程度必要なものであったという点も認識をいたしております。

 一方、今言われましたように、社会保障というものの現状を見ると、医師とか介護人とか看護人の不足といったものがいろいろ出てきておりますんで、そういった人材が不足してきているというものは、これは国民が不安を抱く私は課題に直面しているというのも、これは小池先生、我々もそのような事態になってきておると、それは私どももそう思っております。

 その上で、当面緊急に対応が必要なものだということから、平成二十一年度の補正予算において医療、介護、子育ての支援などというものの対応策を講じたところでありまして、今、御存じのように、介護職員の賃金の引上げに取り組むいわゆる事業者への助成とか、また安心こども基金の拡充とか、また補正予算における医療、介護、子育て支援に関することを幾つかやらせていただいたということなんだと思っておりますんで、我々としては、きちんとしたものをやりながらも、今言われた問題をいかにして対応するかということに関して腐心をいたしているところであります。

小池晃君

 だから、二千二百億円の削減で大変なことになってきたというのは分かっていながら、一方で別に予算を確保して入れるって、何でそんなことをやるんですかというんですよ。そんなことしないで、二千二百億円の削減をきっぱりやめると言えばいいじゃないですか。冷房を入れて寒くなり過ぎたからストーブ入れて暖める、こういうでたらめな議論はもうやめて、きっぱり二千二百億円の削減路線やめるんだということを骨太方針二〇〇九に書くべきじゃないですか。どうですか。

内閣総理大臣(麻生太郎君)

 基本的には、二千二百億円というものに関しましては、我々は今後とも、先ほどの巨大な財政赤字を抱えていることを考えたときにはきちんとした、効率を良くする、無駄を省く、いろいろなことを考えてやっていくという旗はきちんと立てておかなければならないものだと思っております。

 したがいまして、そういったきちんと旗は立てながらも、現実問題として二千二百億円の分についてはいろいろな形で補てんをする、補正で裏打ちする、そういった形できちんとした対応ができるだけやれるようにしていかねばならぬということだと思っております。

小池晃君

 その対応は矛盾している、きっぱりやめるべきだと。

 財源、財源と言うけれども、このまま削減続ければ十三兆円になる。一方で、補正予算ではたった一回で特別会計含めて十五兆円のばらまきをやったわけですよ。生活保護の母子加算二百十億円です。十五兆円あれば七百五十年分であります。障害者自立支援法の応益負担は四百四十億円です。十五兆円あれば三百四十年分です。後期高齢者医療制度を廃止をして七十五歳以上の医療費を無料化するのに必要なのは一兆円です。これだって十五年続けられるんです。税金の使い方が間違っていると。制度の持続可能性と言って暮らしを壊しているじゃないですか。国民の悲鳴が上がっているじゃないですか。これはやっぱり転換するということこそ私たちは求めているというふうに思います。

 社会保障の充実というのは、暮らしを温めるだけではなくて将来不安をなくす、雇用を増やしていく、経済にも波及していく、これこそ日本経済を立て直していく一番の道であるということを申し上げて、私の質問を終わります。

(以下反対討論)

小池晃君

 私は、日本共産党を代表して、国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。

 本改正案には、現行三分の一となっている基礎年金の国庫負担割合を二〇〇九年度から二分の一に引き上げるという内容になっています。一九九四年に衆参両院厚生委員会が引上げの附帯決議を採択してから十五年、今回の引上げは当然の措置であり、むしろ遅きに失したと言わざるを得ないものであります。

 低過ぎる給付、高過ぎる保険料、増大している非正規労働者の未加入など深刻な制度の空洞化、年金制度が抱える問題の解決には国庫負担の引上げが不可欠であります。しかし、この間、安定した財源を確保するとして政府・与党が行ってきたことは、定率減税の廃止、老年者控除の廃止、公的年金等控除縮減による庶民増税でした。これら国民への負担の押し付けによって得られた増収分を約束どおり国庫負担割合引上げに充てていれば、二分の一の国庫負担は既に実現していたはずであります。ところが、実際に充てられたのは増税分の一七%にすぎませんでした。

 そして、今回新たに安定した財源として持ち出されてきたのが消費税増税であります。しかし、年金国庫負担の財源を消費税増税で賄う場合、低所得者ほど保険料に比べて負担が増え、年金生活者は負担だけが増え、大企業だけが負担減となります。そもそも消費税は所得の低い人ほど負担が重い逆進的な税制であり、社会保障の財源として最もふさわしくありません。しかも、事前に国民の審判を経ることなく増税のレールを敷く法律を通すことは、民主主義の原則を踏みにじるものと言わねばなりません。

 税と社会保障の原則は能力に応じた負担です。我が党は、税金の無駄遣いや軍事費などの浪費を削減し、大資産家や大企業に応分の負担を求めることで財源を確保するべきだと考えます。さらに、国際的にも例のない二十五年という最低加入期間を当面十年程度に短縮すること、そして最低保障年金制度の創設に踏み出すことで、だれもが安心して老後を迎えることができる年金制度を確立すべきであります。

 なお、参議院の審議について討論がありましたが、参議院が院として徹底的な審議を行い、参議院としての意思を示すと、これは参議院議員に課せられた、国民から与えられた重大な私は責任だというふうに思っております。

 以上申し述べて、反対討論といたします。

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