宝の議席必ず
宝の議席必ず 小池晃(あきら)さん 東京選挙区/抜歯など20年ぶり 診療報酬改善させた質問主意書/全国の歯科医で大評判/東京歯科保険医協会会長 中川 勝洋さん
2010年5月13日(木)「しんぶん赤旗」より転載

 「的を射た時期に、インパクト(影響)のある質問をしていただいた。歯科医師の中では、政府との交渉でずっと言ってきたことですが、『よくぞ言ってくれた』という思いでした」

据え置き73項目

 2007年12月に小池さんが出した質問主意書について、東京歯科保険医協会(会員約4600人)会長の中川勝洋さんは、こう語ります。長期にわたり歯科に対する保険からの支払い(診療報酬)が冷たく扱われ、国民の健康を守る歯科医療に重大な困難が生まれていることを政治の責任として正面から問いかけた質問でした。

 政府答弁書により、20年間も価格が据え置かれているものが73項目もあることが発覚。そのほとんどが歯科の基本的技術であることが初めて明らかになりました。その直後の08年2月に発表された診療報酬改定では、根管内異物除去、難しい抜歯などの報酬点数が20年ぶりに引き上げられました。

専門誌で話題に

 業界の重大なニュースと「日本歯科新聞」は08年新春特集号で小池さんの大型インタビュー記事を掲載。08年改定は"小池晃議員の質問主意書の影響があった"と、当時の歯科医専門誌でも話題になりました。

 貧困と格差が深刻化する中で、重い国保の保険料(税)、患者の窓口負担引き上げ、診療報酬削減、歯科医療での保険適用の抑制(保険外の高額な自己負担)などが国民を歯科医療から遠ざけ、歯科医療を危機的状態に追い込んできました。中川さんは「そうした中での小池さんの質問は、全国の歯科医師の間で評判になりました」といいます。

 小池さんは01年3月の参院厚生労働委員会で「日本の歯科医の中では保険材料の金銀パラジウム合金の高騰が大問題となっています」と追及しました。

 中川さんは「歯科用貴金属は価格が上下します。当時、医師が購入する価格と保険から出る診療報酬との間に大きな格差が生まれ、大変な損失となっていました。私たちの思っていることを国会で取り上げてくれる方だなと、小池さんに注目しました」といいます。

 06年6月の厚生労働委員会では、カルテやレセプト(診療報酬明細書)などの文書作成の際、歯科医師に膨大な記載事項を義務付けた問題で負担軽減を要求。厚労省は翌7月に文書の簡素化を認める通知をだしました。

思いやるべきは

 09年10月に東京都内で医療団体が開いた「入れ歯が危ない、保険で良い歯科医療を」決起集会で、小池さんは歯科・口(こう)腔(くう)の健康は全身の健康に決定的な役割を持つと指摘。歯科診療報酬の抜本的引き上げや、米軍の「思いやり予算」などより「国民の歯の健康にこそ思いやりを」と訴えると、会場から拍手が起こりました。

 中川さんは、語ります。

 「小池さんは私たちのシンポジウムや懇談会に参加してくれています。いろんな分野で国民のための行政をすすめるには、水面下での官僚とのやりとりではなく、国会という公開の場でやりとりすることが大事ですね。医療費窓口負担ゼロをめざし、頑張ってほしい。私は、小池さんの議席は落とせない議席だと思っています」

表

 歯科の診療報酬 医療機関で行われる治療、検査などすべての医療行為には公定の価格がつけられ、診療報酬として医療保険から支払われます。小泉「構造改革」による社会保障削減で診療報酬が抑制されてきましたが、歯科も2002年の改定(2年ごと)から3回連続で引き下げ・据え置きにされました。歯の健康を保持することは、全身の健康にも大きな寄与をもたらし、結果的に医療費を低く抑える効果があります。小池さんの質問直後の08年歯科診療報酬改定では0.42%増で8年ぶりプラス改定となり、10年改定では2.09%増となっています。


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