2010年174通常国会:速記録

厚生労働委員会


  • 協会けんぽ/年10万円負担増の仕組みも/小池議員質問 国庫補助増額こそ<(関連記事)
2010年4月27日(火)

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 今日、協会けんぽの問題に絞ってお聞きをしたいと思います。

 この料率の引上げの原因なんですが、改めて確認をしたいんですけれども、これは協会けんぽの財政悪化ということですが、主な原因ということでいうと、これは加入者の所得の大幅な減少ということが主な原因ということでよろしいんですね、大臣。

   〔理事森ゆうこ君退席、委員長着席〕

国務大臣(長妻昭君)

 いろんなこの原因の分析というのがあると思いますけれども、やはり景気悪化による給与の急激な落ち込みというのもある。あるいは、高齢化等による給付費の伸びもありますし、一部新型インフルエンザの流行というのもございます。そういう中で、やはり一番大きいのは景気悪化のお給料の下げということだと思います。

小池晃君

 給与が減っていることが最大の一番大きい理由だというふうに大臣もおっしゃった。これが、保険料がそういう中で上がるということになります。医療保険料で一・一%、それとは別に介護の保険料も〇・三%の引上げだと。協会けんぽの加入者の平均総報酬額は三百七十四万円ですが、局長、平均総報酬の加入者の負担増は医療保険と介護保険でそれぞれ幾らになるか、数字をお示しください。

政府参考人(外口崇君)

 それぞれの負担額の増でございますけれども、協会けんぽの平均的な年収である三百七十四万円の場合で、労使合計で医療分は約四万三千円の増、介護分は約一万二千円の増、合計で五万四千円の増となります。本人分はこの半分となります。

小池晃君

 ちょっと具体例を紹介すると、私ども聞いた話では、地下鉄の清掃職場で委託会社に勤務して働いている労働者、五十三歳の男性なんですが、年収は税込みで百六十万円、月十三万四千円でもう生活保護水準を下回る暮らしをされています。もう文字どおり、つめに火をともすような暮らしです。こうした方に対しても、健康保険料、介護保険料の値上げということになります。この方の場合、年間で本人分だけで一万一千七百円ということの負担増ということになるんですね。

 私は、もう今のこの経済情勢の中で給与は減っている、雇用も非常に不安定になってきている、中小企業の経営も大変です。そういう中で、仕事が減り、給料が下がっているときに医療、介護の保険料の引上げということが追い打ちを掛けるような事態になるわけで、大臣、これやっぱり日本経済にとっても消費冷え込ませて影響を与えていくということについての認識はございますか。

国務大臣(長妻昭君)

 これは、保険料についても、一円も上がらないということがそれは理想であるというふうに思いますけれども、ただ、これは助け合い、共助でございますので、一定のルールの下その保険料を分かち合って、それぞれ医療なら医療、これが安心に受けられるようなそういう仕組みであるわけであります。

 その中で、ただ、今おっしゃったような経済に悪影響等々の懸念もありますので、その上昇をでき得る限り抑えるようなそういう対応を取っていくということで、今回、例えば協会けんぽについては国庫補助率を上げさせていただいたというわけでありますが、ただ、医療に掛かる財源は税金か、保険料か、自己負担か、そういうところでぐるぐるある意味では回りながらそれに財源が措置をされるということでありますので、我々としては、景気回復、そして税収が伸びるような経済成長、これも重要な課題だということで取り組んでいるところであります。

小池晃君

 その景気回復にこういう形というのは一番冷や水を浴びせることになるんではないかと、やっぱり景気の根本は消費ですからね、内需ですからね、やっぱりそういったところに一番、それで、分かち合う、分かち合うといっても、それは一番弱いところに配慮をすると。そういったところは、やっぱりできるだけこういう痛みが襲うようなことを避けるのが政治の責任であって、みんなが分かち合うだったら、それ自民党の政権のときと同じじゃないですか。そういうやり方は駄目だということを言って政権交代したんじゃないんですか。やっぱりそういう意味では、私はこれでは国民は納得しないというふうに思いますし、こんなことをやったら景気の回復ますます遅れるというふうに思いますよ。

 しかも、これ今後も更に協会けんぽの保険料上がることが見込みでもう出ているわけです。この特例措置は三年間ですが、その間の協会けんぽの保険料率の見通し、数字を、保険局長、お願いします。

政府参考人(外口崇君)

 全国健康保険協会では、今回の特例措置による平成二十二年度の保険料率九・三四%を基にして、平成二十四年度までの全国平均の保険料率について、今後の医療給付費の伸びや賃金上昇率についての一定の前提を置いて複数のケースについて試算をしております。

 これによれば、賃金上昇率の見通しに応じて、平成二十三年度の保険料率は九・六%から九・八%、平成二十四年度の保険料率は九・九%から一〇・二%とされております。

小池晃君

  年々上昇し続けるという想定になっていまして、最悪の場合、二〇〇九年、八・二%だったものが、二〇一二年には一〇・二%にまでなると。協会けんぽの保険料率が一〇・二%になった場合に、今年度と比較して平均で医療保険料は幾ら上昇するんでしょうか。

政府参考人(外口崇君)

 保険料率が平成二十二年度の協会けんぽの全国平均である九・三四%から一〇・二%となった場合、平均的な年収である三百七十四万円のケースでは、労使合計で年間約三万二千円の引上げとなります。本人負担分はその半分となります。

小池晃君

 ですから、先ほど言っていただいた昨年度からの数字四万三千円を加えると、七万五千円の上昇になるわけです。しかも、保険料率の引上げは一〇・二%で打ち止めにはなりません。今回の法改正で上限が一〇%から一二%に引き上げられます。

 そこでお聞きしますけれども、平均総報酬額の加入者が今年度三十四万九千円の保険料を負担することになっていますが、これが仮に改正後の上限一二%となったら保険料はどれだけ上昇するんでしょうか。

政府参考人(外口崇君)

 保険料率を平成二十二年度の協会けんぽの全国平均九・三四%から仮に一二%となった場合には、平均的な年収である三百七十四万円のケースでは、労使合計で年間約九万九千円の引上げ、本人負担分は約五万円となります。

小池晃君

 ですから、今回の法改正というのは、最高で十万円、九万九千円とおっしゃったけど、まあほとんど十万円。この負担増を押し付けるという仕組みになっていくわけであります。

 政府が協会けんぽの財政を再建するという三年間に保険料は上昇していく、その一方で国庫補助率は一六・四%で三年間固定をされるんですね。保険料率は上昇し続けるのに、国庫補助率は、これ一六・四%で固定するというのはおかしいじゃないですか。本則に戻して、それはこれから三年間だっていろんな経済状況の変化や、国民の暮らしの声、いろいろ上がってくるでしょう。そういったものにこたえて本則で二〇%まで国庫補助を行っていくと、これがこの法律の仕組みなんですよ。

 ですから、そういう点でいうと、私はこんな一六・四%で、一方で、保険料は上限引き上げておいて国庫補助率は一六・四%で固定するというのはおかしいと。しっかり、これ国民の声に、生活実態、経済状況に応じて引き上げていくという、そういう姿勢を示すべきじゃないですか。

国務大臣(長妻昭君)

 これは御存じのように、国庫補助率は、平成四年度以降、本則ではなくて暫定的に一三%に引き下げられたままずっと続いてきて、今回、まずは本則で、確かに本則に幅があって、その一番低いところではあるものの一六・四%に引き上げると、こういう措置をさせていただいたところでございます。

 その中で、まあ健保連の健保組合については、応能負担という考え方の下、いろいろ御批判はいただいておりますけれども、この総報酬割というのを導入をし、非常に財政も厳しい中、ぎりぎりの財源捻出を行って国庫負担も純増をさせていただいたということでありまして、当然、今後仮に協会けんぽが更に危機的な状況に何か陥るということが万が一あるとすれば、それはそれで我々としても対応を考えなければなりませんけれども、ただ今は、数字上はですけれども、若干いい兆しの数字が出てまいっておりますが、まだ自律的に景気が持ち直す、回復するというところまでは行っておりませんので、それについて我々もサポートする政策を打ち出すということであります。

小池晃君

 一六・四%にするっていっても、本則で戻すわけじゃないんですよね、これ固定しちゃうわけですから、三年間は。それはおかしいではないかと私、言っているんです。たとえ一六・四%に今年なったとしても、本則に戻しておいて実態に合わせて引き上げるという、もう本来の法律の在り方でやっていくべきではないですかと言っているんですよ。今、将来はとおっしゃったけど、でも将来はというけど、三年間は一六・四%で固定化しちゃうわけでしょう、それはおかしくないですかと、もっと機動的に経済実態に合わせて上げるという仕組みを、これは法律にはちゃんとそういう仕組みになっているんだから、それが健康保険法の趣旨なんだから、それでやるべきではないですかと私は言っているんですよ。

 結局、それしないということは、今後三年間については更なる支援はしないということになるんじゃないですか、どうですか。

国務大臣(長妻昭君)

 この三年といいますのは、三年の中で協会けんぽの財政を一定程度立て直していこうということで、もう関係者含めて、昨日も協会けんぽについての省内事業仕分をして、もう本当に無駄は少しでもあってはならないということも含めて再建をする三年間であるということであります。

小池晃君

 ちょっと答えになっていないよね。やっぱりこれじゃ駄目ですよ。

 上げることは分かっているんですよ。一三%に据え置いてきた前政権の責任は私も重大だと思いますよ。だから、それは、私たちは、でもそれ批判してきたわけだから、これを言う権利は十分あると思っていますし、これ上げるべきだと思いますよ。一六・四にしたのはいいんだけれども、何でここで三年間頭打ちにしちゃうんですか、おかしいじゃないですかと。

 しかも、その実態見れば、健保組合の平均保険料率は七・六二%ですよ。それに対して協会けんぽ九・三%今回なる。これ結局、実態見ると、二〇〇八年度決算で比較すると、標準報酬総額で健保組合は五百四十四万円、それに対して協会けんぽは三百八十五万円ですよ。

 報酬が低い協会けんぽの方が報酬の高い健保組合より一・七%も高い保険料率になっているわけですね。だから、非常に深刻な事態になっているわけですよ、保険料の負担が。この矛盾を解決することは待ったなしじゃないですか。その点でこの三年間固定したままというんじゃなくて、この問題を解決するのはやっぱり国庫負担しかないんですよ。だから、これを引き上げていくということを、この健保組合、組合健保の今の実態と照らしても、やっぱり国の責任そこでもあるんじゃないですか、国庫負担を引き上げていくという責任、この矛盾を解消するためにも。その点はいかがですか。

国務大臣(長妻昭君)

 今、協会けんぽと健保組合の格差の話がありましたけれども、やはり今おっしゃられたように、それは報酬の平均額が違うと、そういうこともあって、今回、総報酬割を導入一部させていただいたということで、応能負担の考え方をお願いをしていくということが一つであります。

 そして、この三年間でありますけれども、これは単年度収支均衡の原則を緩和して平成二十一年度末の累積赤字については二十四年度までの三年間で解消できるようにするということで、これはもう関係者一同全力で取り組んでいくということを我々考えておりますので、その意味でこれらの措置と併せて附則に位置付けているものであります。

小池晃君

 ちょっとそれでは納得できないですね。やっぱりこれはこういう形で三年間固定化して一六・四%から一歩も出ないというのは、私は国民の生活が第一という民主党の政策に照らしてもこれでは納得はいかないというふうに見られても仕方ないと思いますよ。

 それから、財源の問題でちょっと細かいところに入っちゃうかもしれないんですが、人件費の問題で、これは政管健保から協会けんぽに移る二〇〇六年の法改正の審議のときに私、この問題も指摘をして、政管健保の場合は人件費は国庫負担なわけですが、協会けんぽになるとこれは事務費は保険料、国庫負担ということになる。当時、水田保険局長は、国庫負担の取扱いをよく検討していくんだというふうにおっしゃっていました。

 局長、お聞きしますが、現在、協会けんぽの人件費は幾らなんですか、この人件費に対する国庫負担というのは、人件費に着目した国庫負担というのはなされているんですか。

政府参考人(外口崇君)

 平成二十二年度における協会けんぽの常勤職員の人件費は、健康保険勘定分で約百五十三億円であります。この人件費の財源については、これに直接着目した国庫補助は行われていないものの、人件費を含む事務費約二百七十四億円に対し、百二十一億円が国から措置されているところであります。残りについては他の被用者保険と同様に保険料財源で賄われております。

小池晃君

 こういう問題、保険料を人件費に使わないというのは年金のときも大分話題になったわけですよ。これは額的にいうとそれほど、全体の割合でいうとそれほど大きな割合ではないかもしれませんが、私はやっぱりこの問題、人件費を保険料で負担させているようなやり方、長妻大臣、こういうのは一番厳しく批判してきたんじゃないですか。これ、このままでいいんでしょうか。

国務大臣(長妻昭君)

 これは協会けんぽは、政府管掌健康保険ということで社会保険庁が担ってきたものでありまして、それが協会けんぽという組織に変わったということでありまして、これは普通の健保組合と同様の扱いのルールを適用するということで、一定の事務費に対しては一定の要件で掛け算をして、それは国費をお支払いして支援をしていくと。ただ、一定の部分については自前で賄っていただくと。こういうようなことで、今局長が申し上げたように、百二十一億円事務費については国から措置をしているということであります。

小池晃君

 どうもちょっと野党のとき言っていたことと違うじゃないですか。こういう保険料は医療のために使うんだと、年金のためだけに使うんだというふうにおっしゃっていたのに、これはもう仕方がないんだと、こういう仕組みなんだというのは、これ国民的にも納得得られませんよ、それでは。それでは駄目だというふうに思います。

 それから、総報酬割のことを最後に問題にしたいんですが、結局、先ほどからも議論あるんだけれども、やっぱり結局、先ほどからの話聞いていると、国庫補助引き上げる半分の額をやっぱり生み出すために総報酬割を導入したとしか思えませんよね。これはどう考えてもそういう構図になっている。

 ちょっと一点聞きたいんですが、この総報酬割導入に伴って削減された国庫補助額、これを協会けんぽの医療費の国庫補助に充てた場合は、補助率にすると何%になるんでしょうか。

政府参考人(外口崇君)

 国庫補助率に換算すれば、約一・七%分に相当します。

小池晃君

 今日の参考人質疑でも大分問題になって、総報酬割自体が悪いと言っているわけじゃないんだと健保連もおっしゃっていたんですね。やっぱり、その議論の進め方が問題だし、大体、これを国庫負担引き上げるための財源に肩代わりするというのはおかしいではないかと。私はもう本当にそうだと思いますよ。だから、今日もちょっと参考人のとき言ったんだけれども、一緒に招待されて飲み屋に行って、終わって会計に行ったら、いきなり割り勘ですというふうに言われたような、そういうふうに受け止めるって、しようがないでしょう、そういうふうになっても。これは、やっぱりこれではけしからぬという声が上がるのは私は当然だというふうに思います。

 本則補助率の下限、一六・四%にするというのは、私、国の当然の責任だというふうに思っていますし、今の先ほど言ったような保険制度間の格差是正のための責任、あるいは現下の経済状況、こういったものを考えれば、更に上積みをするというのは国の責任だと思います。

 ですから、一三%から一六・四%の引上げに必要な財源千八百億円は、この部分だけでもせめてこれは一般会計から充てていくということをすべきではないのかと。そして、更に総報酬割で浮いた財源は更に上積みに使うとか、せめてそういったことできないのか。そうすれば、先ほどあったように一・七%分になるんだから、一六・四に加えて、一八・一%というふうになるわけですよ。これでいいというわけじゃないですよ。

 しかし、そういったことを含めてやらないと、この一六・四にするための財源を総報酬割で浮いた財源使うというのは、どう考えたって納得得られないじゃないですか。どうですか。

国務大臣(長妻昭君)

 私どもの考え方というか、当時、予算編成の中でも議論がありましたのは、大変厳しい財政状況、国の財政状況の中で、やはり国の出せる国庫負担というのはどのぐらいだろうかと。それに加えて、じゃ更に協会けんぽの保険料の上昇を抑える、そういう手だてはないのか、あるのかと。こういうような形で今回、応能負担の発想をお願いをしているということでありますので、何か、国庫負担を削って、あるのに削って、そちらに肩代わりしたということではありませんで、それに加えて、協会けんぽの保険料の上昇をでき得る限り抑えるという、そういうぎりぎりの中で今回の法案も提出をされているということであります。

小池晃君

 納得できませんが、終わります。

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