2009年171通常国会:速記録

新型インフルエンザに関する集中質疑


  • 在日米軍にも法適用を/新型インフル対策 体制も未掌握/小池議員追及<(関連記事)
2009年5月8日(金)

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 新型インフルエンザに対する空港や港での水際対策が行われているわけですけれども、今日はもう一つの水際である在日米軍基地での対策についてお聞きをしたいと思います。

 最初に、日米合同委員会の合意では、およそ三か月ごとに米軍人軍属の入国者数、出国者数、報告を受けているというふうに聞いているんですが、数を教えてください。

政府参考人(梅本和義君)

 御指摘の点でございますが、日米地位協定についての合意議事録の第九条に関する規定に基づきまして、日米で合意された手続に従い米側からしかるべく定期的に通報を受けておりますけれども、その具体的な内容については公表することについて日米間の合意がございませんので、申し訳ございませんが、公表することは行っておりません。

小池晃君

 知っているけど言えないんだと。

 問題になるのは、直接米軍基地から入国するような数だと思うんですが、これは知っているんですか。把握しているんですか。

政府参考人(梅本和義君)

 繰り返しで恐縮でございますが、地位協定についての合意議事録の第九条に関する規定に基づき、合意された手続に従い米側からしかるべく定期的に通報を受けておりますけれども、その具体的な内容については、どのような形式、内訳で報告されているかも含めて公表することについて合意がございませんので、公表しておりません。

小池晃君

 これで独立国なのかなという感じがするんですが、在日米軍基地には検疫官はどれだけいるんですか。

政府参考人(梅本和義君)

 政府としては、それぞれの在日米軍施設・区域における検疫官の数については承知をしておりませんけれども、米軍は、米軍人等が入国する可能性のある横田飛行場や嘉手納飛行場等、すべての施設・区域に検疫官を配置をしております。

 また、この新型インフルエンザが発生している地域を旅行したかもしれない者等で米軍施設・区域内において日本に入国する者にはスクリーニングを行っているということでございます。

小池晃君

 数把握していないのに、置いていますというのは矛盾じゃないですか。だって、九六年の検疫に関する合同委員会の合意では、これは港及び飛行場ごとに一又は二以上の者を検疫官として任命すると合意しているのに、数知らないと。実際にこれが実行されているかどうか分からないじゃないですか。

政府参考人(梅本和義君)

 繰り返しでございますが、米軍人等が入国する可能性のある施設・区域については検疫官がきちんと配置をされているというふうに聞いております。

小池晃君

 これでは担保になっていないと思うんですね。

 しかも、基地から直接入国する米軍人軍属には、日本の検疫法に基づく積極的な疫学調査、これは適用されるんでしょうか。外務省、答えてください。

政府参考人(梅本和義君)

 一般国際法上、駐留を認められた外国の軍隊には特別の取決めがない限り接受国の法令はそのまま適用されません。このことは我が国に駐留する米軍についても同様でございます。したがって、感染症法は在日米軍に対しては適用されませんけれども、一般国際法上、駐留軍は接受国の法令を尊重する義務を負っておりますので、在日米軍は我が国の感染症法についても尊重する義務を負っているわけでございます。

 新型インフルエンザに対する行動計画につきましても、在日米軍を直接対象とするものではないということでございますけれども、同行動計画については、米側に相当詳しくきちんと説明をし協力を求めているところでございます。これに対して米側は、在日米軍施設・区域内の新型インフルエンザ対策については、基本的に日本側と同様の措置をとることについて万全を期していきたいというふうにしておりまして、これまでも水際対策を含め適切に対応してきているというふうに聞いております。

小池晃君

 それは次に聞く予定だったところなんですが、検疫法に基づく積極的な疫学調査を今、日本でやっているわけですよ。入国した人については滞在市の保健所に連絡をするとか、あるいは入国後の健康調査、これはやっているんですかと、米軍人軍属について、米軍基地を通じての。

政府参考人(梅本和義君)

 今般の新型インフルエンザの発生を受け、政府としては、先ほど来申し上げているように、米側に万全を期すように申入れをしておるわけでございます。

 その中で、追跡調査についても、日本側の措置について説明をしつつ、米側においてもしかるべく追跡調査が行われるように申入れを行っているわけでございます。これに対して、米側よりは、在日米軍施設・区域における新型インフルエンザ対策について、基本的に日本側と同様の措置をとること等によって万全を期したいというふうにしておるわけでございます。

 追跡調査につきましては、米側は、在日米軍施設・区域から入国するのは基本的に米軍人軍属及び家族のみでございますので、不特定多数が出入りする一般空港に比べても、これらの者の居どころあるいは職場ということを追跡することは容易であるということでございますので、連絡体制の確立等を含め、きちんと適切に追跡調査をしているというふうに承知をしております。

小池晃君

 でもね、いやいや、容易だったら、きちっと日本と同じように健康調査を十日間やってくださいと言っているんですよ。

 大臣、今の議論を踏まえて、要するに、基本的に日本側と同様の措置、お願いをしているんだということですが、その検疫体制の実態がどうなのかの把握すらできていないわけですよ。

 誤解していただきたくないんですが、別に米側の検疫レベルが高い低いとか云々と言っているわけじゃないんです。どういうことをやっているのか、日本政府としてきちっと把握をすると。そして、やっぱり日本と同様の措置をとるということをやらなければ、幾ら水際対策やったって水漏れになるし、そんなことだったら、みんなが頑張ってやることが水の泡になるということになると思うんですよね。

 私、厚労大臣、米軍の検疫体制について把握もできていないというのは問題ではないだろうか。米軍からやっぱり報告を受けて公表すべきだと。だって、米軍人だって町に出ていくわけだから。きちっとやっている、やっていると言うけど、ちゃんと実態を報告を受けて公表すべきだと。それから、保健所にちゃんと届け出て積極的疫学調査もやると。日本と同様のルールをきちっと厳格に守らせるということを言うべきじゃないかと思うんですが、大臣、最後にお伺いします。

国務大臣(舛添要一君)

 基本的に、日本の行動計画と同様のことはやってくれということは言っておりまして、先般、横田基地で赤ん坊が疑いがあるという事例ありました。これは同じように、公表して、チェックをし、そしてこれは感染していなかったと、新型インフルエンザに、これも同じように公表しました。全く、ですから、そこの取扱いは日本の疑わしき事例と同じでしたので......

小池晃君

 疫学調査をしていない。

国務大臣(舛添要一君)

 そういう意味で、疫学的な調査についても、これは細かく、実はこれは我々の方の国立感染研究所で委託を受けて調査はいたしました。つまり、CDCまで空路持っていくというのは時間掛かりますから、我々に能力があるところは協力してやる。

 これは米軍であれ、アメリカであれ、日本であれ、感染を蔓延しようという国際協力の輪の中にあると思っていますので、今後とも万全の体制を取っていただくように、外務省を通じて、これはアメリカ側、米軍側に要請してまいりたいと、そして、我々もできるだけの協力はやっていきたいと思っております。

小池晃君

 近隣自治体からも声が上がっていますし、やっぱり付近の住民、不安に思っていますので、日本でやっているのと同じルールを厳格に適用してやるということを最低限やらせるべきだということをきちっとチェックをして、米軍側の検疫体制についてもきちっと公表を求めてください、報告を求めて公表してください。そのことを最後に求めておきます。

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