日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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休業補償・医療体制の抜本強化を  国民不安解消へ具体的提案 新型コロナ 小池書記局長が基本的質疑で

2020年03月04日

赤旗2020年3月4日付

参院予算委

 

 日本共産党の小池晃書記局長は3日の参院予算委員会の基本的質疑で、国民の間で不安が広がっている新型コロナウイルスの感染拡大への対応についてただしました。小池氏は、感染防止のためには「科学的根拠を示し、国民の納得を得ることが必要だ」と強調。全国一律の休校方針を見直して、まともな感染予防の軌道へ立て直し、十分な休業補償や検査体制を確立するよう具体的に提案しました。(関連記事)


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(写真)質問する小池晃書記局長=3日、参院予算委

文科相「設置者の判断尊重」

 

 小池氏は、安倍晋三首相が新型コロナウイルスの感染防止のために全国一律の休校要請をしたことについて「科学的根拠は何か」とただしました。安倍首相は「これは政治判断だ」としかいえず、何の根拠も示せませんでした。

 

 小池氏は、学校には保健室や給食があり、生徒の様子を見る教員がいるなど「安全装置」としての大きな役割があるとして「1カ月近い休校は、親にも子どもたちにも大きな負担を強いることになるという危機意識はあるのか」と指摘。「全国一律の方針を見直し、改めて各自治体の自主的な判断に委ねるべきだ」と主張しました。

 

 萩生田光一文部科学相は「設置者が学校を開くという判断をされれば、それは尊重する」と答え、小池氏は「全国一律ではなくなったと理解した」と述べました。

 

 さらに小池氏は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、突然の休業を余儀なくされる労働者の不安も広がっていると強調。新型コロナウイルスの影響で業績が悪化した企業が雇用維持をできるよう「雇用調整助成金」の助成水準を大幅に引き上げ、雇用関係のないフリーランスの人に対しても損失を補てんするよう求めました。

 

 安倍首相は、助成水準の引き上げについては答えず、フリーランスについては「民間事業の個別の損失を補てんすることはできない」「資金繰り等において支援していく」としか答えませんでした。小池氏は、政府の自粛要請でイベントが中止になるなど、フリーランスの人の収入が断たれているとして「貸し付けではなく、損失補てんしなくては駄目だ」と述べました。

 

 一方、新型コロナウイルスの検査体制をめぐっては、安倍首相の説明が誤解を広げています。たとえPCR検査に公的医療保険が適用されても当面は「帰国者・接触者外来」を持つ医療機関でしか検査を受けられず、その数は844カ所にすぎません。小池氏はこれらを指摘しつつ、安倍首相が「かかりつけ医が必要と考える場合には、すべての患者がPCR検査ができる」と述べていることについて「誤解を招く」「国民に正しい情報を伝えるべきだ」とただしました。

 

 安倍首相は「私の会見等を見てもらえば、誤解は生じない」と強弁。小池氏は「国民が不安を抱えているのだから、誤解の余地のない説明を心がけるべきだ」と強調しました。

速記録を読む

○小池晃君  日本共産党の小池晃です。
 本日、自民党河井あんり参議院議員、それから河井克行前法務大臣の秘書らが公選法違反の疑いで逮捕されました。
 総理、これ自民党の責任は重大だと思います。自民党総裁としてどうお考えか。しかも、自民党議員であるとともに、一・五億円もの選挙資金を提供して、それが買収資金に使われた可能性すらあるわけです。総理が指名した、任命した法務大臣でもあります。辞職させるべきではありませんか、議員辞職を求めるべきではありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  捜査に関する事柄に関しては、個別の事案の捜査に影響を与える可能性があることから、コメントは差し控えたいと思います。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君)  安倍内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  繰り返しになりますが、まさにこの捜査に関する事柄でございますので、個別の事案の捜査に影響を与える可能性があることから、コメントは差し控えたいと思いますが、その上で申し上げれば、政治活動については、内閣あるいは与党、野党にかかわらず、一人一人の政治家が自ら襟を正して説明責任を果たすべきものと考えております。
○小池晃君  私が聞いているのは政治責任です。辞職をさせるべきではないかと。自民党総裁としての責任はどうお考えなんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  まずは、今申し上げましたように、与党、野党にかかわらず、一人一人の政治家が説明責任を果たすべきものと考えているところでございます。
○小池晃君  御両名とも説明責任果たしていますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  説明責任を果たしているかいないか、まさに二人とも有権者の支持を得て当選をしたわけでございまして、国民の皆様が判断することでもあるところでございますが、説明責任を果たすべきであるものと考えているところでございます。
○小池晃君  記者会見もやらずに説明責任果たしているんですか。国会に出てきて話もされていない。どこで説明責任果たしたんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  政治活動については、内閣あるいは与党、野党にかかわらず、一人一人の政治家が自ら襟を正して説明責任を果たすべきものと考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、これは捜査に関する事柄でございまして、この捜査に関する事柄につきまして予見を与えることを私が申し上げることは、これは捜査に影響を与える可能性があることから、コメントは差し控えさせていただきたいと、このように思います。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君)  安倍内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  これはまさに捜査の途中であるということでございます。行政府の長であるわけであります。言わば内閣、法務省も含まれるわけでございますし、国家公安委員会も含まれるわけでございますが、この行政府の長として、この捜査の途中である個別の事柄について私が発言することの重みということについては御理解をいただきたいということでございます。
 そして、その上において、辞職すべきかどうかということについては、今日まさにこの事案について私も伺ったばかりでございますが、これはまさに、そのことについては、政治家一人一人が判断をすることでもあるんだろうと、このように思うところでございますし、党においても判断するということになるんだろうと、このように思います。
○小池晃君  その党としての判断を聞いているんですよ。自民党総裁としてはこれは遺憾なことだぐらい言えないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  もちろん、我が党の議員の秘書が逮捕されたということについては、これは大変残念なことであります。
 そして、党において、これは、私は自民党の総裁でありますが、内閣総理大臣としての仕事を当然これは優先をしているわけでございますし、総裁、党の判断は党の執行部に委ねているというのが自民党の今までのやり方でございますので、御了解をいただきたいと、このように思います。
○小池晃君  憲法は自民党総裁としてべらべらべらべらべらべらしゃべるくせに、何でこういう都合の悪いことになるとしゃべらないんですか。おかしいじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  これは、都合がいいとか悪いとかということではなくて、まさに捜査が行われている途中の中において、行政府の長として予断を与えるようなことを言うべきではないと、これは当然のことではないかと、このように思います。
○小池晃君  全く反省がない。こういう政党にこの国を任せるわけにはいかないということを申し上げたいと思います。
 新型コロナウイルスの問題について聞きます。
 全国一斉休校について。大きな負担を掛けているわけですから、これ国民の理解を得ることが必要です。総理にお聞きしますが、全国一律休校の科学的根拠を示してください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  まさに専門家の皆様から、この一、二週間が拡大をするかどうかという瀬戸際であり正念場であるという見解が示されたわけであります。そして、小規模なクラスターは発生しているわけでございまして、その中において、子供たちの健康、命を守ることは、大きな責任として、その責任を果たしていかなければならないという判断から、言わば学校にクラスターが発生することは断じて避けなければいけないという判断において、これを国民の皆様にも御説明をさせて、先般させていただいたということでございますが、判断をさせていただいたということでございます。
○小池晃君  子供の感染を防がなければならないのは当然であります。そして、ここ一、二週間が正念場だというのは私もそうだと思います。
 しかし、なぜ全国一律休校なのかの科学的根拠です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  感染経路が明らかではない感染が見られる中において、例えば、既に北海道あるいは大阪等々で休校を実施をしているところでございます。
 その中において、言わば子供の中にも感染者が出てくる中においては、まさにこれ政治の判断として、全国において一斉に休校する小中高、そして特別支援学校において休校することを要請をさせていただいたところでございます。
 まさにそれが出てからでは遅いと、このように判断をしたところであります。
○小池晃君  科学的根拠じゃないですよ、今の説明。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  科学的根拠とは何かということでございますが、言わばWHOにおいても、WHOにおいても、昨日、御指摘をさせていただきましたが、全国、WHOにおいても、学校の言わば休業、休校というものが有効であるということを発生国に対してこれは伝えてきているところでございます。そういう中において、これは、発生する前からですね、発生してからやるということではなくて、発生する前に、まさにこれが正念場である以上、そういう判断をしたところでございます。
○小池晃君  WHOは学校閉鎖と言っているだけで、全国一律とは言っていません。全国一律にやることの科学的根拠を示してください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  これは、例えば北海道においては、北海道全域にこれ感染した方々が出てきたわけでございます。その中において、我々はそういう判断を取ったということでございまして、その中において、様々な御負担をお掛けすることになるところでございますが……(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君)  御静粛にお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  御理解を賜りたいと、こう思っている次第でございます。
 政治の場において私が判断した以上、政治の場、政府としてしっかりと対応していきたい、責任を持って対応していきたいと、こう考えているところでございます。
○小池晃君  北海道で休校にすることに私は否定はしていません。それはあり得ると思います、地域的には。なぜ全国一律なのか、全く今、科学的な根拠を示せないわけですね。要するに、科学的根拠ではなく政治判断だということですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  これはもう既に何回も申し上げていることでございます。言わば専門家の皆様から、この一、二週間が、この感染を拡大させるのか、あるいは終息することができるのかということについて正念場である、瀬戸際であるという判断が示された以上、これはどこ、感染経路も明らかでないものが出てきた以上、どこでクラスターが発生するか、ここは発生しないということを確実にこれは申し上げることができない中においては、これは有効であるということを鑑み、全国において一斉に休校させていただいた、学校の閉鎖が有効であるという勧告がされている以上、全国で一斉に閉鎖をさせていただいた、休校、休業とさせていただいた、これは政治判断であるということはもう既に申し上げているとおりでございます。
○小池晃君  科学的な根拠はないんだと、政治判断だということですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  これはですね、これは、専門家の皆様が、まさに今が、一、二週間が正念場だというこの指摘を、御意見を言っておられるわけでございますから、その中において、政治の場においてそういう判断をさせていただいたということでございます。
○小池晃君  二月二十四日、専門家会議があって、その見解を受けて、二十五日の基本方針では自治体の判断で休校するとなったんです。で、それが二十七日に全国一律となったんです。専門家の意見聞いていないじゃないですか。そこは認めているわけですよ、昨日も。専門家の意見を聞かずにやったわけだから、これは政治判断ですねと、素直に、私、別に、それは素直に聞いているんですけど。全国一律は、科学的根拠ではなくて政治判断ですと。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  ですから、そう申し上げているわけでございまして、先ほど来ですね、先ほど来私が申し上げているのは、まさに専門家の皆様が、この一、二週間が正念場であるということを言われているわけでございます。その中において、感染経路の分からない感染も認められ、そして子供たちの中にも感染者が発生する中において、政治的に判断をさせていただいたということでございます。
○小池晃君  私は、こういう問題はきちんと科学的な根拠がなければいけないと思いますよ。
 学校の保健室、養護教諭がいます。緊急の際には校医につなぎます。給食によって児童の栄養は考慮されています。そして、教員が生徒の様子を随時見ているわけです。とりわけ、一人親家庭、非正規雇用、フリーランス、学校は安全装置としての役割を果たしているわけですよ。
 一か月間近いこの休校というのは、こういう家庭にも親にも本当に大きな負担になる、そういう危機意識を総理はお持ちですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  先ほども申し上げたところでございますが、大人のみならず、子供たちへの感染事例も各地でこれ発生をしているのは、これは小池委員もお認めになるんだろうと思います。その中で、北海道や千葉県の市川市、大阪市や堺市など、各地域において、学校休業を行うなど、子供たちへの感染拡大を防止する努力がなされているわけでありまして、その中で、判断に時間を掛けるいとまがない中において、一、二週間という判断をされたわけでありますから、いとまがないという中においてこういう判断をさせていただいた。
 しかし、それに伴う様々な課題があることは十分に承知をしているわけでございます。
 そうした中においてしっかりと政府として判断した以上、政府として責任を持ってそうした課題に対して対応していく、これはもう本当に大変な御負担を掛けているという気持ちの中で申し上げているところでございます。
○小池晃君  課題はあると、危機意識はあるということで。だとすれば、やっぱりきちんと基準を設けないといけないと思うんですよ。
 官房長官は、休校の解除について、春休み以降の感染拡大の状況を見て判断すると言ったんですね。総理、これ、春休み終わる頃も今の同程度の感染状況だったらば、休校を続ける可能性もあるということなんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  それは、そのときの状況を見て判断をしなければいけないわけでございますが、専門家の皆様からのお話も伺わなければならない。それは、つまりこの一、二週間が、この一、二週間が言わば感染が拡大するかどうかの山ということであります。それが、つまり感染が拡大していくのかどうかということについての判断については、これは専門家の皆様に御意見を伺わなければならないと、その上で判断をさせていただきたいと、こう思っております。
○小池晃君  専門家は全国一律必要ないとみんな言っているんですから、すぐにでもやめろと言うんじゃないですか。私は、これ、今からでも遅くないから、この全国一律という方針は見直すべきだと思いますよ。で、科学的根拠に基づく感染予防という道に進むべきだと。改めて、各自治体の判断に私は委ねるべきだと思うんですよ。
 既に少なくない自治体は、休校しない、あるいは期間を短くする、必要な子供は来てもいい、給食は出す、そういう判断をしているわけですね。休校をいち早く決めた北海道でも分散登校ということを検討していると。保護者とよく相談をして、きめ細かい対応をしていくべきだと思います。
 文科省に聞きます。
 これはあくまでお願いですから最終的には設置者の判断だと、だから、自治体が自主的に再判断した場合は、それに是正指導を掛けることなどないと断言していただきたい。
○国務大臣(萩生田光一君)  昼間のワイドショーで、韓国は大統領の命令で全ての学校を閉鎖して、日本は何で要請という中途半端な表現なんだという、そういう議論していました。
 法律上、要請しかできないのは先生御承知のとおりです。我々文部科学省も、地方教育行政法にのっとれば指導、助言まで踏み込むことはできますけれども、しかし、これはあくまで自治体、設置者の判断でありますので、今御指摘のようなことはございません。
 自治体の皆さんには、この恐れを共有していただきながら、それぞれの地域の実情に合わせて形態や期間について御判断いただくということを前提に通知を出していますので、自治体の判断を尊重したいと思います。
○小池晃君  休校をしないという判断も尊重するんですね。
○国務大臣(萩生田光一君)  政府全体の方針は示させていただきました。自治体の長が休校しなくても大丈夫なような環境整備や合理的な判断ができるということであれば、そのことは判断を尊重したいと思います。
○小池晃君  最初からそういうふうに言えばいいんですよ。そうすればこんな混乱起こらないんですよ。総理が一律休校だということをメッセージを出したことが、本当に大変な混乱の原因になったと私思います。
 それから、大臣、休校中も、居場所のない子供の居場所を学校に確保すべきだと思うんですよ。政府は学童保育受入れを学校の教室でと言っているわけですから。ならば、学童に無理な負担を押し付けるんじゃなくて、学校として受け入れるべきではないか、そして必要な子供には給食も出すべきではないか。そうすれば学童も過大な負担から逃れられると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(萩生田光一君)  先生、お言葉ですけど、二十八日の、総理は大きな方針を二十七日の会議で示しました。で、二十八日の通知で今私が申し上げたことは正しく自治体に伝えていますので、最初から言やいいじゃないかということは最初から言わせていただいたつもりでございますので、御理解をいただきたいと思います。二十八日の通知の中で申し上げています。
 その上で、今の御指摘のように、学校の自治体の判断で、学校を例えば密集度を緩和しながら開放する、低学年のためにはそういうことを行っている学校も、あっ、自治体も既にございますので、その辺の運用は柔軟に対応していきたいと思っています。つくば市などでは、お子さんをお預かりをする、その上で給食を提供しているという事例も既に始まっていると承知しています。
○小池晃君  最初から言っていると言うんですが、翌日、私、文科省の方にレクしたらば、やらないという選択肢はないと言いましたよ。期間などについては柔軟に対応できるけど、こういう方針が出た以上、全くやらないということはそれはできませんと言いましたよ。
○国務大臣(萩生田光一君)  ここは是非、子供たち守るために国の方針、大きな方針は共有していただきたいと思いますけれども、実際に実施の見送りをしている自治体、島根県、松江市、出雲市なども存在して、そのことに対して我々、非難はしていません。十分相談をしながら自治体の責任でやっていただけるということなので、もちろん環境を変えながらやっていただけるということを承知をしておりますので、そういう自治体の判断は尊重したいと思います。
○小池晃君  全国一斉休校ではないということですね。
○国務大臣(萩生田光一君)  内閣総理大臣が、全国の自治体の皆さんに休校を要請しました。それを受けて、私ども文部科学省は、その指針を改めて詳細をお伝えをさせていただきました。判断には設置者の判断がございます。私立の学校で私立の学校の設置者が学校を開くという責任の中で判断をされればそれは尊重する、全てそういう方向で行っております。
○小池晃君  一斉という言葉を使いませんでしたので、全国一斉ではなくなったという理解をいたします。
 給食をめぐっては、これほどの規模で……(発言する者あり)前から言っていたって、総理、閣僚席からやじるのはやめるんじゃなかったんですか。駄目でしょう。
 これほどの規模で納品キャンセルになったことはないと、業者から悲鳴が上がっています。
 農水大臣、例えば酪農農家は、牛乳の納入先がなくなるって大変な悲鳴が上がっていますよね。野菜も行き場がなくなると。農水省としても、給食停止でやっぱり牛乳などが廃棄されないように、これは農家を始めとする関係者を守るためにあらゆる手だてを尽くすべきではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(江藤拓君)  学校の休校に伴う学校給食停止を受けまして、先週の金曜日、二十八日には、全国連、それから指定団体、生産者団体、乳業メーカーの方々にはお集まりいただいて意見聴取をさせていただきました。
 国内には、学校の長期休暇、夏休みとかですね、そういうときの牛乳を引き受ける、都府県の牛乳を引き受ける、そういう工場が東日本に三つ、西日本に四つございます。ですから、今、学校給食で行き場を失った牛乳についてはそちらの方に振り向けていただくということでお話をさせていただいておりますが、しかし、それをやったとしても、大体、先生も御存じのとおり、加工原料乳と生乳では単価が違います。だから、一トン当たり大体三万四千、いや、三万四千円ほどの減収になりますので、その部分については農林水産省として何らかの手だてをしたいということで今検討しております。
○小池晃君  こういうことをきちんと前もって議論して準備して、それで全国一律という方針を出すのが筋なんですよ。こういう議論が必要だったんですよ。それを、決めてから、後からもうみんな大騒ぎでやっているわけですね。霞が関の官僚さんたち、本当一番大変ですよ、これ。こういう事態を起こしたということは、私はこれは本当に反省してもらわなきゃいかぬと思う。
 雇用調整助成金、中国関係の売上げが全体の一〇%以上という縛りを外すと、新型コロナの影響を受ける事業主に拡大するといいます。可能な限り柔軟に対応すべきだと思いますが、どのような要件になりますか。
○国務大臣(加藤勝信君)  当初は、今委員御指摘のように、日本―中国間の人の往来の急減により影響を受ける事業主という限定が付いておりましたが、今回は新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主ということで、幅広く対象になっております。それからもう一つは、元々、生産指標の確認対象期間、これは通常は三か月を一か月にする、これは元々、今回のではなくて、この中国との往来のときからそうした短縮をいたしました。さらに、今度は事業所設置後一年未満の事業主についても対象にする、さらには、クーリングと言うんですけれども、前に一回こうした調整金を受けるとしばらく使えないという、これも前一回使っていようが使っていなくても対象にする、こういった拡大措置をとらせていただいているところであります。
○小池晃君  そもそも雇調金は、賃金の六割以上を補償すると、それで中小企業はその三分の二を雇用保険の財政から助成する、結局、賃金の四割程度の助成にとどまるわけですね。一方で、昨日発表された新たな助成金制度は、休暇中に支払った賃金の十分の十ですね。
 大臣、雇調金も助成水準を大幅に引き上げるべきだと思うんですよ。
 リーマン・ショックのときは中小企業で十分の九までやったんですね。今度は国の政策が原因ですよ、これ。だとすれば、賃金の十割補償、新たな助成制度と同じようにすべきじゃないですか。
○国務大臣(加藤勝信君)  いや、ですから、今回、全国の学校、小中高校、特別支援学校の休業を要請した、それに伴って、そこに通う子供さんを家でケアをしなきゃいけない、そういった事情で休むということについては八千、ちょっと数字あれですが、八千何がしかまでは十割負担をするということで、これは言わば国の要請に伴ってそうした事情が発生していたと。
 今回は、今委員の御指摘の雇用調整金は、新型コロナウイルスの発生という状況の中での対象ということであります。さらに、今北海道で全面、イベントの自粛等されておりますから、そういった地域については更に上乗せ助成と。また、本来は雇用、雇用保険の対象者しか対象になりませんけれども、そうでない者を、でない方についても、そうした雇用関係にある人に対しては支給をしていくと。今そういった中身についても鋭意内容を詰めて、これは早急に対応していきたいというふうに考えています。
○小池晃君  雇用保険二事業の積立金残高は幾らですか。
○国務大臣(加藤勝信君)  平成三十年度決算で、この安定資産残高というやつですけれども、これは一兆四千四百億円になっています。
○小池晃君  こういうときこそ活用すべきじゃないですか。給付金は十割補償するんだったら、雇調金だって今の水準じゃなくて大幅に助成の水準を引き上げるべきじゃないですか。
 大臣答えられないんだったら、総理、どうですか。こういうことをやるべきじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  御指摘の積立金につきましては、経済状況に応じて大きくこれ取崩しを行わざるを得ないことも過去にはあったことから、まずはこの助成金を積極的に活用し、雇用の安定に万全を期していきたいと思います。
○小池晃君  やれることは何でもやるんじゃなかったんですか。コロナだけの影響じゃないですよ、これ、雇調金だってね。やっぱりいろんな自粛自粛の中で経済活動がシュリンクして、それによって休業に追い込まれる、そういう人だって出ているわけだから、これは政治が生み出した経済危機じゃないですか。そういう労働者に対してきちんと雇調金を国の責任で出す、当然じゃないですか。(発言する者あり)
○国務大臣(加藤勝信君)  いやいや、リーマンのときはそれは、済みません、問いが続いて恐縮ですけれども、原則は四分の三ということでありましたけれども、そういったことも踏まえて、先ほど申し上げた北海道等においては、さらに地域でかなり自粛を要請される、緊急事態を出されている、そういったところにはリーマンのときの対応、これも考えて対策を打っていきたいというふうに思っております。
 また、先ほど申し上げた現在の特例措置でありますけれども、今回において、先ほどクーリングオフの話も、クーリング期間の話もしました。それから、通常であれば一定期間、被用者保険、これ六か月以上入っていなければ対象にならないものを、もう被用者保険に入っていれば対象にするとか、救済する範囲を幅広く設定をしているところであります。
○小池晃君  危機意識ないと思いますよ。北海道だけじゃないですよ、自粛を強いられているのは。
 やっぱり、こういうことに対してきちんと手当てをするって、私、最低限の政治の責任だと思いますよ。しかも、この新しい助成金制度はフリーランス対象じゃないという話だったのが、認めると、何かやるということですが、これはどなたがお答えになりますか。
○国務大臣(加藤勝信君)  新しい助成金とおっしゃっているのは、学校が休業に伴う中で、子供さんが家にいて、その方をケアをしなければいけない、これについては、基本的に雇用者で、雇用保険に入っていれば雇用保険のスキームの中で、雇用保険に入っていない方、例えば二十時間未満の方については、これは、もちろん被用者ということが前提になりますけれども、一般財源で同じような形で対応させていただくということを考えています。
 加えて、先ほど申し上げた北海道のような事態においては、助成率を上げるということと同時に、これについても、被用者でない、いわゆる雇用者保険に入っていない、そういった方も対象にしていくべく今議論をしているということであります。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  政府として、民間事業者の個別の損失を補填することは、これ、言わばキャンセルに対しての、イベントについての個別の補填というのはできないのでありますが、今回の感染拡大によって経済的な影響を受けた事業者や、政府の要請を受けてイベントや営業等を中止した事業者については、フリーランスを含む個人事業主についても、それぞれが直面する課題についてその声を直接伺う仕組みをつくり、強力な資金繰り支援を始め、地域経済に与える影響に配慮をしてしっかりと対策を考えていきたいと、こう考えております。
○小池晃君  先ほどそういうことが発表されたようなんですが。サラリーマンの親には給与全額助成をすると。で、フリーランスや自営業者は貸付けをすると。おかしくないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  言わば、この事業主等については、まさに経営者として、経営が成り立つように、継続ができるような支援を行っていくということについては、これは資金繰り等において支援をしていくということであります。
 被用者については、まさにこの企業等に有給休暇等を取ることを可能とするよう促すとともに、また中小・小規模事業者の皆さんについても、そこの被用者の皆さんの給与の減少、あるいはまたアルバイトやパート労働者の皆様における収入の減少に対しても給付という形等も含めて対応していきたいと、こう考えております。
○小池晃君  フリーランスというのをよく分かっていらっしゃらないように思うんですけど。例えば劇団員や音楽家、この間の自粛で全部コンサート、公演が中止になると収入が断たれるわけですよ。そういう人に対して貸付けがありますと言ったって、これは話にならないでしょう。やっぱり損失補填しなきゃ駄目じゃないですか。
 例えば山梨県は、これは対象違います、感染者とか濃厚接触者に限るんだけど、一日四千円の給付金出すとかね、そういうことをやるそうですよ。
 私は、貸付けじゃなくて、きちんと、サラリーマンの親には給与補償をするというんだったら、こういうフリーランスに対してもちゃんと給付金という形で対応するようなことを検討すべきじゃないかと思いますよ、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  今、お話をさせていただきましたように、それぞれの課題についてその声を直接伺う仕組みをつくりまして、その上で様々な対応をしていきたいと、こう考えているところでございますが、基本的には、先ほど申し上げた考え方の下に、強力な資金繰り支援を始めて、始めですね、地域経済に与える影響に配慮をし、しっかりと対策を講じていきたいと、こう考えておりますが、その際、先ほど申し上げましたように、お話を、それぞれ個別に、様々な御事情があるんだろうと思いますので、まずは個別にお話を伺っていきたいと、こう考えております。
○小池晃君  資金繰りの問題じゃないんですね。フリーランスの支援の制度をつくるのか、つくらないのか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  このフリーランスの方々については、言わばこれ、個人事業主でもあるわけでございまして、そういう観点からどのような対応ができるのかということについて、まずはお話を伺った上で対策を考えていきたいと、こう考えております。
○小池晃君  私は具体的な提案しているんで、やっぱりきちんと検討してほしいんですよ。
 それから、医療・介護現場で出勤できなくなるという事態、深刻です。その対策のためには、やっぱり厚労省と文科省で協力をして、やっぱり医療労働者、介護従事者は学校に行けるようにするとか、お子さんがね、そういう対応をすべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君)  まさに、地域の医療やそうした福祉サービスを維持していくというのは非常に大事であります。
 そういった中で、働き手が減少していくということがないように、それぞれの団体にもお願いをしながら定員の確保を図っていくということ、また、医療・介護従事者などの子供さんや低学年の子供の優先利用など、利用者の決定に当たって特に市町村に配慮していただきたいということ、これも通知を出させていただきました。加えて、今、放課後児童クラブの話は御承知のとおりであります。
 それから、もう一つ、院内に院内保育所というのがありまして、約三千、四千弱ありますが、そのうちの四分の一は放課後児童クラブも兼ねているところがあります。そういったところは、午前中からやっていただくことに対しては放課後児童クラブと同じような加算を、それから、現在やっていなくても、新たにそうした小学校、まあどこまでやるかというのは判断ですけれども、受け入れるということに対してはまたそれなりの加算を考えていくという中において、様々な対応を地域の事情に応じてやっていただく、またそれを支援をしていく、そういう体制を敷いていきたいと思います。
○小池晃君  文科省、学校の施設、放課後子供教室とか、そういうのの活用も考えた方がいいんじゃないですか。
○国務大臣(萩生田光一君)  午前中もちょっと触れたんですけれど、学校を閉校にする以上、放課後子供教室も一応原則は閉校といいますか休止をお願いしているんですが、地域の皆さんの力で、また感染への予防の配慮をしながら独自の判断で実施することは構わないということを申し上げているところです。
○小池晃君  医療体制について聞きます。
 先ほど総理は、指定病院の感染症病床のうち、現時点で空いているベッドは維持するというふうにおっしゃいました。
 厚労大臣、厚労大臣、大臣、今の感染症病床のうち、空いているから維持すると言われていますけど、空いている病床数は幾つですか。
○国務大臣(加藤勝信君)  今は感染症病床が二千十三ありますけれども、そのうち、二月の二十五の時点ではありますけれども、約七百床使っているということでありますから、千三百床の空床があるというふうに認識をしております。
○小池晃君  千三百床でしょう。二千床を確保したと。で、五千床だと。できるんですか。
○国務大臣(加藤勝信君)  いや、そうではなくて、感染症病床は二千床あります。そのうち、空床が今申し上げた千三百あります。それ以外に、一般病床で、十四府県の状況でしかないですけれども、その段階で四千以上今あるという。今、今日時点で幾らあるかを今聞いているところですから、また更なる数字が分かれば皆さんにはお知らせしたいと思います。
 したがって、その千三百と四千を足して五千以上はあるという認識を示させていただいたということです。
○小池晃君  その感染症病床の実態について総務省に聞きます。
 平成二十九年十二月に感染症対策に対する行政評価・監視で、診療体制について勧告されていますが、その中心的な中身をお願いします。
○政府参考人(白岩俊君)  お答えいたします。
 感染症対策に関する行政評価・監視は、平成二十八年八月から十一月にかけて、感染症指定医療機関のほか、検疫所、保健所などの関係機関を対象に行った調査の結果をまとめたものであり、その際、幾つかの指摘、勧告を行っております。
 御質問の感染症指定医療機関に係る主な調査結果を申し上げると、当時、二次医療圏ごとに指定される医療機関において実際に受入れ可能な感染症病床数が確保されていない事例、感染症指定医療機関における感染症の医療の経験を有する医師の実際の配置の考え方がまちまちとなっていること、院内感染防止措置が不十分な事例などが見られました。
 これを踏まえ、厚生労働省に対し、感染症指定医療機関に係る必要病床数の確保状況、感染症患者の診察等を行う医療従事者の状況、医療施設、設備の状況などについて実態把握を行い、改善に向けて的確に対応するよう勧告を行っております。
 以上でございます。
○小池晃君  その勧告を受けた調査結果は。
○政府参考人(白岩俊君)  御質問が、勧告した当局の方での当座の把握状況ということでありますれば……(発言する者あり)違いますか。あっ、それでは、失礼いたしました。
○小池晃君  厚労省に勧告したんだから、厚労省、調査結果はどうですかって通告してあります。
○政府参考人(宮嵜雅則君)  健康局長でございます。
 申し訳ございません。ちょっと今、その調査結果手元にないので、ちょっと確認のお時間をいただければと思います。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君)  宮嵜健康局長。
○政府参考人(宮嵜雅則君)  健康局長でございます。
 まだ調査の途中でございまして、結果はまとまってございません。
○小池晃君  感染症病床について大変な問題があると。実際に病床数どおり受入れできるのは七七%に、二三%はできませんとかいろいろ書いてあるわけですよ。それ、もう二年以上前ですよ、勧告。いまだに調査していないんですよ。
 こういうことで、大臣、いいんですか。
○国務大臣(加藤勝信君)  いや、調査をしていないんではなくて、今具体的な結果を踏まえてもう一度精査をしているというふうに承知しております。
 ちょっと別ではありますけれども、やはり、相手側としっかり連携を取らずにやっぱり判断してはならない、これは地域医療構想のときにかなり厳しくお叱りをいただきましたので、やはり相手側ともよく連携を取りながら精査をさせていただきたいというふうに思います。
○小池晃君  二年たっても、二年以上たっても結果が出ていないことは事実なんだから、素直に認めて、やっぱりまずかったと言うべきですよ。
 それから、一月二十九日に武漢から到着した最初のチャーター機で、体調不良の五名、最初に受け入れたのは、東京では公社荏原病院それから都立駒込病院ですね。民間病院奮闘しています。しかし、いざとなったらやっぱり政府も頼っているのは公的病院じゃないですか。しかし、東京都は、都立病院、公社病院を独立行政法人化しようとしています。国も四百二十四の公的病院を名指しで統廃合を進めようとしています。
 今のような緊急事態のときに、日本中のベッドが満床だったら対応できないですよ。公的病院どんどん削っていったら大変なことになりますよ。私は、今回の事態を受けて、政府も公的病院の重要性を再認識したんではないかなと思うんですよ。
 大臣、やっぱりこれ統廃合というのは、こういう事態を受ければ見直すべきじゃないか。あのNHKの日曜討論に私出たら、世耕さんは、そういう統廃合になるようなところもあるんだから、そういったところも活用したらどうかと言ったんですよ。だったら、そういうことをしないで、ちゃんと活用すべきじゃないですか。
 私、御都合主義だと思うんですよ。やっぱり見直すということを考えるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君)  委員御指摘のように、感染病病床全体……(発言する者あり)よろしいですか。感染症病床全体の九割以上を公立・公的医療機関が担っているということでありますから、感染症対策における公立・公的医療機関の果たす役割、これは大変大きなものであるというこの認識は私ども持っております。
 今委員御指摘のように、公立・公的医療機関というのは、民間医療機関では担えないこうした感染症を含めた様々な機能を持っている。まさにそれを発揮をしていただくということを含めて、この間の議論はさせていただいているということであります。
 したがって、それぞれの地域でこうした機能を持っている、あるいはこれ以外の機能もあります、そういったものはしっかり残していっていただく。その中で、どうやって地域医療の全体としての姿、二〇二五年に向かって地域の医療需要とそれに対する医療供給、これはもう既にそれぞれの都道府県ではおつくりになっているわけですから、それをどう実現していくのかというための資料を出させていただいただけでありまして、あれは、ベースに、ここは統合しろ、ここは廃止しろということを名指しで決めているというような資料では全くないわけであります。
 ただ、そうした受け止め方をされましたので、これは我々しっかり反省をしながら、これからもよく地方公共団体とコミュニケーションを重ねていきたいというふうに思っています。
○小池晃君  何言っているかよく分からないんですけど、とにかくやっぱり公的病院の果たしている役割は大きいということを大臣もお認めになったわけだから、やっぱり改めてこういう事態で分かるんですよ、大事さが。やっぱり根本的にこの方針見直すということも私は考えるべきだということを申し上げたい。
 それから、マスクの問題。現場での不足、本当深刻で、医療機関でマスクが足りないと。感染、院内感染防止のためのマスク、防護服、シールドなどを医療機関に供給する制度、どういうものがあるのか、実行状況を報告してください。
○国務大臣(加藤勝信君)  医療マスクについてでありますけれども、新型コロナウイルス患者を受け入れている都道府県等の要請に基づき、備蓄や在庫が不足している都道府県等及び医療機関に対して、厚労省の指示の下、メーカーと卸業者が協力して一定量の医療用マスクを優先的に供給する仕組み、これは先週、それぞれの皆さん合意をいただいて開始をしたところであります。
 第一弾の要請とした二十八日に、サージカルマスク約四十一万枚を十四自治体に、サージカルマスク約十八・八万枚を六十八の感染症指定医療機関に対して優先的に供給するよう卸及びメーカー、各団体に要請をしたところであります。
 引き続き、この医療マスク始め各種防護具についても、メーカーの生産状況、都道府県の備蓄、医療機関の在庫の状況をきめ細かく把握しながら、こういった仕組みも使いながら安定的な供給を図っていきたいと思います。
○小池晃君  医療現場からは、三月以降の入荷の見通し立っていない、マスクは一週間に一枚の配給制にしている、ないとなれば医療が提供できない、職員の命が守れないと、こういう声が来ています。
 大臣、聞きますけど、今の対象は感染症指定医療機関だけですね、一般の医療機関には供給はないんですね。
○国務大臣(加藤勝信君)  まず、今の対象は、感染症指定医療機関及び帰国者・接触者外来医療機関を対象としております。これから、医療用マスクの需給状況でもありますけれども、その対象の拡大についても考えてはいきたいと思っております。
○小池晃君  あのね、既に足りなくなっているんですよ。一般の病院にだって発熱患者は来ているわけですよ。その人がコロナかどうかというのは分からないわけですよ。だったら、マスクを使わなければいけないわけですよね。もちろん感染症指定医療機関に供給するのは当然だと思いますが、私は、一般医療機関だって、これ供給する仕組みをつくるべきだと思いますよ。つくると明言していただきたい。
○国務大臣(加藤勝信君)  これは要するに、供給との見合いということで、これはもう委員も分かるところだと思います。優先すべきなのは、その感染症の指定病床であり、帰国者・接触者外来でありますので、さらに、加えて、先ほど申し上げましたけれども、もちろん回す余裕があれば当然、いや、まずそちらを優先した上で、もちろん一般の病院等においても受入れをしていただいているところもありますから、そういったところを念頭に置きながら、対象の拡大あるいはこのスキームの拡大を図っていきたいと思います。
○小池晃君  余裕があればとかそういうんじゃなくて、決意をちゃんと示していただきたい。現場の人たち、本当困っているんですから、これは。
 それから、帰国者・接触者相談センター、これですね、ここに相談しなさいと。しかしですよ、今、市中感染が始まっているわけですよ。別に帰国者だけじゃないわけです。接触者と言われたって、接触したかどうか分からないんですよ。どこだって接触する可能性があるんですよ。
 帰国者・接触者相談センターと。これ、もう自治体の広報なんかを見ても、心配な人は、これ東京都の広報を見ると、コロナウイルスが発生しています、相談窓口、帰国者・接触者電話相談センター。これじゃ駄目じゃないですか。これ、名前変えるべきじゃないですか。
○国務大臣(加藤勝信君)  まさに今、今の東京都の広報のように、この新型コロナウイルスについてはそこに相談してくれ、あるいはそういう外来をしてくれともう周知をしているわけでありますから、ここで改めて名前を変えれば、逆に私は混乱すると思います。むしろ、そうした外来であり、相談支援センターに、新型コロナウイルスの疑いがある人はしっかりと言ってください、相談をしてください、回ってください、そういった周知を更に図っていくということの方が私は混乱を招かないというふうに思います。
○小池晃君  そうかな、僕は、あのね、これ、やっぱり誤解を招くと思いますよ。帰国者・接触者相談センター。ああ、自分は帰国者でもないし、接触した覚えもないし、熱はあるけれども違うのかなと、普通思いますよ。どうですか。
○国務大臣(加藤勝信君)  いや、ですから、最初は名前を変えるということも、途中ですけれどもね、考えましたが、まさに東京都がそういうふうに広報されているんですよ。(発言する者あり)いやいや、違います。東京都を始め、いろんな皆さん方がそうやって広報をし、そういう看板を出させて、出されて対応している中で、違う名前が出てくれば、それは現場の皆さんや国民の皆さんは混乱する。やはり、大事なことは的確に言っていただく、そのことをしっかり周知を図っていくということの方が私は大事じゃないかなというふうに思っておりますし、引き続き、今委員御指摘のような誤解がないように、しっかりとまたPRを重ねて周知を図っていきたいというふうに思います。
○小池晃君  名前変えるつもりないと言うんですが、その相談センターで必要があるとなれば、帰国者・接触者外来に行くんですね。
 帰国者・接触者外来は全国で何か所ですか。二月一日からの受診者数の数は何人ですか。
○国務大臣(加藤勝信君)  外来でよろしいですね。
 四十七都道府県、八百、これはですね、三月二日の十七時時点で我々の手元にある数字でありますが、四十七都道府県、八百四十四施設であります。
 受診者、これは全てから、都道府県から上がっているわけじゃありませんが、我々の把握している限り、二月の一日から三月の一日で二千百八十五件というふうになっています。
○小池晃君  でね、一月間で、これ八百四十三か所で二千数百だからね、一月で一か所二人ちょっとなんですね。すごい少なくないですか。すごい少なくないですか。これ、相談センターの相談件数、六万件以上なんですよ。六万件を超える相談を受けながらですよ、その三十件に一人ぐらいしか受診していないわけですよ。
 私ね、率直に言って、帰国者・接触者相談センターというのがバリアになっていないか。やっぱりね、そこに行って、そこで受診をちゃんと誘導してるのか。もちろん、現場の人は頑張っていると思いますけど、この数字は余りにも少な過ぎるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君)  委員御指摘のように、全国で相談件数は七万件あります。ただ、この七万件の中には、全部自分が病気だからというんじゃなくて、一般的な質問も含めて出てきているところであります。
 ただ、相談センターに行っても外来になかなかつないでいただけない、こういう話もありましたので、改めてそこは周知を図らせていただいて、この相談センター、まあこれは保健所ということになりますけれども、保健所に対しては、そうした疑いがあって相談した方は確実に帰国者・接触者外来につないでいただきたいことを改めて周知をさせていただいているところであります。
○小池晃君  帰国者・接触者外来に受診している数は余りにも少ないという印象はお持ちになりませんか。
○国務大臣(加藤勝信君)  これは、先ほど申し上げた二千百八十五件そのものが、その報告が上がってきた数字ということでありますから、これはまず全部でないということがまず一つあるというふうに思います。
 それから、手元の数字を見ると、多い日においては、例えば二月の二十五日等においては二百七十七相談があります。このときは四十の都道府県から報告が上がってきているということでありますので、手前、最近においてはまだ全体の三分の一の都道府県しか、直近の数字はですよ、上がってきていないので、全体像としてつかみ切れないということであります。
○小池晃君  全体の三分の一にしても、月に二人が六人になるぐらいですから、やっぱりこれ桁が違うと思うんですけどね、私。だから、やっぱりちゃんと機能しているのかどうか大変この数字を見ると不安になるわけですよ。
 それから、先ほども議論にありましたPCR検査を保険適用する、私は、保険適用をするのはこれは必要だと思うんですが、これ、先ほどあったように、当面はこの八百四十三の帰国者・接触者外来だけで対応するということですね。
○国務大臣(加藤勝信君)  外来とそれから感染症等の病院、あるいは一般でも受けていただくところ、いわゆる入院施設のある病院等が対象になるということであります。
○小池晃君  だから、保険適用をしてもその検査ができるのは、全国十一万ある医療機関の中で八百四十三だということですよね。
○国務大臣(加藤勝信君)  これは先ほども御議論申し上げましたけれども、やはり疑いのある方は一定のところに行っていただきたいということが前提であります。ほかのところに行ってそれ以外の患者さんと交わると、逆にそれが感染拡大につながるということですから、これはちょっとPCRとは別の問題として、限られたところで受診をしていただく、このことをお願いをしておりますので、当然、そこからPCR検査に回っていくということになるわけであります。
○小池晃君  素直に答えて。いや、ちゃんと事実を私は認めるべきだと言っているんですよ。
 あのね、私も、もうどこでもこのPCRができるようにすべきだということを主張しているわけではありません。これ、咽頭拭い液を取る、あるいは吸たんをする、そうすると大変な被曝の危険があるわけですね。シールドを着けてやっぱり防護してやらなきゃいけないわけだから、何か、どんな医療機関でもやるべきだとは私も思いません。それから、何の症状もないのに安心になりたいから検査を受けたいとか、そんなことまで受けていたらキャパシティーをオーバーしてしまいます。
 だから、一定の制約することは当然だというふうに思いますけれども、総理は昨日こう言ったんですよ。かかりつけ医が必要と考える場合には全ての患者がPCR検査ができると。こういうことを言ったら誤解されませんか。
 総理、私は率直に、こういったことはやっぱりきちんと訂正すべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君)  ですから、今はそういうことでありますけれども、先ほど申し上げたように、これから患者数が増加していくことになれば、この帰国者・接触者外来ということでの対応はできなくなり、一般の医療機関でしっかり感染防御をしていただく、そういったところの対応をお願いをしていく、まさにかかりつけ医でお願いをしていくということでありますから、その段階ではかかりつけ医からPCR検査が回ってくる、それにも対応できるようにしていく、これは当然のことだと思います。
○小池晃君  あのね、今はできませんなんて総理は一言も言わなかったんですよ。かかりつけ医であればどこでもできるようになるんだと、かかりつけ医が必要と考える場合には全ての患者がPCR検査できるとおっしゃったわけですよ。
 こういうのは独り歩きするんです。恐らく多くの国民は、保険適用されればどこでも検査受けられるんだろうなというふうに思われたと思いますよ。実は違うわけじゃないですか。十一万のうち八百四十三か所でしかできないわけですよね。しかも、接触者外来をやっている病院というのは公開されていませんから、国民から見ればどこでやっているか分からないわけですよ。テレビなんかで紹介されているのは、よく紹介されているのは、クリニックに行ってお医者さんが診て、検査したいと思って保健所に相談したけどできませんでしたということをやっているじゃないですか。
 やっぱり今までは、ある意味でいえば、曲がりなりにもですよ、公的検査をドクターが依頼をすれば、保健所に相談すれば、場合によっては受けるケースもあったと思うんです。ところが、今回は保険適用される、そうなると八百四十三の医療機関でしかできなくなると。最初からそこしかできなくなるということになるわけですよ。私は、別にそれがいいとか悪いとか、今のキャパシティーからいったらそうなのかもしれない。でも、やっぱり国民に対してもっと正しい情報を伝えるべきなんじゃないか。やっぱりきちんと総理の言葉で、私が言ったことはこういうことなんですと説明してください、じゃ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  私は、今すぐそれができるというふうには申し上げていないわけでございまして、様々な対応をしていく中において保険適用をしていく、そしてまた、この検査キット等についても強化をしていく、拡充をしていく中において、今厚労大臣が申し上げましたように、次のフェーズにおいて、かかりつけ医等、地域の医療機関において、これはPCR検査を受けるべきと言われた方についてはPCR検査が受けられるようにしていくというふうに申し上げているわけでございます。
○小池晃君  だから、現時点では、本当にごく一部の、八百四十三ですから、そういう医療機関だけでやりますということをはっきり言ってください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  現時点とですね、私はこれからそれを目指していくということを混同させたわけでは全くないわけでございまして、私の会見等を見ていただければそういう誤解は生じないものと思うわけでございますが、現時点においては、まさに今厚労大臣から答弁をさせていただいたとおりでございますが、その次のフェーズにおいてはそれを目指していくということを申し上げているところでございます。
○小池晃君  あのね、私は言葉が足りないと思いますよ。言葉が足りないと思いますよ、総理。
 総理、こういう説明じゃ駄目ですよ、やっぱり。きちんともう一回、ちゃんと総理の言葉でこういうことなんだと言ってください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  いや、それはもう既に申し上げているとおりでございまして、小池委員が言われているように、今そうだというふうには、私はそれは全く言っていないわけでございまして、それは小池委員がですね、言わば……(発言する者あり)いやいや、それはそんなことはないわけでございまして、それは今、加藤大臣から答弁をさせていただいたとおりでございまして、まさに次のフェーズにおいては、かかりつけ医あるいは地域の医療機関の先生方においてPCR検査が必要だと、こういうふうに判断された方についてはPCR検査ができるようにしていくと、このように申し上げているわけでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君)  安倍内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  これ、私が述べたことはですね、ことは、検査の中で二、三時間を要しているウイルスを検出するための作業を十五分程度に短縮できる新しい簡易検査機器の開発を進めています。この一か月間、試薬の開発、精度向上などに取り組んできたところであり、三月中の利用開始を目指します。こうした取組を総動員することでと、これ私言っています。
 これは、これは、会見、会見に、会見において、本部においての私の発言でございますが、これ本部においてこれ言っているんですから、その本部での発言が誤解を招くと小池委員は言っておられますから、それを今、手元にある、これ私の発言、発言をそのまま読まさせていただいております。かかりつけ医など、身近にいるお医者さんが必要と考える場合には、全ての患者の皆さんがPCR検査を受けることができる十分な検査能力を確保いたしますと、こう言っているわけでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君)  安倍内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  来週中にPCR、PCR検査に医療保険を適用いたします。これにより、保健所を経由することなく民間の検査機関に直接検査依頼を行うことが可能となります、民間検査の検査能力も大幅に増強されますと、こういうふうに申し上げており、その次に先ほど申し上げたことを言っているわけでございますから、今すぐにできるということを私は全く申し上げていないということは明確ではないかと、このように思います。
○小池晃君  いや、これを読めば、保険適用により、保健所を経由することなく直接検査依頼を行うことが可能となりますと言っているわけですね。だから、これを普通の人が聞いたら、ああ、保険適用されればこれは検査出せるようになるんだなと思うじゃないですか。だから……(発言する者あり)何か、つまらないことって自民党の席から言ったけど、こういうことが大事だと思いますよ、僕は。やっぱり、だって、笑っているけど、総理、国民の皆さんは本当に不安に思っているんだから、正確に、誤解の余地なきようにきちんと総理が自分の言葉でしゃべるということがこういうときは大事じゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  これを見ていただければ明らかなんですが、今申し上げました、大幅に増強されますと言い、そして、加えてと言って、加えてと言って、この言わば十五分程度に短縮できると、簡易検査機器の開発を進めていますと、(発言する者あり)いやいや、別じゃなくてこれはつながっているんです。いや、だって、その次に来ているんですから。これ見ています、それ。
 で、機器の開発を進めています、この一か月間、試薬の開発、精度向上などに取り組んできたところであり、三月中の利用開始を目指します、こうした、こうした取組を総動員することでと、こう言っているわけでございまして、その後、かかりつけ医などということを申し上げているわけでございまして、言わば小池さんが言っておられることは、全然、誤読されておられるんだろうと、このように思います。
○小池晃君  何か、読み方が悪いんだと、誤解をする方が悪いんだみたいな、そういう開き直りですよね、はっきり言って。やっぱり、こういったことはやっぱり素直に認めた方がいい。だって、今日の新聞だって、それをどう取るのかって、結構、各紙いろんなこと書いていましたよ。やっぱり、みんなこれ、どうなっているんだろうと思っているわけですよ。
 だから、はっきり言えば、保険適用しても全てのかかりつけ医で検査を受けることなどできないんです。八百三十四の医療機関しかできないわけです。八百四十三の。今後、もしも感染が拡大して新たなフェーズになったときには一般の医療機関でもできるようになるかもしれません、こういう世界でしょう。検査能力の問題だってあるわけでしょう。
 やっぱりそういったことをちゃんと語らなければ、いや、保険適用、今週中にできますと、そうしたらすぐ病院にみんな行きますよ。私、検査してくださいって出てくると思いますよ、このままだと。そういうふうになったらまずいじゃないですか。だから、正確な物言いをするべきだと。私は別に、総理を、何というか、糾弾、批判しているんじゃなくて、やっぱり丁寧な説明をしていただきたいということを繰り返し求めているんですから、素直に言ってくださいよ。
 ということなんですが、私が言ったとおりでよろしいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  いや、まさに私が申し上げたことは、先ほど申し上げましたように、民間、民間検査機関の検査能力も大幅に増強されますと、こう言っているわけであります。それはPCR検査に医療保険を適用いたします、これによりと、保健所を経由することなく民間の検査機関に直接検査依頼を行うことが可能となります、そして、民間検査機関の検査能力も大幅に増強されますと、こう言っているわけでございます。
 そして、加えて現在と、こう言って、そして、三月中の利用開始を目指しますと、こう言っているわけであります。その後の、精度向上又は十五分程度に短縮できるということについて述べ、そして、その上において、こうした取組を総動員することで、かかりつけ医など、身近にいるお医者さんが必要と考える場合には全ての患者の皆さんがPCR検査を受けることができる十分な検査能力を確保いたしますと、こう言っているわけでございまして、それは、今、当然これ、こうしたことを総動員すると言っているわけでありますから、三月中の利用開始を目指していくということ等について、そうした、そうしたことを総動員した後ということで述べているところでございます。(発言する者あり)
○国務大臣(加藤勝信君)  ですから、先ほど私御説明しましたように、また、ある意味ではそれを小池委員が復唱されたという部分はあるんだと思いますけれども、いや、総理は総理としてしっかりと、我々、そごのなく発信をしていると思いますけれども、現時点で申し上げれば、まず、このPCR検査云々は別として、やはり疑いのある方は、接触者、ごめんなさい、帰国者・接触者外来、ここで受けていただくことが、他の病気を持っている方に感染をさせないためにも非常に大事であります。
 そして、そこに来ていただいて、その帰国者・接触者外来の先生が総合的に判断して必要だとした場合には、これまでは保健所の一応許可といいますかあれが必要ですから、必要でしたけれども、保険の適用になればそれはパスしてそれぞれの民間の検査機関等で検査をしていただく状況ができるという、これが今の状況であります。
 ただ、今後、この増加、感染者が増加することになれば、こうした帰国者・接触者外来でも適応、対応できなくなってくれば、当然、感染防止を行った一般の医療機関、まさにかかりつけ医で対応していただくということになります。その場合には、それまでにも検査能力を上げていく努力をしていく必要がありますけれども、そうした段階ではかかりつけ医からPCR検査を出していただいて、それに対してという仕組みをつくっていく、それに向けて努力をしていくと、これが今の私どものスタンスであります。
○小池晃君  僕は、今、コミュニケーション、本当に大事だと思うんですよ。リスクコミュニケーションですよね。やっぱりこれだけ国民が不安を抱えているんだから誤解の余地のない丁寧な説明に心掛けるべきだと思うし、やっぱりあの説明を聞けば、ああ、もうPCR検査を受けられるようになるんだろうなと受け取った国民は私はかなりいると思いますよ。かなりいると思いますよ。マスコミの皆さんだってそういう前提で書いているところだってありましたよ。誤解を生んでいるんですよ。
 それから、帰国者・接触者外来というようなワーディングだって、僕はこれはやっぱりいかがなものかと思いますよ。こういったことをやっぱり丁寧にやることがこういうときは一番大事なんだということを申し上げたい。
 国立感染症研究所の年間予算、今まで最も予算額が多かったのはいつで、幾らでしたか。
○政府参考人(宮嵜雅則君)  お答え申し上げます。
 ここ十年で一番多かったのは平成二十一年度でございまして、九十八億七千五百万でございます。
○小池晃君  事前にもらっているのは違うんですけど、平成十九年度、百七億一千七百万円、百七億。
 今は幾らですか。令和二年度予算。
○委員長(金子原二郎君)  宮嵜健康局長。はっきりおっしゃってください、はっきり。
○政府参考人(宮嵜雅則君)  お答え申し上げます。
 二年度は、予算案でございますので、元年度の当初予算では六十億五千万円でございます。
○国務大臣(加藤勝信君)  平成十三年度以降ということで、平成十九年度の予算、ちょっと私の手元の数字では百七億一千七百万であります。令和二年度においての当初予算は六十四億九千六百億であり、ごめんなさい、六十四億九千六百万円であります。
 ただ、平成十九年度には施設の、新設工事、要するに工事費が相当入っているという事情があります。そうしたものを除きますと、施設工事費、整備費を除いた数字では、平成二十年度の六十三億九千五百万円が一番大きい数字で、令和二年度は六十二億五千六百万ということで、それほど多寡がない、差がないということになります。
○小池晃君  職員数、実人数では今何人ですか。
○国務大臣(加藤勝信君)  令和二年二月一日現在でありますが、研究所全体では、これ実員でありますけれども、三百四十八名ということであります。
○小池晃君  新型コロナウイルスを担当するウイルス三部の実人数と、それから今行われている検査の件数と、実際にその検査に携わっている人は何人か、お答えください。
○国務大臣(加藤勝信君)  ウイルス三部は十六名であります。
 また、新型コロナウイルスのPCR検査については、今申し上げたウイルス三部の方を中心に、研究所内の他の部からの応援及び新たに確保した、この派遣技師もお願いしていますので、合計七十八名の中から、ローテーション、これはもう二十四時間というわけにいきませんから、ローテーションを組んで対応させていただいております。
 また、二月十八日から二十九日までの間に国立感染症研究所で実施したPCR検査の件数は、千九百四十六件となっています。
○小池晃君  ローテーションという話で、実際に検査に当たっておられるのは十一人から十三人ぐらいで常時やっていると聞いていますから、本当に大変な中で奮闘されているとは思うんですね。
 一方で、アメリカはどうか。アメリカのCDC、疾病管理センター、これ、今パネルにしてまいりましたが、(資料提示)トム・フリーデン前長官の最近のレポートを見ました。年間予算百二十億米ドル、アメリカ国民一人当たり四十ドルですね。常勤職員一万四千人、それ以外に契約職員が一万人。国立感染研の予算の二百倍、四十倍以上の人員でやっているわけですよ。
 すぐにこんな水準はできません。ただ、日本でも、十分な予算、質、量共に十分な人材、ほかの機関との緊密な連携、そして、政治から独立をした、やっぱり感染症対策のセンター、必要じゃないかなと。総理、やっぱり国を守るというんであれば、こういう部門にこそ潤沢な予算を注ぎ込む、アメリカのCDCのような、やっぱりこういう体制つくっていくための第一歩を、今回の機会にやっぱり国立感染症研究所の抜本的な強化すべきじゃありませんか。いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君)  今回のCDCだけではなくて、アメリカと比較すると彼我の差を常に感じることは、私も常に痛感をさせていただいているところであります。
 そういった意味で、今回、感染症対策に当たっては、委員御指摘のように、国立感染症研究所、あるいは地方においては地方衛生研究所の皆さん方が本当に今必死になって対応していただいているところでありますし、また、常時、感染症のサーベイランス業務も実施をしております。また、地域でこうした感染症が出れば、先ほどの第三部ではありませんが、違うセクションからその疫学の専門家が行って、現地において積極的疫学調査等も対応させていただいている。さらには、日本の環境感染学会等、いろんな方の御協力もいただきながら、今日やらせていただいているということであります。
 一気にCDC、また、CDCそのものは、御承知のように、アメリカの保健福祉省の直轄の執行機関、そしてCDCの所長は大統領の任命、いわゆるポリティカルアポインティーということになります。そういった意味で、これは制度の違いがいろいろありますから、直ちにそれを導入するということには私はならないと思いますけれども、いずれにしても、今回の感染症のこうした状況への対応を考えて、こうした組織面であり、人員面であり、能力面であり、ある意味では予算面においても更に充実を図るべく努力をしていきたいと思います。
○小池晃君  抜本的な強化が私は必要だというふうに思います。国立感染症研究所をやっぱり強化していくと、そして、CDCのような組織目指していくと。
 中小零細企業から今、悲鳴が上がっています。政府の要請で外出を控える、外食をやめる、イベントを自粛する、そういう間も中小業者は家賃は出ていく、リース料は出ていく、未払金の督促も待ってはくれない、どんどん出血が続く。一方で収入の道が断たれるわけですね。一体どうしてくれるのかという声が上がっています。
 経産省に聞きますが、リーマン・ショックのときは二十兆円の緊急保証制度、九八年の金融危機のときは金融安定化特別保証制度、三十兆円まで拡大しました。ところが、今回五千億円です。これ二月十三日に決めたわけで、事態は全く変わっているわけですから、これは思い切って拡充をするべきじゃありませんか。
○国務大臣(梶山弘志君)  全国に設置しました相談窓口に各地の幅広い業者から、幅広い事業者から、特に資金繰りに関する相談が約六千件寄せられております。こうした事業者からの相談の状況を踏まえて、当面の緊急的措置として融資、信用保証枠の需要を最大限見積もった結果として約五千億円を確保したところであります。まずは、この執行の加速化に全力を挙げることが重要と認識をしております。このため、今週月曜日、昨日ですけれども、三月二日には早速全ての都道府県を対象にセーフティーネット保証四号を発動をいたしまして、本日、五号の対象とする業種も公表をしたところであります。
 リーマン・ショックを背景とする世界的な経済金融危機時にも、影響の広がりを踏まえて段階的に支援措置を講じていったものと承知をしております。引き続き、事態の変化、事業者に与える影響を丁寧に把握をし、過去の対策も参考にしつつ、必要な対策を検討してまいりたいと考えております。
○小池晃君  愛知県の舞台イベント業をやっている方から声が寄せられました。日本政策金融公庫のコロナ支援を見付けて、公庫に電話をしました。あくまで普通貸付けに対してコロナの影響を加味していくものですので、通常貸付けのような審査があります。過去の決算書二期、本年度の試算書を持ってきてください。一、二週間後に面談して、その後融資の可否が決まりますと。コロナ、コロナと言いながら、これやっているふりだけしているんじゃないかと、この方怒っていますよ。こういうことでいいんだろうかと私、思うんです。
 もう本当に、この方言っているのは、私が何をしたのでしょうか、何かしくじったのでしょうか、何でこうなるんですか、余りにも理不尽じゃないかと。こういう声ですよ。私、本当に真剣にやっていただきたいと思う。
 経産省の新型コロナ対策の中で予備費計上しているものはありますか。
○国務大臣(梶山弘志君)  予備費のお尋ねありました。
 先ほど申しましたその五千億の規模の貸付保証枠を設定するとともに、サプライチェーンの毀損などにも対応するための支援を盛り込んだところでありまして、四億五千万円予備費を計上しておりまして、マスクの生産設備導入補助事業ということで、マスクの製造業者や原材料の製造業者などによる設備投資を支援し、国内での増産を早期に実現するために措置したものでありまして、二月二十日の公募開始後、先週末に第一弾として三件の支援を決定をしたところであります。
 引き続き、今回の事態の状況変化を見極めつつ、必要な対策を速やかに講じていくところであります。
○小池晃君  四億五千万円だけでしょう。これでいいんですかという話ですよ。
 厚労省に聞きます。
 新型コロナウイルスに係る衛生環境激変特別貸付け、説明してください。
○国務大臣(加藤勝信君)  新型コロナウイルスの発生及び感染拡大により影響を受けた旅館業等営業者の資金繰りを支援するため、日本政策金融公庫から、二月二十一日より、衛生環境激変対策特別貸付けを実施をしております。
 この貸付けは、感染症や食中毒の発生による衛生環境の激変に伴い一時的に業況が悪化した生活衛生関係営業者の経営を安定させるため特別に実施される制度でありまして、貸付利率については、振興計画に基づく事業を実施している者については基準金利より〇・九%低い利率を適用するということであります。また、それ以外の者については基準利率、これ、基準利率は三月二日現在一・九一%であります。
 また、営業者からの返済猶予等の条件変更について柔軟な対応を行うよう、日本政策金融公庫に対して要請を行っているということであります。
○小池晃君  金利一・九でしょう。これね、今どきこれでは高金利ですよ。売上げが激減している中小業者の支援にこれでなるんですか。これは経産省かもしれないが、財投からの調達金利は今〇・〇〇三%ですよ。〇・〇〇三%ですよ。無利子、無担保、個人保証なしにすべきじゃないですか。
○国務大臣(梶山弘志君)  利息につきましては、今おっしゃったとおり一・九一。この経費につきましては、調達金利と経費と、信用に対する与信の経費を織り込んでいるところであります。今おっしゃったような無担保ということではありますけれども、無利子はなかなか難しいと思っております。
○小池晃君  〇・〇〇三%で借りたお金を一・九%で貸す。高利貸しとは言いませんよ、さすがに私も。でも何とかなりませんか。
○国務大臣(梶山弘志君)  利息につきましては先ほど言いましたような状況でありまして、構成されて、そういうもので構成をされているということでありますが、段階、状況の変化に応じていろいろな政策というものはあろうかと思います。そういったところに利子補給であるとか、そういったものも出てくる可能性はあると思っております。
○小池晃君  状況は変化しているんですよ、激変しているんですよ。総理、こういったこと検討すべきじゃないですか。
○国務大臣(梶山弘志君)  まだ貸付けが始まったばかりでありまして、先ほどいろんな例がありましたけど、もう一回丁寧な御意見を聞くような指示をしたいと思っておりますけれども、まずはこのセーフティーネット貸付けとセーフティーネット融資をしっかりとやっていくことだと思っております。
○小池晃君  急いでやらなきゃ、こういうことこそ。一律休校よりもこういう方が急ぐんですよ、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  金利、経産大臣からお答えをさせていただいた金利については、これは災害のときと同じ金利でございますが、それ以上の要因ということがあれば、また今回のことについては相当特別な要因が多々あると思いますので検討したいと思います。
○小池晃君  災害以上の要因があるわけですよ。政策による要因があるわけですよ。だから私は政治の責任が問われていると。
 全体の経済でいうと大変なことになっている。雇用情勢も悪化している。GDPは十―十二月期でマイナス六・三。そこに雇用の悪化が加わっているわけですね。これは消費税ですよ、この最大の原因はね。そこにコロナウイルスの問題が加わって大変なことになっている。
 一月に破産申請した山形唯一のデパート大沼山形本店は、代表取締役が、消費税増税後、売上高が前年比で三割、四割減少した異次元の落ち込みだと。そして、大手百貨店二月の売上げも、三越銀座店マイナス三六・二%、昨年リニューアルした大丸心斎橋本店マイナス四五・五%。
 総理、やっぱり次元の違う大不況が起こりつつあるんじゃないですか。次元の違う対応が必要だと私は思う。やっぱり消費税増税が大不況の引き金を引いたんだから、総理、やっぱり消費税五%の減税に踏み切るということも含めた抜本的な経済対策を求めます。総理、答えてください。
○国務大臣(西村康稔君)  新型コロナウイルス感染症の経済への影響、これ、かなり厳しいものが日本経済に現れているという認識は持っております。
 一方で、消費税は、これは消費税率引上げ分、これ全て社会保障財源に充てられるということになっておりますので、これは、高齢者への安心あるいは全世代型社会保障改革へつなげていく上で、我々どうしても必要なものだということで実行したわけでございます。
 他方、前回以上に今回は対策をしっかり打って、これは軽減税率もあります、それから幼児教育、保育の無償化もあります。様々な対策を打っておりますので、このことで負担は一定の支え、負担軽減になっているというふうに思いますけれども、いずれにしても、海外リスクに備えて、先般成立しました補正予算をしっかりと早期に実行して万全の対策を打っていきたいというふうに考えています。あわせて、二千七百億の予備費を活用していくということでございます。いずれにしても、ちゅうちょなく、状況を見ながら、経済運営には万全を期していきたいというふうに考えております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  消費税の引上げを財源にして何を行っているかということについては西村大臣から答弁をさせていただいたとおりでございますが、全世代型社会保障制度へと大きく転換をしていくためにどうしても必要なものであったわけであります。
 他方、経済財政運営については、引き続き、消費税率引上げによる影響について注視をしてまいりますが、今般の新型コロナウイルス感染症が景気全体に与える影響に対しては、二十六兆円の総合経済対策を着実に実行し、そして世界経済の動向も十分に注視しながら、そのインパクトに見合うだけの必要かつ十分な経済財政政策を行っていく考えでございます。
○小池晃君  私は、余りに危機感がなさ過ぎると思います。
 しかも、社会保障、全世代型、今日、議論、ちょっと時間の関係でできませんが、全世代型の大改革ですよ、これはっきり言って。そういう問題もあるということを申し上げておきたいと思います。
 残りの時間、職場におけるジェンダー平等の問題、男女の賃金格差の問題を取り上げます。
 これは、OECDのデータを基にG7のフルタイム労働者の男女間の賃金格差を示したもので、日本は格差が最も大きい。しかも、女性は非正規の比率が高いですから、実際はもっと大きいと思うんですね。
 厚労省は、この要因について、どう認識し、どう打開しようとしていますか。
○国務大臣(加藤勝信君)  これ、フルタイムですよね。
 いずれにしても、男女間の賃金格差の改善を図ることは重要な課題であります。
 男女間の賃金格差がどういう要因で起きているのかということについて、厚労省等の統計等を使って分析をさせていただいた中においては、やはり管理職における比率が男女で随分違うということ、それから勤続年数がまたこれ男女で違うということ、こういったことが主とした要因として挙げられているわけでありまして、したがって、管理職、女性の管理職の登用を進めるとともに、職業と家庭生活を両立しやすくするということなどを通じて、女性が働きやすい環境をつくり、勤続年数が延びていくと、そういった中で男女間の賃金格差の改善を進めていきたいというふうに思っております。
 厚労省では、昨年五月末に成立した改正女性活躍推進法において、管理職比率の目標など、自社の課題に基づいた目標設定をし、取り組むための事業主行動計画の策定義務の対象範囲を、これまでの三百一人から百一人まで拡大を、対象の企業を拡大いたしました。また、保育の受皿の整備等、両立支援体制の整備も更に進めていく、こうした取組を総合的に進めていくことで男女間の賃金格差の解消を図っていきたいというふうに考えています。
○小池晃君  勤務、勤続年数短いというけれども、賃金構造基本統計調査でも、入社時点で既に男性の八六%程度であります。
 情報公開だとおっしゃいました。これは第一歩です。しかし、昨年の女活法の審議の際に、賃金格差の公表が義務付けられませんでした。省令で、必要に応じて把握しなければならないとあるだけです。
 把握することすら必要に応じてであり、義務ではありません。これでどうして是正が進むんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君)  今議員御指摘のように、今回の女活法の改正では様々な議論がありまして、女性活躍推進法に基づく情報公表や行動計画を策定する際の状況把握、これを、男女の賃金の差については義務としていない。一方で、男女の賃金の差異は各企業における女性活躍推進のための取組を測る上で大変重要な指標であるということから、行動計画の策定指針、これ策定指針というのがありますが、そこにおいてその積極的な把握を行う重要性を明記するなど、事業主が積極的な把握に努めることを促す対応も行ったところであります。
 さらに、この取組をよくしているという企業に対してプラチナえるぼしというのを出すことにしておりますが、その認定基準においても、雇用管理区分ごとの男女の賃金の差異の状況の把握をしっかり行っているということを認定基準の一つにもさせていただいているところであります。
○小池晃君  あれこれ言うけど、賃金格差の把握を何で義務にしないんですか。公表を、賃金格差の公表を何で義務にしないんですかと言っているんです。
○国務大臣(加藤勝信君)  これはまさに議論をした昨年の労働政策審議会においては、男女の賃金の差異は複合的な要因の結果の指標であることから単純な企業間比較が難しく、一律に公表すると求職者の誤解を招くおそれがある、その主な原因である男女間の管理職比率と勤続年数の差異、これは既に必ず状況把握が必要な項目とされているということ、また、企業負担を考慮すると、更に男女の賃金の差異の状況把握を義務化することについては慎重な検討が必要である等の意見があって、先ほど申し上げたような対応になっているということであります。
○小池晃君  企業側の要求がそうだったということだと思うんですが、労働政策研究・研修機構の調査では、男女間賃金格差指数を定期的に計算、分析している企業は僅か三・三%、八割の企業は計算したことがないと言っているわけです。自主性に委ねていたらば、やっぱり男女賃金格差を把握して解消する取組を行う企業は少ないんですよ。これが実態なんですね。
 企業をして性差別の解消とか男女間の格差縮小に向けて本気で取り組ませるためには、まず企業自身に把握をさせて、公表までいかなくても、まず把握はさせて、そして企業自身が気付くということがどうしても必要じゃないですか。そのことも否定されるんですか。
○国務大臣(加藤勝信君)  まず、委員御指摘のように、使用者側の意見だけではなくて公益委員からも、例えば、近年女性の採用に積極的になるとなれば……(発言する者あり)いやいやいや、勤続年数が短い層に女性が多くなって、結果的に男女間賃金が広がってしまう、まさに女性労働の構造変化が、構造が変化しつつある現状では女性活躍の取組の実態を反映しない数字となる懸念があること等の意見もあったということは申し上げておきたいというふうに思います。
 その上において、今御指摘のように、企業自身に男女間の格差、男女の活躍に向けた課題をしっかりと認識をしていただき、それを解消するための取組を促すことは重要でありまして、そのための施策がまさに女性活躍推進法そのものでありますので、こうしたことを通じて企業における取組がしっかりと進んでいくと。
 それから、先ほど申し上げた女性の管理職比率とか男女の平均勤続勤務年数など、これはもうしっかり把握してもらうという指標になっておりますから、そういった指標を把握をし、行動計画を策定する等々を通じてしっかりと……(発言する者あり)いやいや、そういうことを通じて、まさにこの女性活躍推進法というのはそういったことを、自分で状況を把握し、策定し、そして一部の数字を公表する、こういうことを通じて企業の取組を促すと、こういう仕組みになっているわけであります。
○小池晃君  聞いていることに答えてくださいよ。何で賃金格差という大事な指標を把握することすら義務にしないんですかと言っているんです。
○国務大臣(加藤勝信君)  いや、ですから、それは、先ほど申し上げた労政審の議論等を踏まえ、また、それ自体の数字や、先ほど公益委員のお話を申し上げましたけれども、女性活躍を推進しなきゃいけないと新規でたくさんの女性を採用したと、そういうところでは、当然、勤続年数短いですから男女間格差の比率は広がると、こういうことになりますので、それが的確な指標なのかどうかと、こうした指摘もあったということであります。
○小池晃君  全く答えていない。
 労政審で要するに否定されたというだけの話ですよね。要するに、把握を義務にしなければ企業は計算すらしないんだという実態があるじゃないですか。
 イギリスはですよ、イギリスは、この情報公開を条文で二〇一〇年に義務付けたんです。しかし、実際やってみたら、自主的にやらせようと、雇用主の自主的な取組でやろうといって、やらなかったんです。義務にしなかったんです。ところが、これでは全然やらないということで、二〇一七年に義務化に踏み切ったという経過もあるわけですね。私は、やっぱりこれはきちんと法律で義務にすることなしに企業に気付きはないですよ、企業は動きませんよ、それが必要だと。
 財務省にも聞きます。
 有価証券報告書では、九九年三月まで、平均給与月額、平均勤続年数、従業員数、全部男女間で開示していました。何でやめたんですか。有価証券報告書で公開された貴重な情報は、これは格差是正を求める労働者、女性運動の非常に重要な指標になっていた。復活すべきじゃないですか。
○国務大臣(麻生太郎君)  今御指摘のありました有価証券報告書というのは、これは省令の改正によって一九九九年の三月までに、これで廃止されております。これを今復活すべきではないかという話だね、小池さんの言っているのは。
 本来、金融証券取引所の有価証券報告書というのは、投資者のこれは投資判断に資することを目的として、企業の事業内容や財務内容を開示を求めるというものがこの本来の趣旨であります。
 したがいまして、有価証券報告書、男女別の従業員に関する平均給与の月額などの情報開示は、これ、企業に対してこれを再び義務付けろというわけでしょう。そのことに関して、これは投資者の投資判断にとっての有用性があるかと、また開示する企業の負担等々を考えて慎重に検討することが必要だと思って、これは自由にやっていますので。たしか自動車会社なんか、スバルなんかやっていない、まだ。スバル、知らない。スバル、あそこの会社には載っかっていますよ、これ、両方やっているところ。だから、両方やっているので、義務付けられてはいませんけど、やっているところもあるというように理解されてはいかがです。
○小池晃君  だから、何でやめたんですか。やっているところもあるわけでしょう。私、投資にこれ重要な情報だと思いますよ。ジェンダー平等を重視している企業かどうかというのは、将来その企業が本当に社会的にやっぱり発展していくかどうかの大事な指標じゃないですか。むしろ公表を義務付けるべきですよ。どうですか。
○国務大臣(麻生太郎君)  これ、今申し上げましたとおりに、少なくとも投資者、投資者にとって、投資判断にとって有用性があるかどうか等々いろいろ考えた結果、また、この企業がさせられる、開示する企業の側にとっても負担ですからね、当然のこととして。経営者にすれば結構負担よ、これ。だから、そういった意味では、総合的にこれ慎重にすることだということで判断されたんだと理解していますが。
○小池晃君  いや、企業にとって負担、それは負担になるでしょう。しかし、そういう情報を明らかにすることは社会にとって大きなメリットになるじゃないですか。なぜそれをやらないのかと言っている。
○国務大臣(麻生太郎君)  今申し上げました有価証券取引書の記載内容について、これは従来の単体情報の開示から、これ連結情報等々を開示する、転換する中で、開示項目がいろいろ簡素化されていった、あのときたしかそうだったと記憶していますから、そういった中の一環として改革されたんだと思っていますが。
○小池晃君  財務省財務総合研究所のレポートにこのような記載がありました。男女間の賃金格差については、女性の活躍に関する進捗を図る観点でも有効な指標であるにもかかわらず、企業内部では把握は義務化されておらず、外部からも確認できない状況となっている。働く女性が直面している男女間の賃金格差の解消は、男女平等を推し進めるのみならず、女性及び次世代を担う子供の貧困リスクの減少にも寄与すると考えられる。
 これ、個人的見解だと書いています、この論文は。しかし、私、これ真っ当な意見だと思いますよ。大変重要だと思いますよ。いじめたりしないでくださいよ。こういう大事な指摘をやっぱり受けて、私、極めて今日前向きなことを提案しているんですよ。やっぱりこういったことをちゃんと情報公開をする。
 アイスランドでは、二〇一八年にこの同等業務に従事する男女従業員に同額賃金を支払うという証明書の取得を使用者に義務付けるということをやっているんです。総理、これやらなければ罰金まで科すと。世界はそういうふうに進んでいるんです。
 総理、やっぱり先進事例に学んで日本の取組進めるべきじゃないか、まず第一歩として男女賃金格差を企業の把握の義務付けをする、そして私は情報公開の対象にもするべきだと思いますが、総理、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君)  重ねて申し上げますけど、金融証券取引法に基づきます企業情報の開示についての話だと思いますけどね、何回も聞いていますけど。
 投資情報としての有用性の観点から、連結情報を中心としつつ、単体情報の開示には可能な範囲で簡素化するということで効率化を図るということ、これ基本的になったのが一九九九年の頃だと思いますが、こうした経緯を踏まえて、男女別の平均給与月額などの情報開示につきましてのその開示情報として再び義務付けるということに関しましては、先ほど申し上げたとおりの理由です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  まさにこれは、小池委員が言われたように、ダイバーシティーを重視する経営は今まさに世界の常識となっているところでございます。また、女性の目線や女性の力を生かせない企業はマーケットから評価されないというのはこれは事実であろうと、こう思うところでございまして、こうした観点から、安倍内閣は発足以来、女性活躍の旗を高く掲げて、女性の就業、コーポレートガバナンス改革などに取り組んできているところでございます。
 ジェンダー平等なくしてまさに二十一世紀の未来を切り開くことはできないと考えているところでございますが、その中でどうすべきか。今、麻生大臣、それぞれお答えをさせていただいたところでございますが、今私が申し上げたような観点からですね、観点から、今まで有価証券報告書等に女性役員の数等を書き入れること等について義務化してきたところでございますが、そうした方向と果たして同じ方向なのかどうかということについては我々もよく検討しなければならないと、このように思っておりますが、現段階での評価等については財務大臣から答弁をさせていただいたところでございますが、これは、我々の基本的な考え方についてこれ小池委員に誤解されてはならないと思いまして、今お答えをさせていただいているのが基本方針でございまして、その中でこうした基本的な方向性に果たして合うかどうかということについてはしっかりと見ていきたいと、こう思っているところでございます。
○小池晃君  基本的な方向にまさに合致していると思いますよ。言っていることとやっていることの矛盾、私は、感じませんか、目指している方向性と今やっている政策と、本当大きな矛盾があると思いますよ。そこはやっぱり見直すべきだ。
 職場におけるジェンダー平等のための課題は賃金格差だけではありません。昨年六月、ILO総会で採択された職場における暴力とハラスメントを禁止する百九十号条約、日本政府も賛成しましたが、その内容と意義について、総理、どのようにお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  この男女平等の意義についてでありますが、先ほど私が答弁をさせていただきましたが、女性に対するまさにこの暴力などは許し難い人権の侵害であろうと思っています。
 来年度予算には民間シェルター支援などの施策を盛り込んでおりますが、DV対策などの取組を引き続き力強く……(発言する者あり)あっ、ごめんなさい。済みません、ちょっと質問を正しく聞いておりませんでした。(発言する者あり)失礼いたしました、大変、大変失礼いたしました。
 ILO総会で採択された職場における暴力とハラスメントを禁止する百九十号条約についての御質問だったと、このように思うところでございますが、仕事の世界における暴力とハラスメントは、働く方の尊厳や人格を傷つける、あってはならないことと認識をしております。こうした観点から、日本政府としては、これに対応するための新たな国際労働基準としての意義は大きいと考え、昨年六月のILO総会における百九十号条約の採択に賛成をしたものであります。
 この条約に関しては、国内法制との整合性を今後更に検討する必要がありますが、まずは先般成立をしたハラスメント防止対策を強化する改正法の着実な実施等を通じて、暴力とハラスメントのない世界の実現に向けて引き続き尽力をしていく考えでございます。
○小池晃君  聞いていてくださいね。
 クー・トゥーという運動がございます。クー・トゥーというのは、靴、苦痛、そして性暴力を告発するミー・トゥー、こういったことに合わせた言葉で、同じ職種、仕事内容であれば、女性にも男性と同じヒールのない革靴の選択肢を与えてくださいと。パンプス、ヒール、人によっては外反母趾になる、足から血が出る、まめができる、靴擦れが起こる、腰が痛くなる、様々な健康被害を招きます。加えて、仕事をする上で動きづらい、走れない、足が痛くなる。これ、差別の問題というだけではありません。健康問題であり、労働問題であります。
 昨年一月に、女優の石川優実さんがツイッターに、私はいつか女性が仕事でヒールやパンプスを履かなきゃいけないという風習をなくしたい、何で足けがしながら仕事しなきゃいけないんだろう、男の人はぺたんこ靴なのにと投稿して、これが、共感が短期間に広がって、署名は六月に厚生労働省に提出をされ、その後も広がって三万二千人を超える賛同を集めています。
 総理、こうした運動が広がっていることを御存じでしたか。こういう声に耳を傾ける必要があると思いませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  今、小池委員が紹介をされたように、職場における女性に対するパンプスの着用の強制をなくすよう求めるクー・トゥー運動が行われていることは、これは承知をしております。
 職場での服装に関しては、単なる苦痛を強いるような合理性を欠くルールを女性に強いることは許されないのは、これは当然のことだろうと思います。
 一方で、個々の企業の提供するサービスや業務の内容、社会的な慣習等、様々な事情を踏まえ、各企業で様々なルールが設けられていると考えられ、その適否を政府として一概に判断することは難しいと考えておりますが、このため、職場の服装に関するルールに関しては、まずはそれぞれの職場において関係法令の趣旨も踏まえつつ、労使でよく話し合っていただくことが重要であると考えておりますが、いずれにいたしましても、このパンプスの着用を強制するような、言わば苦痛を強いるような合理性を欠くルールを女性に、職場での服装に関してはですね、強制、苦痛を強いるような合理性を欠くルールを女性に強いることは許されないのは当然のことであろうと、こう考えております。
○小池晃君  大変大事な答弁だったんではないかなというふうに思って聞きました。
 具体例をお示しをしたいんですが、これは日本航空の女性客室乗務員の制服規定であります。この制服規定では、指定品として、機外ではヒール高三センチから六センチのパンプス、機内に入るとき、お客様搭乗前までということでタイミングまで指定され、機内に入ると高さ三センチから四センチ、横幅三センチから四センチというんですね。
 私は、こういう、女性にだけですよ、別にパンプス履きたい人は履いてもいいんですよ、女性にだけこういうものを強制するのは明らかに差別ではないかと思いますが、先ほどの総理の答弁でいえばそういうことになるんじゃないかと思いますが、個別の事例についてどうこうというんじゃありません、やっぱり女性にだけ特別の高さのヒールのパンプスを履きなさいというのは、やっぱりこれは差別に当たるんじゃないですか。どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  個別の事案について私がここで評価することは申し上げることは控えたいと思いますが、まさにこの職場の服装に関して、単に苦痛を強いるような合理性を欠くルールを女性に強いることは許されないのは当然のことであろうと、こう思うところでございます。それを企業あるいは職場において関係法令の趣旨も踏まえつつ判断をしていただく、労使ともよく話し合っていただくことが重要ではないかと、このように考えております。
○小池晃君  いや、職場で話し合うというだけじゃなくて、やっぱり国としてきちんとそういったものについて指針のようなことを示す必要が私はあるんではないかなというふうに思うんですね。
 業務上の必要性云々って話あるんですが、私は客室乗務員の女性だけにパンプスを履くという業務上の必要性は感じないんですよ。だって、皆さん、飛行機に乗ったら何やりますか。緊急時の脱出のビデオが流れるわけですね。ハイヒール脱ぎましょうと、パンプス脱ぎましょうとやるじゃないですか。むしろ、やっぱりぺたんこな靴。
 今度、JALはLCCを新たに発足させるんだけど、その企業は、そのLCC、ジップエア・トーキョーというのは、客室乗務員も地上職も操縦士もみんなスニーカー着用だというんですね。この方がよっぽど私は合理性があるんではないかなと。やっぱり、緊急時の対応を考えても、パンプスの着用の義務付けというのは、業務上必要どころか、むしろ有害ではないかなというふうに思うんですよ。
 所管する厚労大臣、やっぱり客室乗務員にパンプスを強制するというのは、やっぱりこれは労働行政上もこれは有害ではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君)  まず、先ほど総理が言われました、職場の服装に関しては単に苦痛を強いるような合理性を欠くルールを女性に強いることは許されない、これは当然だ、こういう前提に立ちながら、他方で、個々の企業が提供するサービス、業務の内容、社会的な慣習等、様々な事情を踏まえて、それぞれのルールが持たれているんだろうというふうに思います。したがって、A社がこうだ、B社がこうだということを一概に我々判断するのは難しいというふうに思いますけれども、例えば、男性は靴は自由だ、女性はこうだというのは、これはやはり、男女雇用というんですか、均等というんでしょうか、そういった立場からも私は正しくないという対応だというふうには思います。
○小池晃君  そういう答弁、国会で多分していただいたのは、明確にいただいたのは初めてではないかなと思うんで、そのことは私は評価をしたいというふうに思います。
 イギリスでは、政府平等局がドレスコードと性差別、知っておくべきことというのを発表しました。そこではこう書いてある。この指針は、服務規程を作る雇用主とそれを守らなければならないかもしれない従業員及び求職者のためのものである。
 守らなければならないかもしれない求職者、これは要するに就活なんかですよ。実際には、こういう明文のルールがない企業もいっぱいあります。連合の調査では、昨年十月の調査では、パンプスのヒールの高さに決まりがあると答えた方、一九・四%で二割近くに上るんですが、暗黙のルールがあります。それを象徴するのが就活の女子学生のパンプスですね。やっぱり、こういったことに対してきちっとこういうふうにイギリスでは規制をしている。
 総理、ILO百九十号条約、これに基づくやっぱり法整備も必要だと思います。男女賃金格差、ジェンダー平等に反する服装規定、なくしていくようなやっぱり政治の責任が問われているんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  ありがとうございました。
 このILO、この百九十号条約は、ジェンダーに基づくものを含めて、世界の仕事における暴力及びハラスメントを防止するために加盟国が取るべき取組等について規定していますが、例えば男女の賃金の差異について、そのことのみをもってハラスメントと位置付けているわけではないものと承知をしています。
 一方で、男女間の賃金格差の改善や職場におけるジェンダー平等の確保を図ることは重要な課題であると認識をしており、これまでも、男女雇用機会均等法に基づく性差別の是正や、そしてまた女性活躍推進法に基づく行動計画の策定、実施等の取組を推進をしているところであります。
 引き続き、男女雇用機会均等法の履行確保や改正女性活躍推進法の着実な施行等に取り組むこと等により、男女間の賃金格差の改善や職場におけるジェンダー平等の確保に努めてまいりたいと、このように思います。
○小池晃君  女性だけに苦痛を強いる、女性だけに強制をする、そういう服装規定のようなものはなくしていく、そういう政治の決意、それを語っていただけませんか、先ほどそれは必要だとおっしゃったんだから。最後に一言お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)  一言ということでございますが、この言わば職場の服装について、まさにその服装の中において単に苦痛を強いるような合理性を欠くルールを女性に強いることはあってはならないわけでございまして、男性と女性が同じ仕事をしているにもかかわらず、女性に対してそういう服装において今申し上げましたような苦痛を強いることはあってはならないということは明確に申し上げておきたいと思います。
○小池晃君  パンプスの強制着用に反対する運動をやられている皆さんが大変勇気付けられる答弁なのではないかなと。ちょっと、安倍首相との質疑でこういう最後になるというのは余り今まで経験のないことでありますが、何でも駄目だと私は言うわけではありませんので、前向きに進めるためにこの点では力を合わせたいと思います。
 終わります。

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