日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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生活支え、経済回す実効ある政策を 平和も暮らしも押しつぶす大軍拡やめよ 参院予算委 小池書記局長が追及

2022年06月02日

赤旗2022年6月1日付

 

 「現役世代の賃金が下がった結果、年金も下がる。現役世代も年金世代もみんな苦しんでいる」―。日本共産党の小池晃書記局長は31日の参院予算委員会で、深刻な物価高騰のもとで生活水準が維持できず、経済も衰退する悪循環が起こっているとして、経済を回す実効ある政策を提案しました。岸田文雄首相は、小池氏が提起した内部留保への適正な課税や全ての品目で値下げできる消費税減税に背を向ける一方、軍事費の増額には前のめり。小池氏は「日本を軍事対軍事の危険な道に引き込むだけでなく、暮らしを押しつぶすものだ」と厳しく批判しました。(論戦ハイライト)


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(写真)質問する小池晃書記局長=31日、参院予算委

 

 物価が高騰しているのに年金が下がるのは、現役世代の賃金が下がった結果であり、アベノミクスの失敗によるものです。小池氏は、東京以外の46道府県では年金が家計消費の10%を上回っている実態を明らかにさせ、「年金は老後の生活を支えるだけでなく、地域経済を支えている。物価高騰下に年金を下げれば、消費が冷え込み、現役世代の賃金にも波及し、悪循環になる」と追及しました。

 

 岸田首相は「年金の制度は持続可能性の観点から維持する」などと答弁。小池氏が、今回の補正予算案に年金引き下げへの直接の対策や現役世代の賃金を上げる施策があるのかとただすと、岸田首相は「補正予算に直接賃金、年金対策はない」と認めました。

 

 小池氏は、政府の「賃上げ減税」を適用する企業は黒字企業の1割、中小企業は273万社のうち9万社だとして、「まともな賃上げは期待できない」と強調。アベノミクスで大企業の内部留保が増える一方、1人あたりの実質賃金は下がったとして、内部留保課税を提案しました。「大企業も中小企業も賃上げになり、気候危機対策になり、税のゆがみもただす具体的な施策だ」として検討を求めました。

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 岸田首相は「二重課税という問題もある」などと繰り返し答弁。ところが小池氏が「二重課税という法律上の規定があるのか」と追及すると、鈴木俊一財務相は「法律上定義はなく、禁止規定はない」と答えました。

 

 小池氏は「二重課税というなら所得税の上に消費のたびにとられる消費税こそ二重課税だ」と批判。党が消費税減税・インボイス中止法案を30日に提出したことを紹介し、「コロナ禍で世界85の国と地域で付加価値税が減税されている。国民の前で議論しよう」と呼びかけました。

 

 小池氏は、日米首脳会談で岸田首相が軍事費の「相当な増額」を表明したことを追及。自民党が選挙公約で「GDP(国内総生産)比2%以上」としたことをあげ、「そうなればすでに農林水産省の2倍、文部科学省より多い防衛省の予算が国土交通省も上回り、厚生労働省に次ぐ巨大組織になる」とただしました。

 

 「相当な増額」となれば、財源の選択肢は社会保障予算の「相当の削減」か「相当な増税」、国債発行しかないとして「選択肢から排除されるものはあるか」と迫りました。岸田首相は「具体的な内容が決まらなければ言えない」などとごまかしに終始。小池氏は、財源も示さずに参院選に突入し、大軍拡を推し進めることは許されないと迫りました。

速記録を読む

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 六月十五日に四、五月分の年金振り込まれますが、昨年よりも引下げとなります。四月の消費者物価指数は二・五%の上昇。しかも、水光熱費や食料品などの値上がりが大きいため、高齢者ほど物価上昇の影響は重い。
 厚労大臣、物価が上がっているときになぜ年金を下げるのか、説明してください。

 

○国務大臣(後藤茂之君) 今委員から御指摘のありましたように、令和四年度の年金額改定率はマイナス〇・四%となっておりますけれども、これについては、年金額の改定ルールに基づきまして、前年の物価等がマイナスとなったことを反映している数字でございます。
 公的年金制度につきましては、将来世代の負担が過重にならないようにしつつ、長期的な給付と負担のバランスを確保し、将来にわたって持続可能な仕組みとしておりまして、この仕組みの下で年金を着実に支給していくことが重要であるというふうに考えております。
 低所得者、無年金、低年金の高齢者の方々に対しましては、昨年の経済対策に基づいて、住民税非課税世帯に対する十万円の給付を二月から三月にかけて多くの自治体で開始したものと承知しておりますし、今般の総合緊急対策で地方創生臨時交付金を大胆に拡充しまして、物価高騰の影響を受けた低所得や無年金、低年金者の負担軽減に活用することも可能と承知しておりまして、このような取組をしっかりと後押しをしつつ、年金制度の持続性の観点から制度の運営を着実に進めております。

 

○小池晃君 正確に答弁してほしいんですけど、前年の物価ではなくて賃金ですよね。なぜ下がったのかです。ちゃんときちんと説明してください。

 

○国務大臣(後藤茂之君) 物価等と申し上げましたけど、前年の物価とそれから三年の実質賃金の平均率を比べて改定をいたしております。

 

○小池晃君 だから、物価よりも賃金の方が下がっているから下がったんでしょう。そこをちゃんと説明してくれって言っているんです。

 

○国務大臣(後藤茂之君) 令和三年の物価変動率がマイナス〇・二%、令和三年の名目賃金変動率が、令和三年の名目賃金変動率が〇・四ということで、年金額改定率は〇・四ということになっております。

 

○小池晃君 名目賃金変動率の計算の仕方を言ってください。

 

○政府参考人(高橋俊之君) 年金額改定のルールでございますけれども、まず物価と賃金の丈比べをいたします。
 物価につきましては前年の消費者物価上昇率で、マイナス〇・二でございます。賃金でございますけれども、これはまず二年度前から四年度前の直近三か年平均の実質賃金の変動率、平均を出す、これが三角〇・二%でございます。それを直近の物価、昨年の物価マイナス〇・二を掛けまして名目化いたしまして、名目賃金変動率がマイナス〇・四と。で、名目賃金変動率の方が低い場合にはこれをもって年金額改定率とすると、こういうルールでございます。

 

○小池晃君 そう、だから、二年前から四年前の賃金が下がった、それが年金下がった理由ですね。確認です。

 

○政府参考人(高橋俊之君) 年金につきましては、物価や賃金の動向を反映するわけでございますけれども、このように確定的なデータが出ましてからそれを反映するので、確かにワンテンポ遅れるという事情はございます。
 また、直近の大きな変動に影響しないように、賃金につきましては三か年分で平均をすると、こういったことで急変動にならないようにしているものでございます。

 

○小池晃君 だから、二年前から四年前までの賃金下がったことが今回年金下げた理由なんですよ。安倍政権のときなんですよ。だから、安倍政権のとき賃金下がったということですよね、厚労大臣。

 

○国務大臣(後藤茂之君) 物価は前年の消費者物価指数、CPI、それから今答弁局長からしましたけれども、二から四年前の実質賃金の変動率、それに前年の消費者物価指数を掛け合わせた名目賃金変動率ということでございますので、二年前から四年前の内閣の下での数字だと言われればそういうことにはなります。

 

○小池晃君 要するに、安倍政権の下で賃金下がったということなんですよ、これは。上げるって言っていたけど。
 それで、結局、現役世代の賃金下がった結果、年金も減っているわけだから、現役世代も年金世代もみんな苦しんでいるわけですね。しかも、年金、これ地域経済支えています。
 家計消費の二割を上回っている県はどこで、どれだけあるか、一割以上の県はどれだけあるか、答えてください。20220531パネル①

 

○政府参考人(高橋俊之君) 御指摘の、都道府県ごとの年金給付の総額が家計最終消費支出の総額に占める割合でございます。
 厚生労働省の令和元年度の厚生年金保険・国民年金事業年報と内閣府の県民経済計算に基づきまして計算いたしますと、二〇%を超える都道府県は、秋田、富山、長野、三重、和歌山、鳥取、島根、岡山、山口、愛媛、高知、長崎、宮崎の十三県でございます。また、一〇%を超える都道府県は東京都を除く四十六道府県でございます。

 

○小池晃君 東京都も九・九%なんですよ。ほぼ一割です。ですから、年金というのは、老後の生活を支えるだけではなくて地域経済支えるわけですね。
 総理ね、物価高騰下に年金を下げれば、消費が冷え込んで地域経済が衰退し、現役世代の賃金にも波及して、その結果また年金が下がる。悪循環ではありませんか。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、年金につきましては、先ほど厚労大臣からもありましたように、長期的な給付と負担のバランスを取ることによって持続可能な制度をつくっていく、そうした観点から制度がつくられています。この制度は重要な制度であり、しっかり維持していかなければならないと政府では考えています。
 ただ、結果として、委員御指摘のように、年金は下がるということになります。だからこそ、これ、委員おっしゃるように、これ、過去の賃金とそして物価、この反映、これが反映されて、で、年金が下がる、そういったことでありますので、昨年の十一月の経済対策において、こうした低所得あるいは無年金、低年金の高齢者の方々への支援ということで、住民税非課税世帯に対して十万円の支給を行う、こうしたことを決定しているということであります。年金減額を上回る支援をこうした形で用意をし、そして、四月に発表しました総合緊急対策の中においても、地方創生臨時交付金を低所得や無年金、低年金の方々の負担軽減に活用することも可能な制度、これも用意をした、こうしたことであります。
 年金の制度は持続可能性の観点から維持したいとは思いますが、それと並行して、その年金で生活している方々の暮らしをしっかり支える政策は政府として用意をしていかなければならないと思っています。

 

○小池晃君 今、あれやった、これやったと言われたけれども、それは年金削減に対する直接の対策じゃないじゃないですか。それ以前からやられていた。
 大体、五千円配ろうと言い出したでしょう、自民党と公明党が。総理も、それをしっかり受け止めると言ったでしょう。年金削減の影響が出るから、心配したからそうやったんでしょう。今回のこの年金の削減に対する対策はないでしょう、補正予算だって。これでいいんですかと言っているんです。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 補正予算の中にはそうした対策は入っていませんが、先ほど申し上げました四月の総合緊急対策の中に、地方創生臨時交付金等を活用して低年金、無年金の方々に対する支援を用意している、こうしたことであります。
 昨年の経済対策、そして四月の総合緊急対策、そしてさらにはこの補正予算における予備費、こうしたものをしっかりと活用することが重要であると考えます。

 

○小池晃君 年金削減に対する補正予算の対策がないということを認められました。
 やっぱり、それでいいのか。物価が上がっているときに年金が下がる、そういう仕組みですよ、これ。これ、いいんですか。今、六割以上の方が、世論調査やると、年金信頼できないと言っているんですよ。こんな物価が上がっているときに下がるような年金、ますます信頼が失われて、年金制度自体の土台を壊して持続不可能にしちゃうんじゃないですか。
 これ、何とか、やっぱり年金が、物価が上がるときも下がるような仕組みは見直さないといけないと私は思うけど、どうですか。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 先ほど申し上げましたように、年金については持続可能な制度を維持しなければならないと思います。年金は国民生活にとって大変重要なものであり、これを長期的な観点から維持をすることは重要であると考えています。だからこそ、それと並行して様々な支援を行わなければならないということであります。
 補正予算の中にないという御指摘がありましたが、この昨年十一月の七十九兆円の経済対策、四月の十三兆円の総合緊急対策、これらをしっかりと国民の皆さんに届けることが大事であり、それが年金においてマイナスの影響を被られた方の支援にもなると思っています。そして、補正予算につきましても、予備費の拡充によって今後不測の事態にも備える、そういった意味でも大きな支援の材料になると考えております。これらを重層的に、機動的に執行していくことが重要であると考えます。

 

○小池晃君 予備費で何でもやりますといったら、財政民主主義なんというのは成り立たないんですよ。そういうことを言っちゃいけない。
 持続可能、持続可能とさっきからおっしゃる。持続可能にするんだったら、賃金上がらなきゃいけないんですよ。だって、賃金下がっているから年金下がっているんだから。
 じゃ、聞きますけど、今回の補正予算に賃金上げる政策ありますか。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 先ほど来、補正予算ということを御指摘になられますが、先ほど来こちらも答えておりますように、昨年来の経済対策も含めて、全体で国民の暮らし、事業を守っていく、こうした方針を政府としても明らかにさせていただいています。
 七十九兆円の経済対策、十三兆円の総合緊急対策、そして補正予算につきましても、直接そうした賃金あるいは年金対策、こうしたことではありませんが、今状況、物価についても、またウクライナ情勢についても、またコロナ禍についても、先行きが不透明であるからこそ予備費を拡充することが大事であり、そのことが機動的な対応につながると信じてこうした補正予算をお願いしているということであります。これ全体を是非見ていただいた上で政府の対策を評価していただきたいと思っています。

 

○小池晃君 年金対策も賃上げ対策も補正予算にないということをお認めになった。
 それで、賃上げ減税ということをおっしゃいます、政府はね。
 財務省に聞きます。賃上げ減税、これ、どれだけの企業に適用されると見込まれますか。

 

○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 今般の賃上げ促進税制の適用法人数でございますが、黒字法人の約一割程度と見込んでおりまして、具体的には、大企業の場合約一千七百社、中小企業の場合約九・一万社と見込んでおります。

 

○小池晃君 今の答弁ではっきりしているように、黒字企業しか対象にならないんですよ。だから、二百七十三万の中小企業のうちたった九万社、残り二百六十四万は対象外、これじゃまともな賃上げになりませんよ。
 これ、今パネルお示ししていますけれども、問題は、アベノミクスで大企業の内部留保は百三十三兆円増えました。しかし、一人当たりの実質賃金は年収で二十二万円下がっているわけです。20220531パネル➁
 総理、内部留保を賃金や設備投資に振り向ける道筋をつくるとおっしゃいますけど、どうやって道筋を付けるのか、具体的に答えてください。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 成長の果実を賃金に振り向ける、これは大変重要なことであります。賃金、さらには設備投資、次の成長につながる投資に振り向ける、この二つが重要だということを再三申し上げています。
 先ほど、賃上げ税制について、対象が限られるではないか、こうした御指摘がありました。だからこそ、賃上げ政策についても様々なメニューを用意させていただいております。中小企業において、赤字企業等であっても恩恵が受けられるようにということで、補助金あるいは公共調達においても賃上げ努力をした企業を評価する、こうした仕組みを導入する、そもそも公的価格の引上げ等によって国が率先して賃上げの雰囲気をつくっていく、あるいは中小企業において賃上げのこの原資をしっかり確保するためには価格転嫁というものがしっかり行われなければいけない、こうした様々な政策を用意している、こうしたことであります。
 あわせて、先ほど申し上げました賃上げと設備投資が重要だということで、設備投資に向けては、デジタル投資あるいはカーボンニュートラル分野における投資、こうしたことを促進するために、政府として将来の市場規模をしっかり示した上で、予算や税制についてもしっかりと環境整備を行う、こうした政府が呼び水となる様々な取組を進めることによって、魅力的な投資市場をすることによって、あっ、投資市場をつくることによって設備投資をしっかりと促進させる、こうした取組を通じて、成長の果実をできるだけ賃上げあるいは設備投資に振り向ける環境をつくっていきたいと考えております。

 

○小池晃君 だから、今いろいろ説明されたことは、それはいいと思うんですよ。やったらいいですよ、不十分な点もあるけど。でも、果実はあるじゃないですか。この内部留保という果実、ここに切り込むこと何でやらないんですか。今おっしゃったけど、ないですよ。ここに切り込んで、きちんと賃上げ、設備投資に回す仕組みはありますか。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) そこに切り込むというのは、内部留保に対して例えば課税を行うとか、そういったことをおっしゃる方もおられますが、これについては、二重課税の問題等もあり、対応は慎重でなければならないというのが政府の基本的な考え方であります。
 是非、企業が前向きに賃上げやあるいは設備投資に成長の果実を振り向けるような環境をつくっていくことがまず基本的に大事だと考えております。

 

○小池晃君 一番肝腎なことやらないじゃないですか。内部留保の課税も先におっしゃいましたけど、私たち提案しているんですよ。十億円以上の大企業に、賃上げ分、グリーン投資などの設備投資を控除して、二〇一二年以降、すなわちアベノミクスで増えた内部留保に二%の課税をすれば五年間で十兆円の財源が生まれる。こういうことをやっぱりやらないと、お願いするだけじゃ賃上げできないと思うんですよ。20220531パネル③
 これやれば賃上げに回る、大企業の賃上げにもなる、中小企業の賃上げにこれは使おうと言っている、最低賃金引上げの支援に。グリーン投資にもなる、税のゆがみも正す。こういうことをやっぱりやるべきじゃないですか。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 内部留保課税については、先ほど申し上げました二重課税の問題等もあり、慎重でなければならないと思います。
 加えて、こうした賃上げを考えた場合に、賃上げ、一時的に賃上げする、これはもちろん大事なことですが、これを持続可能なものにしなければならない、こうした課題もしっかりクリアしなければなりません。よって、一時的に賃金に成長の果実が振り向けられたとしても、経済全体の成長があってこそ、そうした取組は持続可能なものとなります。よって、成長戦略と併せて賃上げも考えるということ、これが大変重要なポイントだと思います。そういったことから、先ほど、賃上げ、そして設備投資、こういったものに成長の果実を振り向ける環境をつくっていく、これが重要だと政府としては考えております。

 

○小池晃君 賃上げをやって消費活性化すれば企業ももうかるようになる、そしてまた賃上げになる。一時的じゃないんですよ。それこそ成長と分配の好循環なんですよ。それを始めるきっかけがこれじゃないかと我々は提案している。
 財務大臣、二重課税という話があります。二重課税の規定はありますか。二重課税は法律的にどうだと、そういうのあるんですか。二重課税は法律で禁止されていますか。

 

○国務大臣(鈴木俊一君) いわゆる二重課税につきましては、法律上定義しているものはなく、したがってこれを一般に禁止している法的な規定はないと、そのように承知をしております。
 その上で、内部留保に課税をするということにつきましては、二重課税という指摘もなされておりますので、こうした指摘があることなどから慎重な検討が必要になると考えております。

 

○小池晃君 大臣、法律の規定ないと言ったのに、二重課税の指摘がありますって、それおかしくないですか。何でそんな答弁するんですか。

 

○国務大臣(鈴木俊一君) 端的に答えれば、先ほど申し上げたとおり、法律上の定義はしているものはなく、したがってこれを一般に禁止している法的な規定はないということでございます。
 その後のことにつきましては、総理の先ほどの答弁をなぞらせていただきました。

 

○小池晃君 もうね、いいんですかね、それで。
 二重課税というのは、これ定義ないんですよ。それで、最大の二重課税、私は所得税取られた上に消費税取られることだと思いますよ。そういうことは平気でやる。
 やっぱり、成長と分配の好循環と言いながら、総理、分配どこに行ったんですか。金融所得課税の見直しも言わなくなった。そして、肝腎なところには切り込まない、内部留保課税はしない、消費税の減税は絶対しない。成長と分配、これどこに行ったんですか。分配ないじゃないですか。本当に分配するんだったら、内部留保課税検討すべきですよ。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 分配はどこに行ったという御質問でありますが、分配、まずは賃金引き上げることがこの好循環の大きなきっかけになるということで、賃上げ税制から始まって分配政策についてもいろいろと用意をさせていただいています。優先順位を付けて、分配政策をしっかりと推し進めるべく、政府がしっかりと旗を振るということと併せて、成長戦略においても政府として思い切ったこの様々な政策を用意する、この両方を用意することが好循環につながると信じています。
 成長と分配の好循環、是非実現することによって、持続可能な経済、実現したいと考えています。

 

○小池晃君 分配がないじゃないですか、今の説明だって。結局分配なし、成長のみ。これでは好循環など生まれない。しかも、やはり消費税ですよ、やっぱり決め手は。
 我が党は、昨日、参議院に減税法案を提出いたしました。全ての品目で値下げができる、全ての世代に値下げができる、中小企業を苦境から救う、インボイスも撤回する。コロナ禍でも世界八十五か国・地域で何らかの形で付加価値税の減税、今始めています。国会でこれ議論しようじゃないですか。
 国会で決めることって多分おっしゃるんだと思うけど、自民党が反対するからできないんで、総理がここで自民党総裁としてやりましょうと言えばできるんです。国民の前で、いろんな政党が消費税の減税法案出していますから、議論しましょうよ、国会で。是非議論しよう、呼びかけます。どうですか。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、先ほど分配政策がないと再三強調されましたが、一言。あのですね、分配政策、分配、賃金というのはコストでなく次の成長への投資だと前向きに考えて、人への投資が大事だと再三強調しています。賃金のみならず人への投資を充実させる、この方針は政府としても大切にしているところであります。
 そして、消費税、議論したらいいんではないか、そういった話がありましたが、これについては、政府の考え方としては、現状、日本国において、消費税というのは社会保障の安定財源として位置付けられている。国民生活を守ること、大変重要でありますが、あわせて、国民が安心できるセーフティーネットがしっかりと用意されているということ、これもこの国民生活を守る上で重要な視点です。
 よって、消費税、消費減税ということについては、社会保障の安定財源であるということを考えた場合に、政府としてここを触るということは考えていないということであります。だからこそ、先ほど来申し上げておりますように、他の様々な政策を重層的に用意することによって、お困りの方をしっかり支援していく、こういった政策を別途用意するのが政府の基本的な考え方であります。

 

○小池晃君 議論すらしない、そういう、議論しないじゃないですか。法案、じゃ、議論しましょうよ。自民党、賛成してくださいよ。自民党が了解すれば国会で議論できるんですから。やりましょうよ。議論しようと言ったから、やりましょう。これは是非国会で議論していただきたい。
 一方で、総理は日米首脳会談で防衛費の相当な増額を表明されました。総理、これは対米公約ということですね。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 日米首脳会談で議論を行いましたが、しかし、そもそも我が国の防衛費でありますので、これは我が国が主体的に決めるものであります。これは決して対米公約などというものではないと考えております。

 

○小池晃君 だって、バイデンさんの前で、独り言じゃないでしょう、バイデンさんの前で表明して、それで日米両国で確認したって報道されているんだから、これ対米約束じゃないですか。
 じゃ、約束しなかったと。約束しなかったんですね。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 私は、日米首脳会談の中で、厳しい安全保障環境を考えた場合に、我が国の防衛力を抜本的に強化することと、日米同盟の対処力、抑止力の強化、この二つが大事だということを申し上げ、我が国として防衛力の抜本的な強化を考えている、こうした考え方を日米首脳会談の中で示し、バイデン大統領からもそれに対して支持をいただいた、こういったことであります。
 こういったやり取りを通じて、日米信頼関係をしっかり構築しながら、東アジア、インド太平洋地域の安全保障についてしっかり役割を果たしていこう、こういったことで一致をしたということであります。

 

○小池晃君 約束したんでしょう。約束したんじゃないんですか。約束じゃないとおっしゃるんですか。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 約束したという言葉の響きに、何か嫌々ながら、何か、米国に何か求められたというような意味合いを感じるので、あえて否定させていただきました。
 我が国の防衛であります。我が国が主体的にどうあるかを考え、そしてこうあるべきだということをアメリカとの議論の中で示し、それに対して日米において考え方が一致したということであります。

 

○小池晃君 そういうのを世間では約束と言うんですよ。
 でね、GDPの二%以上ということを自民党の安全保障調査会は言っている。そうなれば世界第三位の軍事費になる。
 今、既に中央省庁の中で防衛省の予算は農林水産省の二倍です、二倍以上。文部科学省より多い。それで、二倍になれば国土交通省を上回って厚生労働省に次ぐ巨大組織になる。20220531パネル④
 総理、積み上げたとおっしゃる、積み上げだとおっしゃるんだろうけど、二%以上ということになればこういう事態になるということはお認めになりますね。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 防衛費につきましては、数字的にいろいろな議論があるのは承知しております。
 二%といろいろな議論の中で数字が出てきますが、例えばNATOにおきましては二%といっても物差しそのものが違う。こういった中での二%でありますし、二%についても様々な思いがあります。
 いずれにせよ、政府としては、数字的なものについては何も明らかにしていません。なぜならば、まずは、国民の命や暮らしを守るためには一体何が必要なのか、現実的、具体的に議論しなければいけない、あらゆる選択肢を排除せず、しっかりと議論しようというところを申し上げています。その上で必要な予算が積み上がっていく、そして予算の額が明らかになってこそ財源について考えることもできる。
 こうした内容と予算と、そして財源と、これらは年末に向けてこの三つを一体的に考えていくことが政府の基本的な考え方であります。

 

○小池晃君 あらゆる選択肢を考慮に入れて積み上げていったらば二倍以上になるかもしれない。実際に自民党はそういう提案しているわけですよ。自民党の選挙公約でもあるわけですよ。そうなればこういう事態になるということは、それは可能性としてはお認めになりますね。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 二%という数字の物差しについても、NATOを始め国際社会においても様々なものがあるということを申し上げています。
 ですから、今数字については何も申しておりません。先ほど言いましたような積み上げ、しっかり行い、そして、何よりも大事なのは、この厳しい安全保障環境の中で本当に国民の命や暮らしを守れるかどうかであります。その責任を政治としてしっかり果たすべく、こうした議論を進めていきたいと思っています。

 

○小池晃君 責任と言うのであれば、こういう相当な増額と言ったんですから、相当な増額と言ったんですよ、総理はね。積み上げる前に、相当なと言っちゃっているんですよ。相当な、サブスタンシャル、相当なと言っているわけですよ。相当な増額と言うのであれば、これ財源は、社会保障予算などの相当な削減か、あるいは相当な増税か、あるいは安倍元首相が言っているように国債発行で賄うのか、この三つの選択肢しかないと思いますが、これ、排除されるものはあるんですか。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今の御指摘の点については、我が国として抜本的に防衛力を強化する、それに見合うだけの予算をしっかり用意するという意味で、相当な予算を用意するということを申し上げたわけであります。
 先ほど申し上げたように、内容をしっかり詰めた上でそれに見合う予算を考え、そしてその予算にふさわしい財源を考えていく。これは、この三つ一体となって考えなければ具体的なこの数字を出すことはできない、こういった課題であると思っています。

 

○小池晃君 いや、数字のことを私聞いたんじゃない。三つの選択肢、歳出については相当な社会保障などの歳出の削減か、相当な増税か、あるいはその国債発行か、この三つの選択肢の中でこれはやりませんというのはありますかと言っているんです。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 具体的な内容が決まらなければそれに見合う予算というものを申し上げることはできない、それに、その予算にふさわしい財源は何なのか、この議論に進むことはできない、この三つは一体の、一体として進めるべき議論であると思っています。

 

○小池晃君 こういう、責任あるとおっしゃったけども、参議院選挙の前にそういったことも示さずに選挙やって、白紙委任が得られたといって進めるようなことは、私は断じて許されないというふうに申し上げておきたいと思います。軍事対軍事の危険な悪循環に引き込むだけじゃなくて、暮らしを押し潰すことにもなっていく。
 増額の中身も問題です。防衛省の中央調達で契約高の上位三社を示してください。

 

○政府参考人(萬浪学君) お答え申し上げます。
 防衛省が実施する中央調達のうち、直近が二〇二〇年の令和二年度でございますが、その際の契約相手方別の契約高につきましては、第一位が米国政府、金額が約四千二百二億円。この中には米国政府を通じて米国の様々な企業が製造したものを含んでおります。第二位は三菱重工、金額が約三千百二億円。第三位が川崎重工、金額が約二千百五十億円となってございます。

 

○小池晃君 二〇一五年以来、常に米国政府が一位なんですね。この三年間どのようなものを米国から買っていますか。

 

○政府参考人(萬浪学君) お答え申し上げます。
 二〇二〇年度、令和二年度におきますと、FMSで調達した主な装備品でございますと、KC46A、空中給油輸送機四機を約九百三十九億円で買ってございます。
 さらに、近いところで申しますと、二〇二一年度、令和三年度、これ予算でございますが、予算でございますと、F35A戦闘機四機の諸経費として約三百九十一億円を、また、二〇二二年度、令和四年度予算でございますが、これも同じくF35A戦闘機八機の取得経費として約七百六十八億円を計上してございます。

 

○小池晃君 ちょっと若干省略したところもありますけど、これらはFMS、有償軍事援助です。FMSとはどういうものか説明してください。

 

○政府参考人(萬浪学君) お答え申し上げます。
 FMS、フォーリン・ミリタリー・セールズの略でございますが、この調達は、米国の安全保障政策の一環として同盟国、友好国などに対しまして装備品等を有償で提供するものでございます。中身につきましては先ほど例示させていただいたものでございます。
 このFMSにつきましては、一般では調達ができない軍事機密性の高い装備品や米国しか製造できない最新鋭の装備品を調達できる点で、我が国の防衛力を強化するために非常に重要なものと考えてございます。

 

○小池晃君 肝腎の説明がありません。
 FMSは、武器の価格も納期もアメリカ政府が決定権を持っていて、一方的に変更することが非常に困難であると。
 参議院本会議で、全会一致で二〇一八年決算に対する警告決議が上がっております。FMSに関する部分を紹介してください。

 

○参事(金子真実君) 該当部分を読み上げさせていただきます。
 防衛省が米国政府との間で行う有償援助(FMS)による防衛装備品等の調達について、調達額が平成二十五年度から二十九年度にかけて三倍以上に増加している中で、契約管理費の減免を受けるための協定等の締結に係る本格的な検討が行われていなかったこと、また、前払金を支払ったにもかかわらず、出荷予定時期を経過しても納入が完了せずに未精算となっていたものが二十九年度末時点で八十五件、三百四十九億円に上るなど、改善すべき課題が山積していることは、遺憾である。
 政府は、FMS調達に係る調達額を抑制するため、契約管理費の減免制度の利用を含めあらゆる可能性を検討するとともに、未納入が続くと各部隊の運用に支障を来しかねないことを念頭に、全ての未納入及び未精算のケースについて履行状況を継続的に把握し、日米間で緊密に協議や調整を行うなど、FMS調達の改善に努めるべきである。
 以上でございます。

 

○小池晃君 この決議は、全会一致で参議院本会議で決議したわけです。
 防衛省、改善すべき課題が山積みだと、こういう問題点、このままでいいとお考えですか、大臣。

 

○国務大臣(岸信夫君) 今御報告がありましたけれども、FMS調達については、令和二年度の六月の参議院決算委員会での警告決議において、未納入、未精算や契約管理費の減免制度について指摘を受けたところであります。防衛省として、改善に向けた取組を継続的に進めているところであります。
 具体的には、まず未納入、未精算の問題については、日米間での協議を行い、原因の除去に向けた取組を双方で進めた結果、近年は減少傾向となっており、一定の成果があったことを確認しております。また、契約管理費の減免制度の導入に向けた取組については、日米間で品質管理業務の相互提供の合意を目指すこととし、そのプロセスの一環として米側による調査への協力を行ってきました。
 我が国の防衛力を強化するため、高性能な装備品を導入することができるFMS調達は重要な手段であります。防衛省として、これらの諸課題の解決に向けて精力的に取り組んでまいります。

 

○小池晃君 警告決議にもかかわらず、何か改善したかのように言うけれども、FMSもこれ安倍政権以来三倍に膨れ上がっているわけですね。で、額減っていませんよ、全く、この間も。
 今年三月のアメリカ下院軍事委員会の公聴会に、アメリカ・インド太平洋軍のアキリーノ司令官が文書を提出しています。こう言っています。注目すべきことに、日本は七年連続で過去最大の国防予算を承認し、引き続き最新鋭の米国の防衛装備品を調達して相互運用性を向上させ、統合軍の攻撃力強化を図っている。まあ褒めちぎっております。
 総理、防衛予算の大幅増、こうなるとFMSによる米国からの武器輸入、更にこれ拡大するということになりませんか。そういうことでいいんですか。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 先ほど申し上げたように、防衛費の内容そして規模につきましては、年末にかけて議論を進めていきたいと思いますが、そもそも装備品の調達に当たっては、今後の我が国の防衛に必要な装備品を個別に評価、検討し、我が国の主体的な判断の下に決定していくべきものであると思います。そして、国内防衛産業、これは我が国の防衛力の一部であり、産業基盤の強化が急務であると思います。
 その中で、今委員御指摘のように、FMS調達、これ高水準で推移している、こうした現状があります。一方で、この大切な国内防衛産業、複数の国内防衛企業が撤退をしている、こういった現状もあります。こうした状況をしっかり踏まえて、我が国の防衛産業強化のための抜本的な対策、これは検討していかなければならないと認識をいたします。

 

○小池晃君 主体的にと言うけれども、全く主体的でなく、こういうFMSで言いなりで買ってきているわけですよ。
 具体例示しますけど、FMSによるF15の改修費用、当初三千二百四十億円の見積りが五千五百二十億円になったという経過あります。どういう経過だったのか、防衛省、説明してください。20220531パネル⑤

 

○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
 F15能力向上事業につきましては、令和元年度から着手してきたところでございますが、これまで米国政府との調整や日米間で具体的な改修計画の詳細に関する技術的な検討を進める中で、部品枯渇対策等が必要になることが判明し、これらにより経費の増加や改修期間の延長が発生するということが明らかになりました。
 具体的には、F15能力向上事業の経費の推移につきましては、平成三十年の中期防策定時点で得られていた見積りを始めとする当初見積りは、一機当たりの平均改修単価約三十三億円、これで全体約七十機改修する予定でございます。それと、初度費約九百八十億円でございました。
 その後、いわゆる部品枯渇対策経費等が必要になったことなどから、最も経費が、費用が高騰しました令和二年十二月の時点では、それぞれ平均改修単価が約四十九億円、初度費が約二千百八十億円まで上昇いたしました。
 こうした状況を踏まえまして、令和三年から米国政府や国内企業との交渉、調整を実施してきましたところ、令和三年十二月の時点で平均改修単価約三十五億円、初度費約千六百億円まで経費の低下を実現したというのがこれまでの経緯でございます。

 

○小池晃君 低減したって言うけど、最初の見積りから比べれば七百億円も増えているんですね。
 アメリカのずさんな見積りで契約して、その後も余りに身勝手な増額要求があった。私たちは別に国内防衛産業を育成しようという立場じゃないですよ。国内だったらいいという立場じゃないです。しかし、これは軍事費二倍なんかにしたらば、こういう、ますますこういう事態がアメリカから購入するということではびこるんじゃないか。
 しかも、これは、能力向上と言うけど、射程九百キロのスタンドオフミサイルを搭載できるようにするわけでしょう。朝鮮半島全域と中国、ロシアの一部も射程内になりますよね。防衛大臣、敵基地攻撃に対応できる装備ということになりますね。

 

○国務大臣(岸信夫君) スタンドオフミサイルにつきましては、各国の早期警戒管制能力や各種のミサイルの性能が著しく向上する中で、自衛隊員の安全を確保しつつ、相手の脅威圏の外から対処を行う必要があることから、スタンドオフ防衛能力を強化するために導入する装備品であります。いわゆる敵基地攻撃能力を目的としたものではありません。

 

○小池晃君 あの安倍晋三さんも総理のときはそういう答弁をしていたんです。
 ところが、昨年十一月の講演でこう言っているんです。安倍政権においてスタンドオフミサイルという形で具体的な能力については保持した、この能力を打撃力、反撃能力としても行使できるようにしていくことが求められる。これが本音でしょう。
 大臣、この安倍晋三さんの発言、間違いですか。

 

○国務大臣(岸信夫君) 総理を辞められた方ですのでコメントをすることは差し控えたいと思いますが、いずれにいたしましても、このスタンドオフミサイルにつきましてはいわゆる敵基地攻撃を目的としたものではないということです。

 

○小池晃君 総理は辞めたかもしれないけど、国会議員ですよ。最近盛んにいろんな発言している人ですよ。しかも、御兄弟じゃないですか。やっぱりこれが本音ですよ、これ、結局。やはりこういった道を進んでいくことは許されないということを申し上げておきたいと思います。
 やっぱり、総理、政治の最大の役割は、私は戦争を未然に防ぐ外交努力だと思います。しかし、政府の議論に外交というのはほとんど出てこない。軍事力の強化ばかり突出している。中国や北朝鮮の軍事挑発に対して軍事で向かえば、これアジアは本当に危険になっていきますよ。
 戦争の心配のない東アジアをどうつくっていくのか。ASEANは、友好協力条約を結んで、徹底した対話で東南アジアを平和と協力の地域につくり変えてきた。そして、東アジア・サミットを開催して、東アジア規模での友好協力の仕組みをつくるということを提唱している。東アジア・サミットには、アメリカも韓国も中国も、そして我が国もロシアも参加をしている。
 私はですね、特定の国を排除するのではなく、地域の全ての国を包摂する集団的な安全保障の枠組みをつくっていくことがやはりヨーロッパの教訓を生かす道ではないかというふうに私たちは思います。
 総理、やはり日本は徹底した平和外交、憲法九条を生かした平和外交で役割を発揮すべきではありませんか。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) おっしゃるように、我が国の国民の命、暮らしを守るためには、先ほど申し上げました、この自らの防衛力、日米同盟の抑止力、対処力、これも重要でありますが、御指摘のように、外交力、強力な外交によって我が国にとって好ましい国際環境をつくり出していく努力、これも大変重要な取組であると認識をいたします。
 このため、米国、豪州、インド、そして御指摘のASEAN、さらには欧州、こうした同盟国、同志国とも連携しながら、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組を戦略的に推進し、そして地域の平和と繁栄に貢献していく、我が国外交にとってこういった姿勢は大事であると思います。
 アジアではASEANが地域協力の中心として重要な役割を担っている、委員御指摘のとおりだと思います。ですから、東アジア首脳会合、EASですとか、ASEAN地域フォーラム、あるいは拡大ASEAN国防相会議、これらは御指摘のように米中も参加する多層的な地域協力の枠組みであります。
 我が国もこの外交を通じて、日米同盟を基軸としながらも、こうしたASEANの中心性を尊重しながら、今申し上げましたような枠組みに積極的に貢献をすること、さらには枠組みを強化するべく協力をするということ、こうした外交を進めていくことが重要であると思っています。

 

○小池晃君 徹底したやっぱり外交努力をやっていく、特定の国排除するんじゃなくて包摂する、そういう枠組みこそ今アジアでは求められているということを重ねて私は強調したい。
 そういう中で、敵基地攻撃という議論があります。反撃能力と名前だけ変えたようですが、これは防衛大臣ですかね、これ、安保法制に基づく集団的自衛権の行使に当たってもこれは可能というふうにおっしゃるんですか。

 

○国務大臣(岸信夫君) 一般論として申し上げるならば、平和安全法制に関する閣議決定以前から、誘導弾等の基地をたたくなどの他国の領域における武力行動で自衛権発動の三要件に該当するものがあれば、憲法上、理論、憲法上の理論としてそのような行動を取ることが許されていないわけではないとしてきています。
 このような考え方は、限定的な集団的自衛権の行使も含め、閣議決定において示した武力行使の三要件の下で行われる武力行使にもそのまま当てはまると考えております。

 

○委員長(山本順三君) 小池晃君。

 

○国務大臣(岸信夫君) あっ、済みません。

 

○委員長(山本順三君) 岸信夫防衛大臣。

 

○国務大臣(岸信夫君) 続きを答弁させていただきます。
 昭和三十一年の統一見解では、当時のいわゆる旧三要件の下で示されたものであります。その後の平和安全法制の成立により、武力の行使の要件はいわゆる新三要件となりました。我が国の武力の行使は新三要件に基づいて行われると認識をしております。
 他方で、国民の命や大切な暮らしを守るために十分な備えができているのか、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討を行っているところであり、検討の結果も含めて具体的にお答えできる段階にはありませんが、この検討は、これまで申し上げているとおり、憲法、国際法の範囲内で進めているところであります。
 以上です。

 

○小池晃君 NHKの日曜討論がありまして、そこで自民党の代表の方は、敵基地攻撃はあくまで日本が攻撃された場合だというふうにおっしゃったんですが、まさに日本、今の答弁でいうと、日本が攻撃されていない集団的自衛権行使の場面でも敵基地攻撃はあり得るということになるわけですね。
 安保法制の存立危機事態における我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃の着手、総理、この着手というのはどういう事態をいうのか。一体、誰がどのようなことをもって着手と判断するのか、お答えください。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 存立危機事態については、今委員の方からも説明がありました、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態、こうしたことでありますが、当該他国に対する武力攻撃が発生した場合とは当該他国に対する武力攻撃に着手した時点であると解しております。
 そして、その着手とは具体的にどうなのかという御質問でありますが、どの時点で武力攻撃の着手があったと見るべきか。これは、具体的なその時点での国際情勢、相手方の、相手方の明示された意図、攻撃の手段あるいは態様、こうしたものによって判断するものでありますから、政府としては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、持ち得る全ての情報を総合して客観的、合理的に判断することになると考えております。

 

○小池晃君 判断する主体はどこですか。

 

○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。
 一般論として、我が国として存立危機事態を認定し得るような状況においては、我が国と密接な関係にある他国との間において、当然、情報交換、情勢分析、意見交換等のやり取りを緊密に行うことになります。
 武力攻撃の発生のタイミングに関わる判断は国家の安全保障に関する重要事項であり、政府として、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、このようなやり取りにより得られたものも含め、その持ち得る全ての情報を総合して客観的、合理的かつ主体的に判断をすることになります。

 

○小池晃君 主体的にとおっしゃいますけどね、攻撃への着手を判断すること自体、極めてこれ困難なことだと私は思いますよ。その上、日本に対する武力攻撃ではなく、アメリカなどの同盟国に対する武力攻撃の着手を日本がどうやって主体的に判断するんですか。
 日米ガイドラインでは、有事に至るあらゆる段階で日米が情報を共有し共同して対処するということですからね、圧倒的な情報収集能力を持っているアメリカの判断に依拠することになることは明らかではありませんか。

 

○国務大臣(松野博一君) 同盟国である米国とは平素より様々な対応について意思疎通を図ってきたところであり、今後も緊密な意思疎通を行うこととなるため、日米間で対応ぶりにそごが生じるとは考えていません。

 

○小池晃君 そういうことを聞いているんじゃないんですよ。
 主体的に判断すると言うけど、結局アメリカの圧倒的な情報収集能力に依拠せざるを得なくなるでしょうと聞いている。

 

○国務大臣(松野博一君) 先ほど答弁をさせていただいたとおりでありますけれども、これ、政府として、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、同盟国とのやり取りにより得られたものも含め、その持ち得る全ての情報を総合して客観的、合理的に我が国の主体的な判断によるものであります。

 

○小池晃君 無理筋、無理です。
 アメリカの、しかも、アメリカの武力攻撃に今まで日本というのは反対したことは一度もないんだから、主体的な判断なんかできないじゃないですか。
 結局、日本に対する武力攻撃がなくても、アメリカがどこかの国と戦争を始めたらば、日本が自衛隊、一緒になって、相手国の基地だけではなく指揮統制機能、すなわち相手国の中枢までこれ攻撃することになる。これが、憲法が禁止した、放棄した戦争でなくて何なのかと。相手国から見れば、これは先制攻撃にほかなりません。報復を呼びます。我が国に戦火を呼び込むことになります。
 私は、安保法制、戦争法の危険性がいよいよ、この敵基地攻撃の問題も含めてですね、いよいよこの危険性が明らかになったと思います。改めて廃止を求めます。
 沖縄県の玉城デニー知事は、復帰五十年に当たって、辺野古新基地建設の断念などを求める新たな建議書を日米両政府に提出しました。ところが、その直後に、日米の首脳が、沖縄の声を一顧だにせず新基地建設で合意した。強く抗議します。
 辺野古の陸上部の工事について聞きます。
 キャンプ・シュワブ陸上部の施設建設工事、二〇〇六年以降に支出した総額と、米軍に提供した建物は幾つですか。

 

○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
 キャンプ・シュワブ及び辺野古弾薬庫の陸上部においては、隊舎等の建物を機能的かつ効率的に再配置するための工事を実施しております。これらの工事に関しまして、平成十八年度以降令和二年度までに支出しました総額は約五百九十七億円となっております。また、これらの工事によりこれまでに米側に提供した建物は三十棟となっております。

 

○小池晃君 キャンプ・シュワブの陸上部の施設建設は普天間飛行場の移転と何の関係もないじゃないですか。何で、普天間の移設と関係のない海兵隊のキャンプ・シュワブの基地強化費用を何で日本の税金で出さなきゃいけないんですか。

 

○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
 辺野古弾薬庫の建て替えにつきましては……(発言する者あり)失礼いたしました。
 平成十八年五月の2プラス2で合意されました再編の実施のための日米ロードマップの、普天間飛行場代替施設をキャンプ・シュワブ区域に設置するため、キャンプ・シュワブの施設及び隣接する水域の再編成などの必要な調整が行われるという内容に基づいて委員御指摘の点は実施しているところでございます。
 この再編の実施のための日米ロードマップにおきまして、施設整備に要する建設費その他の費用は明示されない限り日本政府が負担するとされていることから、建て替えに係る費用は日本側で負担しているというところでございます。

 

○小池晃君 言われるがままに負担しているという話ですよ、今のは。こんなことでいいんですか。隣接する地域だから、普天間の移設と関係ないところまで日本の税金で今着々とキャンプ・シュワブの基地強化やっているわけでしょう。こういうことが許されるのか。
 しかも、弾薬庫、今写真出しております。20220531パネル⑥辺野古、キャンプ・シュワブに隣接する辺野古弾薬庫の建て替え工事行われています。この進捗状況を説明してください。この建て替え工事に係る契約額は幾らか、お示しください。

 

○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
 辺野古弾薬庫の建て替えにつきましては、平成二十九年度に弾薬庫四棟の建て替えに関する日米合同委員会の合意を得て工事を開始いたしまして、令和三年度に完成したところでございます。
 あと、これら四棟の建て替えに、建て替え工事に係る契約額は合計約三十一億円でございます。

 

○小池晃君 いや、令和四年、令和三年度と言ったけど、いつ完成したのか言ってください。

 

○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
 令和四年二月、完成しております。

 

○小池晃君 建て替えはこの四棟にとどまるのか。
 これ、アメリカ海兵隊が二〇一四年に作成した文書です。何と書いてあるか。キャンプ・シュワブ及び辺野古弾薬庫を、新たな任務に対応できるよう、再設計・拡張する、辺野古弾薬庫に係る計画変更は、十三の弾薬庫を解体し、新たに十二の弾薬庫と武器の組立て区画を設置することを含む、この建設には未開発地を含む大規模な土木工事を必要とすると。20220531パネル⑦
 米軍から、辺野古弾薬庫、更なる建て替え工事要求されているんでしょうか。

 

○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
 先ほども御答弁申し上げましたように、令和三年度に完成いたしました弾薬庫四棟以外に、現時点におきまして日米間で新たに合意した弾薬庫の建て替え計画はございません。令和三年度に、令和三年度に完成いたしました弾薬庫四棟以外に、今後の建て替え計画につきましては現在日米間で調整を続けているところであり、現時点におきまして、繰り返しになって恐縮でございますが、日米間で新たに合意した弾薬庫の建て替え計画はないというところでございます。

 

○小池晃君 現時点では合意していないけど米軍から要求はあるんですかと聞いているんです。

 

○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
 具体的に米側との調整の内容につきましては、相手方との関係もございますので、委員御指摘の点も含めてお答えできないことは御理解いただきたいと考えているところでございます。

 

○小池晃君 独立国ですか。こんな大事なことを国民に明らかにできない、こんなことでいいのか。巨大な弾薬庫の建設ですよ、これ。
 先日、私は、キャンプ・シュワブの辺野古弾薬庫寄りの第四ゲートを、この内部で大規模な伐採、造成工事行われているのを見てまいりました。これも辺野古弾薬庫の建て替え工事のためのものではないかというふうに現地では言われている。工事の影響かもしれないけれども、大浦湾は赤土で濁っているんですよ。自然環境への影響も非常に心配であります。
 共同通信は十四日、沖縄県内の米軍弾薬庫について、自衛隊による共同使用案が日米両政府内で浮上したと、日米一体化が加速していると報じました。これは事実ですか。

 

○政府参考人(増田和夫君) お答え申し上げます。
 報道については承知しております。施設・区域の共同使用につきましては、運用に係るより緊密な調整、相互運用性の拡大などの観点から充実すべき日米協力分野の一つでありまして、これまでも具体的な取組も進展しているところでございます。
 今後の共同使用の検討に当たりましては、特定の地域は排除せず、沖縄を含む日本全国の施設・区域について幅広く様々な可能性を検討してきておりますが、日米間の具体的なやり取りや検討状況につきましては、仮にこれらを明らかにした場合、米国政府との信頼関係が損なわれることなどから、お答えできないことを御理解いただきたいと思います。

 

○小池晃君 国民との信頼が壊れても米国政府との信頼が大事なんですか。こんなことは許されない。全く否定しませんでした、今。
 しかも、この弾薬庫、秋葉剛男国家安全保障局長が在米日本大使館で公使だった二〇〇九年に、米議会で沖縄又はグアムへの核貯蔵施設建設について日本はどう見るかと問われて、そのような提案は説得力があると答えたとされる陳述メモ明らかになりました。当時外務省は否定しましたが、この委員会のメンバーの一人、モートン・ハルペリン元国防次官補代理は、赤旗のワシントン特派員の取材に、これは責任あるスタッフによって書かれたもので正確なメモだと答えています。
 沖縄には本土復帰前まで最大で千三百発もの米軍の核兵器が存在しました。辺野古弾薬庫にも核兵器が貯蔵されたことが、されていたことが確認されています。そして、日米首脳会談では、拡大抑止、核の傘の強化を確認して、辺野古新基地建設を着実に実施すると表明しました。
 防衛大臣、辺野古弾薬庫に核兵器が配備される可能性はないと断言できますか。日米間で何を話し合っているのか、明らかにすべきではありませんか。

 

○国務大臣(岸信夫君) 我が国は非核三原則を堅持しております。このことは米国も十分に了解をしていることであります。御指摘の辺野古弾薬庫を始め、在日米軍基地のどこであっても、兵器、核兵器を保管することは、核、非核三原則との関係で認められるものではなく、日米両政府間でそうした議論は行われておりません。

 

○小池晃君 しかし、密約の存在は明らかになっているわけですよね。辺野古の新基地は、大浦湾の超軟弱地盤でどれだけの期間、どれだけの費用が掛かるか分からず、建設の可能性すら疑問が出ている。そして、今日議論したように、普天間の移設にとどまらないんです、これ。
 キャンプ・シュワブと辺野古弾薬庫の大規模な強化による巨大新基地建設、キャンプ・シュワブに陸上自衛隊を常駐させて共同使用することも検討されています。辺野古新基地と辺野古弾薬庫が一体となって日米共同の一大拠点になる危険がある。
 何よりも、沖縄の新基地反対の民意は揺るがぬものであります。新基地建設は中止をして、普天間飛行場は閉鎖、撤去せよと、このことを改めて求めたいと思います。
 そして、総理、日米首脳会談で拡大抑止の重要性確認されました。拡大抑止は核の使用を前提とする議論です。総理は核兵器のない世界を目指すとおっしゃいますが、まさに逆行だと思いますよ、私、拡大抑止は。
 広島に本社を置く中国新聞は社説で、広島サミットを歓迎しつつ、核兵器廃絶を議論するどころか被爆地を舞台に核抑止力をアピールする場になりかねないと警鐘を鳴らしています。総理は地元のこうした声にどうお答えになりますか。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) これは再三申し上げていますが、厳しい安全保障環境の中で国民の命や暮らしを守る、現実的な対応をしっかり行わなければいけないということで、先日の日米首脳会談においても、核を含むあらゆる種類の能力によって裏付けられた日米安全保障条約の下で米国のコミットメント、これを確認し、そして、拡大抑止が揺るぎないものである、その信頼性についても今後しっかりと日米で意思疎通を図っていこう、こうしたことを確認したわけですが、こうした厳しい現実に対する対応と核兵器のない世界に向けての、という理想に向けての取組、これは決して矛盾するものでないということを申し上げています。この厳しい現実を踏まえて、ここから核兵器のない世界という理想に向けてどういった道筋で議論を進めていくか、そのロードマップを示すことによってこの両者は両立できると信じています。
 今この米国との信頼関係をしっかり確認し、現実に対応するとともに、核兵器のない世界という理想に向けて、米国との信頼関係に基づいて取組を進めていく、これこそが現実を変えていく大変重要な取組であると思います。
 結論として、今の御指摘、今の現実への対応と理想への、理想の追求、この二つは矛盾するものでないということを申し上げております。

 

○小池晃君 私は全く逆行だと思いますよ。拡大抑止というのは、核の使用も前提とする議論ですよ。いざとなったら核を使うという議論ですよ。そこに固執をして、今言ったように揺るぎないものだというようなものまで確認をする。そういったことと同時に、核兵器のない世界を目指す。どう両立するんですか。全く方向が逆じゃないですか。
 中国新聞の社説では、今、中国新聞、広島のですよ、広島を本社とする中国新聞ですよ、この中国新聞の社説でも、ロシアの核兵器の脅しもあって、核兵器がなければ国を守れない、短絡的な言説が横行し始めていると、まさに核軍縮には逆風が吹いていると、こう指摘をしている。私も本当にそうだと思う。
 プーチン大統領のように、自国にどのような被害が出ようとも核の先制使用をためらわないような、そのような核大国の指導者が登場している下で、私は、核を持てば抑止できるという議論は破綻したと、いよいよ無力になっていると思いますよ。そういう中で、広島出身の首相だと胸を張る総理が、まさに核をですね、核拡大抑止だというような議論を進めると。
 後ろの官僚さん、笑っているんじゃないよ。あなたたちね、笑う場所じゃないでしょう、これは。無責任だよ。(発言する者あり)

 

○委員長(山本順三君) 質疑を続けてください。

 

○小池晃君 総理、そういう議論どうですか。(発言する者あり)

 

○委員長(山本順三君) 御静粛に願います。
 質疑を続けて。よろしいですか。
 岸田内閣総理大臣。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 核をめぐる議論、様々な見方がある、意見がある、これはそのとおりだと思います。しかし、私は今、内閣総理大臣として、被爆国、被爆地出身の総理大臣としてこの現実にしっかり対応するとともに、理想は決して諦めないということを申し上げています。
 今、ロシアによるウクライナ侵略、そして核兵器の使用すらにおわせるような言動によって、核兵器をめぐるこの世界においても大変過激な議論が横行しています。このことは大変残念なことであり、だから、こういった時代だからこそ冷静な議論が必要であるということも申し上げています。そして、このアジア太平洋における厳しい安全保障環境、特に日本、核兵器国に囲まれている日本において国民の命や暮らしを守るためにはどうあるべきなのか、現実的な議論を日米同盟を基軸としながら進めなければいけない。だから、日米同盟の抑止力、対処力、そして我が国の防衛力の強化が重要だということを申し上げています。
 しかし、ここから核兵器のない世界に向けてどのようなロードマップを進めていくのか。現実的にこの様々な核をめぐる議論、最近ではFMCTもCTBTも、これ、かつて先人たちは様々な努力を続けていたわけですが、今、過激な議論の中ですっかり忘れられてしまったかのような感がいたします。これは、再びこうした具体的な議論、この核兵器禁止、あっ、核実験をどう禁止するか、あるいは核兵器用の物資を国際社会でどう管理していくのか、こうした現実的な議論をいま一度思い返して進めていくことによって、核兵器のない世界に向けて、この理想に向けてどうロードマップを描くのか、これをしっかりと示すことこそこの今の厳しい時代における政治家の責任であると思い、私自身それを示させていただいているということであります。
 よって、この理想と現実、これは矛盾するものではない、これを結び付けることこそ政治家の責任であると強く確信をしております。

 

○小池晃君 何でこれで拍手が起こるのか、私には全く理解ができません。
 非常に冷静な話を私はしているつもりです。核兵器というのは人類とは共存できない悪魔の兵器であると。絶対にやっぱり許しちゃいけないんですよ、核の保有も、もちろん使用も。核兵器のない世界を実現するというなら核抑止と決別しなければいけないんですよ。国連は圧倒的多数で核兵器禁止条約を採択した。過激な議論じゃないですよ。非常に現実的な議論で、八十六か国が署名し、六十一か国が批准しているわけです。
 来月六月、ウィーンで締約国会議が開かれます。NATO加盟国の中からもドイツ、ノルウェーはオブザーバー参加をするわけですよ。我が党も代表団を派遣をいたします。
 ロードマップだと、核兵器国と非核兵器国の橋渡しをするんだと、現実的に進めるんだとおっしゃるのであれば、私は、少なくとも六月の締約国会議に日本政府が代表を派遣する、今おっしゃったことと何ら矛盾しないと思いますよ。会議に出て日本の立場を堂々と述べればいいじゃないですか。NATO加盟国だって参加を始めているんですよ。世界の流れに合流すべきじゃないですか。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) これも再三申し上げておりますが、核兵器禁止条約は、核兵器のない世界という理想に向けての出口に当たる重要な条約であると思います。この条約に、どこに、どうやって、につながっていくのか、これがこれから問われるところであると思います。
 そして、核兵器禁止条約につなげるためには、この核兵器禁止条約には核兵器国は一国たりとも参加をしていません。私は、外務大臣在任中、こうした核軍縮・不拡散に関する様々な国際会議に出席をいたしました。その際に、現実を変えるためには、核兵器国、実際に核兵器を持っている国を変えなければ現実は全く変わらないという壁に何度もぶち当たって、残念な思いを繰り返してきました。私は、現実を変えるためには、核兵器国を変えてこそ、動かしてこそ現実は変わるんだと信じております。
 ですからして、我が国は、唯一の戦争被爆国として核兵器国を動かす努力をしなければいけない、唯一の同盟国であるアメリカと信頼関係に基づいて動かすところから現実を変えていかなければ理想には到達しない、このように信じています。是非、現実にしっかりと国民の命や暮らしを守るために対応するとともに、アメリカとの信頼関係の下に、核兵器のない世界、しっかり目指していきたいと思います。
 幸い、日米首脳会談、先日の日米首脳会談においても、バイデン大統領と、核兵器のない世界を目指す、こういった理想を目指すということでは一致をしています。是非、こうした現実にしっかり対応しながら、理想に向けて努力を続けていきたいと思っています。

 

○小池晃君 核兵器禁止条約は出口だとおっしゃるけれども、入口に入っていないじゃないですか。出口まで今それは決まっているわけじゃない、しかし入口に入っていない、まずは締約国会議に出たらどうなんですかと私は言っている。
 そして、核兵器国を動かすんだと、どうやって動かすんですか。そういう動かす手だてとして、まさにNATOの加盟国もオブザーバーで参加すると言っているんだったら、日本もこの会議に参加すべきではないかと、そう申し上げている。そのこともしない、結局、アメリカとの、同盟国との信頼関係があるから、アメリカが背を向けているから出ませんと、それだけのことにしか聞こえませんよ、結局。
 そういうことでは核兵器をなくすなんてことはできないということを申し上げておきたい。広島出身の総理などということはもう語らないでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 

○委員長(山本順三君) 岸田内閣総理大臣。

 

○小池晃君 いい、聞いてないからいいです。

 

○委員長(山本順三君) 答弁があるそうです。

 

○小池晃君 聞いていない。

 

○委員長(山本順三君) どうぞ。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) いや、入口にも入っていないとおっしゃったんで申し上げますが、今、戦後、この世界各国はNPT体制の下に核をコントロールしようとしてきた、そこには核兵器国も参加しているわけです。それと核禁条約をどう結び付けるか、これが大切です。
 具体的に何をするのか、これはやることはいっぱいあります。先ほど申し上げましたCTBT、FMCTもそうですが、我々も、今日までオーストラリアとともに、NPDI、非核兵器国の枠組みの中で核兵器国に透明性を発揮しろと、信頼こそ核軍縮の基本だということで取組を続けてきました。こういったことを一つ一つ進めることによって理想に向かっていきたいと私は思っております。(発言する者あり)

 

○小池晃君 現実の政治やっているんだという声が自民党の席から出ましたけれども、私は現実じゃなくて核抑止にこだわっているだけだと思いますよ。そこから抜け出し切れない。
 私は、核なき世界を目指すと本当に本心で言っているのであれば、まさに、与党の中からだってオブザーバー参加した方がいいという意見出ているじゃないですか。やっぱりこれは締約国会議に参加する、当然だと思います。
 中小規模郵便局の局長でつくる任意団体、全国郵便局長会、略称全特、ここが郵便局長の後継者育成マニュアルというのを作りました。20220531パネル⑧独自に入手いたしました、私ども。これによりますと、このマニュアルによりますと、後継者育成の目的は、早い段階から全特組織の目的と活動を理解させ、全特への帰属意識を高めることが重要としています。退職予定の郵便局長は、具体的な候補者をおおむね三年前までに選定し、候補者の人物調査及び面接を実施し、配偶者がいる場合は配偶者も同席させて面接を実施し、本人及び配偶者が共に制度への理解と協力する意思があることを確認すると、こう書かれているんですね。
 そして、三年間の研修を受けさせる。政治活動、選挙運動、地域活動の重要性について理解を深めさせる。郵政事業の抱える政治課題は何か、なぜ政治活動は必要なのかを教えるとともに、課題解決のために局長として日々どのように行動するかを理解させる。全特の考え方に賛同し、実践、行動する国会議員等との連携について説明するという記述もございます。
 日本郵政の参考人に聞きます。郵便局長というのはこういうプロセスで選ばれているんでしょうか。

 

○参考人(衣川和秀君) 全国郵便局長会におきまして、郵便局長となり得る候補者を探し、その者に対して勉強会や研修を行っているということは聞いております。
 ただし、採用に関しましては、本人の適性や能力に基づき会社が厳正に選考しておりまして、郵便局長会が認めた人物であるとか、報道にあったような、今先生、委員御指摘のような政治活動に賛同することや配偶者の有無などを採用の基準とはしていないものでございます。

 

○小池晃君 私は、報道でないんですよ、実際にマニュアル入手したらそう書いてあるんですよ。
 これはそうじゃないということであれば、要するに、全特は、じゃ、だましているということになりますよ。全特は、こうすれば郵便局長になれますよと、郵便局長になりたい人をだまして、夫婦面接して、研修を受けさせていると。それでよろしいですか。

 

○参考人(衣川和秀君) 会社といたしましては、厳正に人物本位で選考しているということでございます。

 

○小池晃君 全く答えていない。
 このマニュアルが存在することはお認めになりますか。

 

○参考人(衣川和秀君) 報道を契機といたしまして、こうしたマニュアルが存在するということは承知しております。しかしながら、当社としましてその内容について関与しているものではございません。

 

○小池晃君 もうね、これ、マニュアル存在しているのが大問題ですよ。
 総務省、総務大臣、マニュアル、存在認めましたよ。こういうことを放置していいんですか。監督官庁として、これ調査すべきじゃないですか。

 

○国務大臣(金子恭之君) お答え申し上げます。
 御指摘のような報道があったことは承知をしておりますが、個別の企業の人事に関することであり、総務省としてはコメントすることは差し控えさせていただきます。(発言する者あり)

 

○委員長(山本順三君) 金子総務大臣。

 

○国務大臣(金子恭之君) お答え申し上げます。
 日本郵政グループの採用に関することは、基本的には経営の裁量の範囲であると考えております。
 したがって、繰り返しになりますが、具体的な事実関係については、まずは日本郵政グループにおいて説明いただく必要があると考えております。その上で、総務省としても、監督官庁として、今後の動向を注視し、必要に応じて適切に対応してまいりたいと思います。

 

○小池晃君 マニュアルを認めたんだから、調査すぐにすべきじゃないですか。しないんですか。

 

○国務大臣(金子恭之君) 繰り返しになりますが、具体的な事実関係については、まずは日本郵政グループにおいて説明いただくことが必要と考えております。その上で、総務省としては、監督官庁として、今後の動向を注視をし、必要に応じて適切に対応してまいりたいと思います。(発言する者あり)

 

○委員長(山本順三君) 金子総務大臣。

 

○国務大臣(金子恭之君) お答え申し上げます。
 先ほど社長からも、マニュアルの存在というのは認められたわけでありますが、その後に、採用に関しては本人の適性や能力に基づき会社が厳正に選考しておるということをはっきり言われました。ということでありますので、我々としても、繰り返しになりますが、具体的な事実関係については、まずは日本郵政グループにおいて説明いただくことが必要と考えております。その上で、総務省としても、監督官庁として、今後の動向を注視し、必要に応じて適切に対応してまいりたいと思います。(発言する者あり)

 

○委員長(山本順三君) 金子総務大臣。
 御静粛に願います。

 

○国務大臣(金子恭之君) お答え申し上げます。
 繰り返しになりますが、具体的な事実関係については、まずは日本郵政グループにおいて説明いただくことが必要と考えております。何もしないとは言っておりません。その上で、総務省としても、監督官庁として、今後の動向を注視し、必要に応じて適切に対応してまいりたいと思います。

 

○小池晃君 こういうマニュアルを持っているという事実は、このこと自体問題だと思わないんですか。

 

○国務大臣(金子恭之君) マニュアルについては私も今日の小池先生のそれで確認したところでございますが、先ほど社長からもお話がありましたように、採用に関しては、本人の適性や能力に基づき会社が厳正に選考しており、郵便局長会が認めた人物であるとか、報道にあったような政治活動に賛同することや配偶者の有無などを採用の基準とはしていないということを明言されております。
 今後、先ほどから申し上げておりますように、日本郵政グループにおいて対応をしていただき、その結果を見ながら我々も対応を決めさせていただきたいと思います。

 

○小池晃君 このようなマニュアルを認めながら、調査をするとも言えない、本当にそんな姿勢でいいのかと。
 総理、これ、最近の参議院の比例代表選挙では、自民党の候補者の中で、三回連続、全特推薦候補がトップ当選しているわけですよ。その背景にこのような郵便局長会による局長選考システムがあるとすれば、これは、総理としても自民党総裁としても、これはこのまま見過ごすわけにいかないんじゃないですか。総理、これは調査する責任があると私は思う。郵便局は本当に大きな役割果たしています、地域で。だからこそ、こんなことがあったらいけないと。
 総理、お答えいただきたい。

 

○委員長(山本順三君) 総理、時間が来ておりますので、手短に答弁よろしくお願いします。

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) はい。
 先ほど金子大臣からも答弁させていただきましたが、マニュアルの存在がこの委員会の中で指摘をされた、それについて、まずは、これ個別会社の人事採用のことでありますので、まずは会社において説明責任を果たすことが大事だということを申し上げた上で、その説明を聞いた上で、必要があれば総務省としても対応を考えたいと、こういう答弁だったと聞いておりました。
 これは、そうしたその姿勢、個別の会社の事案でありますので、まずは自らの説明責任を果たしてもらい、その上で、政府として必要であらば対応する、これは大変重要な、大切な姿勢であると思っています。
 いずれにせよ、これは選挙、選挙に、ではなくして、個別の会社の人事の話であると認識をしております。

 

○小池晃君 全く納得できないということを申し上げて、質問を終わります。

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