日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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暮らし守る道理ある提案 岸田政権を徹底追及 参院本会議

2022年10月11日

赤旗2022年10月8日付

小池書記局長の代表質問

 

 日本共産党の小池晃書記局長は7日の参院本会議で代表質問し、「国葬」の強行、政府・自民党と統一協会の癒着について岸田文雄首相の姿勢をただしました。また、賃上げなど物価高騰のもとで国民の暮らしを守る政策を提案するとともに、岸田政権の原発推進、軍拡路線を批判、追及しました。


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(写真)代表質問する小池晃書記局長=7日、参院本会議

 

「国葬」強行

小池氏 法の下の平等に反する

首相「指摘当たらない」とごまかす

 

 国民の6割が反対するなか強行された安倍晋三元首相の「国葬」―。小池氏は、安倍氏を特別扱いで国葬の対象にしたのは、「憲法14条の『法の下の平等』に反するのではないか」と指摘。岸田首相は「法的に誰かを差別することとは無関係」「法の下の平等に反するという指摘は当たらない」とごまかしました。

 

 「国葬」の内容について小池氏は、安保法制や特定秘密保護法の強行、消費税の2度にわたる引き上げなど、安倍政権の“実績”を列挙して賛美するものだったと指摘。「これらのことも『モリ・カケ・サクラ』の国政私物化も、虚偽答弁も、すべて肯定し、引き継ぐ立場なのか」とただしましたが、岸田首相は答えませんでした。

 

統一協会との癒着

小池氏 名称変更は最大の正体隠し、政治家の関与徹底調査を

首相、関与否定し調査実施も拒否

 

 政府・自民党と統一協会の癒着を取り上げた小池氏は、政府が2015年に統一協会の「名称変更」を認めたことが、同協会の正体隠しに最大限利用され、被害を拡大したとして、「行政としての責任をどう考えているのか」と追及。名称変更は認めないという従来の行政の方針は、政治家の関与なしに変更できるはずがないとして、「徹底的に調査するべきだ」と主張しました。

 

 岸田首相は「所轄庁(文化庁)の調査によれば、政治家や大臣の政治的な関与や圧力はなかったと報告を受けている」と関与を否定し、調査の実施も拒否しました。

 

 小池氏は、山際大志郎経済再生担当相による、統一協会をめぐる度重なる追加報告などの不誠実な対応を批判。岸田首相が、内閣改造で「統一協会との関係を点検し、厳正に見直すことを了解したもののみを任命した」と述べたが、山際氏は当時、「統一協会との関係をどのように報告したのか」と追及しました。

 

 その上で、「総理の任命責任がきびしく問われる。更迭すべきではないか」と求めました。

 

 岸田首相は、「日頃のコミュニケーションの中で、点検および結果説明の状況を共有している」と答えた上で、「(山際氏)自らの責任で、丁寧に説明を尽くす必要がある」などと、更迭する意思がない姿勢を改めて表明しました。

 

 6日の参院本会議で自民党の世耕弘成・参院幹事長が、安倍氏は統一協会とは「真逆の考え方にたつ政治家」であるとの暴論を展開しました。小池氏は、安倍氏は「真逆」どころか関連団体の会合で「韓鶴子総裁をはじめ皆様に敬意を表します」というビデオメッセージまで送った政治家だと指摘。参院議長を務めた伊達忠一氏が「安倍氏がどの候補者を統一協会に支援させるか差配していた」と証言したことを示し、「何の調査もせずに自民党と統一協会の『組織的関係はなかった』となぜ断じることができるのか」と迫り、徹底調査を要求しました。

 

 小池氏は「信教の自由」を理由に統一協会への解散命令に慎重な姿勢をとる岸田首相に対し、「今後も統一協会に宗教法人としての特権を付与して優遇することに、国民の理解がえられると考えているのか」とただし、「宗教法人法に基づく解散命令を請求すべきだ」と強調しました。

 

物価高騰・学校給食

小池氏 賃上げや農家支援、消費税減税対案示す

首相、切実な声に背を向ける

 

 物価高騰が国民の暮らしに襲いかかっています。小池氏は岸田首相に、「物価高騰の最大の原因が異常円安であることを認めないのか」と質問。所信表明での「円安のメリットを最大限引き出す」という首相の発言に触れ、「円安を維持すべきだとでもいうのか。首相の耳には物価高騰に苦しむ国民、原材料費の高騰にあえぐ中小業者の悲鳴が聞こえないのか」と追及しました。

 

 岸田首相は、異常円安が物価高騰の要因とは明言せず、「国民からの厳しい声をしっかり受け止め、今後の総合経済対策の策定等に生かす」と述べるにとどまりました。

 

 実質賃金はついに5カ月連続マイナスとなるなか、小池氏は、首相が進めようとしている「構造的な賃上げ」について、「その『構造』がまったく見えない」と批判。大企業の内部留保に時限的に課税し、大企業の労働者の賃上げ促進と中小企業の労働者の賃上げ支援に充てるという日本共産党の提案を紹介し、「反対なら、対案を示すべきだ」と迫りました。

 

 岸田首相は「内部留保への課税は、二重課税にあたるとの指摘がある」と難色を示し、対案は示しませんでした。

 

 物価高騰は農業にも影響。肥料、飼料が2年前より4割以上価格が上がる一方、米価は2割以上下落しました。小池氏は「このままでは農業は衰退し、食料自給率の向上にも逆行し、国民の命を守ることができなくなってしまう。日本農業が危機にひんしているという認識があるか」と追及。肥料、飼料、燃油などの価格高騰前との差額の補てんとともに、「市場任せの農業政策をあらため、生産コストに見合う農産物の価格保障と所得補償を確立すべきだ」と要求しました。

 

 岸田首相は「価格保障や所得補償は、需給動向や品質を考慮しない生産が助長される」と述べ、農家の切実な声に背を向けました。

 

 物価高騰による学校給食費の値上げが相次ぐなか、全国で多くの自治体が、地方創生臨時交付金などを活用し、学校給食費の保護者負担を軽減しています。青森市や東京都葛飾区のように無償化する自治体も生まれています。小池氏は、義務教育の無償化を定めた憲法26条に基づき、「国の責任で小中学校給食の無料化をすみやかに実施するべきだ」と要求しました。

 

 岸田首相は「保護者が負担する学校給食費を、自治体等が補助することを妨げるものではない」と述べたうえで、「無償化については、自治体において適切に判断すべきもの」と答弁。「物価高騰に対しては、地方創生臨時交付金の活用を促し、99%の自治体において学校給食費の値上げが抑制されている」と答えました。

 

 小池氏は、コロナ禍以降、世界99カ国・地域で消費税・付加価値税の減税が進められているとして、「ぜひ日本を100カ国目にしようではないか」と消費税減税を要求しましたが、岸田首相は「諸外国で付加価値税の引き下げを含め、さまざまな対策が講じられていることは承知している」としながら、「考えていない」と理由も示さず拒否しました。

 

敵基地攻撃・辺野古

小池氏 来年度軍事予算は「敵基地攻撃予算」、軍事対軍事の悪循環で戦火よびこむ危険に直面

首相「あらゆる選択肢を排除せず」

 

 小池氏は防衛省の来年度の概算要求は、敵基地攻撃能力保有の既成事実化を狙うなど「敵基地攻撃予算」と呼ぶべきものだと指摘。過去最高の約5兆6000億円が計上された上、金額を示さない「事項要求」が多数含まれるなど、軍事費が青天井に膨れあがると主張しました。

 

 さらに、「事項要求」の第一の柱として敵基地攻撃能力となる「スタンド・オフ防衛能力」が盛り込まれ、その中心である長射程巡航ミサイルの1000発以上の保有が検討されていると報じられているが、「事実か」とただしました。

 

 岸田首相は「報道一つひとつに答えることは控える」とし、否定しませんでした。

 

 小池氏は、今年5月の答弁書で岸田政権が集団的自衛権行使での敵基地攻撃が可能だと明確にし、8月には環太平洋合同演習「リムパック」で集団的自衛権行使を想定した訓練が初めて行われたことに言及。「敵基地攻撃能力を持てば一触即発の事態をもたらし、米国が軍事行動を始めたら集団的自衛権の発動で自衛隊が相手国に攻め込み、戦火が日本に及ぶ。これが、わが国が直面している現実の最大の危険だ」と警告しました。

 

 その上で、敵基地攻撃能力の保有や、軍事費倍増検討の中止を求めました。

 

 岸田首相は「本年末までに新たな国家安全保障戦略等を策定する中で反撃能力を含めあらゆる選択肢を排除せず、防衛力を抜本的に強化していく」と強弁。軍拡に突き進む姿勢を示しました。

 

 小池氏は、9月の沖縄県知事選挙で、辺野古新基地反対を訴えた玉城デニー氏が圧勝したことに言及するとともに、「償いの心」から始まったはずの沖縄振興予算を減額する卑劣なやり方で、政府は基地受け入れを迫ってきたと批判。「それでも新基地は絶対受け入れないという県民の揺るがぬ意志を示したのが今回の選挙結果だ」と強調し、冷酷な沖縄施策を根本から改め、辺野古新基地建設中止、普天間基地の閉鎖・撤去に踏み切るよう迫りました。

 

 岸田首相は「沖縄振興予算の額は基地問題と関係していない。辺野古移設が唯一の解決策だ」と答え、選挙で示された民意に何ら触れませんでした。

 

原発再稼働・新増設方針

小池氏 原発依存やめ、再エネ大量普及をはかれ

首相、原発を全面的に推進する姿勢

 

 所信表明演説で十数基の原発再稼働に加え、「次世代革新炉」の開発・建設の加速を表明した岸田首相に対し、小池氏は「東京電力福島第1原発事故以降、歴代政権が封印し、参議院選挙前には口にしなかった政策の“大転換”に踏み切るのか」と質問。「福島の原発事故は収束していない。世界有数の地震・津波国で原発を推進する危険性も計り知れない。使用済み核燃料の処理の目途も立っていない」と指摘し「再稼働のみならず、新増設まで進めるのか」と批判しました。

 

 「次世代革新炉」については、▽実用化は2030年代半ば以降で、現在の電力不足対策どころか、気候危機対策にも役に立たない▽既存原発に依存し、老朽原発の延長運転と不可分になる―と問題点を列挙。「原発の運転期間の制限を撤廃し、60年以上の長期運転まで可能にするのか」とただしました。

 

 岸田首相は「原子力などあらゆる選択肢を追及する必要がある」と述べ、原発の運転期間の延長や、既存原発の最大限の活用、次世代革新炉の開発・建設などを「年末までに、具体的な結論をだせるよう検討を進める」と答弁。原発を全面的に推進する姿勢を明確に示しました。

 

 小池氏は、「原発ゼロ、石炭火力からの撤退を決断し、再生可能エネルギーの大量普及でエネルギー自給率の向上をはかるべきだ」と訴えました。

 

経口中絶薬

小池氏 配偶者同意要件の廃止を

首相「国民的な合意形成が必要」

 

 安全で効果的な中絶方法とされている経口中絶薬が、年内にも承認される見通しです。ところが政府は、母体保護法に基づき、服薬には配偶者の同意が必要だとの見解です。小池氏は、「私のからだは私のもの」「産む・産まないは女性の自己決定だ」などの批判が起こっていることを紹介しました。

 

 小池氏は「リプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツ=『性と生殖に関する健康と権利』が、今日、女性の人権の重要な概念の一つとして国際的にも確立している」と主張。国連女性差別撤廃委員会は、母体保護法の配偶者同意の撤廃を日本に勧告し、世界保健機関(WHO)も本人の希望で中絶を可能にするよう求めている事実を示し、「こうした声をどう受け止めているか」とただしました。

 

 岸田首相は、「性と生殖に関する健康と権利」は「国際的に女性の重要な人権の一つであると認識されていると承知している」と答弁。また、母体保護法の配偶者同意要件について「指摘があることは承知している」と述べました。

 

 小池氏はさらに「刑法の自己堕胎罪、母体保護法の配偶者同意要件は撤廃すべきだ」と迫りました。

 

 岸田首相は、配偶者同意要件の廃止については「国民的な合意形成が必要であると考えている」と答弁。また、DVなどで配偶者の同意を得ることが困難な場合の本人の同意のみによる人工妊娠中絶を可能とする運用について「厚生労働省において引き続き適切に周知をしていく」と答えました。

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