日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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インボイスは新たな大増税 参院財金委 小池議員、導入中止迫る 小規模事業者追い込むな

2022年11月04日

赤旗2022年11月2日付

 

 日本共産党の小池晃議員は1日の参院財政金融委員会で、来年10月に予定されるインボイス(適格請求書)制度導入について「小規模事業者やフリーランスなどにとって新たな消費税大増税だ」として導入中止を迫りました。


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(写真)質問する小池晃議員=1日、参院財金委

 

 小池氏は、インボイス導入で小規模事業者を取引から排除する事例が相次いでいると指摘しました。福島市が入札参加資格申請の手引に「インボイス制度の登録がない場合、水道局及び下水道室発注の工事等の受注ができなくなる」と記していた問題や、JR広島駅のタクシーの入構管理規定に「駅構内に入るものは適格請求書を発行しなければならない」との文言が入った問題を紹介。「免税事業者の排除ではないか」とただしました。

 

 インボイスを登録しないと入札制度から排除することに関し、総務省大臣官房の三橋一彦審議官、財務省主計局の前田努次長は「適当ではない」と自治体や各省庁に周知したと答弁。国土交通省運輸安全委員会の岡野まさ子審議官は、タクシーの入構制限が「独占禁止法に抵触する恐れがある」と周知するメールを地方運輸局などに送ったと述べました。

 

 小池氏は、アニメや声優業界で働くフリーランスの約4人に1人がインボイス導入で「廃業の可能性」とした調査を紹介。「地域経済や文化を支えるフリーランスや小規模事業者の仕事を奪い、廃業に追い込んでいいのか。岸田政権の経済対策にも逆行する」と迫りました。

 

 鈴木俊一財務相は「安定的な移行にむけ努力をしたい」などと述べるだけ。小池氏は「インボイス導入は今後の消費税増税のためだと指摘されてきたが、政府の税制調査会で増税の議論が始まっている」と指摘。増税の議論はやめ、インボイス導入は中止するよう重ねて求めました。

速記録を読む

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。大門さんのようにはいかないかもしれませんが、よろしくお願いします。
 インボイスの問題に今日は絞ってお聞きをしたいんですが、福島市が、令和五、六年度入札参加資格申請の手引きというのがありまして、これインボイス制度の登録がない場合、水道局及び下水道室発注の工事等の受注ができなくなりますと明記をしていました。その後、福島市、これ文書を訂正したんですけど、インボイス対応で免税業者を入札から排除することはあってはならないと思うんですね。総務省と財務省に、この間どのような対応をしたのか、簡潔に御説明をお願いします。

 

○政府参考人(三橋一彦君) お答えいたします。
 地方自治法施行令第百六十七条の五第一項の規定によりまして、地方公共団体の長は、必要があるときは、入札に参加する者に必要な資格として、経営の規模及び状況を要件とする資格を定めることができることとされております。また、同じ施行令第百六十七条の五の二の規定におきましては、地方公共団体の長は、契約の性質又は目的により、入札を適正かつ合理的に行うための、特に、行うため特に必要があると認めるときは、更に必要な資格を定めることができることとされております。
 総務省といたしましては、インボイス発行事業者でない者が契約の相手方となった場合に当該地方公共団体に課せられる消費税の負担が増加すること等を理由としてインボイス発行事業者でない者を競争入札に参加させないこととするような資格を定めることは、この施行令に規定する契約の性質又は目的により当該入札を適正かつ合理的に行うため特に必要があると認めるときとの要件に直ちに該当するものではないことから適当ではないと、また、同施行令百六十七条の五第一項の規定に基づきましてインボイス発行事業者であることを競争入札に参加する者に必要な経営の規模及び状況に関する要件とする資格を定めることについても同様に適当ではないと考えております。この旨は、本年十月七日に地方公共団体に通知を発出し、周知したところでございます。

 

○政府参考人(前田努君) お答え申し上げます。
 国の調達におきましては、予算決算及び会計令の定めによりまして、各省各庁の長等が入札に参加する者に必要な資格を定めることができることとされてございます。具体的には、工事、製造又は販売等の実績、従業員の数、資本の額など、入札者の契約履行能力等が十分であるかを判断するために必要な項目によって資格が定められることとされてございます。
 このため、契約履行能力等にかかわらず、単に免税事業者であることのみをもって国が発注する入札に参加させないとすることは適切ではないと考えてございます。なお、この趣旨は十月三日に財務省から各省庁の実務担当者宛てに周知をしているところでございます。

 

○小池晃君 タクシー業界でも問題起こっていまして、JR広島駅の入構管理規定に、駅構内に入る者は適格請求書を発行しなければならないという文言が入りました。免税事業者の車はタクシー乗り場に入れないという声が上がっていますが、これも免税業者の排除ではありませんか。国交省、お願いします。

 

○政府参考人(岡野まさ子君) お答えいたします。
 駅構内や施設内に設置されますタクシー乗り場への入構は、一般的に当該施設を管理する者と当該地域のタクシー事業者等との個々の契約によりその可否が決定されているものと承知しております。他方、インボイスを発行することができない事業者の入構を制限することは、個々の事案に即して判断する必要があるものの、独占禁止法の規定に抵触するおそれがあることから、慎重な対応が必要であると考えております。
 このため、国土交通省としては、地方運輸局及び一般社団法人全国個人タクシー協会に対し、タクシー乗り場の整備や施設内への入構に関する相談等があった場合には、インボイスに対応していない事業者の入構を制限することは独占禁止法に抵触するおそれがあること、また、一律にインボイスに対応していない事業者を除外するのではなく、利用者利便を確保した上でそのほかの方策についても検討することについて周知を促したところでございます。

 

○小池晃君 さらに、配付資料は、これは昨年千葉県の住宅供給公社が小規模修繕指定業者に宛てた文書なんですね。一枚目、表紙があって、二枚目、三枚目にですね、令和五年十月一日以降、取引先に対してインボイスの交付を要求いたしますので、取引先におかれましても準備のほどお願いしますと、要求いたしますと。20221101資料①これもやっぱりインボイスによって小規模事業者を排除するものじゃありませんか。国交省、お願いします。

 

○政府参考人(楠田幹人君) お答えをいたします。
 千葉県住宅供給公社が令和三年九月一日に御指摘の文章を送付したという事実については確認をいたしております。
 同公社、それからその設立団体であります千葉県からは、適格請求書発行事業者の登録が任意であることは承知をいたしておりまして、このお知らせも登録を強制するものではないということ、そして、公社として、登録を行わない事業者に対し取引を一方的にやめる等の、といったことを行う考えもないというふうなことを聞いて確認をしております。

 

○小池晃君 しかし、文書にはインボイスの交付を要求しますと書いてあるわけですね。こういう文書を送られたら、小規模事業者はやっぱりこれは強制だと当然受け取ることになると私は思うんですね。少なくとも、受け取った側はそういうふうに捉えるでしょう、これは。
 午前中の議論がございまして、大臣は免税業者を排除してはならないっていうふうに答弁されていますけど、私ちょっと今実例を御紹介しましたけど、インボイスによる小規模事業者の排除がいろんな現場で実はもう既に起き始めているわけです。
 今紹介したのはいずれも私の国会事務所で把握して各省庁に情報提供をさせていただいたものなんですけど、財務省にお伺いしますけど、やはりこの公共調達の現場、各業種、業界の状況について、財務省としてもこれ把握する必要があるんじゃないですか、こういうことが今いろんな形で起こっているということですから。お願いします。

 

○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 インボイス制度への移行によりまして免税事業者が事業者間取引において不当に扱われるような事態は回避しなければならないということは当然のことと考えております。こういった観点から、免税事業者との取引において発注者側が独占禁止法や下請法、あるいは公共調達において適用される関係法令上で留意すべき点をQアンドA等の形式で明らかにし、関係省庁を通じて各業界団体へ送付し、法令遵守要請を行っているところでございます。
 その上で、免税事業者を始めとした事業者の取引環境の整備については、関係省庁におきまして、下請かけこみ寺や駆け込みホットラインでの相談対応でありますとか、あるいは下請Gメンや書面調査による状況把握などを通じまして取引実態の把握に努めており、具体的な事案に対しては積極的に対処をしていくこととなっているものと承知をいたしております。
 こうした相談対応や書面調査等の機会を活用して、情報源が明らかとならないような配慮をしっかり行った上で端緒を収集し対応していくことが重要であると考えておりまして、引き続き制度の円滑な移行に向けまして、関係省庁と連携して必要な取組を進めてまいりたいと考えております。

 

○小池晃君 ちょっと今のを聞くと、やっぱり情報を寄せられたらという感じなんですけど、大臣ね、やっぱり既にもう導入前からこういうこといろんなところで起こっているわけですよ。これはやっぱり財務省としてもう積極的に調査して、あるいは広報して、こういったことは駄目なんだと、望ましくないんだってことをきちんと徹底すべきじゃないですか。
 大臣の先ほどの答弁はやっぱりそういうことあってはならないってことをおっしゃったわけだから、それに見合うような対応を財務省としてもっと積極的にやるべきではないですか。

 

○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたとおり、公正取引委員会あるいは中小企業庁といった関係省庁におきまして、事業者が取引先の免税事業者に対してこの不当な取扱いを行うことがないよう、情報収集に努めるとともに、必要に応じ、この対応を行っているところでございます。
 具体的には、その把握された事例に応じまして、事業者が取引先の免税事業者に対しまして、インボイス発行事業者になるよう要請するだけではなくて、課税事業者にならなければ取引価格を引き下げるであるとか、あるいはそれに応じなければ取引を打ち切るなどと一方的に通告することといった行為は、独禁法あるいは下請法上問題となるおそれがあるといったことをQアンドAで明らかにするでありますとか、あるいは公取において相談事例集を公表する等の対応を行っているところでございます。

 

○小池晃君 きちんと対応していただきたいと思うんですが、ただ、現場では、やっぱり非常に不安の声広がっています。
 配付資料の四ページ目見ていただきたいんですが、これ、アニメ業界、声優業界で行われたインボイス導入による被害の調査結果です。20221101資料➁上のグラフは、これはアニメ業界、フリーランスで働く人を対象にして、四人に一人がインボイス導入によって廃業する可能性があると回答しています。それから、下のグラフは、ボイクションという声優業界で働くフリーランスの皆さんの調査です。これも二七%の方が廃業するかもしれないというふうに答えています。その他の人も六割が仕事に影響が出るとしているんですね。
 アニメ業界っていうのは、これは年収三百万円未満が半数だそうです。声優という仕事も日本には一万人以上おられるというんですけども、今回の調査で七割以上が年収三百万円以下だと、元々ぎりぎりの生活なんですね。
 インボイス導入による増収、政府の方は二千四百八十億円の見込みとおっしゃっていて、一事業者当たり十五万四千円というふうに数字も出ていますが、これやはり課税業者となって消費税分新たに払うのか、それとも免税業者のままで取引先から切られるのか、消費税分の値引きを求められて収入を減らすのか、まさに悪魔の選択が迫られるような状況が生まれている。実際にアンケートの記述欄には、企業側から、インボイスの発行がない場合今後の取引をしないという通告が来たとか、課税業者にならないとその分値引きといった圧力が掛かったという声も寄せられています。これ、独占禁止法にも抵触する可能性があるんじゃないかと私思うんですね。
 アニメ業界では、インボイスで廃業を考えている年代は二十代、三十代が八割を占めるそうです。これを機会に中国などに行って国外で仕事をするという回答もあります。世界に誇るアニメの技術継承が困難になって、コンテンツビジネス事業も縮小しかねないと思うんですね。
 このほかにも、例えばサッカーのJリーグも、J2以下では六、七割が年俸一千万円以下と言われていて、新人選手が入団する際にクラブ側からインボイス登録を契約の条件にするのではないかと、こんな心配の声も上がっています。
 大臣、消費税というのは、これは消費者にとって所得少ないほど重くのしかかる逆進的な税金。今回のインボイスの導入というのは、中小企業、とりわけ小規模事業者、フリーランスほど負担が重くのしかかる事業者への課税になる。インボイス導入というのは、私は二度目の消費税大増税というべきものではないかなというふうにも思うんですね。
 大臣、今、日本経済は瀕死の状況にあるわけですよ。こういうときに、地域経済や文化を支えているフリーランスあるいは小規模事業者の仕事を奪い、廃業に追い込むようなことをやっていいんだろうかと。これは岸田政権の経済政策にも逆行するんじゃありませんか。大臣、このままやっていいんでしょうか。

 

○国務大臣(鈴木俊一君) 私どもの立場といたしましては、インボイス制度、これは複数税率の下で適正な課税を確保するために必要なものであると、そういう認識でございまして、いかに、今、小池先生からお話が、具体的なお話がございましたが、そういう方々の立場も踏まえながら、この円滑な移行に向けて努力をしなければならないと、これが私どもの今の立場でございます。
 インボイス制度の移行につきましては、免税事業者のままでいた場合に、お話のように、取引から排除されるのではないか、あるいは課税事業者になったとしても、価格転嫁ができない、又は新たな事務負担が生じるのではないかといった中小・小規模事業者の皆さんの御心配、これはもう承知をいたしております。
 そのうち、免税事業者のままでいた場合の御心配につきましては、直ちに取引から排除されることがないように、制度移行後も六年間は免税事業者からの仕入れであっても一定の割合を控除できるようにするなど、十分な経過措置が設けられているところでありまして、こうした仕組みについて周知をしているところでございます。
 次に、課税事業者となる場合の御心配につきましては、免税事業者を始めとした事業者の取引について、独禁法、下請法等の取扱いをQアンドAにより、より明確化をして、各事業者団体への法令遵守要請を行うなど、取引環境の整備に取り組んでおります。また、今般の経済対策におきましても、持続化補助金によりましてインボイス発行事業者となる小規模事業者の経費の軽減や、IT導入補助金によりインボイス制度も見据えた中小・小規模事業者のデジタル化による事務負担の軽減などの支援策の充実を盛り込んでいるところでございます。
 できるだけ様々な手を打ちながら、様々な不安というような御心配もあるわけでありますが、安定的な移行に向けて、更なるきめ細かい努力をしてまいりたいと、そのように思っております。

 

○小池晃君 今の話はみんな知っていて、それでも不安なんですよ。で、実際にもう排除されているんですよ、始まっているんですよ、排除しちゃいけないと言いながらね。だから、私はこういう状況でやっていいのかと言っている。
 しかも、インボイスの導入というのは、結局、これ将来の消費税の増税のためじゃないかと言われていたんだが、十月二十六日の政府税調で増税の議論が始まっているじゃないですか。これ、消費税の今の経済の状況で増税の議論をすること自体が私は愚の骨頂というか、もう全く間違っていると思いますよ。消費税増税なんてするつもりなんですか、大臣。そのためにインボイスを導入するんですか。きっぱりお答えいただきたい。

 

○国務大臣(鈴木俊一君) 小池先生のお話は、政府税制調査会での議論だと思いますが、政府税調では、中長期的な観点から、あるべき税制の具体化に向けて包括的な審議を行うこととされておりまして、現在、各税目に関する議論が行われているところでございます。
 先月二十六日には、消費課税を議題として議論が行われ、委員の間で様々な意見交換が行われたということを承知をしております。その上で申し上げますと、消費税については社会保障の財源として今後も重要な役割を果たすべきものと考えてはおりますが、将来の消費税の在り方については政府として何か具体的な検討を行っているということではありません。

 

 

○小池晃君 こういうときに議論すること自体が私は景気に対してもマイナスになると、もう間違っていると。議論が相次いだと言っているわけでしょう、ただ意見交換したというんじゃなくてね。こういったことはきっぱりやめるべきだと申し上げて、質問は終わります。

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