日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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2014年10月23日 参院厚生労働委員会 速記録

2014年10月23日

2014年10月23日
参院厚生労働委員会

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
参考人の皆さん、ありがとうございました。
新谷参考人にお伺いしたいと思うんですが、この無期転換権のルールというのは実際には発動していないわけですよね、一年半しかたっていないわけですから。私、政府に質問して、こういう実際に効果が現れる前に法改正というのはあったのかというふうに聞いたらば、これは、そういうものは今までありませんでしたと。同時に、労働者派遣法については、これは施行効果が及ぶ前の制度改正が含まれていると。やっぱり、ちょっと最近のやり方はおかしいんじゃないかなと。実際に国会で法改正して、その効果が現れる前にまた変えてしまうと。
こういうノンルールのやり方がはびこっていることについて、連合は派遣法も厳しく批判されていますけれども、そもそも最初に特区法で枠にはめる、あるいは労働代表が参加しない場で大枠を決めるというやり方も含めて、こういう昨今の労働政策立法の在り方についてどのようにお考えか、まずお聞かせいただきたいと思います。

○参考人(新谷信幸君) これは先ほど国家戦略特区法のワーキングの検討の進め方の際にも申し上げましたけれども、元々、労働政策、労働立法においては、国際労働機関、ILOの中に三者構成原則という考え方がありまして、もうこれは御承知のとおりでございますけれども、これが国際標準、いわゆるグローバルスタンダードになっているわけでございます。そういった意味でいきますと、最近の政府の労働政策に対する政策決定プロセスに労働者の代表が少なくとも入っていない中で大きな枠組みがどんどん決められてくるということに関しては、非常に違和感を持っておりますし、ILOの原則に反するのではないかということは常々私どもも主張しているところでございます。
そういった例は、この有期特措法もそうですし、労働時間の法制、今労政審でやっておりますけれども、あれも枠組みをはめられて細部を検討せよという指示が来たわけでございますけれども、本当に、そういった意味では、ILOの原則に従った三者構成原則を貫いていただきたいというふうに思ってございます。
さて、立法事実がないではないかという御質問もいただいたわけでございまして、まさしくこの法律は昨年の四月に施行されたばかりでありまして、この無期転換ルールは基本的には五年ということでございますので、二〇一八年まで基本的には発生しないと。これ特殊な例は多分あって、例えば三年契約を三年たったときにもう一回契約しますと、三年と一日で無期転換権が発生しますので、そういう特殊な例はありますけれども、基本的には五年待たないと無期転換権、具体的には発動されないということでありますので、そういった、どうして法改正が必要なのかという全く立法事実がないというふうに私どもも認識をしております。
以上です。

○小池晃君 岩村参考人にお伺いしたいんですけれども、二〇一二年十月のジュリストの座談会で、五年経て更新されてからということになりますのでまだかなり時間がありますと、それまで労使が向き合って新しい有期労働契約労働者の処遇の在り方について再検討していく必要があるというふうに参考人はおっしゃっているんですけれども、まさかこの時点で例外規定を作るような法案が出るというふうにこの時点ではお考えになっていたでしょうか。

○参考人(岩村正彦君) 私としましては、閣議決定されて、こういうものを議論せよということで労働政策審議会の方に話があったということでありまして、それに基づいて議論をさせていただいたということだというふうに理解はしております。
あと、もう一点、ちょっと大変申し訳ないんですが、先ほどの山口議員の御質問を私余りうまく理解できておりませんで、年収要件というのは全ての専門的知識のある労働者に関わります。申し訳ございませんでした。

○小池晃君 立法事実という点でもう一つ、立法事実というか、その閣議決定の土台になったような議論の中で、これは新谷参考人にお伺いしたいんですが、日本経済再生本部は、有期雇用の特例をつくる理由として、オリンピックなどのプロジェクトの場合は七年限定で更新する代わりに無期転換権を発生させることなく高い待遇を提示して優秀な人材を集めることは現行制度上はできないと言っているんですけど、これ労基法の十四条の一項で、一定の事業の完了に必要な期間はこれは有期雇用契約五年を超えて結べるわけで、そもそもこの日本経済再生本部なるところの認識は僕は事実誤認ではないかと思うんですが、この点いかがお考えですか。

○参考人(新谷信幸君) その点は、労政審において私ども労働側代表としても政府の見解をただしたところでございます。
先生御指摘のとおり、労働契約法の十四条によれば、一回の労働契約の期間が五年を超える有期プロジェクト、有期事業について五年を超える契約が締結が可能ということになってございます。
確かに御指摘の点は昨年の十月の十八日に出された内容でございますけれども、これは現行ではできないという認識は事実誤認ではないかなと、私どもはそういう理解をしているところでございます。

○小池晃君 もう立法事実もない、事実誤認に基づく、そういう方向で出されてきて、それで閣議決定で、ちょっとこういうやり方は本当にいかがなものかというふうに思うんです。
今朝の朝日新聞には、有期雇用契約の労働者の同僚が退職したという四十五歳の女性の投書が出ていて、こういう五年の申込みと、しかし、皮肉にも法を骨抜きにするように五年未満の期限付で募集する企業が多くなっているという、そういう実態も出されているし、私は、やっぱりやるべきことは、五年後のことを、いまだに立法事実もないことをやるんじゃなくて、やっぱりこういう有期雇用労働者の権利をどうやって守っていくか、同一労働、同一賃金の問題も含めて。
それから、新谷参考人が言われたような定年後の問題も、六十五歳以降のことをやるより、まず六十五歳まできちっとやっぱり雇用を確保していくために何が必要なのかということこそ議論すべきであって、それを全部やらないで飛び越えたところばっかりやっても、私は、これは労働者の権利が次々と奪われていくだけだというふうに思うんですが、新谷参考人、いかがお考えでしょうか。

○参考人(新谷信幸君) 先生御指摘の点も、私ども労働政策審議会で主張してきた点と重なる部分が非常に多くございます。そういった意味では、思いは同感でございます。
以上です。

○小池晃君 岩村参考人には、是非、今日は学者、研究者としての御発言ということでお願いしてはいるんですが、公益委員ということでも参加されています。是非、労使双方の、特にやっぱり労働契約法というのは労働者は弱い立場なんですから、やっぱり労働者の声をしっかり酌み取って、労働政策立法に力を尽くしていただきたいというふうに思うんですが、今後、これから労政審に委ねられている部分が多々あります。例えば、労働組合の関与、計画決定に当たってどうするか、あるいはその対象をどうするかということも議論がございます。きちっとやっぱり現場の労働者の実態、声に耳を傾けて進めていただくということを私は強く希望したいというふうに思いますが、御意見をお聞かせください。

○参考人(岩村正彦君) 私の意見の陳述でも申し上げましたように、労働政策審議会というのは、公益委員、それから労働者代表、そして使用者代表という三者で構成され、とりわけそこにおいて労使の御意見を伺いつつ様々な法案その他のものについて審議をさせていただいておりますので、今後も、労使の委員の御意見というものを酌み取りつつ議論をさせていただきたいというふうに考えております。

○小池晃君 とりわけやっぱり労働者の声にしっかり耳を傾けていただくことが大事ではないかなというふうに思いますので、そういう役割を果たしていただきたいというふうに思います。
終わります。

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