日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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五輪中止し国民の命守れ 衆参議運委 小池・塩川議員迫る

2021年07月09日

赤旗2021年7月9日付

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(写真)質問する小池晃書記局長=8日、参院議運委

 衆参両院の議院運営委員会は8日、緊急事態宣言の発令と「まん延防止等重点措置」の延長にあたり政府から報告を受け、質疑しました。日本共産党から小池晃書記局長・参院議員、塩川鉄也衆院議員が質問しました。

 

 参院議運委で小池氏は、4回目の宣言発令という重大問題の審議になぜ菅義偉首相が出席していないのかと追及。「国民に厳しい行動制限や営業自粛を求めながら、直接説明することから逃げるなら首相の資格はない」と批判しました。

 

 小池氏は「政府の要請に説得力がなければ、同じ失敗を繰り返す」と指摘。政府分科会の尾身茂会長の「対策とともに、矛盾したメッセージを出さないことが重要」との発言に触れ、「国民に行動制限を求めながら五輪は開催する。まさに矛盾したメッセージだ」と強調しました。

 

 小池氏は、「無観客」開催でも海外から6万8000人が来日すると指摘。「感染リスクを下げる努力をしていく」と繰り返す西村康稔経済再生担当相に対し、「五輪を開催すれば感染リスクが高まることを認めるのか」と迫りました。西村担当相は「人が動くことでさまざまな接触機会ができる」と認めました。小池氏は「リスクが高まることを想定して開催すること自体が間違っている」と批判しました。

 

 小池氏が、東京の感染状況が深刻になっているとして「こんな状態で五輪を開催して国民の命と安全を守れると断言できるのか」と迫ったのに対し、西村担当相は「先手で医療提供体制を守る観点から緊急事態宣言を発令している」と答弁。小池氏は「先手と言うのであれば、五輪中止が一番実効性のある先手の対策だ」と主張しました。 

 

来日6万人 感染加速

衆院議運委で塩川議員指摘

 

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(写真)質問する塩川鉄也議員=8日、衆院議運委

 衆院議運委で塩川鉄也議員は、菅首相は「コロナに打ち勝った証しとして五輪を」と言ってきたが、緊急事態宣言に至ったと批判。「五輪で海外から6万人が来日すれば感染がさらに拡大する。コロナ対策に全力を集中し、東京五輪・パラリンピックは中止の決断をすべきだ」と強調しました。

 

 塩川氏は、観客動員について、「緊急事態宣言下でも『五輪ファミリー』などの観戦も認めるのか」「五輪に小中学生を動員する『学校連携観戦』は都議選の中でも、『熱中症や新型コロナから子どもを守ってほしい』という声が寄せられている。いまだに固執するのか」と批判。

 

 西村担当相は「組織委員会や5者協議の中で検討される」と繰り返すだけで政府の姿勢は示しませんでした。

速記録を読む

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 四度目の緊急事態宣言発令という重大問題の審議になぜ総理が出てこないのか。緊急事態宣言によって、一月半もの間、国民には行動制限、事業者には営業の制限求めながら、その一方で五輪は開催すると。我慢の限界という声が広がっていますよ。私、コロナ感染を抑えるために一番重要なのは国民の納得と協力だと思うんですね。
 議運の理事会では、与党も含めて総理出席を要請することになったと聞いているんです。総理、なぜ出席を拒否したんですか。この場に出てきて、国民に直接訴えるのが総理の責任じゃありませんか。

 

○国務大臣(西村康稔君) 委員会への総理の出席については、様々御議論があったものとは承知しております、聞いておりますけれども、国会でお決めになられたものというふうに承知をしております。
 その上で、菅総理、節目節目で記者会見なども行い、また、呼びかけなど、国民への説明、呼びかけも行っているところであります。私は政府の副本部長でありますし、特措法の責任者ということで、できるだけ丁寧に御説明をさせていただければと考えているところであります。

 

○小池晃君 委員長、国会で呼ばないって決めていますか。
 国会で呼ばないって決めてないんですよ。確認してないんですよ。だから、これはまさに総理の問題なんですよ、政府の問題、国会が決めたことって逃げられないんですよ、今度はね。
 私、やっぱりこれ、長期にわたる緊急事態宣言を出し、五輪の開催の問題もある、これ当然、国民に直接総理が出てきて説明すべき問題じゃないですか。何で出てこないのか。これ、総理の問題ですよ、あなた方の問題ですよ、国会の問題じゃないんですよ、今回。何で出てこないんですか。

 

○国務大臣(西村康稔君) 済みません。私の理解は、今回の、この参議院について申し上げれば、参議院の議運で私の出席ということで決められたものということで私は出席をさせていただいているというふうに理解をしております。

 

○小池晃君 まあそうかもしれないけど、総理を出さないというような確認はしていませんから、総理、やっぱり出てくるべきなんですよ、こういう場には、当然。国民には厳しい自粛を求めながら、説明から逃げるようでは総理の資格ありませんよ。私、これは、こんなことやっていたら国民に対する説得力もないと思います。幾ら緊急事態宣言出しても、これ説明、政府の要請に説得力がなければ、これ同じ失敗を繰り返すことになると思うんです。
 昨日、政府分科会の尾身茂会長は、しっかりとした対策とともに、矛盾したメッセージを出さないことが重要だと述べています。国民には厳しい行動制限を求めながら、世界最大のイベントである五輪は開催をする、これ、まさに矛盾したメッセージじゃないですか。

 

○国務大臣(西村康稔君) 五輪の開催につきましては、最終判断は、繰り返し申し上げていますけれども、IOCにあるものと理解をしておりますが、関係者が一体となってその感染リスクを抑えるということで、水際対策、あるいはバブルの中で行動してもらうこと、あるいは来日後の検査、こういったことを含めて対応なされているものと聞いております。
 その上で、今回、緊急事態宣言を発出いたしますので、イベントについても五千人上限で五〇%という制限が掛かりますので、それを踏まえて五者協議で速やかに検討されるものと、観客の扱いに、あっ、観客についてですね、決められるものというふうに考えておりますが、いずれにしても、知事からも、例えば夜間の無観客などの要請もありますので、そうしたことも含めて様々な検討がなされるものというふうに承知をしております。

 

○小池晃君 たとえ無観客にしても、海外から短期間に六万八千人もの人がやってくる。水際対策、水漏れです。バブルははじけています。こんなことやる一方で、国民には自粛せよ、酒を出すな、家にいろ、これ、国民が、飲食店が納得できますか。

 

○国務大臣(西村康稔君) オリンピックの関係者はオリンピックの関係者で、開催による感染拡大のリスクを抑えるということで様々な検討が、観客の取扱いを含めてですね、なされるものというふうに思います。
 その上で、私の立場で申し上げれば、感染拡大のリスクを私の立場でも下げると、そして医療提供体制をしっかり安定的なもの、確保していくという観点から、今回皆さん方に様々な御協力をお願いし、そうした取組を進めていきたいと考えているところであります。

 

○小池晃君 感染のリスクを下げる努力をする。要するに、五輪を開催すれば感染のリスクが高まることを認めるわけですね。

 

○国務大臣(西村康稔君) これ、尾身会長も言われておりますけれども、あるいはあの「富岳」の結果も発表されていますが、感染、その場所で、スタジアムで何か感染が広がるというリスクは非常に低いと言われております。ただ、人が動くことによって、終わった後の食事であったり様々な接触機会はできると思いますので、そういったところをどうやって下げていくかということの対応が様々検討がなされているというふうに承知をしております。

 

○小池晃君 最もリスクを下げるのに実効がある措置は五輪を中止することですよ。リスクが高まることを想定して、やるということ自体が間違っているんですよ。それが、私は国民や業者の協力を得る一番のメッセージになるというふうに思います。
 総理は、六月の党首討論で、我が党の志位和夫委員長に、国民の命と安全を守ることが私の責務、守れなくなったらやらない、五輪はやらないと明言されたんですね。昨日の東京の新規感染者は九百二十名、一都三県のスクリーニング検査でデルタ株の比率は三割、入院患者も重症患者も今増えています。重症患者数は第四波を超えています。これは深刻だと思うんですよ、これ。しかも、ワクチンは、東京では一回接種者でも一八%ですよ。
 大臣、今、命と安全にとって深刻な状況だという認識はありますか。こんな状況で五輪を開催して、国民の命と安全を守れると断言できますか。

 

○国務大臣(西村康稔君) 東京の状況を申し上げれば、医療の提供体制はまだ緊迫している状況ではないということであります。重症者もじわじわ増えてきておりますし、四十代、五十代の入院者の数も増えてきておりますので、言わばそれを先手で医療提供体制を守るという観点から緊急事態宣言を発出させていただいております。御協力いただきながら、医療をしっかりと守っていく、全力を挙げたいというふうに考えております。

 

○小池晃君 先手で守るというのであれば、五輪を中止するのが一番先手の対策じゃないですか。一番実効性のある対策じゃないですか。全く矛盾している。
 国民の命が守れないのであれば五輪はやらないと総理は言ったんですよ、党首討論の場で。重いですよ、これは。今の事態であれば、本当に命と安全を守れない。
 私は、再度、総理がきちんと国民に対して説明をすべきだということを申し上げたいし、今日、正副議長も御出席いただいておりますが、熱海での土石流の問題などもあります。やはり、国会が国民に対する責任を果たすためにも、臨時国会の召集を強く求めたいというふうに思います。
 終わります。

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