日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

検索

国会ハイライト

国会質問・速記録・質問

税金滞納・差し押さえの神田副大臣 小池氏「全容明かし辞任を」 参院財金委

2023年11月17日

赤旗2023年11月10日付

写真

(写真)質問する小池晃書記局長(左)。右から2人目は神田憲次財務副大臣=9日、参院財金委

 日本共産党の小池晃議員は9日の参院財政金融委員会で、一部報道で明らかになった神田憲次財務副大臣の常習的税金滞納や、督促状が来ても放置し続けた問題を追及し、「副大臣の資格はない。全容を明らかにした上で、副大臣を辞めるべきだ」と迫りました。

 

 神田氏は、代表取締役を務める会社が保有する土地・建物の固定資産税を滞納。2013年から昨年にかけ4回にわたり、債権者の名古屋市から差し押さえを受けていたと報じられ、神田氏も「税金の支払いを忘れていた」と認めています。

 

 小池氏は「忘れたですむ話ではない。確信犯的に納税しなかったとみられても仕方ない」と追及しました。

 

 神田氏は「議員の職務が忙しくなる中で(督促状を)見ることが遅れた」と弁明。小池氏は「国会議員だからこそ、納税の義務を果たすべきだ。こんな答弁で、国民が納得するわけがない」と指摘。神田氏が税金の滞納分を納付し差し押さえを解除した件では「差し押さえから解除まで相当の期間がたっている。『知らなかった、気づいたときには納付した』という言い訳には説得力がない」と述べました。

 

 神田氏は「職務を全うしたい」と辞任を拒否。鈴木俊一財務相も「疑念を晴らしてもらう」などと神田氏を擁護しました。小池氏は「副大臣が差し押さえを受けるまで税金を払わない。これを放置することは、税務行政の執行にも重大な支障をきたす」と神田氏の罷免を求めました。

速記録を読む

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 税の賦課、徴税に関わる、所管する財務省の副大臣が税を滞納し、その結果、四回にわたって差押えを受けるというのは、これ国政の根幹に関わる重大問題であるというふうに思います。
 午前の質疑受けて、神田氏にお聞きしたい。
 まず、幾つか事実関係です。
 先ほど、滞納した税目は固定資産税だとお答えになりました。しかし、登記簿見ますと、平成四年九月二十六日は参加差押えになっていますから、これは、つまり固定資産税以外の滞納があったということだと思います。どの税目ですか。
○副大臣(神田憲次君) お答え申し上げます。
 その参加差押えについては今精査を続けておるところで、何の税目で、ただ、私が現在の時点で知る限り、固定資産税だと認識しておるところでございます。
○小池晃君 いや、参加差押えというのは新たな税目なければならないはずですよ。別の税目あるでしょう。
○副大臣(神田憲次君) ですから、その税目があるのか否かについても今調べを進めているところでございます。
○小池晃君 そんなことすぐ分かるはずですよ。すぐ調べて答えてください。
○副大臣(神田憲次君) 一定の年限が経過しておりますことですから、(発言する者あり)ええ、それについても今精査を進めております。
○小池晃君 これ、はっきり言って答弁拒否ですよ。こんなんで進められませんよ。ちょっと止めてくださいよ、これ。
○委員長(宮本周司君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(宮本周司君) 速記を起こしてください。
○小池晃君 いや、何、通告がないからって。通告ないと答えられないような問題じゃないですよ、これ。
 大体、先ほど午前中の質疑で、三日前には大臣に報告、大臣が報告受けたと言っているわけですよ。取材も分かっていたわけですよ。十分時間あったんですよ。もうね、時間稼ぎしているだけじゃないですか、精査するというのは。
 これ、通告ないと答えられないような問題じゃない。どの税目が滞納したのか、明確に答えてください。
○副大臣(神田憲次君) 繰り返しになるかと思いますが、私が今現時点で、現時点で認識できているのは固定資産税ということでありまして、その先生お尋ねのところの部分においては現在精査をさせていただいているということであります。
○小池晃君 もうね、精査するというのは時間稼ぎですよ、これはっきり言って。午前中もそうだった。
 これ、今日中に全部報告を求めてください。理事会で検討してください。やっぱりこの委員会に今日中に、今日、精査する精査するって何度も言っていたけど、全部報告させるべきですよ、今日中に。そうしないと次の委員会入れません。これ、理事会で検討してください。
○委員長(宮本周司君) ただいまの御発言に関しましては、後刻理事会で協議をいたします。
○小池晃君 四回とも差押え解除になっていますが、これは滞納額一括で支払ったということですか。
 それから、あなた、週刊誌の取材に対して、法人であるエヌケイソリューションのビル購入は、そのローンの返済は私が払っていると答えています。滞納税金は法人から払われたのか、それとも個人で払ったのか。
○副大臣(神田憲次君) お尋ねの件につきましては、滞納税金については、その滞納、差押えの事実が発覚した時点で自己資金によって支払いました。
○小池晃君 そのときは、自己、議員歳費等も含めた自分の収入から払ったということですね。
○副大臣(神田憲次君) どのポケットというのはその特定できないわけですけど、自己の預金、自己の資金で払いました。
○小池晃君 差押え、差押えといっても、これすぐに行われるものではありません。国税徴収法では、地方税、定められていますが、地方税についてはこれ国税の滞納処分の例によるとなっています。国税徴収法では、納期限が到来した後、督促状出して、その後も納付の慫慂、財産調査、納税者の資力あるかどうかという調査が行われて、どうしても支払われない、そういう場合は支払猶予なども含めて相当時間掛けて対応すると思うんですけど、これちょっと、そういう経過で対応するということで財務省としてよろしいですよね、そういうものであると。要するに、差押えに至るまではそういう手続を経ているということでよろしいですよね。
○政府参考人(青木孝徳君) 地方税、固定資産税は地方税でございますので、ちょっと私どもの方では分かりません。
○小池晃君 だから、国税徴収、国税徴収法ではそういうことですね。
○政府参考人(青木孝徳君) 国税の場合、お答えします。
 法令上、国税が納期限までに納付されない場合は、税務署長は督促状を送付し、督促状を発した日から起算して十日経過した日までに完納しないときには滞納者の財産を差し押さえなければならないこととされております。
○小池晃君 その間もいろんな働きかけは当然役所としてやるわけですよね。
○政府参考人(青木孝徳君) 一般論として申し上げますが、滞納整理に当たっては、まずは自主的な納付を促します。その上で、一括納付が困難との相談があった場合などには、個々の事情に応じて、個々の実情を十分把握した上で、分割納付を認めるなど、法令等に基づき適切に対応することとしております。
○小池晃君 そういう手続を経て、それで差押えなんですよ。
 あなたは先ほど質疑で、督促状は見ていると、こんなことになっているんだなと思ったというふうにおっしゃいました。これね、私はあきれた話だと思いますよ。もうそもそも督促状まで来るというのは、これ深刻な事態じゃないですか。それをこんなものだなと思ったと。
 で、いろんな働きかけが多分あったと思うんです、その後も、名古屋の栄市税事務所から。しかし、そういったことがあったにもかかわらず、それを言わば無視して納付しなかったということになりますよ、事実経過としては。それを四回やったんですよ。
 これね、私は忘れたとか間違いで済む話じゃないと思いますよ。確信犯的に納税をしなかったというふうに見られても仕方がない経過ではありませんか。
○副大臣(神田憲次君) 自らの行為が、納税義務を果たさなければならない立場でありながら、期限内に実行されていないことによって税法上の責務を果たしていないこと、これにおいては誠に反省すべきことだと考えておるところでございます。
 その、さらに差押状のお話ですが、一定程度と申しますか、当然のことながら、議員の職務が忙しくなる中で、郵便物は回収はされているんですが、見ることなく時間が徒過してしまった、結果としてその郵便物を見ることが遅れというような経緯でもって、差押えを受けているという事実が発覚をしました。
 その結果、その事実を見た私自らが、先ほど申しましたように、私の自己資金で急ぎその未納分を納付したという経緯であります。
○小池晃君 あのね、納税者が聞いたら怒りますよ、今の話。国会議員だから忙しくて見なかった、そんなの言い訳になると思っているんですか。そんな言い訳通用すると思っているんですか。国会議員だからこそ納税の義務を真っ先に果たさなければいけないんじゃないですか。国会議員だから納税の義務を果たせないんだったら、国会議員辞めなさいよ、あなた。
 全くあなたね、今の説明は国民の納得を得るようなものではないと思いませんか。それで納得得られるというんですか。
○副大臣(神田憲次君) 繰り返しになりますけれども、その納税義務ということから申しますと、期限内に果たしていないということについては責務を果たしていないということになりますので、本当に反省すべきだと考えております。
○小池晃君 平成二十八年二月二十五日の衆議院予算委員会第三分科会で、こういう発言がありました。
 私は、二十五年以上税理士業務に従事してまいりました。そして、税理士の経験を持ってこの立場に立たせていただいております。納税は国家の根幹を支える重要な行為であるわけなんですが、一般的に、できれば税金は少なく済ませたい、もっと申しますと払いたくない、こんな気持ちが納税者の側にあるのもまた事実でございます。だからこそ、納税者に対して、私たち税理士と国税庁、さらには税務当局が互いに意識し合いまして、適正かつ円滑に申告、納税という事務をなしていただくための工夫と努力を常に問いかけ、そして全力で続けていかなければならない。
 誰の発言ですか。
○副大臣(神田憲次君) 委員の今の御発言、私が分科会での発言だったと思います。
 その発言に私自らは今でも忠実に守っていかなければいけない、こんなふうに考えております。
○小池晃君 言っていることとやっていることが全然違うじゃないですか。この発言と全く違うことをあなたやっているんですよ、税理士としても、国会議員としても、そして財務副大臣としても。こんな発言しておいて、滞納して四回も差押えを受けた。恥ずかしくないですか。
○副大臣(神田憲次君) 先ほど来申しておりますが、本当に申し訳ないことだと感じております。申しましたように、自らの行為、本当に、納付期限の超過ということで、その責務を果たしていないこと、これについては本当に心よりおわびを申し上げたいと思います。
○小池晃君 いや、だから、超過と言うけれども、あなた、さっきだって督促状を見たと言ったんですよ。こんなことになっているんだなと思ったと言ったんですよ。単に忘れていたというんじゃないんですよ。結果として何か遅れちゃったというんじゃないんですよ。知りながら納税しなかったんでしょう。そんなことが許されるのかと私言っているんですよ。
○副大臣(神田憲次君) その見たと申しますのは、督促状をあまたある書類の中から発見したときに、見付け出したとき、その時点では支払を速やかに済ませている、そして納税の部分はきちんと納めたということであります。その督促状が来たときには、来たというか発見したときにはきちんと納付をいたしました。
○小池晃君 督促状来たときに納付したら差押えされないんですよ。差押えされて、そして差押え解除までも時間掛かっているわけですよ。差押えされたことも分からなかったと言うんですか、じゃ。差押えされてから相当の期間たってから納付しているでしょう。これをね、それを四回ですよ、しかも。一回だけ来たんじゃないんですよ、四回来ているんですよ。これを知らなかったと、気付いたときには納付しました、そんな言い訳が通用するわけないと思いませんか。ないですよ、これ。どう考えても今の言い訳は説得力が全くないというふうに言わざるを得ないと思います。
 これね、精査するまでもないですよ。税理士という資格を持ちながら、税を四回差押えを受けるまで滞納し、そして督促状を見ながら放置したと、このことだけで私は副大臣の資格はないというふうに思います。全容を明らかにしなければいけません。全容を明らかにした上で、副大臣辞めるべきですよ。いかがですか。
○副大臣(神田憲次君) いずれにいたしましても、過去に、過去に税金の滞納があったことは深く反省しておりますし、今後はこのようなことのなきように最大限の注意をしてまいりたいと考えております。
 その上で、自身に課せられた現在の責務、大きな役割を担わせていただいております。この点は、職責を全うしたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
○小池晃君 あなたには職責は果たせません。こんな答弁で国民が納得するわけがありません。
 大臣、先ほど税を納めていただく立場であり、高い倫理観が求められるというふうに答弁されました。神田氏に高い倫理観があると思いますか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 政治家として、私は、政治活動において疑念を持たれた場合には自らの責任において必要に応じ適切に説明を行うことが重要であると、そういうふうに思っております。
 神田副大臣におかれては、まだいろいろな御質問をいただいて、精査中のものもあるということでございますので、精査をしていただいて、しっかりと自らのこの立場を説明をして疑念を晴らしていただくということを私としては望んでいるところであります。
○小池晃君 いや、疑念を晴らすといっても、疑念じゃないんですよ、事実なんですよ。認めているんですよ。滞納して、そして四回も差押えを受けたということは認めているんですよ。精査の余地はもうないんですね。
 大臣、これ税務行政に重大な支障を来しませんか。納税者から見れば、副大臣が払っていないじゃないかと、差押え受けるまで税金払っていないじゃないかと、こんなことになったら、やはり納税者は絶対これ理解できないという声上がると思いますよ。これは税務行政の執行にも重大な支障を来すんではないかと。
 大臣、やっぱり罷免すべきだと、総理にそういうふうに進言すべきですよ。副大臣の資格はないというふうにはっきり言うべきだ。いかがですか。
○国務大臣(鈴木俊一君) そうした国民からの疑念を起こらないように、しっかりとした説明をし、疑念を晴らしていただきたいと。
 まず、まだ今その精査をして、調べて、そして質問に答えようとしている段階でございますので、まずはそうした質問に答える、真摯に答えるということをやるということ、それがまず最初だと思っています。
○小池晃君 疑念ではないんですね。事実なんですよ。滞納して四回差押えを受けるということをやったと。これ、事実ですから。
 そういう事実を持っている人物を副大臣のままにしておいていいと、これが適材適所だというふうに大臣おっしゃるんですか。これ、行政に重大な支障が出るんじゃないかと、私はそう申し上げている。
○国務大臣(鈴木俊一君) ですから、今、先生から今質問をいろいろいただいているところであります。
 滞納をして差押えになったというのは事実だということですが、それに至る理由とか、そういうものもあるんだと思います。したがって、そうした疑念が国民の皆さんに持たれ、そして税務執行上問題が起こってはならないわけでありますから、まずは神田副大臣においてそうしたことにしっかりと答えていただきたいと思っております。
○委員長(宮本周司君) 小池委員、時間が来ておりますので。
○小池晃君 分かっています。
 理由があったら差押え受けるまで税を払わなくていいなんて、そんなの国民納得しないですよ。どう考えてもこれはおかしいと。
 これ、是非、今日精査すると言ったものをすぐに出していただくということで、委員長、お取り計らいをよろしくお願いします。
 終わります。

閉じる

ご意見・ご要望