日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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2015年4月21日 参議院厚生労働委員会 速記録

2015年04月21日

2015年4月21日
参議院厚生労働委員会

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
牛丼チェーンすき家が、昨年、過酷な長時間労働、一店舗一人勤務のいわゆるワンオペで社会的批判を受けました。そのすき家で働く首都圏青年ユニオンに加入する若者から話を聞きました。
すき家は、昨年秋、第三者委員会が調査して改善を表明して、四月八日の第二回目報告では、六十時間、八十時間という残業の問題はあるものの、百時間を超す残業はゼロになったとしています。
しかし、現場で働く方に聞くと状況は全く変わっていない、実際にはマネジャーなど正社員が残業を申告しないだけで百時間を超える残業は続いているといいます。
すき家を経営するゼンショーは、首都圏青年ユニオンに加入する労働者が三六協定示してほしいと求めても提出しない。労働基準法ではこういうことは許されるんでしょうか。

○政府参考人(岡崎淳一君) 労働基準法の規定の御質問でございます。
労働基準法におきましては、労使協定につきまして労働者に明示しなきゃいけないと。やり方としては、常時、各作業場の見えやすい場所への掲示とか備付け、あるいは書面を労働者に交付、あるいは電子媒体を記録してそれが見れるようにすると、こういういずれかのやり方によりまして労働者に明示しなければいけないと、こういうことになっております。

○小池晃君 法律どおりのことを全くやられていない、当然のことさえやられていないわけで、これは厳正な対応を求めます。
朝九時から八時間の労働に加えて、その後二十三時までぶっ通しの残業で休憩が取れない。これはアルバイトも含めてどこの店舗でもざらにあるというわけです。シフト表に休憩時間記入されていても全く取れない。
ゼンショーは、昨年、午前零時から朝五時までは確かに二人体制にしましたが、ただ、朝五時以降深夜までの時間はいまだにワンオペを続けております。そういう店舗が多いということです。休憩を取れるように深夜以外も最低二人体制をと労働組合が求めたらば、ゼンショーは売上げが上がらないから認められない、昼間は一人でできるはずだと、要求を拒否したといいます。
厚労省に聞きますが、フルタイムで働く場合のこの休憩の基準というのはどうなっているのか、違反したらどういう罰則があるのか、売上げが上がらなければ休憩は取らなくてもいいということは許されるのか、この点についてお聞きします。

○政府参考人(岡崎淳一君) 休憩時間につきましては、労働基準法三十四条に定めがございます。
六時間を超える場合には少なくとも四十五分、八時間を超える場合には少なくとも一時間の休憩を与えなければならないということになっております。罰則につきましては、六か月以下の懲役又は三十万円以下の罰金ということでございます。これは、売上げ等々の関わりではなくて、労働者に必ず取らせなければならないと、こういう規定でございます。

○小池晃君 ゼンショー側は労働者は休めないことはないと言うんですけれども、二十四時間営業を掲げている店舗で一人勤務をすれば、これは店閉められませんから休憩取れないのは当たり前なわけですね。
すき家は、この朝九時から二十三時まで休憩なし、ぶっ通しの勤務というのがアルバイトでも珍しくないと。しかし、労基署に申告をしても、その店舗の管理者に休憩取らせてくださいと言われるだけだというわけです。これに対してゼンショーは、その申告者をシフトから外すという、まさに不当労働行為の報復シフトまでやっています。
監督署の指導は休憩を取るようにと繰り返すだけなんですが、それでいいんでしょうか。少なくとも物理的に休憩が取れるシフトに改善するよう指導しなければ、これは全く意味がないんじゃないかと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(岡崎淳一君) 個々の企業への指導の中身は差し控えさせていただきますが、基本的には基準法を守っていただくようにと、それで、オペレーションの仕方等につきましてまで具体的にこうしろという指導はなかなか難しいと。
しかしながら、絶対無理な形のオペレーションをやっているということであれば、それを含めて、とにかく休憩なら休憩がしっかり取れるような仕組みを会社で考えていただくというのが基本だろうというふうに考えております。

○小池晃君 二十四時間店開いているのに、一人勤務の時間帯があれば休憩取れないわけですよ、これ。どう考えたって取れないわけですよ。だから、休憩取れないシフトになっているわけだから、今そういったことがあればという話あったけれども、これきちっと具体的な改善指導をすべきだというふうに思うんです。
実は、このすき家のワンオペで、昼間一人勤務だったときに店員が倒れて、それで店の中が大変な状況になったということが今ネットでも話題になったりしています。こういう事態がやっぱり起こっているということに、きちっとやっぱり厚労省としては手を打つべきだというふうに思うんですね。
すき家では、ほかにも労働関係法令違反の実態があって、私がお話聞いた若者は、一年近く勤めても雇用保険加入の説明も天引きもされていないと。もう一人の方は、有給休暇があることを知らなかったと。同僚が取っているのを見て会社に聞いたら九日あるのが分かったので、初めて使ったと。
アルバイトだけじゃなくて、そもそも働かせ方を管理しているマネジャーの多くが八店舗ぐらいを担当しているんですね。もういつ寝ているか分からないぐらい働いて、三日間店舗に泊まった人もいるというんです。体を壊して退職したり、睡眠不足で交通事故を起こした人もいるというんですね。これ、首都圏青年ユニオンでは、すき家の労働者は別の件でも労基署に申告する準備をしているというふうに聞きます。
大臣に、私これ、大規模なチェーン店を展開しながら、是正勧告も個別事業所に対してだけで終わっていて、実態としては全国各地で休憩も取れないようなシフトが放置されていて、いろんな法令違反も指摘をされているんです。すき家は全国に千九百八十一店舗を展開している。売上高三千億円を超えるという、まさにブラック大企業ですよ、これは。
こういったところにやはり、先日の委員会で大臣は、過重労働撲滅特別対策班つくったというふうに胸を張られましたけれども、まさにこういったところにこの撲滅対策班を入れるべきじゃないですか。やっぱりチェーン店全体として是正指導をやらせるということをやるべきだと思いますが、大臣、いかがですか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今、小池先生からお話がありましたように、厚生労働省で、私を本部長といたしまして、長時間労働推進、あっ、削減推進本部、この決定に基づいて、今年の四月から東京労働局と大阪労働局に、今お話しの過重労働撲滅特別対策班というのをつくっております。通称過特と言っていますが、この新設をしたところで、働き過ぎの防止に向けた監督指導の強化をやろうということで、私もこの間、東京労働局に参りましたし、近々、山本副大臣が大阪の方の労働局に行って、しっかりやるようにということを指示をする予定でございます。
一方で、御指摘の個別企業、つまりこのゼンショーの問題については、この監督指導でございますので、私どもとしてはお答えは差し控えますけれども、例えば複数の支店で過重労働が認められて、多数の労働者に健康被害のおそれがある事案、これらについては過特が事案を担当し、集中的に監督指導や捜査を行っていくというのが基本方針でございますので、過特はしっかり仕事をしてもらわなきゃいけないというふうに思っております。

○小池晃君 まさに多数の店舗で健康被害が生じるようなことが起こっている、社会問題にまでなっている。ワンオペ解消したと言っているけれども、実態解消していない。これ、是非きちっと厳正な対応を求めたいというふうに思います。
こういう労働実態がはびこっている中で、労働基準法改悪で労働時間規制をなくしてしまうようなことは許されるはずがない。大臣今、まさに長時間労働推進とおっしゃいましたけれども、長時間労働推進の労基法改悪をやろうとしているわけですよ。だからああいう発言も出るんじゃないかなとちょっと思ったりしますけれども。
ちょっとお聞きしますが、政府の言う高度プロフェッショナル制度の対象となる労働者は、当面は年収千七十六万円以上ということなんですが、これは有期雇用契約労働者にも適用可能でしょうか。その場合は、一千七十五万円を日割計算するんでしょうか。労働者の健康管理の仕組みはその場合どうなるんでしょうか。お答えください。

○政府参考人(岡崎淳一君) 高度プロフェッショナル制度につきましては、有期契約の方を適用除外するというような形にはなっておりません。
したがいまして、有期契約であっても適用の対象にはなります。
年収要件につきましては、最終的には、法案成立後、審議会で決めますが、今、千七十五万円を想定していると。これは一年当たりということでありますので、契約期間が一年に満たないという場合であれば、これは比例計算で考えていくということを考えております。
健康確保の具体的な数字につきましては、これはその数字そのものを含めまして審議会で議論して決めていくということであります。一年を前提にまず決めていきますが、その際の一年未満の考え方につきましても、基本的には比例的な考え方で適用すべきものというふうに考えております。

○小池晃君 ということは、労使委員会による議決で確認された業務に就く労働者で、本人が同意して月額約九十万円程度の賃金の支払が約束された労働契約が成立していれば、契約期間にかかわらずその労働者に高度プロフェッショナル制度の適用をすることは適法ということでよろしいでしょうか。

○政府参考人(岡崎淳一君) 余りにも短い場合でその制度の趣旨に合うかどうかという問題はあるというふうに思いますが、ある程度の契約期間があって労使委員会でそういう対象業務だということであれば、それは適用対象になるということでございます。

○小池晃君 ある程度とか余りにも長いとかありますけど、それ別に基準はないわけでしょう。

○政府参考人(岡崎淳一君) それは、制度の趣旨にのっとって労使委員会で決めていただくということでございます。

○小池晃君 例えば、ある企業が三か月間のプロジェクト事業に取り組むというふうにすると。先ほど述べたような条件を満たした場合には、課長以外の職員全員を三か月間高度プロ制度の適用だとして、一定の賃金払えば残業代なしに、例えば土日休めば労働時間制約なしに働くことができるということですね。

○政府参考人(岡崎淳一君) プロジェクトに関わる方、今先生、全員とおっしゃったような気がしますが、それはそういう対象業務をやっているというのが……

○小池晃君 条件、満たした場合。

○政府参考人(岡崎淳一君) ですから、そういう条件を満たした方しかプロジェクトに参加していないということであれば、そういう形になります。

○小池晃君 私は、今度の制度はこういった形で使われる可能性も高いんではないかなというふうに思うんですね。
結局、有期契約でも一定の賃金を払えば残業代なしに時間制限なく働くことができるということで、大臣、やはりこれは、この間もここで話題になりましたけど、これは携帯電話並みの定額働かせ放題制度ですよ、これはまさに。一定のお金払ったらもう幾らでもそういう働かせ方ができる。
しかも、この千七十五万円という基準も、財界はこれは高過ぎると攻撃しているわけで、竹中平蔵氏はいみじくも小さく産んで大きく育てるというふうに言っているわけで、これ際限なく拡大していく可能性、私は大きいと思います。
大臣、一旦こんな制度を導入してしまえば、それをきっかけにしてこれは日本中に過労死が広がるということになるじゃないですか。これ、撤回する、もうそれしかないと思いますが。長時間労働を撲滅するといいながら、こういう長時間労働がどんどん広がるような仕組みをつくるのは全く矛盾している。撤回すべきだと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君) もう繰り返し申し上げてまいりましたけれども、この制度は職務記述書というのを、まずこの職務の内容を明確にするために本人がしっかりと書いて、そしてそういう高度専門職の人しか相手ではないし、さっき申し上げた平均給与額の三倍を相当程度上回るという年収要件を満たす高い交渉力を持った人であること、それから、自ら同意しない場合にはこれは適用されないということでもありますので。
そして、高度プロフェッショナル制度の対象となるのは、定められた職務内容以外の仕事を押し付けられることはなく、あるいは職務の範囲内の仕事についてその分量を自らコントロールできる、それから仕事の進め方や時間配分について十分な裁量を持って働く、そういう人たちが対象になるわけであります。
このため、高度プロフェッショナル制度においては、健康確保措置の一つであり、一年当たり百四日の休日さえあれば、他の人が長時間働き続けさせるというようなことについては、仮に使用者がそのような業務量を事前の合意とか対象になる方の意に反して強いるというのであれば、そもそも制度の要件に該当しなくなるということであるわけであります。
なお、有期雇用契約の方であってもこの制度の対象となるわけでありますけれども、年収要件や健康確保措置について同等の水準を保障するものであって、働かせ放題といった今先生がおっしゃったような御批判は当たらないものだというふうに思っております。

○小池晃君 いや、だって、働かせ放題じゃないですか。百四日といったら、土日だけですよ。盆だって正月だって働けという話なんですよ。健康確保に何にもなっていないわけですよ、これでは。
やっぱり、私は今の話を聞くと、交渉力はあると言うけど、有期契約労働者で何で交渉力があるんですか。私は全く、大体、年収が多ければ交渉力があるなんというのは本当に絵空事ですよ。年収水準が高い人ほど過労死が多いという実態があるわけですから。
私は、やっぱりこの労働基準法改悪はもう本当に撤回するしかないと、断固反対ということで野党は結束して頑張る決意ですので。そんなこと言っちゃっていいでしょうか、まあそうだと思いますので、頑張りたいというふうに思います。

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