日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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2015年5月12日 参議院厚生労働委員会 速記録

2015年05月12日

2015年5月12日
参議院厚生労働委員会

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕
石橋議員の質問の続きのようなものになるかと思いますが、やらせていただきたい。
前回も取り上げたいわゆる十・一問題の文書ですが、端的に厚労省へ聞きますが、これ訂正版を配付されたんですけど、前の文書のどこがどう問題で何で訂正したのか、説明してください。

○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
今委員御指摘のこの十・一問題のペーパーにつきましてでございますけれども、従前のペーパーから見直した点についてでございます。従前のペーパーでは、まず、経済界等の懸念というような形で、上段の部分でございますけれども、そういった部分がございましたが、この箇所につきましては、施行日の説明という部分には不可欠な要素ではないということから削除をしたというものがございます。
それから、中ほどの囲みの、二つ目の囲みの下のところの最後の部分でございますけれども、訴訟が乱発するというおそれということで、訴訟が乱発するという表現につきましては定性的な表現であり誤解が生ずるということでありましたから、訴訟につながるおそれという表現に次の資料のペーパーでは改めさせていただいておるところでございます。
それからさらに、大きく一番下の予想される問題という囲みがあって、そこの部分で、大量の派遣労働者が失業、それから、加えて、派遣事業者に大打撃等の記載をしておったところでございますけれども、その箇所につきましては、説明に不可欠な要素ではなく、かつ定性的で客観性を欠いた表現であるということで削除をさせていただいたものでございます。
いずれも説明に必要のない表現でありましたり、客観性を欠いた表現があったことについては反省しておりまして、十分精査する必要があったと、こう考えておるところでございます。

○小池晃君 いや、分からないのは、大臣、先ほどの質疑で、二月二十三日の衆議院の予算委員会で大臣は見たとおっしゃったんです。そこから二か月間、何で直さなかったんですか。もうこれだけいろいろと問題があるというふうに今も説明あったものを何でほっておいたんですか。大臣。

○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、委員会で維新の党の方から資料として配付をされたわけであります。そのときに私は初めて見たわけでありますけれども、その後、いろいろな御批判を頂戴をして、これは直せということになって、私の方からも指示をして、そして直させたわけでありまして、そこに若干の時間が掛かったということは大変申し訳ないというふうに思います。

○小池晃君 若干といったって、これ、結局、私がこの委員会で質問した四月二十三日、それを受けて直しましたという文書を配っているから、結局それまでやらなかったわけでしょう。これだけ問題がある、しかも大臣は見たことのない文書が国会に出てきた、あるいは局長、部長が見たことない文書が国会に出てきた。これだけで大騒ぎになるんじゃないんですか、普通は。普通の企業や役所だったら、そんなことになったらもう大変な騒ぎになりますよ。それまで二か月間何にもしないでほっておいた。
結局、じゃ、私がこの場で質問するまでこの問題点を読んでも分からなかったということですね。
そういうことなんじゃないですか。結局、こういう趣旨を大臣も認めているから何にも思わずに二か月間使ったんでしょう。

○国務大臣(塩崎恭久君) 結果として、正式にきちっと直って出てきたのが少し時間が掛かったことは申し訳ないと思っていますが、元々これ、押しなべて皆さんにお配りをするということで作られたものではないことは申し上げたとおりで、必要に応じて使っていたので、私としては、すぐ直せとは言いながら、それが配られているとは思っていなかったものですから、そういうことで時間が掛かったということだというふうに思っております。

○小池晃君 要は、与党にしか配っていないから問題にならないと思ったから黙っていたという話じゃないですか、今のは。全員に配っていないからいいと思ったという話ですよ。これ、とんでもないですよ。こんなことでいいんですか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 必要に応じて配ったので、これは足立議員というのは与党ではございませんので、維新の党でも必要に応じて求められれば出していたということでございますので、御理解を賜れればと思います。
〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕

○小池晃君 私が言ったことに答えていない、最初の。要するに、この内容について問題だと思えばすぐに訂正したはずですよ。二か月間、何で放置したんですか。
結局、だから、業界の要求でこれをやったということ、そして、これだけの派遣労働者が失業するとか、派遣事業者に大打撃になる、こういう考え方に何の疑問も感じなかったから二か月間放置したんじゃないですか、そういうことでしょう。
この文書は、結局、違法派遣をどうするかという話は全く出てこないです、問題意識として。結局、違法派遣を合法化するために、その前にやってしまおうという、それだけじゃないですか。結局、大臣、二か月間やらなかった理由はそういうことでしょう、そうとしか取れない。
じゃ、問題だと、この記載が問題だと思えば直ちに修正すべきだったんじゃないですか。それをやらなかった。結局、何の疑問も感じなかったということですよね。

○国務大臣(塩崎恭久君) いや、問題を感じたことは感じたわけでありまして、問題は、元々これは必要に応じて配るものであって、当然、これを足立議員から配られて、余り品が必ずしも良くない表現もあるし正確じゃないものもあるということで私はその場で指摘をしましたが、そのときから配っているとは思っておりませんでしたから、それが先生に言われてまた出てきたということでございまして、そういうことで、もうそれ以降は配っていないというふうに私は思っておりました。

○小池晃君 配っていなければ、どんなでたらめな中身でもいいという話ですよ、今のは。要は、みんなに配らなければ、与党にだけ配っているんだったら問題ある文書でもいいという話じゃないですか。とんでもないですよ、こんなやり方は。
結局、先ほどもあったけれども、この文書というのは、違法派遣合法化を、言わば手を貸すことになるし、今なお違法派遣を続けているブラック企業を救済するということなんじゃないですか、結局。これは結局、だから、要するに表現がどうのこうのじゃないんですよ。やっぱり今度の派遣法の改悪というのが、経済界の要求を出発点とし、経済界の願いに応える、財界、派遣業界の願いに応える法案であるということを、大臣はそういう認識だから何の問題意識も感じずに、この文書が配付されたことに何のおとがめもなし、国会で私がそう言ったらば慌てて修正した、そういうことでしょう。

○国務大臣(塩崎恭久君) 元々、今回の改正は経済界に言われてやっているというようなレベルの話では全くなくて、このペーパーはみなしの期限がやってくるということを言っているだけの話であって、元々、私どものこの改正を今回お願いをしているのは、やはり派遣で働く方々の言ってみれば処遇を上げていくということ、そして正社員になりたい方々にはなっていただくということであり、また働く人たちの権利を守るというために許可制にして監督指導が行き届くようにするという、そこをやっているわけで、むしろ規制強化の方が多いというふうに思うわけであって、それは取りも直さず派遣で働いていらっしゃる方々のためのやっぱり改正だということを考えているからこそ、我々は今回の改正をお願いをしているということでございます。

○小池晃君 派遣労働者のことを考えていたらば、この文書を見たらこれ激怒しますよ、何なんだという話になりますよ。二か月間、何にも言わずにほっておいた。これは結局、今回の派遣法が言わずもがなで、もう問わず語りで、結局派遣業界の要求に応えるものなんだということを大臣認めていることになる。
しかも、みなし制度というのは、これ、自民党も賛成してつくったんですよ、違法派遣をなくすといって。それを発動もしないうちに潰す、こんな無責任なことがありますか。私、この一点だけ取ってみても、こんな法案はもう本当に審議入りの条件は全くないというふうに思いますし、必ず廃案にしなきゃいけないというふうに思いますので、ちょっとこれはここまでにして、もう一つ大問題があるので、次行きます。
例の朝食会での発言です。
小さく産んで大きく育てるという発想を変えるというふうに大臣は言っていますよね。大臣が考えている小さく産んで大きく育てるというのは、労基法に当てはめるとどういうことになるんですか。具体的に説明してください。

○国務大臣(塩崎恭久君) 私の考えでないので、それは経済界に聞いていただいた方がいいと思いますが、具体的におっしゃったことは、一千七十五万というのを下げろというような意味合いのことをおっしゃったことを私は記憶しておりますが、そのことを聞いたときも私は極めて不快な思いをしておりました。
したがって、この講演は、いろいろ皆さん方おっしゃいますけれども、小さく産んで大きく育てるというような発想は変えてもらって、今回出している政府案を応援をしてくれ、これを通すということが我々にとって大事なんだということを申し上げているわけでございます。

○小池晃君 小さく産んで大きく育てるというのは、労基法に則して言えば、一千七十五万円でまずは通してもらって、その後で下げましょうと、そういう考え方ですね。

○国務大臣(塩崎恭久君) いや、それに限らず、経済界の方々は何を考えているのか私はよく分かりませんが、まあそういう言葉を使っている方がおられるということを聞いているので、そこは推測の域を出ないわけですが、私が申し上げているのは、そういう考え方を変えて、今の案がベストだから通してほしい、応援をちゃんとしてほしいということを申し上げたわけであります、この社長さん方に。

○小池晃君 そういうことだと、小さく産んでと、それを変えてほしいと言いつつ、大臣はその後で、それをちょっとぐっと我慢していただいて、取りあえず通すんだと。先ほどの質疑では、黙って通すことを応援してほしいと、一千七十五万円、下げると言われるのは迷惑だとおっしゃったわけですよ。
つまり、経営者に対しては、年収基準を下げるという発言は我慢しろ、取りあえず通せと。ということは、結局、大臣、これ私、素直に理解すれば、通した後で年収基準の引下げについては発言してくれということですよね。

○国務大臣(塩崎恭久君) 先生も、言いそうな方、御本人を目の前にして、あなたそういうことを言うのはやめろよとは言わないじゃないですか、普通。だから、そう思っている気持ちはあるのかも分からないけど、まあそこはぐっと我慢してくださいねと言っているだけで、私はストレートに言えば、そういうことを言うのはやめてくれと、それですよ、簡単に言えば。

○小池晃君 それが小さく産んで大きく育てるということじゃないですか。結局、通しておいて後で言ってくれと。今は千七十五万円で取りあえず黙って通してくださいよと、それで後でそれはやってくれと、それは露骨には言わなかったけど、そういう真意だと今認めた。結局、これが小さく産んで大きく育てるということなんですよ。財界が狙っているのはそれですからね。
結局認めているんじゃないですか、大臣が。やっぱり小さく産んで大きく育てるということなんです、これは、どう考えたって。最初に発想を変えろと言いながら、大臣がおっしゃったことはまさに小さく産んで大きく育てること。
これ、やっぱり、こんな残業代ゼロ法案はもう撤回しかないということだと思います。もうはっきり大臣の本音がここに出ていると、そういうことでしょう。弁解できないと思いますが、どうですか。

○国務大臣(塩崎恭久君) いやいや、これは私の考えではないということを何度も申し上げているのであって、少し上品に言っているだけで、ストレートに言えば、これはこういう考え方はもう捨ててくださいということを言っているのであって、今の法律を通すことが大事だ。おまけに、この一千七十五万というのは後で決まることだとしても、その年収の三倍以上だということであるのは法律に書いてあるわけですから、通した後で経済界が法律を直すなんていうことはあり得ないわけですから、法律は国会の決めることですよ、先生方が決めることですから、そこでないと変わるわけがないんですから。ですから、今のような先生の御指摘は全く当たっていないということだと思います。

○小池晃君 いやいや、私、素直に取れば、結局、とにかく国会を通してくれと、千七十五万下げるという御発言は慎んでいただいて。で、国会を通してもらって、後で下げるということを言ってくれと、そういうことじゃないですか、結局。黙っていろ、我慢しろって、じゃ何を我慢するんですか。一千七十五万円を下げるなどという発言は金輪際していただきたくないと言ったのであれば、これは分かりますよ。そうじゃないんですよ。ぐっと我慢していただいて、取りあえず通していただいて、結局後でやるということで、我慢ですよ、我慢。それは、もう言うなと言ったんじゃないんだから、全然違うんだって、大臣。
これは、まさに小さく産んで大きく育てるという考え方で協力してくださいと経済界に言ったことにほかならない。これはもうはっきりしているというふうに、日本語を普通に理解する人であればそういうふうに受け止めると思います。
外国人技能実習制度について聞きます。
法務省の不正行為についての調査結果が出ましたが、法務省に聞きますが、不正行為、増えているんですが、類型的にはどんな違反になっていますでしょうか。

○政府参考人(佐々木聖子君) 御報告申し上げます。
平成二十六年に不正行為を通知した二百四十一機関につきまして、類型別に不正行為を見ますと、その件数は三百五十件でありますところ、賃金の不払等を含む労働関係法令の違反に関する不正行為が百六十五件、全体の四七・一%と最も多く、次いで講習期間中に実習実施機関の業務に従事させたことに関する不正行為が七十四件、全体の二一・一%となっているところが主でございます。

○小池晃君 現在、受入れ機関は全体で約三万三千、実習生は十七万。しかし、法務省の昨年の不正行為認定は二百四十一機関、〇・七%にすぎません。一方で、労働基準局の報告では、実習生受入れ機関の労基法違反は七九・六%。それを当てはめれば二万六千団体が法令違反をしている可能性があると。ところが、受入れ禁止の措置を伴う不正行為と認定されているのは二百四十一、一%にも満たないというのが実態です。
これちょっと質問飛ばしますが、大臣、結局ごく一部だというのが実態ですよ、是正は。これでいいんだろうかと。これで政府の責任を果たしていることになりますか。不正行為に認定もほとんどされない、是正もされない、責任はどこも取らない、これでいいんでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほどの数字は、平成二十六年の数字だと思いますけれども、二百四十一機関という数字ですね。これですけれども、この数字が少ないかどうかについては、これは法務省の入管の数字でございますので、厚労省としてはコメントを差し控えたいというふうに思います。
いずれにしても、依然として不正行為やそれから法令違反が生じているということは先生御指摘のとおり事実であります。ですからこそ、今後は、今回の国会に提出をした技能実習法案に基づいて管理監督体制の強化を図るということを申し上げているわけで、法案の共管省庁であります法務省と厚労省は緊密に連携しながら制度の適正化に向けて取り組んでいかなければならないというふうに考えているところでございます。

○小池晃君 監督強化というのは何度も何度も聞いているんだけれども、全然解決していません。
実例を紹介しますが、徳島でこんな例がありました。縫製業の中国人実習生です。今年二月に徳島労働基準監督署に賃金未払で申告した実習生、総勢二十名、女性です。日産常盤という会社を中心に働いている人たちです。
中国に帰る実習生が未払賃金で監督署に申告をして、調査が入って、これは違反を摘発、指導をした。それ以降の未払はなくなったんですけど、それ以前の未払が解決されないということで、今年二月に再度実習生が監督署に申告。これは解決しないので、実習生はこの四月に社長に改めて支払を求めたらば、もう仕事をしなくていいと言われて、四月二十五日にはタイムカードを撤収させて、それ以来出社させていません。それから、二十六日には南京の送り出し会社の企業の社長が来て、本国に送還させるというふうに宣告した。このままでは未払が解決しないまま強制的に帰国させられるということで、共産党に相談に来たんですね。
いろいろ実態を聞くと、一年間で休めるのは元旦の日と花見の日、たった二日だけ。土日はない。
朝一時間早出、それを含めて一日五時間から六時間の残業。終わりは十時か十一時。これ時給を計算すると、大体三百五十円に満たないんですね。
徳島の最賃は六百六十六円ですから、ほぼ半額です。これ割増し賃金、深夜・休日残業にも違反していますから、ざっと計算しても未払分は月九万円から十万円になる。一年では全員が百万円規模になります。長時間労働もひどくて、残業は月二百四時間のときもあった。過労死ラインの二倍ですね。これが常態化していた。寮は月二万五千円から三万円の寮費で、一部屋に八人入れられていた。家族への電話は一人五分まで。十一時半にはガスを止められるので、残業して帰っても御飯を作れない。もう本当にすさまじい実態ですよ。
このケースは、監督署が是正指導、摘発指導している。ところが、いまだに未払分解決していないわけです。厚労省に聞きますけど、労基署が賃金未払、これを是正勧告、指導した場合に、使用者が過去の未払分を払わないでいい、こんなことは是認されますか。

○政府参考人(岡崎淳一君) 私どもの考え方としましては、基本的に法違反の状態は是正していただくということでありますので、問題がある事案につきましてはしっかりと、未払賃金があればこれを支払っていただくように指導していくということでございます。

○小池晃君 本当に、この話を聞いて、違反だらけのひどい働かせ方だと私は思うんですね。労基署が早くから調査に入って労働者から聞き取りもやっていればこんなことにならなかったんじゃないかと。もうちょっとせっぱ詰まったような状態に現地はなっているんですね。
厚労省に聞きますが、この日産常盤株式会社の社長は、違反したときも現在も徳島労働局の地方労働審議会の使用者側委員に就いていると聞きますが、間違いありませんか。

○政府参考人(岡崎淳一君) 個別の事案にはコメントし難いわけでありますが、日産常盤の社長が審議会の委員かと言われれば、そこは、そういう事実はございます。

○小池晃君 訴えてきたのは外国人実習生、使用者は労働局が選任した審議会委員、労働局の対応が甘くなったということはないんだろうかと。これ、調査と厳正な対応を私、求めたいというふうに思います。
大臣、こうした実態というのは徳島に限りません。もう全国各地にあるし、縫製業だけじゃなくて漁業でも農業でも本当に広がっているわけですよ。大臣、今、私紹介したこの実習生の実態の一端をお聞きになって、そして労働行政の対応を聞かれて、どのような見解をお持ちですか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘の点について、今のような事実が本当に事実ならば、これは特に、この地方労働審議会の委員でもある人物が代表ということである会社のやっていることですから、これについて厳正に対処する必要があると私も考えておりますが、問題は、こういうことが各地で散見されるということを踏まえて、私どもは新しい法律で実効性のある検査監督体制をつくり直すということをお願いをしているわけであって、現在、実際にもう既に進んでいるこの制度、技能実習制度でありますから、これを適正化していくことは、待ったなしというふうに考えているところでございます。

○小池晃君 適正化は待ったなしですよ。それをやりながら同時に拡大するというのはおかしいじゃないですか、どう考えたって。これだけ問題が出てきているものを適正化をして、ちゃんとその成果が出て、ああ大丈夫だとなったら拡大すると、これなら分かりますよ。適正化と併せて一緒にやっちゃう、こんな乱暴な話はない。
行政の在り方だって、法務省と厚労省で全く連携取れていないんですよ、結局。どこが責任持つんですかと聞いても、お互いどっちが答弁するかでちょっともめちゃったりするんですよ。だから、本当にこれでいいのか。
徳島県労連は以前からこの問題に取り組んできて、この十年で数百人相談に乗ってきて、こう言っています。縫製業はもう既に中国の方が技術が上だと、来日したその日からもう残業までできるようなスキルのある技術者ばかりなんだと、技能移転の実習なんて全く名ばかりの出稼ぎ労働ですと、こういうふうにおっしゃっています。この外国人実習生制度というのは、やっぱり労働行政と全く相入れない制度だと。そもそもやめるべきだし、少なくとも団体管理型、これはやめて企業単独型にすべきではないかというふうに言われています。私も本当にそう思う。
ところが、大臣、今国会に提出されている法案は、団体管理型を前提にして監督強化というけれども、監督強化というのは何度言ったってできない。その一方で建設、介護を拡大。
大臣、私が言っていること分かりますか。私は全否定しているわけじゃないですよ。外国人労働者は入っちゃいけないと言っているんじゃないですよ。まずやるべきことは、この今の実態、今日紹介したような実態が起こっている、これを是正することをやるべきであって、それが成し遂げられた暁に拡大やるべきだと私は言っているんですよ。違法行為が横行しているこんな事態のままで規模、業種拡大やるべきじゃない。優先すべきは行政の徹底した強化、そのための体制を入管、労基署共に抜本的に強化をする。これこそが大臣、今政府に求められていることではありませんか。
いかがですか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 繰り返して申し上げますけれども、元々この不正行為とか法令違反、特に労働関係の法令違反をしているケースが間々見られるということが私どもも問題意識の一つであったことは間違いないわけであって、だからこそ、監督強化をしようということで今回の法律、今までの事実このような推進と規制の両方をやっているような中途半端なことではうまくいかないということで、今回の機構を新たにつくってそこに権限を渡すということで乗り越えていこうじゃないかということでやっているわけでありまして、今の団体監理型と企業監理型の話がありました。
確かに問題が起きているのが団体監理型に多いということはよく分かっておりますが、それだけではなく、やっぱり企業監理型でも問題が起きていることもないことはないわけであって、いずれにしても、この制度はやっぱりきっちり足腰を強くして、規制をしながら、技能をきっちり覚えてもらって母国に帰っていただくということは大事な日本としての貢献の一つでもありますし、このことに徹するために今回の制度を新たにしていこうということで、特に今回、今責任が不明確だという先生御指摘ありました。全く私もそのとおりだということを議論の中で随分、私たちまだ自民党におりましたが、そのように指摘をして、法務省と厚労省とお互いの間にポテンヒットみたいなものがいっぱいあって誰も責任取らないんじゃ駄目じゃないかということを言ってきました。
ですから、それを今回は、両方の、入管の観点から、そして労働政策の、雇用政策の元締である厚労省がちゃんと責任をお互い分担しながら、分かち合って適正化を図るということをやることを今回の法律でお願いをしようというのが私たちの基本的な考え方でございます。

○小池晃君 そういうことをちゃんとやって、それで成果が出たというんだったら拡大すると、それですよ。こんなことをやったら、国際社会の批判高まるだけ。やめるべきだ。
終わります。

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