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小池 晃

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コメ不足認め増産へ転換を 小池書記局長が追及 参院予算委 農業予算大幅増加求める

2025年06月03日

赤旗2025年6月3日付

 日本共産党の小池晃書記局長は2日の参院予算委員会で、コメ不足と米価高騰を招いた歴代自民党政府の三つの失政を転換し、増産に向け農業予算を大幅に増やすべきだと強く求めました。これに対し石破茂首相は「農業予算を増やすべきだ」と答弁しました。(関連記事)

 


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(写真)質問する小池晃書記局長=2日、参院予算委

 小池氏は、コメの民間在庫量が3年前から前年割れし、昨年6月末は適正な180万~200万トンを下回る153万トンにまで減少したが、農水省は一貫してコメ不足を認めず対応が後手後手になったと批判。コメの生産が需要に追いついていないとの認識がなければ正しい対策はできないと繰り返し迫りました。

 

 石破首相は「選択肢として増産ということが出るのはそういうこと(生産が需要に追いついていない)だ」と答弁。小池氏は「増産が必要というのは(米の生産量が)足りていないということだ」と指摘しました。

 

 小池氏は、コメ不足を招いた背景に自民党政府の三つの失政、▽需要減を理由に減反・減産を農家に押しつけてきた▽所得補償制度を全廃し、価格を市場任せにし、コメの生産基盤を弱体化させてきた▽農家に減産を押しつけながら、無関税のミニマムアクセス米を20年間毎年77万トン輸入し続けてきた―ことがあると指摘。こうした政策を転換し、価格保障と所得補償で、農家が安心して営農できるようにするのが政治の責任だと強調しました。

 

 農林水産予算は1980年度から25年度で約3分の2に削減された一方、軍事費は4倍近くに膨張。この期間で欧州連合(EU)は4・6倍、米国は7・5倍も農業予算を増加させています。小池氏は「国民の主食であるコメ作りを支えることは、命を守る安全保障だ」と強調し、農業予算を大幅に拡充すべきだと求めました。

速記録を読む

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 お米の問題を聞きます。
 備蓄米の放出で五キロ二千円のお米が飛ぶように売り切れました。価格高騰にいかに多くの人が苦しんでいたのかということを示しています。しかし、これが根本的な解決になるんだろうか。
 午前中も小泉大臣は、量は足りている、流通の問題だというふうにおっしゃったんですね。ところが、石垣のりこ議員が指摘したように、実際には民間在庫は三年前から前年割り続けてきたわけです。昨年六月末には適正在庫を大幅に割り込む百五十三万トンになっている。農水省が一貫して米不足を認めなかった、流通の問題だというふうに言ってきたことが私は昨年来の対応が後手後手になった最大の原因だと思うんです。
 総理、お聞きします。米の生産が需要に追い付いていないということをお認めになりますか。
○内閣総理大臣(石破茂君) そこは米の価格というものをなるべく維持するということで、生産調整を組み合わせてやってまいりました。それは多くの方々が御支持をいただいた政策だったと思っております。しかしながら、この価格弾力性が低い米という商品において、それが一定の限界値を超えたのではないかという認識を私自身は持っておるところでございます。
 生産力に余裕を持たせることは必要です。しかしながら、それをどのようにして支えていくか、誰の負担においてどこを対象とするかという議論をきちんと詰めたいと思っております。
○小池晃君 私が聞いたことに答えていないんですね。現状の認識ですよ。
 足りていると言ったわけですよ、小泉大臣は。違うんじゃないかと。やっぱり生産が需要に追い付いていない、足りないんじゃないかと。その認識をはっきりさせないと、これは正しい対策が出てこないと思うんです。どうですか、総理。総理、手挙げている。総理、手挙げているから。
○委員長(鶴保庸介君) いいですか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 午前中もお答えをさせていただきましたけれども、今……(発言する者あり)もういいですか。ちょっとだけ、ちょっとだけよろしいですか、担当大臣ですので。総理、この後お答えするかもしれませんが。
 やはり、この米の生産量だけ見れば、前年から増えているんですね。(発言する者あり)はい。それで、お分かりだと思いますが、そしてまた御指摘のあった需要と供給のこのバランスを見れば、やはり民間在庫というのがまずあるわけですよ。この民間在庫と生産量があって、更にこの需要がだんだん、米の消費が残念ながら国内減っていますので、この下がっていくトレンドも、来年はこれぐらい米の需要が減ってしまうということも含めて見通しを出すと。だけど、御指摘のとおり、農水省においても、やはりこれだけ民間在庫が減った、そして今の状況相当タイトになって、今の、マーケットも含めて国民の皆さんも、また卸も不足していると、こういった感触が拭えない、こういった状況は私は同じ認識だと思います。
○小池晃君 前年比でどうこうという議論しているんじゃないんですよね。需要と供給の関係聞いているんですよ。現状として足りないでしょうと。これからのことじゃないですよ、今の時点。だって、民間在庫を前年割り続けてきたんだから。足りないからこういう事態になっているという認識がなければ、これは正しい対策出ないと思うんですよ。その認識を聞いているんです、総理。
○内閣総理大臣(石破茂君) ですので、選択肢として増産ということが出るのはそういうことです。実際に需要と供給というものを見たときに、かなりぎりぎりの状態にあるし、今日の状況を考えたときに、これはどうなるんだろうなというのでおうちで少し余計に持っておられる、あるいはいろんな卸の業者さんが少し余計に持っておられる、それを全部足すとこういう状況が起こるわけです。
 元々、供給に余裕を持たせる、それによると値段は下がる、その補償を誰の負担において行うかということでありまして、今十分足りているということを申し上げるつもりはございません。
 しかしながら、地域地域において、あるいは御家庭御家庭において、少し持っておかなければねというものをトータルすると、僅かな供給の変動であるいは需要の変動でこういうことが起こるというのは商品経済の特性でございます。
○小池晃君 絶対に足りないということを認めないんですね。どうしてですか。需要、これから増産が必要だということは、足りないということじゃないですか。だから、素直にその認識を私は聞いている。
○内閣総理大臣(石破茂君) 少なくとも余裕のある状況だとは思っておりません。
 もう少し余裕を持たせるということは必要ですが、いかにしてお米の価格というものを維持をし、生産者の方々に安んじて再生産をしていただけるかということをずっと考えてこういうような状況になっておるのは御承知のとおりでございます。
○小池晃君 余裕がないんじゃなくて、足りないんですよ。だから価格高騰が起こっているわけですよ。不安が広がっているわけですよ。
 何が問題だったのか。一つは、需要の減少を理由にして減反、減産を押し付けてきたこと。二つは、所得補償制度を全廃して価格を市場任せにして、米の生産基盤壊してしまったこと。三つは、農家に減産を押し付けながら、二十年間ミニマムアクセス米を七十七万トンも輸入続けてきたことだと思います。
 こうした政策を転換して、価格保障と所得補償で安心して米作りができるようにする。消費者は安心してこのお米、おなかいっぱい食べられるようにする。これが政治の責任です。(資料提示)
 その点で、やっぱり予算がですね、農業予算、かつては軍事費を上回っていたわけです。八〇年代後半にこれ逆転して、今や四分の一になっちゃった。この期間、アメリカは農業予算七・五倍にしています。EUは四・六倍にしています。
 総理は、今日午前中、安全保障は軍事だけではないとおっしゃった。そのとおりだと私、思います。国民の主食である米作り支えることは、命を守る安全保障ですよ。環境を守る安全保障ですよ。私はそのために農業予算をやはり大幅に増やすということを、今自民党の中でもそういう議論が始まったと聞いています。是非それをやるべきではないかと思います。いかがですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 農業予算は増やすべきです。それは、私はずっと宮澤内閣で政務次官をしておったときから主張してきたことでございます。
 農業予算を増やす場合に、それでは、所得補償的なもの、あえて的と申しますが、そこにおいてやるのか、あるいは基盤整備、コストダウンのための基盤整備にどれだけ負担する、つまり、農業予算を増やすべきだ、総論においてはそうでしょう。それぞれの一つ一つの事業をどのようにして増やしていくか、あるいは抑制するのか、それがどれだけ国民の御負担に値するものであるかというところまで徹底的に詰めた上で、農業予算を増やすというような議論をしていかなければならないと考えております。
○小池晃君 いや、だから、その総論で減らしてきているわけですよ。増やすべきだとおっしゃるけど、総論で、減らしてきているわけですよ。
 これ、やっぱり転換すべきじゃないか。中身どうするかって、私、こういうこと言っているわけですよね。農業予算をやっぱり増やすという政治の姿勢が求められているんじゃないかと。それは、増やすんだったらこういう流れを変えましょうよ。それ是非やっていただきたいということを申し上げます。
 骨太の方針二〇二五、議論始まりました。総理は賃上げのためにあらゆる政策を総動員すると言いますが、鍵握るのは中小企業です。速やかな最低賃金千五百円実現、そのためには中小企業への思い切った支援が必要です。
 三月の予算委員会で、私、賃上げのためには中小企業の直接支援が必要だと求めたんですが、赤澤大臣、大臣はね、やっぱり生産性の向上や価格転嫁だと言って、直接支援否定されたんですね。もちろんその価格転嫁対策、生産性の向上というのはこれ必要なんですけど、やっぱりあらゆる施策を総動員するというのであれば、私は直接支援やるべきだと。
 今出しているパネル、ちょっと字が小さいですけど、これ経済財政諮問会議に内閣府が出した資料なんですね。徳島県が、最賃引上げとセットで中小企業に直接支援を行っていることを紹介しているわけですよ。
 私、赤澤大臣、前回、徳島でこういうことやっているということで議論もしたと思うんですね。これを出してきたということは、これは、国としても、やっぱり中小企業の賃上げのための直接支援をこれから検討していこうということですよね。お答えください。
○国務大臣(赤澤亮正君) 賃上げこそが成長戦略の要であるということを私ども宣言している以上、これ、二〇二九年度までの五年間で、日本経済全体で持続的、安定的な物価上昇の下、実質賃金……(発言する者あり)分かりました、年一%程度の上昇、賃上げの新たなノルマとして我が国に定着させ、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現するという目標をしっかり掲げることにしました。
 その上で、今、小池委員御指摘のとおり、直接支援ということもあるんですが、それ以外に、官公需を含めた価格転嫁、取引適正化の徹底、生産性向上、事業承継、MアンドAの経営基盤の強化、人材の育成、処遇改善等の施策パッケージ、こういったものにももちろん政府一丸となって取り組んでいきます。
 その上で、徳島県については今委員御指摘のような支援をやっているということは承知をしております。これは、国において措置している重点支援地方交付金を活用していただいているんですね。その上で、各都道府県において、我々、地方最低賃金審議会の目安を超える最低賃金の引上げが行われる場合への特別な対応として、政府の補助金における重点的な支援や、交付金等を活用した都道府県による地域の実情に応じた賃上げ支援の十分な後押しにより、生産性向上に取り組み、最低賃金の引上げに対応する中小企業・小規模事業者を大胆に後押ししてまいりたいと思っています。
○小池晃君 最初の一言でいいんですよ。直接支援もあるんですがって言ったじゃないですか。
 前、直接支援は否定したんですよ。でね、総理は党首討論で、我が党の田村智子委員長の指摘に対して、社会主義国でないから直接お金払えないと完全否定したじゃないですか。私、だから、変えたことはいいと思いますよ。考え方変わったんだったら、大歓迎ですよ。
 これ、やっぱり直接支援をやっていくという方向に政策転換して、そして、地方自治体もう大変苦しんでいますから、是非地方自治体と一緒になって中小企業に対する直接支援をやってほしいと。ちょっと、回りくどいこと言わないでね。
○委員長(鶴保庸介君) よろしいですか。
○国務大臣(赤澤亮正君) 小池委員がおっしゃった直接支援の定義にもよると思うんですけど、これ、重点支援地方交付金というものは、いろんなメニューがあったり、これ自治体の判断でやるわけですよね。我々が国としてその賃上げしたものに必ずお金を入れると言っているわけでもないし、そこはいろいろ考えがあってやっているわけで、小池委員がおっしゃっている直接支援を我々がやることになっているのかというのは議論のあるところだと思います。
○小池晃君 でも、そういう資料を出したんだから。徳島でやっているこういうことを検討材料として出したんだから。
 ちょっともう、赤澤大臣、いいです、もう、回りくどいから。
 総理、もう一言で、こういったことも検討しますということを言ってください。
○内閣総理大臣(石破茂君) 済みません、同級生同士の議論、大変に興味、関心を持って拝聴させていただきました。
 要は、今大臣がお答え申し上げましたように、地域地域の実情は地域地域が一番よく御存じです。北海道から九州、沖縄まで様々な事情がございます。様々な産業構成がございます。大臣がお答えいたしましたように、重点支援地方交付金というのはいろんな使い道がございます。その地域に最も合ったこの交付金を使いまして、後藤田知事がそのような判断をしているということでございます。国が北海道、九州、沖縄まで全く同じような支援をするということとは意味合いが異なろうかと思っております。
○小池晃君 直接支援という考え方を否定はしないということですね。イエスかノーかでお答えください。
○内閣総理大臣(石破茂君) それは、その地域地域に最もふさわしいお金の使い方ができますようにこのようなものを用意しておるところでございます。北海道から九州、沖縄まで全く同じ支援をせよということであれば、それには賛同いたしかねます。
○小池晃君 三月には直接支援という考え方完全否定していたんですよ、赤澤さんも総理もね。それで、去年の党首討論なんかは社会主義国がやることだみたいなこと言ったんですよ。
 それはいろんなパターンあると思いますよ。もう全国どこでも押しなべてというのじゃないかもしれない、でも、直接支援という考え方自体は否定しないんですよねと私は何度も聞いている。もう、ちょっと一言でいいから答えてください。
○内閣総理大臣(石破茂君) 国の財政を用いて支援をするという意味であれば、そのとおりです。
○小池晃君 一方で、実質賃金低下する中で、企業の内部留保積み上がって経済に還流していない。自社株買いがどんどん増えているわけですね。日本共産党政策委員会の調査では、今年四月までの一年間で、自社株買い、合計額二十一兆五千億円。去年四月までの一年間のほぼ倍なんですね。自社株買いというのは、これは株主還元一番になって、本来投資すべきものを株主に与えるということになる。企業が持っている価値や将来性を株主が奪うということにもなりかねない。
 経済産業省の有識者会議が、自社株を買う余分な資金があるなら、将来の投資に回した方が長期的に見れば企業価値を上げられると近々提言すると聞いています。私、重要な提言だと思うんですが、総理の認識、いかがですか。
○国務大臣(赤澤亮正君) 短めにいたします。
 自社株買いは、株主への利益還元のため、事業慣行や事業計画などを踏まえて企業自身の経営判断において行われるものと承知をしています。
 一方で、今委員御指摘のとおり、企業の利益や株主への分配のほか、投資や賃上げ等などに幅広く分配されることも重要です。
 ということで、政府としては、賃金向上推進五か年計画に基づいてしっかり賃上げを目指していく、あるいは、投資立国の実現による二〇三〇年度百三十五兆円、二〇四〇年度二百兆円の新たな官民投資目標の達成などに全力を挙げていきたいと考えております。
○小池晃君 この問題も私、三月、この予算委員会でやったんですよ。そのときに加藤大臣は、これは企業の経営判断の問題だとおっしゃったんですね。ただ、経産省の中では、やっぱりこれは見直す必要あるんじゃないかという議論がされていると、有識者会議で。これ、重要だと思うんですよ。
 フランス、アメリカでは自社株買いに課税した。課税だけ、私、言うわけじゃありません。何らかのやっぱり行き過ぎた自社株買いに対する規制、企業が目先の短期的な利益を追求するんじゃなくて、この内部留保を投資や賃上げに還元するような仕組みということを私はこれ真剣に考えるべきではないかなと思うんですが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 私は御指摘のとおりだと思っております。
 つまり、企業は誰のものなのかねということを考えましたときに、企業の利益が株主への還元だけで終わってはいかぬのだということであります。投資、賃上げ、企業の社会的な存在という意味において考えましたときに、それは株主への還元だけ、あるいはそれを重視するということであれば、企業の社会的責任は果たせないと思っております。
 従業員に対して、あるいは家族に対して、地域に対して還元していくということは極めて重要なことでありますし、次の時代に対する投資ということなくして成長はございません。そういう観点から、これから先、経産省の中でそういう議論があることも事実でございます。企業とは何かという点にもう一度立ち返って答えを見出していくことが肝要かと思います。
○小池晃君 大事な方向性だと思います。是非、そういう方向で政策具体化していただきたい。
 医療の問題、聞きます。
 日本医労連によれば、今年の春闘での医療、介護、福祉労働者の賃上げ水準、極めて低い。ほかの産業との格差が昨年以上に広がっています。
 その背景にあるのが、医療機関や介護施設の経営危機です。日本医師会の松本吉郎会長は記者会見で、医療機関の経営がかつてなく厳しい状況で、経営努力の限界をとうに超えている、このままではある日突然病院がなくなると訴えました。
 大臣、医療や介護経営の安定、現場で働く幅広い職種の賃上げに確実につながるためには診療報酬や介護報酬の引上げが必要だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 御指摘のとおり、賃上げ実現することは極めて重要な課題でございますし、また、資金繰りが悪化することで必要な医療や介護のサービスが継続できない、そういうことがあってはならないというふうに思っております。
 令和六年度の報酬改定で一定の措置を講じましたが、依然として物価高騰等の影響がありますため、補正予算等で措置をしています。また、重点支援地方交付金の積み増しとかも行っています。また、福祉医療機構の融資の枠とかも設けています。
 そういったことをしっかり実施した上で、その効果等を見極めながら、必要な対応を行っていきたいと思います。
○小池晃君 患者負担増は抑えつつ、来年春の改定を待たずに対応を私はすべきだと思います。
 骨太方針二〇二五の骨子案では、これ公定価格の引上げと言っていますから、これは診療報酬も含まれると思うんですね。
 この障害になっているのが、社会保障関係費の伸びを高齢化の伸びの範囲内に収めるという財政フレームであります。医療でいえば、高齢化による伸びというのは、これは自然増の約三分の一です。残りは医療の高度化などによるものです。ということは、高齢化の伸びの範囲内に抑えるということは、医療の高度化などの問題は、これは全部認めないということになってしまう。こんなことをやったら患者の命守れないと思います。やはり、日本の医療、介護は崩壊しかねないと。
 デフレのときはこれで何とかかんとかやってきたかもしれない。しかし、今、物価が上がり、人件費が上がる中で、こういう枠組みではもうやっていけないというところに来ているんじゃないか。コロナ危機で医療が逼迫したのも、この間のこういう政策によって非常にぎりぎりに追い込まれてきたからです。しかし、みんな懸命の努力で乗り越えてきたわけです。
 今、日本の医療・福祉分野の就業者数、今年の推計で九百五十万人、全就業者の七人に一人。ここが抑えられてしまったら、国民経済にもマイナスになります。
 私は、社会保障予算の伸びを高齢化の伸びの範囲内に収める、抑えるという財政フレーム、総理、これは骨太二〇二五で廃止すべきではないかと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) それは、医療にしても介護にしても、社会共通資本という認識を持つことは、私は必要なことだと思っております。社会共通資本であるがゆえに、それが誰の負担によって支えられるべきものなのかという議論は更に深めていく必要があるものと考えております。
 先ほど猪瀬委員の御質問にもありましたが、セルフメディケーションみたいなこともこれは必要でしょう。いかにしてリテラシーを高めていくかということも併せましてこれは議論していかなければならないことでございまして、また議論をさせてください。
 それは、高齢化の伸びというものは、これは現実としてございます。そして、高齢者の方々の医療費というものも当然掛かるわけでございます。そういう高齢者の方々にこれから先も安心して医療を受けていただくという持続可能性をどう維持するかという問題でございますので、更に議論をさせていただきたいと存じます。
○小池晃君 そういう意味じゃないんですよ。高齢化の伸びの範囲内に抑える。高齢化の伸びは認めているわけでしょう。そこしか認めないということで医療は成り立ちますかと聞いているんですよ。そのこと答えてください。
○委員長(鶴保庸介君) 簡潔にお願いします。
○内閣総理大臣(石破茂君) それは成り立つように努力をしていかねばなりません。高齢者の方々に安心して医療を受けていただくためにどうしてそれを原資として生み出していくかということは、皆様方の御負担も求めていかねばならないことでございます。
 先ほど申し上げましたように、社会共通資本としてどうやって維持をしていくかということは、国民の御負担をどれだけ頂戴するかということについて御理解を得ねばならないものでございます。
○小池晃君 それでは医療も介護も崩壊してしまうという危険がありますということを申し上げて、質問を終わります。

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