日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

検索

国会ハイライト

国会質問・速記録・質問

皇室典範改定案撤回を 「国民の総意」と言えず 参院委で小池氏

2026年07月07日

赤旗2026年7月7日

 日本共産党の小池晃書記局長は6日の参院決算委員会で、政府が提出した皇室典範改定案について取り上げました。天皇の制度は憲法の条項と精神に基づいて議論・検討すべきで、「男系男子」による継承ありきで女性天皇の可能性を閉ざす改定案は「国民の総意」に基づいておらず、「旧宮家」の男系男子を皇族の養子に迎えることは国民の理解が得られないと指摘し、法案は撤回すべきだと述べました。(論戦ハイライト)


写真

(写真)質問する小池晃書記局長=6日、参院決算委

 小池氏は、憲法1条は天皇の地位を「主権の存する日本国民の総意に基く」とし、ほとんどの世論調査で女性・女系天皇に賛成が多数で、「男系男子での継承」は「国民の総意」とはいえないと指摘。首相は「日本の歴史と伝統」と強調するが、同1条が「日本国民統合の象徴」と定める天皇を、男性に限定する合理的理由はなく、天皇は「万世一系」などとする天皇絶対の明治憲法下とは根本的に異なると断じました。

 法案は「旧宮家」の男系男子を皇族の養子にできるだけでなく、養子皇族の子の男子に皇位継承権を認めています。小池氏が、女性皇族の子は民間人になるが、養子皇族の子が天皇になりうるのかと質問したのに対し、高市早苗首相は「なりうる」と答弁しました。

 小池氏は、政府は、養子制度を「皇族数確保のため」と説明してきたが「養子の子を天皇にする法案になった」と指摘し、戦後、民間人となった「旧宮家」の人を特別な身分である皇族とすることが国民の理解を得られるのかと追及。首相が「国民の理解をたまわるべく法案を作成した」と開き直ったのに対し小池氏は「まだ理解を得られていないと認めたということだ」と指摘しました。

 養子が皇族となることは憲法14条が禁じる「門地による差別」に抵触し、「朝日」の世論調査で養子縁組を可能にする法整備を「急ぐ必要はない」が71%であることなどを指摘。「国民の理解を得ているとは到底言えない」「数の力で押し通すものではない」として法案の撤回を求めました。

速記録を読む

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 皇室典範の改定案の内容、進め方について疑問の声が広がっております。私たち日本共産党は、党の綱領で、天皇の制度も含めて、日本国憲法の全条項を守るという立場を明確にしております。天皇の制度の問題は日本国憲法の条項と精神に基づいて議論、検討すべきであり、そういう立場で質問をいたします。
 日本国憲法第一条は、天皇の地位を主権の存する日本国民の総意に基づくとしています。そして、どの世論調査でも、女性天皇、女系天皇に賛成だという方が多数です。しかし、政府案は、養子縁組によって男系男子での継承を明確にしました。
 総理、天皇は男系男子で継承しなければならないということは国民の総意でしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 皇室典範の改正につきましては、先日、六月十日に、まさに全国民の代表によって構成される国会において、衆参両院正副議長の下、立法府の総意として議論の取りまとめが行われました。そこでは、今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下、次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないということについては、立法府としてもこれを確認する、その上で、議論の取りまとめを基に法制化することを求めるとされております。
 ですから、政府としては、それに沿って忠実に法案を作成したものでございます。
○小池晃君 私が聞いたことに全く答えてないですね。国民の総意とはさすがに言えないんだと思いますよ、今の世論調査を見れば。
 しかも、立法府の総意、総意とおっしゃいますが、これ、全体会議で日本共産党は反対いたしましたし、参議院の野党第一党である立憲民主党も養子問題は反対というふうに言っているわけで、立法府の総意でもありません。しかも、その立法府の総意を踏み越えた法案が出されているわけです。男系男子ありきで女性天皇を初めから閉ざすというこの憲法第一条の精神に反するやり方は、私は将来に大きな禍根を残すというふうに思います。
 更に聞きます。
 憲法第一条は、天皇の地位を日本国の象徴であり日本国民統合の象徴としています。ならば、多様な性を持つ人々によって構成されている日本国民の統合の象徴である天皇を男性に限定する合理的理由はどこにもないのではないか。憲法の条項と精神に照らせば、女性天皇、女系天皇を認めるべきだというふうに思いますが、この点はいかがですか。質問に明確に答えていただきたいと、別のことを言わないでほしいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 先ほどの御質問は、国民の総意という話でございました。まさに国会議員の皆様は、憲法上、全国民の代表とされております。その中で、その国会において、衆参両院正副議長の下、立法府の総意として議論の取りまとめが行われたことを受けて、今般の法案を立案したということです。
 ただいまの御指摘につきましても、取りまとめに書かれた手続にのっとり、法律案の骨子ができ上がった段階で事前に衆参正副議長に御報告した上で、六月二十五日の全体会議の場で各党各会派の法律案の要綱を御説明し、衆参両院の正副議長より取りまとめに沿ったものであるという御判断を頂戴いたしております。
○小池晃君 国会の総意が、立法府の総意が国民の総意であるというふうに言い切れるんですか。かなり世論調査の結果、違いますよ。
 しかもですよ、私、いろいろおっしゃるんだけれども、全体会議で議論したのは皇族数の確保の問題なんですよ。そういうテーマ設定だったんですよ。皇位継承の問題というのは、これは全体会議では議論されていないんですよ。だから、全体会議の後の記者会見で森衆議院議長が思わず、その養子のところに生まれた男性は皇位継承資格を持つと言ってしまって、大問題になったわけですよ。森議長はそれを慌てて修正したわけですね。
 ここに見られるように、全体会議では皇位継承の問題というのはテーマになっていない。だから、女性天皇、女系天皇問題も議論にならなかったんですね。これが経過です。
 更に聞きます。
 自民党、そして総理も、我が国の歴史と伝統ということをこの問題では強調されます。私は、やっぱり何よりも大切なことは、日本国憲法の条項と精神に基づくことだというふうに思うんですね。その点で、日本国憲法は戦前の天皇主権の大日本帝国憲法とは根本的に異なるわけですよ。万世一系の天皇これを統治す、天皇は神聖にして侵すべからず、大日本帝国憲法一条、三条です。これを否定したものですよね。これは認められますよね。大日本帝国憲法のこの天皇主権ということは否定されたということはお認めになりますよね、歴史の事実です。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 日本は国民主権の国でございます。
○小池晃君 国民主権を規定しているのは憲法第一条ですよね。それはいかがですか。
 主権の存する国民の総意に基づくと第一条に書いてあるんですね。それで、いいです。
 天皇の制度というのは、日本国憲法の条項と精神に基づくものだというのが戦後の象徴天皇の制度なんです。だから、だからですよ、憲法第二条は皇位は世襲というふうにしました。しかし、大日本帝国憲法にあった男系男子による継承、これを意味する皇男子孫という言葉は削除されたんですね。だから、憲法でこれは変わったわけですよ。
 最大の今回の問題、この問題の最大の問題は、明治の皇室典範でも禁止をしていた養子制度について、わざわざ新しい章、養子皇族男子を設けたわけですよね。これは日本の伝統でも何でもないんですよ。明治の皇室典範では否定をしたんですよ、禁止したんですよ。その結果、戦後皇籍を離れた旧十一宮家の男系男子を皇族の養子にできるようにする。
 政府の法案について聞きますが、政府の法案は、そこにとどまらずに、養子皇族に生まれた男子に皇位継承権を持たせることにしたわけですね。これ、事実の確認です。総理に確認します。この法案によれば、女性皇族が婚姻した後の配偶者や子、これは民間人のままですよね。一方で、養子皇族の配偶者となった民間人、そしてその子、これは皇族となる、これ間違いありませんね。これ、事実の、法案の事実ですから、確認です。
○内閣総理大臣(高市早苗君) まず、皇族とする、皇室典範に皇族すると規定しない限り皇族にはなりません。ですから、女性皇族の配偶者、子については、現行の皇室典範の規定に基づき皇族にはなりません。
 養子の子については、皇族の夫婦の間に生まれた者であることから、現行皇室典範の規定に基づき皇族となることとなります。
○小池晃君 ということなんですよ。だから、つまり女性皇族の子は、天皇になることはなく、民間人になるわけです。
 一方で、民間人として生活してきて養子皇族となった方の子は、男子であれば天皇になることがある、そういうことじゃないですか。そういうことですよね。いかがですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) これ、男子であれば天皇になると決まっているわけではありません。(発言する者あり)ええ。これまで決まってきた皇位継承の順位に、順については、これはゆるがせにしないとしておりますので、なり得る可能性があるということではそうでございます。
○小池晃君 そういうことなんですね。
 結局これ、養子制度を皇族数確保するためだと言ってきたけど、結局この法案というのは養子の子の皇位継承権を認める法案になったわけですよ。養子の子を天皇にすることができる法案になったわけですよ。ここがやっぱり私は重大な問題だというふうに思うんですね。
 そもそも二〇〇五年の政府有識者会議の報告書では、養子縁組については、「国民の理解と支持、安定性、伝統のいずれの視点から見ても問題点があり、採用することは極めて困難である。」と、これ完全に否定をしていたわけであります。これ、小泉内閣のときです。その理由として、旧十一宮家が、今の天皇との共通の祖先は約六百年前の室町時代まで遡るということを挙げておりました。しかも、戦後は民間人として生まれ育ってきた方たちであります。
 こうした人たちを特別な身分である皇族にすることに、総理、国民の理解が得られるというふうに思いますか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 国民の皆様の理解を賜るべく、この議論の取りまとめに沿って忠実に法案を作成したものでございます。国会議員の皆様は全国民の代表でいらっしゃいます。
○小池晃君 国民の理解を賜るべくと。国民の理解得られていないんですよ、今。そのことをお認めになったと思いますよ。
 しかも、これは憲法十四条が禁止している門地による差別、すなわち家系による、家柄による差別に抵触するという指摘もあるわけですね。
 私、そもそも男系男子での継承ということを大原則にしていくと、ひたすら男の子を産んでくれと、私、こういうことがあっていいんだろうかというふうに率直に私は自分の思いとして感じますよ。
 総理、朝日新聞の世論調査では、養子縁組をできるようにする法整備を急ぐ必要はないが七一%です。読売新聞では、皇室典範の議論が十分だったとの回答は三九%にすぎません。もう読売新聞、日経新聞、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞、みんな社説で、この法案は一旦止まって出直すべきだと、こんなに各社の社説が一致している。それで、地方新聞もみんなそうです。こんなことはめったにないですよ。
 総理、やっぱり今の政府案、これは国民の理解を得ているとは到底言えないと私は思いますが、理解を賜るべくと先ほどおっしゃったように、理解を得られていないと。
 そして、総理、もう一つ指摘をしたい。
 二〇〇六年の通常国会のとき、このときは今と正反対の議論があったんです。当時の小泉政権が、女性天皇、女系天皇を認める皇室典範を出す方向で議論していた。そのときに小泉政権の官房長官だったのは安倍晋三さんです。その安倍晋三さんに総理は衆議院の予算委員会で質問されています。こう言っています。総理は、女性天皇には反対しないが、女系天皇は慎重に検討してほしいと述べられて、こう言っています。まだ国民の理解が進んでいない、守るべき伝統は何で、変えるべき伝統は何なのか、こういう議論も深めたい、できましたら今国会ではない方が有り難い、十分な時間、議論の機会をいただきたいというふうに、通常国会の一月ですよ、これから長い国会があるというときに。
 今の国会のこの残された僅かな期間で、数の力で押し通すようなものでは私はないと思います。見直すべきだと。
○国務大臣(木原稔君) 私、担当の大臣として、過去の経緯をずっと承知をした上で申し上げますと、今回、前回、有識者会議の提言に基づいて、衆参正副議長の下でこれ四年間にわたり議論が行われました。骨子案を私が説明させていただき、御了承を得て、そして要綱も、その後、衆参正副議長の下、そして全体会議でも御披露させていただいて、そこで最終的に中間取りまとめができ上がったわけでございます。
 その中間取りまとめに基づいて今回政府案を作らせていただいたということになり、しかし、これは、現行法に基づく結果では様々あると思いますが、これによって立法府における将来の検討を先取りしたり、またこれを縛ったりするような趣旨のものではないと、そのように承知をしております。
○小池晃君 私は、総理の国会での発言に基づいて聞いたんですよ。ちゃんと総理が答えてください。
 こんな先取りするものではないと言うんであれば、これは私はこのままではいけないと。この法案を一旦撤回をして、有識者、憲法学者の意見を聞く場を設けて、国民の声を聞く公聴会、パブリックコメントしっかりやって、それこそ憲法上の国民の総意、これを形成する、この努力をすることが私は政治の責任だと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 有識者による検討も含めて長い長い時間を掛けてきたものでございます。そして、この問題、要は、皇室典範の改正につきましては、静ひつな環境の下で議論を進め、結論を得ていただくことを期待いたしております。
 十分にこれは国会でも御検討いただきました。正副議長による議論の取りまとめに心から敬意を表しますし、そして、もう本当に長い年月を掛けて丁寧に検討されたものであるということを申し上げておきます。
○小池晃君 十分に国会で議論したものではないんです。全体会議では反対意見がたくさん出たんです。野党第一党の立憲民主党も反対したんです。それを立法府の総意だといって押し付けることは許されない。しかも、そこで議論したこととは違うような法案まで出てきている。
 私は、これを撤回するということが国民の理解と国民の総意に基づく、憲法に基づく議論をしていこうということを強く訴えて、質問を終わります。

閉じる

ご意見・ご要望