日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

検索

国会ハイライト

国会質問・速記録・質問

憲法の精神・条項に反する 皇室典範改定案 小池氏が撤回要求 参院特別委

2026年07月16日

赤旗2026年7月16日

写真

(写真)質問する小池晃書記局長=15日、参院皇室典範特委

 参院皇室典範特別委員会は15日、皇室典範改定案の審議を行い、日本共産党の小池晃書記局長は「男系男子による継承に固執し、強化する皇室典範の改定は、日本社会における女性差別を助長することとなる」と強調。木原稔官房長官が「法案は女性差別とは関係ない」と答弁したのに対し、小池氏は「改定案は憲法の精神と条項に反する」と批判し、撤回を求めました。

 小池氏は、養子皇族の男子に天皇になる資格を認める改定案は大問題だと指摘。衆院の審議で宮内庁が養子の対象となる旧11宮家と今の天皇には男系で36~38親等の隔たりがあると答弁したが、6親等離れれば民法上の親族ではなく、38親等となれば「ほとんど他人だ」と指摘。だからこそ2005年の政府有識者会議報告書でも養子縁組案は「国民の理解と支持、安定性、伝統いずれの視点から見ても問題がある」として否定されたと強調しました。

 小池氏は、皇室典範の大原則である「養子の禁止」を覆しながら、皇室典範を根拠に女性・女系天皇を認めないのは「苦し紛れの詭弁(きべん)だ」と批判しました。

 多様な性をもつ国民の「統合の象徴」と憲法で規定されている天皇を男性に限定する合理的な理由はなく、憲法の条項と精神に照らせば女性・女系天皇も当然認められるべきだと主張。「皇室典範では皇位は皇統に属する男系男子が継承するとしている」という木原氏に、小池氏は日本国憲法からは大日本帝国憲法にあった「皇男子孫」継承が除かれ、皇位については世襲としか書かれていないと反論しました。

 さらに、男系男子継承が明文化されたのは1889年の旧典範だと指摘し、万世一系の天皇が統治するとした大日本帝国憲法の世界を否定した日本国憲法の精神に基づいて議論すべきだと主張しました。国民主権、基本的人権の尊重の憲法のもと日本社会が大きく変化し、女性・女系天皇も認めることが国民の率直な思いだとし、女性であることを理由にしかるべき地位につくことを妨げるのは「男尊女卑」そのもので、男系男子継承に固執・強化する改定案は、日本における女性差別を助長させるものだと批判しました。

速記録を読む

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 日本共産党は、天皇の制度は、憲法の条項と精神に基づいて議論すべきだと考えております。
 日本国憲法第一条は、天皇の地位は国民の総意に基づくものとしております。ですから、国民の理解が得られているかどうかというのは、これ決定的に重要だと思いますが、官房長官、この改定案は国民の理解が得られると、得られているとお考えですか。
○国務大臣(木原稔君) 今回の御審議などを通じて丁寧に説明してまいりたいと思います。
 また、地方議会等に目を転じますと、四十七都道府県のうち、三十五の府県議会、議員において、この皇室典範の改正について、これを推進せよというような御決議がされたものというふうに承知をしておりまして、しかしながら、まだ一般の国民の皆様に対しまして、しっかりと説明をしていきたいと思っております。
○小池晃君 国民の理解が得られているとは到底政府も言えないわけですよ。そういう中身なわけですよね。しかも、立法府の総意、立法府の総意と先ほどから繰り返しておられる。しかし、男系男子を不動の原則としている改定案に日本共産党は反対しております。そして、先ほど、野党第一党の立憲民主党も反対の立場で質問いたしました。これが立法府の総意であるわけがない。もう大前提が崩壊しているというふうに私は思います。
 中でも大問題は、養子の子を天皇にできるようにすることであります。衆議院で宮内庁は、昭和二十二年に皇籍離脱された皇族男子の方々は、現在の天皇とは三十六親等から三十八親等の隔たりがあると答弁されました。六親等離れれば民法上の親族ではないんですね。三十八親等というふうになれば、もうほとんどこれは赤の他人ではないかというような指摘もされているわけであります。ですから、二〇〇五年の政府有識者会議の報告書でも、養子縁組、旧皇族の皇籍復帰という案は、国民の理解と支持、安定性、伝統のいずれの視点から見ても問題点があり、採用することは極めて困難であるとされたわけであります。
 ところが、今度の改定案は、あくまで女性が天皇となる道を塞ぐ一方で、遠い遠い血筋の人を養子にして、その子が男子であれば皇位継承権を持たせようと。私、とてもこれは国民的理解と支持は得られないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(木原稔君) 七月十日に、衆議院の議院運営委員会においても、これ政府参考人からお答えをしましたとおり、昭和二十二年に皇籍離脱された皇族男子の方々は、今上陛下とは三十六親等から三十八親等の隔たりがあるものとは承知をしております。
 一方で、今回の養子制度でありますが、現行憲法、そして皇室典範下で皇位継承資格を有していた方々の男系男子孫の方々を養子の対象とするものでございまして、これは、お互いの自由な意思に基づき、養親、養親子関係というものを結んでいただくということを想定をしているところであります。
 国民の理解についてですけれども、令和三年の政府の有識者会議の報告においては、養子となった後、現在の皇室の方々とともに様々な活動を担い、そして役割を果たしていかれるその過程において、皇族となられたことについての国民の理解と共感というものが徐々に形成されていくことも期待されるというふうに示されておりまして、政府としてもこの報告は尊重しているところです。
○小池晃君 じゃ、平成十七年の有識者会議は間違ったことを言っていたということですか。
○国務大臣(木原稔君) 平成十七年の有識者会議の取りまとめ、こういったことも踏まえて、この令和三年の取りまとめも行われたものと承知をしております。
○小池晃君 踏まえてといいながら、全く正反対の結論を出しているわけであります。
 官房長官は、何で女性では駄目なのかという、衆議院での我が党塩川鉄也議員のもう基本的な質問に、その場ですぐさま答えることができませんでした。現行、皇室典範で男系男子とされているからだと答弁されましたね。今日もそういう答弁繰り返しています。
 しかし、皇室典範の大原則である養子は取らないと、養子は禁止しているという大原則変えたわけですよ。そこからその先は今の皇室典範でというのは、これは、苦し紛れの私は詭弁だと言うほかない、全く説得力がないというふうに思います。
 そもそも、日本国憲法は、天皇は、日本国民統合の象徴として、その地位の根拠は、主権の存する国民の総意に基づくとしているわけであります。多様な性を持つ人々によって構成されている日本国民の統合の象徴である天皇を男性に限定する合理的理由が一体どこにあるのか。どこにもないと思います。私は、日本国憲法の条項と精神に照らせば、女性天皇、女系天皇は当然認められるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(木原稔君) まず、令和三年の政府の有識者会議の報告においては、次のように書かれております。
 皇位の継承という国家の基本に関わる事柄については、制度的な安定性が極めて重要。今に至る皇位継承の歴史というものを振り返るとき、次世代の皇位継承者がいらっしゃる中でその仕組みに大きな変更を加えることには十分慎重でなければならない。今上陛下、秋篠宮皇嗣殿下、次世代の皇位継承資格者としての悠仁親王殿下がいらっしゃることを前提に、この皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない。悠仁親王殿下の次代、次世代以降の皇位の継承について具体的に議論するには現状は機が熟しておらず、かえって皇位継承を不安定化させる。悠仁親王殿下の次代以降の皇位継承については、将来において悠仁親王殿下の御年齢や御結婚等をめぐる状況を踏まえた上で議論を深めていくべきではないか。
 政府としては、この報告を尊重しています。
 また、皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないことについては、立法府における全体会議でも共有をされました。衆参正副議長による議論のとりまとめにおいても、その冒頭で確認がなされたわけでございます。
 政府としては、このとりまとめに沿って法案を作成をいたしました。
○小池晃君 全く答えていないですよ。
 何で、現行憲法の条項に照らしたら、女性天皇、女系天皇、当然認められるべきではないかということに対して答えてください。
○国務大臣(木原稔君) まず、皇位の継承については、日本国憲法の第二条に規定がございます。皇位は、世襲によるものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承するとされております。
 その上で、皇室典範ですが、第一条において、皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承すると規定されているところであります。
○小池晃君 憲法には皇男子孫という言葉が除かれたんですよ、大日本帝国憲法にあった皇男子孫は。世襲とだけなったんですよ。男子としたのは皇室典範だけなんですよ。古来例外なくと言うけれども、男系男子の継承が明文化されたのは明治二十二年の旧典範であります。
 二〇〇五年の政府有識者会議報告書、こうあります。一旦皇族の身分を離れた者が再度皇族となったり、元々皇族でなかった者が皇族になったりすることは、これまでの歴史の中で極めて異例なことであり、さらにそのような者が皇位に就いたのは平安時代の二例しかない。そして、これは、皇族の身分等をめぐる各種の混乱が生じることを避けるという実質的な意味を持つ伝統であると。
 ですから、今回の養子縁組こそ、これまでの歴史になかったやり方なわけですよ。それを伝統だなどと言って押し付けることは、私は許されないと思う。
 男系男子の継承というのは、明治につくられた伝統にすぎません。天皇を神とし、万世一系の天皇が統治するとした大日本帝国憲法の世界であります。今日も二千六百年というような議論が出ましたけど、神話ですよ、歴史的事実ではないですよ。これを否定した国民主権の日本国憲法の精神に基づいて私は国会は議論すべきだというふうに考えます。
 官房長官、聞きますが、各種世論調査では、女性天皇、女系天皇を認める声が多いんですね。圧倒的です。それはなぜだとお考えですか。
○国務大臣(木原稔君) まず、世論調査というのは、その聞き方であるとか、その対象者によって様々なものがあるというふうに承知をしております。
 また、令和三年のその有識者会議の報告においては、その有識者の方々が、今回の改正の基礎となった部分については、恐らくそれに沿った形での法改正になっておりますので、この皇位の継承をゆるがせにしてはならないということについて、これは正しく忠実に法改正がなされたということを評価されるものと思っております。
○小池晃君 ほら、この二〇〇五年の報告書については何にも言えないんですよね。
 私、何でこういう世論調査、世論調査いろいろあると言うけど、女性天皇、女系天皇を認めるかどうかという世論調査はほとんど圧倒的に、やっぱり認めるべきだという声なんですよ。なぜか。やっぱり戦後、国民主権、基本的人権の尊重の憲法に変わって、日本社会は大きく変わってきたわけです。女性天皇を認めるべきではないか、それが私は国民の率直な思いなんではないかと。しかし、今日の議論でも、天皇だけは、何か合理的な理由があるわけでもないのに、何が何でも男性でなければならない、これが今回の典範案でしょう。理由は、今までずっと男性だったから、これからも男性だ、それだけじゃないですか。しかし、女性であるというだけでしかるべき地位には就くことができない。これ、私、男尊女卑そのものだと思いますよ。
 男系男子による継承に固執をし、それを強化する皇室典範の改定は、私は日本社会における女性差別を助長することになると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(木原稔君) この令和三年の有識者会議報告ですが、皇位継承の問題と切り離して、皇族数の確保を図ることが喫緊の課題であると認識の下、女性皇族の身分保持制度案とその皇族の養子制度案、その二案が示されまして、政府としてもこの報告を尊重をしているところです。その後、衆参議長による議論のとりまとめにおいてこの二案はいずれも了とされております、全体会議の下で、委員も御出席だったと思いますが。これを基に法制化することを求めるというふうに政府はされまして、それを受け取って法制化したところです。
 政府としては、この皇族数の確保を目的として、この議論のとりまとめに沿って法案を作成したものであり、女性差別とは関係なく、委員の御指摘には当たらないと考えております。
○小池晃君 やっぱりこの議論を聞いて、やっぱりこれは女性差別になってしまうと、多くの人が本当に危惧すると思いますよ。
 私は、この典範改定は日本国憲法の精神と条項に反するものであって、将来に大きな禍根を残すものであると考えます。撤回をすべきであるということを申し上げて、質問を終わります。

閉じる

ご意見・ご要望