日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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サナエトークン全容解明を 金融商品取引法改定案可決 小池氏反対 参院財金委

2026年07月15日

赤旗2026年7月15日

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(写真)質問する小池晃書記局長=14日、参院財金委

 暗号資産投資を事実上推奨する金融商品取引法改定案が14日、参院財政金融委員会で賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。共産党の小池晃書記局長は反対討論で、暗号資産自体は否定しないが、「未知の段階であり、現状は投機性の高いギャンブルだ」として、国民の資産形成の対象として扱うのは不適切だと指摘。暗号資産売買の税率軽減は暗号資産投資にお墨付きを与えると批判しました。

 質疑で小池氏は、高市早苗首相の名を冠した暗号資産サナエトークンについて「多数の被害者が発生しており金融庁として全容解明すべきだ」と強調。サナエトークンの「仕掛け人」松井健氏が代表を務めるneu社が投資家と結んだ契約書を示し、未登録業者でありながらサナエトークン発売前に優先購入権予約を受け付けていたと告発し、資金決済法違反にあたる可能性をただしました。金融庁の堀本善雄総合政策局長は「個別事案に関する回答は差し控える」と答弁。小池氏は「首相周辺が関与していれば個別事案だといって答えない態度は許されない」と批判しました。

 小池氏は、サナエトークンを発行した合同会社ノーボーダーDAOが被害者への補償としてステーブルコイン(実物資産に価格が連動する暗号資産)と交換していたのは、無登録の暗号資産交換業であり、資金決済法に抵触するおそれがあると指摘。暗号資産は資金洗浄、テロ資金、違法海外送金などにも使用される重大な問題があり、被害防止のためにはサナエトークンのようなミームコイン(ネット上の流行や有名人をもとに作られる暗号資産)の発行や、それらを扱うDEX(分散型取引所)に対する規制が必要だと主張しました。片山さつき財務相は「国際的に規制の手段が確立されていない。継続して検討を行う」と述べるにとどまりました。

速記録を読む

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 暗号資産の取引について、最初に一般論としてお聞きをしたいんですが、無登録業者が直接顧客に暗号資産を売買することは資金決済法違反ですが、どのような罰則が適用されますか。
○政府参考人(井上俊剛君) お答え申し上げます。
 一般論として、業として暗号資産の売買等を行うことは資金決済法上の暗号資産交換業に該当すると考えられ、暗号資産交換業を行うに当たっては内閣総理大臣の登録を受けていただく必要がございます。
 仮に事業者が登録を受けずに暗号資産交換業を行った場合の罰則ですが、現行の資金決済法においては、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科することとされております。
○小池晃君 六月十日の衆議院の財金委員会で総合政策局長が、金融庁の利用者相談室にサナエトークンについての損失に言及のあった相談は五件寄せられていると答弁されました。その後、何件になっているでしょうか。
○政府参考人(堀本善雄君) 金融庁の金融サービス利用相談室には、当該サナエトークンに関して何らかの損失に言及のあった相談が七月八日までで七件寄せられております。
 前回お答え申し上げた五件より件数は増えておりますが、この中には、六月十日にノーボーダーDAOが補償用サイトを公表したことから、新たに当該補償サイトの申請手続に関する相談というものも含まれております。
○小池晃君 増えてきているわけですね。
 高市総理は、七月六日の決算委員会でサナエトークンについて問われて、仮に法令に違反する行為があれば、それは金融庁で適切に対応されるものと答弁されました。
 大臣ね、総理も適切に対応すると言っているわけですよ。これ、やっぱり多額の損害が発生しているわけで、金融庁として適切に対応すべき。すなわち、全面的に解明して、厳しくこれは指導するべきではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(片山さつき君) 金融庁は、資金決済法上、無登録業者に対する調査権限や行政処分権限は有していませんが、無登録での暗号資産交換業を始め各種事案に対して、被害の拡大防止等の利用者保護の観点から、必要に応じ実態把握を行い、適切に対応しております。そうした実態把握の中で、事業者から業務に関して任意のヒアリングを行い、必要に応じて業務停止を求めることが原則です。
 その上で、業務が継続されるなど、被害拡大防止の観点から必要と認められる場合には、業務を直ちに取りやめるよう、警告や告発、その公表を行いますが、事業者が勧誘等の業務を停止した場合には、被害への対応状況や業務が再開されないか等を確認していくことになります。
 なお、サナエトークン関係者とされるノーボーダーDAOは、本プロジェクトを中止し、当該トークンの取引を控えるよう呼びかけるとともに、補償を実施する旨を公表し、補償申請を呼びかけるなど、プロジェクトの中止に係る取組を進めていると承知をしております。
○小池晃君 やめているからいいって話じゃないと思うんですよ。やっぱりこういう事態になったことについて金融庁として全体像を把握すると、当然、金融行政として私はやるべきことだと思うんですね。
 お配りしておりますのは、NCC会員サービス等予約契約書、これ、サナエトークンの仕掛け人とされる松井健氏が代表を務める株式会社neu、これが投資家D氏と結んだ契約書であります。お名前はこれ消してあります。
 松井氏はこの方に対して、御投資いただいているサナエトークンですが、近く暗号資産取引所に上場することが決まりましたというメッセージを送付しています。二月二十五日のサナエトークン発表前に優先購入権予約を自身の会社で直接受け付けていたというこれ証拠となるわけですね。
 これ、無登録業者との取引です。この事前販売というのはこれ資金決済法違反ですよ。局長ね、これ、また、事前販売で集めた資金を投資に回さずに流用していた場合にはこれ詐欺罪に該当する、そういう可能性があると思いますが、いかがですか。
○政府参考人(堀本善雄君) 資金決済法第二条第十四項に該当する暗号資産の販売、交換、その媒介を業として行う場合には、暗号資産交換業に該当いたしまして、同法第六十三条の二により登録が求められます。
 その個別の行為の暗号資産交換業への該当性については、事前販売であるか否かにかかわらず判断されるものでございまして、当該行為の形式面だけでなく、実態に即して、日本に居住する利用者の保護の観点から実質的に判断する必要があると考えます。
 なお、御質問の詐欺事案についてですが、捜査当局において対応されるものと承知していますが、金融庁においても、無登録の暗号資産交換業に関する情報など、必要に応じて捜査当局に提供するなどの連携を行っております。
○小池晃君 事前販売かどうかにかかわらずとおっしゃいました。そうだとしても、これは無登録業者による直接の購入の契約であることは間違いない。これは資金決済法違反じゃないですか。
○政府参考人(堀本善雄君) 御質問の個別の事例について御回答申し上げるのは差し控えさせていただきます。
○小池晃君 こういうふうに詰めていくと、個別の事案って逃げるんですよ。これじゃ話にならないと思いませんか。
 止めるんだったらここで止めて。
○委員長(宮本周司君) 金融庁、続けて答弁を。
○政府参考人(堀本善雄君) お答え申し上げます。
 一般論で申し上げれば、先ほど申し上げたとおり、事前販売であるかどうかということではなくて、その形式面で実質に即して判断すべきものだというふうに考えておりまして、それが、販売、交換、その業を、媒介を業として行っているかどうかということを判断することになります。
○小池晃君 これ、業としてやっているじゃないですか、契約書までちゃんと作って。これ、販売、交換、業としてやっているんですよ。無登録でやっているわけですよ。これ、どう考えたって資金決済法違反ですよね。
 で、首相の周辺が関与しているからということで、個別案件だって答えないというそういう態度、私、許されないと思いますよ。
 それから、今、ノーボーダーDAOはプロジェクト中止して補償を公表していると、さっき大臣おっしゃいました。これ、公式Xアカウントを見ると、六月三十日までと言っていた申請期限、七月三十一日に延期されています。お配りしているのは、サナエトークン補償申請サイト。これ、ホームページで取れるんですが。
 このノーボーダーDAOは、サナエトークンをステーブルコインであるソラナUSDCとの交換しているわけですね。これ、たとえ補償目的だとしても、交換しているわけですよ。反復継続じゃないですか。この交換、補償、そのものがこれは資金決済法に抵触する可能性があると思いますが、いかがですか。
○政府参考人(堀本善雄君) 仮に補償目的であっても、資金決済法を始めとして法令に抵触しないということは、これは重要なことであるというふうに考えます。
 その上で、個別の行為の暗号資産交換業への該当性については、実態に即しまして、それが販売、交換等に該当するのか、一回限りの取引なのか、反復継続する業なのかということについて、日本に居住する利用者の保護の観点から判断すべきだというふうに考えています。
 いずれにしろ、しっかりとした補償が行われることも含めて、利用者保護の観点から関係者において適切に対応されることが重要だと考えています。
○小池晃君 いや、だから、補償目的であっても、交換、反復継続だったら資金決済法に抵触すると言っているわけですから、これ、まさにそうじゃないですか。だから、販売したこともそうだし、今のこの補償のやり方だって、これステーブルコインですから、交換対象は、これはやっぱり資金決済法違反だと私は思いますが、そこを調査しないんですか。
○政府参考人(堀本善雄君) 先ほど申し上げましたとおり、当該の行為の形式面だけではなくて、実態に即して、それが反復継続されている業として該当するかどうかということについて検討をさせていただきます。について検討、判断すべきだと考えています。
○小池晃君 じゃ、業としてやっているかどうかの調査はしているんですか、金融庁として。
○政府参考人(堀本善雄君) 一般論で申し上げれば、様々な論点について金融庁としては検討しております。(発言する者あり)
○委員長(宮本周司君) 質問なので。質問の中で……(発言する者あり)
 じゃ、速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(宮本周司君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(堀本善雄君) 申し上げます。
 先ほど大臣が申し上げましたとおり、金融庁は、資金決済法上、無登録に対する調査権限や行政権限は有しておりませんけれども、事実上の行政行為として、各種事案について必要に応じて任意のヒアリング等を行って実態把握を行っております。
○小池晃君 実態把握を行っておりますということなんで、これ全容解明、やっぱり金融庁としてしてもらわなきゃいけない。しかも、これ、サナエトークンは先ほどからもあるようにミームコインだと。分散型取引所、DEXで売買されていると。
 大臣も、今回のトークン、DEXにおける購入について、損失に言及があった相談ということが答弁されたんですけど、大臣、このミームコインに対する発行自体を規制することできてないですよね。ミームコインが流通しているDEXへの規制、これ、私は再発防止のためにはどうしても必要ではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(片山さつき君) 我々、前に衆議院の予算委員会でも、御党の議員から再犯防止の措置をとるべきではないかというふうに質問されたときに、我々としては、被害者から御相談があった場合には必ず寄り添って対応していくという旨を、また法に照らして適切に対応していくという旨を答弁しておりますが、その上で、今般の改正法案では、暗号資産を発行して広く資金調達を行う場合には、発行者は当該暗号資産に係る情報を公表しなければならないということになっております。また、現行の資金決済法や今般の改正法案では、暗号資産の発行者が暗号資産の売買や交換、その媒介を業として行うためには登録業者である必要があるわけです。
 その上で、御指摘のDEXでございますが、金融審議会のワーキンググループの報告書では、このDEXについて、先ほど定義と考えられるものについて更にほかの委員の御質問についてお答えもしておりますが、この規制の対象となるものを特定し難いためにグローバルに規制の手法が確立されていない状況にあり、将来的に現在の暗号資産交換業者に対する規制とは異なる、技術的性質に合わせた過不足のない規制の在り方について、各国の規制やその運用動向も注視しながら、継続して検討を行うことが適当であるという御提言をいただいております。
 ということで、DEXの規制の在り方については継続的に検討をさせていただきたいと思います。
○小池晃君 だから、規制できてないわけですよね。それで今検討しているというわけですよ。だから今回の法改正だって、こういうミームコインの問題については、これ対応できないわけですね。
 私、暗号資産は、マネーロンダリング、テロ組織、ランサムウェアなどの身の代金の送金、違法なオンラインカジノの決済、中国の地下銀行による海外への違法送金、もういろんなことに使われていると。これ、本当に重大な問題だと思うんですね。
 金融庁は、衆議院の審議で、暗号資産、ETFの対象として解禁するということも言っています。私は、大臣、暗号資産を金融商品と位置付けることによって、投資家や利用者のリスクが一層高まるおそれもあるというふうに思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(片山さつき君) 本日のこの御審議でもいろいろと御指摘をいただいてお答えをしておりますが、暗号資産投資については、この法改正において殊更に推奨するというものでは全くございません。そのリスクを十分に御理解いただいた上で、リスクを許容できる範囲で合理的な判断に基づく取引を行うということ、それがあり得るという前提で今回の法改正をお出ししているわけでございまして、金融庁といたしましては、海外で暗号資産ETFが上場され取引が拡大している状況も踏まえ、日本においても適切な取引環境を整備すべく、暗号資産ETFを解禁する方向で検討したいと考えております。
 当然、その際、投資家がリスクや商品性を十分に御理解した上で取引できるよう、暗号資産ETFの販売、勧誘に当たっては、暗号資産現物を取引する場合と同様に、顧客適合性の確認やリスク、商品性に関する説明義務の徹底等を事業者に求めていくことになります。
○小池晃君 そういう説明をすることは当然だと思いますが、二〇二四年十二月、自民党デジタル社会推進本部、金融調査会が当時の加藤金融担当大臣に申入れを行っています。そこでは、暗号資産取引の振興や分離課税への道を開くとの観点から、利用者保護に留意しつつ暗号資産の一部を金融商品として法的に位置付け、金融商品取引法の規制対象とすることも考えられるとされています。
 大臣は当時、自民党の金融調査会長としてこの申入れに同席をされています。これは、今回の法改正の目的というのは、当時の申入れにあったように、結局、暗号資産取引の振興と分離課税に道を開くということなんじゃないですか。
○委員長(宮本周司君) 時間が来ておりますので答弁簡潔にお願いします。
○国務大臣(片山さつき君) 分離課税への道を開くこと自体を目的に行うものではございませんが、その上で、この八年度税制改正で、既に国会を通過しているわけですが、一定の暗号資産取引を分離課税の対象とすることとされましたが、これは、殊更に暗号資産を投資を推奨するのではなくて、既に国内外で暗号資産の投資対象化が進展している現実を踏まえて、利用者保護の充実を図るための規制の整備を前提に、個人投資家の金融商品請託における課税の中立性を確保する観点も考慮して、株式などの有価証券取引と同様の分離課税の対象とすると、こういう考え方でございます。
○小池晃君 終わります。

○小池晃君 私は、日本共産党を代表して、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。
 本法案に反対する第一の理由は、暗号資産を金融商品取引法の対象に改定し、株式や債券、投資信託などと同様に国民の資産形成のための投資対象として扱うことが不適切だからであります。
 暗号資産は、法定通貨ではなく、裏付け資産を持っていないことなどから、価格が大きく変動する傾向があります。暗号資産そのものを否定するものではありませんが、国民の経済活動にどのような価値を生み出すのか未知の段階であり、一般の投資家が判断することは難しく、現状はあくまで投機であり、ギャンブル性のあるものと言わざるを得ません。このような性格の資産をもうかる商品として分散投資の対象とすることは適切ではありません。
 さらに、これまで総合課税だった暗号資産の売買によるキャピタルゲインを分離課税とすることも問題です。所得税の最高税率であったものが分離課税となれば、大幅に軽減されます。事実上、暗号資産投資を推奨し、お墨付きを与えることにほかなりません。サナエトークンのようなミームコインの発行や分散型取引所、DEXへの規制が存在せず、そうした状況は本法案によっても変わりません。
 反対する第二の理由は、スタートアップ企業への資金供給促進のために、プロ向け市場に参加できるプロ投資家、特定投資家を広げるために潜在的特定投資家を設けることは、一般投資家をリスクの高い市場に巻き込み、金融被害を新たに生み出す懸念が拭えないからであります。
 本法案のうち、企業のサステナビリティー情報の開示、保証についての規定の見直しや有価証券に関する不公正取引規制等の見直し部分は、投資家保護のために必要な措置であると考えます。
 しかし、先ほど述べた二点で本法案には賛成することができないことを申し上げて、討論といたします。

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