日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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匿名メールでミス判明 労働者派遣法案 厚労省明かす 法案の撤回 小池氏主張

2014年06月03日

「赤旗」6月4日付

 3日の参院厚生労働委員会で、厚労省の法案趣旨説明文書や条文に重大な誤りが相次いでいる問題について、村木厚子事務次官に対する参考人質疑が行われました。村木氏は労働者派遣法案の付則に盛り込まれた罰則規定の誤りについて、日本共産党の小池晃議員の質問に対し、「4月上旬、一般人の匿名メールでわかった」と初めて明らかにし、ずさんな実態が改めて浮き彫りになりました。

 小池氏は「労働者派遣法の原則を根底からひっくり返す重大法案なのに、外部から指摘がなければ誤った法律が成立する危険があった。きわめて重大な問題だ」と指摘。正誤表の配布で済ますことなど許されないと強調し、「法案を撤回して総括し、新たな対策を示さなければ審議できない」と述べました。

 村木氏は「責任の重さと影響の大きさを認識している」、田村憲久厚労相は「理解を得られるよう説明とおわびをしながら努力する」と答弁。小池氏は「おわびや説明では済まない。撤回するしかない」と批判しました。

 医療介護総合法案の趣旨説明文書が誤っていたことについて小池氏は「きちんと国会で審議する姿勢があるのかという問題だ。衆院を通過しているという姿勢が現れたのではないか」と指摘。「徹底的に審議を行い、きちんと情報を出し、質問に対して正面から誠実に答弁するよう全省を指導すべきだ」と強調しました。

 村木氏は「国会でしっかり審議していただけるよう、しっかり情報を出し誠実に対応したい」と答えました。

速記録を読む

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
事務次官に伺います。
事務次官が国会、委員会に参考人招致されるということはめったにあることではありません。もちろん、与野党合意でこうなっているわけです。
この参考人招致ということになったことについて、どのように受け止めていらっしゃいますか。

○参考人(村木厚子君) これまで本当にたくさんの事務上の大きな誤りがあり、本当に国会の皆様方に御迷惑をお掛けし、ひいては国民の方に、皆様方にも大変な御迷惑を掛けたと思います。その意味で、今日こういう場で私が直接委員の皆様方におわびを申し上げるということは、本当に大切な機会をいただいたというふうに思っておりますし、責任を重く受け止めたいというふうに思っております。

○小池晃君 先ほど、十九本の法律が一緒になったものだったからという御意見もありました。私もそういう面もあるようにも思うんですが。より根本的には、本当にこんなに分厚い法案ですよ、読み通すことすらもう不可能なようなね。
やはり厚生労働省の中に、今、国会は与党が多数であると、衆議院も通ったと、本当にきちんと国会で議論をするということに対する真摯な態度があるんだろうかと。やっぱり国会を軽視するような、与党の力でもう通してしまえばいいんだと、そういうことがないのか。やっぱり、国権の最高機関、国民の代表にきちっと説明をして議論をする場としての国会の在り方に対する、やはりその意識が余りに欠けているんではないかというふうに私は思うんですが、いかがですか。

○参考人(村木厚子君) 時々の政治情勢、与野党の数のバランス、いろんなことがあろうかと思いますが、我々が担っている厚生労働行政というのは、本当に国民に一番近いところ、生活に密着をしたところの仕事が多いわけでございます。その意味では、国民の理解が政策や制度についてあるということが非常に大事なことだというふうに思っております。その意味で、数のことはともあれ、与野党、国会議員、国民の代表たる国会議員の皆様方にどれだけ理解をしていただき、しっかりとした御議論をここで展開をしていただくことが大事だということは我々は十分に認識をしているつもりでおります。
不十分なところがあるというお叱りはもちろんしっかり受け止めますが、そういう姿勢で仕事をしたいというふうに思っております。

○小池晃君 私は、この文書の誤りの問題については、やっぱり徹底的な審議を行う、きちんと情報を出す、こちらからの質問に対しては正面から誠実に答弁する、そういう方向で全省を指導することが、私は村木さん、あなたのこの問題に対する対応として求められていることだというふうに考えますが、いかがですか、約束していただけますか。

○参考人(村木厚子君) 国会でしっかりした御議論がしていただけるように、今般の問題等々に関してしっかりと情報をお出しをし、誠実に対応させていただきたいというふうに思っております。

○小池晃君 もう一つの大問題が、労働者派遣法の条文の誤りなわけです。これは派遣事業者に対する罰則規定で本来一年以下の懲役とするところを一年以上の懲役としました。
この誤りが何で分かったのか、それを説明していただきたい。誰がいつ発見したのか。厚労省内で誤りを発見したのか、それとも外部の人だったのか。いかがでしょうか。

○参考人(村木厚子君) 派遣法の条文誤りについても、大変、またこれは内容に関わる誤りでございまして、大変申し訳なく思っております。
この派遣法の条文誤りについては、四月上旬にこの法律案を私どものホームページに掲載をしておりましたものに、四月上旬に一般の方から匿名のメールが寄せられて、それによって明らかになったものでございます。
つまり、一般の方からのメールによる御指摘によって明らかになったものでございます。

○小池晃君 これ、私、大変なことだと思うんですね。この外部からの指摘がなければ、全く誤った法律が成立する危険があったわけですよ。そういう点でいうと、その影響というのは、この趣旨説明の文書以上に私は重大だと。結局、そういう全く間違った法案が成立してしまっていたらば、国会も含めて責任が問われることになったわけですよね。
そのことの重大性、改めて次官、どういうふうにお考えですか。

○参考人(村木厚子君) 私どもの政策の中でも法律というのはとりわけ重要なものであり、その条文に、しかも内容に係るミスがあったということは大変申し訳なく思っております。大変これは責任の重い、影響の大きいことだというふうに認識をしております。

○小池晃君 本当に重大だと思うんですよ、私、これね。
今後、私たち、厚労省の提出法案、もちろん今までもちゃんとチェックはしていますけど、本当に条文の一字一句まで含めて徹底的に検討しなければ、これは間違った法律を作ってしまう危険があるわけですよ、こんなことであれば。まさにこれから午後、午後というか、この後審議が始まる医療・介護法案は更にそれよりも大部なものであるわけで、これ逐条的に徹底的に議論しなければ国民に対する責任を果たすことができないということになると思う。
これだけやっぱり重大な誤りを犯したにもかかわらず、厚労省は今回の問題についてどう対応しようとしているのか。これは正誤表を配るような話もあるわけですが、私はそれでは済まされないと思います、これは。事の重大性からいって、やはりこれは撤回をする、きちっと総括をすると。
総括を踏まえた新しい対応が出された上でなければ、これは審議することができないというふうに思うんですよ。
しかも、今度の労働者派遣法というのはこれまでの大原則を全部ひっくり返すようなもので、労働団体は垣根を越えて反対していますし、日弁連も反対。こういう問題について、私は、これは大臣に伺う。こういう問題についてやっぱり撤回をするということしか私は対応はあり得ないと思いますが、大臣、いかがですか。

○国務大臣(田村憲久君) 条文のミスは本来あってはならないことでございます。このような形になりましたこと、深くおわびを申し上げたいというふうに思います。
その上で、この条文をやはりしっかりと直さなければならないわけでございまして、国会の中におきまして、関係する皆様方の御理解を得ながらそれが進められるように、最大限我々も説明をさせていただきながら、またおわびを申し上げながらしっかりと努力をしてまいりたい、このように考えております。

○小池晃君 私はおわびとか説明で済む話ではないというふうに思います。これはもう出直すしかないと。やっぱりきっぱり撤回をして、審議入りなどということはこれは院の違いを超えてやっぱりこれはやめていただいて、今回のこの問題をきちっと総括した上で改めて別の場所で議論するということにするしかないというふうに思っていますので、そのことを主張して、質問を終わります。
以上です。

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