日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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インボイス登録強制するな 小池議員「個人タクシー トラブル不安」 参院財金委

2023年04月03日

赤旗2023年3月18日付

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(写真)質問する小池晃議員=17日、参院財金委

 日本共産党の小池晃議員は17日の参院財政金融委員会で、個人タクシー業界でインボイス(適格請求書)の登録が押し付けられているとしてインボイス中止を強く求めました。

 

 小池氏は、個人タクシー事業者への研修会では「インボイスへの理解がほとんどないまま登録を促されている」と指摘。星屋和彦国税庁次長は▽登録取り下げ書の提出で取り下げ可▽取り下げ後も登録申請書の再提出で再登録可―などの対応方法を示しました。

 

 東京では個人タクシー事業者組合ごとに車上のあんどん(表示灯)の形が異なりますが、このうち日個連東京都営業協同組合では免税事業者のままの場合、全額自己負担で緑色のあんどんに換えるよう指示しています。

 

 小池氏は、インボイス実施により東京では組合別、課税・免税事業者別などで個人タクシーのあんどんが5種類になるとして、乗客とのトラブルを不安視する声を紹介。鈴木俊一財務相は「初めてうかがった」と明らかにしました。

 

 また課税事業者にならなければ「チケット事業に参加させない」との組合通知や「スマートフォンの配車アプリに登録させない」との話まであると指摘。公正取引委員会の品川武取引部長は「独占禁止法上問題になる恐れがある」と答弁しました。

 

 小池氏は、インボイス導入国の多くで税率は20%超だとしてインボイス定着の狙いはさらなる増税ではないかと追及。鈴木財務相の「未来永劫(増税しない)ということではない」との答弁に、小池氏は「インボイスなど必要ない消費税減税に進むべきだ」と強調しました。

 

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(写真)インボイス導入に伴い、個人タクシー免税事業者のために設けられる新たな「あんどん」。交換費用は全額事業者の負担(日個連東京都営業協同組合資料から)

速記録を読む

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 インボイスをめぐって個人タクシー業界で起こっていることをちょっと取り上げたいんですが、インボイス登録しない個人タクシー事業者が、業界の組合から三月十五日までの登録を求められて、免税業者のままでいるとチケット事業に参加できませんというような通知が出されております。
 国交省に聞きますが、こうした事態を把握されていますか。

 

○政府参考人(岡野まさ子君) お答え申し上げます。
 令和五年十月からインボイス制度が開始されることに伴い、利用客の混乱を避けるなどの観点から、個人タクシー事業組合において御指摘のような対応を検討していることは承知しております。
 また、個々の個人タクシー事業者に対して早期の検討を促す観点から、個人タクシー事業組合の一部の支部において、便宜上、検討期限を設定していることも聞いてございます。

 

○小池晃君 ちょっとやっぱりこれ問題だと思うんですね。
 しかも、課税事業者にならないとタクシーチケット事業に対応できなくなる、あるいはスマホの配車アプリ、今もうこれがかなり使われているんですが、これに登録させないと言われたという話もあるんですね。
 公正取引委員会に聞きますが、課税事業者にならないとチケット事業参加できないとか配車アプリに登録しないというのは、独占禁止法上問題があるんじゃないでしょうか。

 

○政府参考人(品川武君) 一般論としてのお答えになりますけれども、事業者団体が行う共同事業につきまして、課税事業者とならないことを理由として、共同事業者から、共同事業から排斥をし、免税事業者の事業活動を困難にさせることなどによりまして、構成事業者にその参加又は利用に関して事業者間で差別的な取扱いをするというようなことは独占禁止法上問題となるおそれがあるわけでございますけれども、いずれにつきましても、個別の事案が独占禁止法上問題となるかについては、事実関係などを個別に調査して判断していくことになると考えております。

 

○小池晃君 国交省の方で、やっぱりこういう課税事業者にならないとチケット事業参加できないとか、スマホの配車アプリに登録させない、で、期限を切ってそういったことを迫るというやり方、これ正すべきじゃないでしょうか。

 

○政府参考人(岡野まさ子君) お答え申し上げます。
 御指摘のタクシーチケット事業やアプリ配車事業に関する対応が独占禁止法上問題となるかにつきましては、先ほど御答弁ございましたとおり、事実関係などを個別に調査して判断するものと承知してございます。
 国土交通省といたしましては、公正取引委員会の判断を踏まえて、必要に応じて助言等を行ってまいりたいと思っております。

 

○小池晃君 これ、きちんと対応すべきだと思います。
 それに加えて、その個人タクシーのあの車の上のあんどんの問題なんですが、東京では個人タクシー業界の組合、二つあるんですね。タクシーの上のあんどんが、一つの組合はちょうちんの形と、もう一つはデンデンムシみたいな形をしているわけです。
 このちょうちんマーク付けている日個連、今日、資料でお配りしていますけれども、ここは、課税業者にならない場合は全額これ自己負担でグリーンのこの横長のあんどんに替えるようにという指示が出されております。20230317資料①だから、同じ個人タクシーでも、ちょうちんとデンデンムシと緑のあんどんと、それから組合加盟していないのは白いあんどんなんですね。それと、このデンデンムシの方も、何か、免税業者の場合は三角形のあんどんを検討しているという話がありまして、合計五種類、少なくとも五種類以上、個人タクシーのあんどんの車が都内を走り回るということになってまいります。
 これ、事業者の方に話聞くと、急いで、仕事で急いでいるお客さんはこれあんどん一々見てタクシー止めないと、乗ってから、いや、これ免税事業者なんでインボイス出せませんと言うとお客さんとトラブルになるんじゃないかということを心配されているし、言ってみれば、この緑のあんどん付けたら、乗らないでくださいと言っているようなあんどんにもなっちゃうみたいな、そういう問題もあると思うんですが、大臣、やっぱりこういう個人タクシーの問題で、これ混乱起こると思いませんか。大臣、いかがですか。

 

○国務大臣(鈴木俊一君) 今日初めて伺ったところもあるんですけれども、現在、インボイス制度に関して、説明会などの機会を通じまして、様々な業界が円滑にインボイス制度に実務的に対応できるよう、丁寧に周知を行っているところであります。
 小池先生御指摘の個人タクシーの業界におきましては、例えば、インボイス制度に限らず、あんどんなどにより空車かどうかが一目で分かるようになっていること、ドアに貼られたステッカーによりましてクレジットカードやキャッシュレス決済が使用可能かどうかが分かるようになっていることなどがございまして、同様に、インボイスの交付を受けられるかをどのように利用者に分かりやすく表示できるかを今検討していると事務方から報告を受けているところでございます。
 そして、会社の社員の方が、会社から支給する出張旅費、それから通勤手当、これもインボイスと関わってくるんだと思いますが、この出張旅費、通勤手当につきましては、インボイスの保存がなくとも帳簿のみの保存で仕入れ税額控除が可能となっているところでございます。
 こうした点を踏まえると、混乱がどの程度起こるのか、その可能性は必ずしも高くないものではないかと、そのように考えているところでございます。

 

○小池晃君 いや、これは結構混乱すると私思いますよ、始まればね。
 インボイス交付業務が、義務が免除されている公共交通機関、財務省に聞きます。端的にお答えください。

 

○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 消費税法におきましては、このインボイスの交付義務の免除につきまして、事業の性質上、請求書等を交付することが困難な課税資産の譲渡等を対象としております。これに基づいて、消費税法施行令におきまして、船舶、バス又は鉄道による三万円未満の旅客の運送についてインボイスの交付義務が免除されております。

 

○小池晃君 国交省聞きますけど、タクシーは公共交通機関ですよね。

 

○政府参考人(岡野まさ子君) タクシーにつきましては、生活のあらゆる場面で活用されている公共交通機関であると認識してございます。また、法律上も、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等において公共交通事業者等として位置付けられているところでございます。

 

○小池晃君 ほかの公共交通機関は義務免除されているのに、何でタクシーはこれインボイス免除しないんですか。

 

○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたとおり、事業の性質上、請求書等を交付することが困難な課税資産の譲渡等につきましてこの交付義務が免除されておりまして、こうしたものとして、船舶、バス又は鉄道による三万円未満の旅客の運送が規定されているところでございます。
 これらの船舶、バス、鉄道の旅客運送が交付義務の免除の対象になっておりますのは、これらの事業におきましては、インボイスの交付義務を課した場合に、事業者が人が様々行き交う中でインボイスの交付義務を負うことになり、これによって人の往来を妨げることになって、これらの円滑な運行に支障を来すことになりかねないといった理由からでございます。
 他方におきまして、このタクシーについては、現状におきましてもレシートや領収書といった書類を利用客に交付するということが広範に行われておりまして、請求書等の交付が事業の性質上困難というこの要件に当たらないということで指定をされていないものでございます。

 

○小池晃君 いや、でもね、やっぱりタクシーでインボイス、やっぱりこういう、何というか、不都合生じるわけだから、やっぱり公共交通機関で免除するとなったら私もタクシーもそういう対象にすべきだと思います。
 それから、国税庁に聞きますが、二問まとめてお聞きしますが、この個人タクシーへの研修会などでも、かなり一方的な説明でよく分からないまま登録しちゃったという方がいるんですね。これ、取下げというのは、インボイス登録、一旦した場合、課税業者になるということを決めた場合、取り下げることできるのか、それから再登録できるのか、それから取下げ書が提出された場合の対応というのはどのようにするのか、お答えください。

 

○政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。
 インボイス発行事業者として登録された事業者がその登録を取り下げたい場合には、取り下げる旨等を記載した取下げ書を提出いただくことで登録の取下げが可能でございます。
 また、登録を取り下げた後、再度インボイス発行事業者として登録を希望する場合には、改めて登録申請書を提出することで登録を受けることがございます。
 それから、取下げ書が提出された場合は、適格請求書発行事業者公表サイト上の登録情報を削除することとしておりまして、登録情報が削除された事業者に対しては、税務署長から適格請求書発行事業者の登録無効のお知らせを送付することとしております。

 

○小池晃君 ありがとうございました。
 やっぱり、この登録の仕方、制度よく理解しないまま登録したり、やっぱり分からずに見送ったり、いろんな混乱が起こりかねないというふうに思いますし、登録しないとチケット事業参加できないというのは、もう登録を強制するような動きもあったりするので、やっぱりこれ本当に混乱が生まれてくるというふうに思います。
 インボイスはやっぱり導入は中止すべきだということをちょっと午後もやりますけれども、取りあえずこれで終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

 

資料20230317資料

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