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小池 晃

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「直接税不安定」ではない 小池書記局長 政府の主張ただす 参院財金委

2025年06月16日

赤旗2025年6月13日付

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(写真)質問する小池晃書記局長=12日、参院財金委

 日本共産党の小池晃書記局長は12日、参院財政金融委員会で、「法人税や所得税などの直接税は、税収が不安定で社会保障の財源には適切でない」との政府の言い分は成り立たないことを明らかにし、社会保障財源を消費税に求める議論はやめるよう主張しました。

 

 小池氏は、石破茂首相が6日の衆院予算委員会で「直接税の振れがいかに大きいか。景気が悪ければドンと減収になる」と述べたことを挙げ、これまで大きく減収に振れたのはいつのことかただしました。

 

 加藤勝信財務相は、1990年代初頭のバブル崩壊や2008年のリーマン・ショック時などに税収が減少したと答弁。小池氏は「所得税は1998年の定額減税実施時に、法人税はリーマン・ショック時に減収したが、リーマン以降の15年間は所得税・法人税の税収に大きな振れはない」と指摘しました。

 

 小池氏は「一方で、どんなに景気が悪くても消費税は安定財源だとして搾り取る」と批判しました。加藤財務相は正面から答えず、否定できませんでした。

 

 小池氏は、財務省のホームページの「財務省の役割は納税者の視点で、健全で活力ある経済を実現すること」を示し、「活力ある経済を実現し安定した税収を得られるようにするのが財務省の役割。直接税では安定した税収は得られないなどと言うことは財務省の任務放棄だ」と指摘。社会保障の財源を消費税のみに求めることはやめて減税するべきだと主張しました。

 

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○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 法案は、公益活動の活性化のために、信託業法を改正して、公益信託に対する信託業法の適用を除外すると。受託者の範囲が公益法人やNPO法人などに広がるもので、賛成であります。
 私、問題にしたいのは、六日の衆議院の予算委員会で石破首相が、直接税は社会保障財源にふさわしくないと、なぜなら、直接税の税収の振れがいかに大きいか、景気が良ければどんと入るが、景気が悪ければどんと減収になるというふうに述べた。
 大臣、これまで所得税、法人税の税収が大きく減収に振れたと、これ具体的にいつのことを言っているんでしょう。
○国務大臣(加藤勝信君) ちょっと事実関係だけ、ちょっと時間いただいてよろしいですか。ちょっと説明に時間が要りますから。というのは、事実をしゃべらなきゃいけません。言います。
 所得税収及び法人税収について、平成初期のバブル経済崩壊の中で大きく減収をし、さらに、アジア通貨危機、ITバブルの崩壊、リーマン・ショック時にも税収が大きく減収したものと承知しております。
 一つだけ事例を挙げさせていただきますが、バブル経済の崩壊後、まさに平成二年度から六年度にかけては、所得税収が五・六兆円、法人税収が六・〇兆円それぞれ減となっております。また、それ以外のときにおいても、兆円単位の減収が生じているものと承知をしております。
○小池晃君 バブルのとき、それからリーマンとかですね。例えば、これ所得税でいうと、九八年は定額減税でがくっと減っている。法人税は、二〇〇八年、リーマンのときに減っている。バブルはその前ですけど。
 はっきり言って、これリーマン以降の十五年というのは、所得税、法人税、大きな振れないんじゃないですか。
○国務大臣(加藤勝信君) いや、今申し上げたのは、それとは別として、その今言った税法の改正があれば当然増減が出てくるのは御指摘のとおりでありますから、そうしたものがない時点の数字を挙げさせていただいたところでございます。
○小池晃君 いや、だから、このグラフ、今お配りしていますけど、二枚目にありますけど、これ見る限りでは、リーマン・ショック以後、消費税、所得税、法人税、大体安定して増えてきていると、大きな減収なんかないじゃないかと私言っているんです。
○国務大臣(加藤勝信君) 見方の感じがするんですが、今申し上げた時期について、おっしゃるように、税制改正があれば当然それに伴う影響が出るのはそれは御指摘のとおりでございますが、それを除いた期間について今申し上げさせていただいたと。もしあれだったら全部申し上げてもよろしいですけれども。
○小池晃君 いや、だから、大きなぶれがあると石破さん、総理おっしゃったけど、基本的にこの最近十五年見ればそんな振れはない。消費税は安定財源だという一方でね。それは、いかに景気が悪くても搾り取るということですよ。
 財務省の使命ってホームページに出ていますね。これ、納税者としての国民の視点に立って、国の財務を総合的に管理運営することにより、広く国の信用を守り、健全で活力ある経済及び安心で豊かな社会を実現する。納税者の視点で健全で活力ある経済を実現すると。だから、直接税も間接税も安定した税収が得られるようにするのが財務省の役割ですよね。確認です。
○国務大臣(加藤勝信君) 財務省として、持続的な成長に向け、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現することは重要でありますし、経済あっての財政と申し上げておりますが、潜在成長率を高める施策を進めることで、その結果として税収が高まっていくと、まさに経済再生と財政健全化を両立させることは重要であります。
 御指摘のように、直接税も間接税もということであれば、直接税でいえば、賃金が上がる、あるいは法人が利益を出すということ。間接税は、消費が拡大をしてく、その背景には、当然所得の増加がある、実質の所得がある。まさに、税収というよりも、そうした経済を目指していく、これは我々の当然の責務だと思っています。
○小池晃君 だから、直接税は安定した税収得られないなんて言ってしまうのは、私は財務省としての任務放棄だと思いますよ。やっぱり、直接税、大きな税収の振れなんかないんですから、社会保障の財源は消費税だという、こんなことはもう議論をやめるべきだということを申し上げたいと思います。
 配付資料の一枚目、骨太の方針二〇二五原案、赤線引きました。今後の財政について、骨太二〇二四で示された歳出改革努力を継続しつつ、日本政治が新たなステージに移行しつつあることが明確になる中で、経済・物価動向等を踏まえ、各年度の予算編成において適切に反映する。これは、二〇二四年の、日本経済が新たなステージに入りつつある中で、経済・物価動向等に配慮しながら、各年度の予算編成過程において検討する。どう違うんですか、同じじゃないですか。
○国務大臣(加藤勝信君) ちょっとその前に、景気はある程度波があるということでありますから、それをいかにその波が国民生活に影響しないようにするかというのは我々の責務になるということ、またそういう中では、消費税というのはほかの税収、法人税と所得税に比べて安定的だということはこれまでも経緯から見て言えるのではないかと思っております。
 その上で、骨太方針についてはまさに内閣府が取りまとめておりまして、財務省がこれに言及するというのはなかなかということではありますが、税、財政という面について申し上げさせていただきますと、骨太二〇二五の原案、これから変わるかもしれませんから、その原案と骨太二〇二四の記載の違いでありますけれども、まず、二〇二七年度までの三年間の予算編成においてこれまでの歳出改革努力を継続するという点、これは共通しております。
 その上で、経済・物価動向等に関しては、骨太二〇二四では配慮という表現、骨太二〇二五の原案では経済・物価動向を踏まえ各年度の予算編成において適切に反映するとしており、経済・物価動向に予算措置の面で対応していく旨をより明確化して表現されているものと認識をしております。
○小池晃君 より明確化したと、違うんだと。配慮と適切に反映をすると、違うんだと。
 脚注見ますと、高齢化や高度化による増加分にこうした経済・物価動向等を踏まえた対応による増加分を加えたいわゆる自然増とあるんですが、経済・物価動向を自然増に加えたということは、自然増はこれまでより多く見積もるということですか。
○国務大臣(加藤勝信君) これまでの表現で、要するに、高齢化、高度化等による分が自然増という記述は特にしていなかったと思うんですね。ですから、今回は、もっと遡って見ると、過去においては、自然増については高齢化による増加とそれ以外の要因による増加という言い方はしているというかつての骨太はございます。そうした中で、今回は今申し上げたような形の記述がなされているものと承知をしています。
○小池晃君 要するに、今までと変わったんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 自然増という捉え方について言えば、まさに高齢化、高度化とそれ以外がある、そしてこのそれ以外という中において、当然、経済・物価動向は含まれているものと考えています。
○小池晃君 とすると、変わらないんですよ。これでは私駄目だと思いますよ。やっぱり医療、介護の賃上げは喫緊の課題なんですよ。だとすれば、こういうことではなくて、これ結局、歳出改革努力によって生み出すという話じゃないですか。こんなことだったらば、確実な賃上げはできませんよ。
 ほかの産業並みの賃上げを実現するんだったら、やっぱりこの財政フレームを抜本的に見直さなきゃいけないと思う。こんな骨太の方針このまま通したら、これは医療、介護の賃上げできなくなりますよ。これでいいんですか、総理。あっ、総理じゃないや、大臣。
○国務大臣(加藤勝信君) まず一つは、現在まだ文章は今議論されている最中で確定をしておりませんので、それを前提に財務大臣として答弁させていただきたいと思いますけれども。
 まさに経済・物価動向を踏まえ、各年度の予算編成において適切に反映すると明記をしており、特に社会保障関係費については、医療、介護等の経営の安定や賃上げに確実につながる的確な対応を行う、これ、今お出しいただいたところの注のところに、線は引いてありませんが、その前の文章で書かれて明確化したところでありまして、その上で、少子高齢化の進展に伴い、医療、介護を始めとする社会保障給付は増加し、現役世代が中心に社会保険料負担が増加していることは大きな課題と考えており、こうした給付の適正化を通じて保険料の上昇を最大限抑制する観点から、これまでも毎年度の予算編成に取り組んできた歳出改革については継続する必要があるとは考えておりますが、同時に、今回、これまでの高齢化の増加分と同様、この経済・物価対応等を踏まえた対応分とされたものについては、まさに社会保障関係費のこの深掘りをできたからそれをやるという考えではなくて、それに対してはしっかり対応していく。
 ただ、予算全体としては保険料の増加等の抑制等に対する歳出改革努力を引き続き行っていくということでありますから、深掘りした分だけまさにこの経済・物価動向を反映するという考え方にはこの文章は立っていないものと承知をしています。
○委員長(三宅伸吾君) 時間が来ております。
○小池晃君 はい。
 公定価格の引上げということを言っている以上、このままの骨太では私は障害になると。大体、この脚注とか小さい字で書くのをやめた方がいいと思いますよ。何かすごい読みにくいんです、これ。本当、これは変えた方がいい。
 以上です。

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