日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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全面解決に力尽くせ 小池議員 スルガ銀行不正で 参院財金委

2025年11月26日

                                             赤旗2025年11月22日

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(写真)質問する小池晃書記局長=20日、参院財金委

 日本共産党の小池晃書記局長は20日の参院財政金融委員会で、東京地裁が示した調停勧告案の最終期日が迫るスルガ銀行の不正融資問題を追及し、全面解決のために力を尽くすよう金融庁に求めました。

 スルガ銀行はアパート・マンション(アパマン)への不動産投資を行うオーナーに対し、業者と結託し「元金なしでも大丈夫」などと説明し、通帳や家賃リストを偽装して融資を行うなど組織的な不正を行ってきました。スルガ銀行は裁判所の調停勧告に基づき問題解決を図るとしています。

 小池氏は、銀行側に処分行員のリストと処分理由を開示させるよう金融庁に要求。同庁の石田晋也監督局長は、個人情報保護を理由に背を向けました。

 小池氏は、6月の同委で加藤勝信金融担当相(当時)が、債務者に無理な支払い督促が行われていないかフォローしていくと説明していたが、国会閉会後に同銀が調停中の被害者178人に支払い督促文書を送りつけたとして、「調停終了まで被害者への支払督促、競売、債権譲渡などを停止させるべきだ」と迫りました。

 石田局長は、督促で債務者と個別の接点を持ち、解決に向けて相談を行うことで早期解決を図るなどと発言。小池氏は「銀行を擁護して銀行側の言い分を言っているだけだ。そんな請求書が来たら対話しようなどとはならない」と厳しく批判しました。

 小池氏は「調停が終わったらもう知りませんという対応をすべきではない」と金融庁を追及。片山さつき財務相は「銀行に対しできる限り債務者の状況に寄り添った柔軟な対応を取るように促すのは当然だ」と誠実な対応を約束しました。

 小池氏は、同委での集中審議を求めました。

速記録を読む

○小池晃君
 先ほどもありましたスルガの問題を取り上げます。
 このアパマンローン不正融資、これ、ひどい話なんですよ、本当に。自己資金も偽装、レントロールも偽装、通帳も偽装。で、これ第三者委員会の報告見ますと、不正が全くない案件は全体の一%あるかないかだと、偽装が一切ない案件は百件中あって一件か二件だと、こんな複数行員の証言もあるんですね。
 これ、今調停やっているんですが、調停の場にはスルガの側が持っている資料はほとんど出されていないんですよ。一切出されていないと言ってもいい。被害者本人が立証責任を負わされているんですね。これ、しかし、銀行と不動産業者が結託してやっていますから、なかなか証拠は残っていないんです、被害者側に。だからみんな苦労しているわけですよ。
 私、金融庁に言いたい。これ、スルガが持っている処分行員のリスト、少なくともこれは、やはり処分理由も含めて開示させるというように働きかける、金融庁として求めるべきではないかと思いますが、金融庁、いかがですか。
○政府参考人(石田晋也君) お答え申し上げます。
 スルガ銀行のアパート、マンション問題の早期解決に向けては、引き続き私たちとしてもしっかり取り組んでいかなきゃいけないと思っているところでございますけれども、ただいまお話ございました、まず行員名につきましては、基本的に個人情報保護法で守られる個人情報でございますので、基本的には慎重な取扱いが必要だと認識しております。また、処分行員リスト等の開示につきましては、このアパマン向け融資に係ります調停プロセスを念頭に置いたものというふうに承知しておりますけれども、この調停は元々債務者側の弁護団からの提起で二〇二二年から開始されたところでございまして、こうした裁判所における調停プロセスの中での進め方に関わるようなことに関しまして、私どもの行政の立場としてこれに関わるようなことは非常に難しいということを御理解いただければというふうに思います。
 その上で申し上げますと、私どもと金融庁といたしましては、スルガ銀行に対しまして、例えばこの調停の中で裁判所から示された判断等に対しましては誠実な対応を取るように強く促すとともに、同行の対応状況について随時引き続きしっかりフォローしていきたいと思っております。
○小池晃君 そういう対応をしていたから今まで遅れているわけじゃないですか、解決が。私、それじゃ駄目だと思いますよ。司法の判断の、司法の作業の中に直接介入することはできないかもしれないけれども、金融行政として、少なくともやっぱりこういう処分された行員のリストを出させてほしいというふうに被害者言っているんだから、そういった努力をすべきだということを私はスルガに言うべきだというふうに思うんですね。
 それから、もう一つ。六月の委員会で、当時の加藤大臣はこの委員会で、債務者に対する無理な支払督促は行われていないと認識しているが、今後とも、こうした無理な支払督促が行われていないかどうか、しっかりフォローしていきたいと答えているんです。大臣ね、加藤大臣こう答えているんですよ。しかし、国会が終わった後の六月二十六日に、スルガは調停中の被害者百七十八人に支払を督促する文書を送り付けているんですね。
 私は、調停終了までは、これは金融庁に聞きますが、やはり被害者への支払の督促、競売、債権譲渡、これ停止させる、少なくともそれはやるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(石田晋也君) 支払督促のことについてお話しさせていただきますけれども、このスルガ銀行から支払督促を行った理由といたしまして、この調停中のアパマン向け融資の債務者とはこれまで個別の接点というのが持てなかったところ、債務者の個々の状況を踏まえますと調停の長期化により問題の解決がより困難になるおそれがあるということ、このため、支払督促を行うことにより債務者と個別の接点を持ち、解決に向けて相談を行うこと、これにより問題の早期解決を図ろうというものと聞いております。
 これらの考え方によりまして、支払督促につきましては、調停での議論を踏まえ、裁判所によってスルガ銀行の不法行為が認められる可能性が低く、調停が成立する見通しが極めて乏しい案件であって、かつ、投資用不動産から一定の収益が得られている物件に対しまして、事案の早期解決を図るため、弁護団にも事前に通知の上、裁判所の手続に沿って行っているものと聞いております。
 また、スルガ銀行は、債務者に対して物件の任意売却や個別和解等の対話への呼びかけを継続しておりまして、対話等に応じていただける債務者に対しましては支払督促を取り下げるなど、柔軟な対応を取っているものと承知しております。
 金融庁といたしましては、引き続き、投資用不動産から十分な収益が得られていない債務者などに対しましては、無理な支払督促が行われていないか、しっかりと確認していきたいというふうに思っております。
○小池晃君 銀行の言い分を言っているだけですよ、これは。犯罪を、まあはっきり言って犯罪的なことをやったわけですよ。その銀行を擁護して、銀行の言い分そのものを言っているだけじゃないですか。これが金融行政なんですか、大臣。これでいいんですか。
 支払督促をしたから、それで対話の糸口になる、おかしいですよ。やっぱりそんな請求書来たら対話しようなんていうふうになりませんよ。もう怒っていますよ、この督促状来て。国会が終わった後、送り付けられてきた。報告徴求命令出た後で送り付けられてきた。みんな、何なんだというふうに怒っているんですよ。こんなやり方でいいと思いますか、大臣。
○国務大臣(片山さつき君) 今までもこれずっとこの委員会で議論がされたわけですけれども、スルガ銀行の経営陣に対しては、もう様々な機会を通じて、調停に切実に対応し、誠実に対応し、債務者との協議に真摯に応じるなど、適切な対応を求めてきたはずなんですが、求めてこれからもまいりますし、仮に調停外で当事者間の協議、交渉が進められることになった場合でも、スルガ銀行に対して、できる限り債務者の状況に寄り添った柔軟な対応を取るように促すのは当然ですし、今の件につきましては、私も細目の事実、何月何日何時に何があったということを金融庁の方から報告を受けた、経過を確認をしておりませんので、しっかりと対応をさせていただきたいと思います。
○小池晃君 これ克明に経過を聞いてください。ひどいですよ、これ、経過。
 これ、やはり事態の拡大には金融庁責任あるということは、私の質問に加藤大臣答えているんですよ。金融庁森元長官は、スルガを地銀の優等生だとまで言ったんですよ。本当に責任重大なわけですね。
 これ、最終期日、調停の最終期日、十二月十五日に迫っているとされています。私は、調停終わったらもう知りませんよというような対応は絶対にしてはいけないと思いますが、その点いかがですか。
○国務大臣(片山さつき君) 深刻な課題と思っておりますので、スルガ銀行が債務者に寄り添った対応を取るようにしっかりと対応をしてまいります。
○小池晃君 それは調停が終わった後でもということですね。
○国務大臣(片山さつき君) そういったことも含めてということでございます。できる限り寄り添った対応を取るようにしっかりと指導をしてまいります。
○小池晃君 これまでの投資詐欺事件というのは、資産を持っている人のその資産をだまして、そして不正に、被害に遭うという。今回の事案というのは、もう働き盛りのサラリーマン、ビジネスマン、あるいはお医者さんなんか多いんですよ。年代すごい若いんですよ。結局、このことによって、気付いたときには多額の負債を抱えているわけですね。だから、そういう意味では本当に絶望的になるわけですよ。だから、被害者の半分以上が自死を考えるとまで言っているんですね。
 大臣、これ本当にこのままだと絶望のふちに追い込まれると、そういう被害者がたくさん出てきますよ。その際に、やっぱり金融庁が責任果たしたのかということが本当に問われる事態になると思いますよ。今のような金融庁の対応では私駄目だと思います。
 大臣、これ全面的にこの問題の解決のために力を尽くすということを是非言っていただきたい。そういう深刻な問題なんだと。今までの金融、いろんな詐欺事件に比べても本当に深刻な問題なんだという認識ありますか。
○国務大臣(片山さつき君) 本日の委員会で、諸委員の先生方が貴重な御質問の時間の多くを割いてこの問題を御指摘されたことの重みをしっかりと受け止めております。
 実は私ども、自民党の方からも、今日、各野党さんからお話が出るということをかなりの方から伺っておりますので、そういう被害状況を聞いている者は与党側にもおりますので、しっかりと、今御指摘なさったような状況についての細目を金融庁の方でもしっかりと挙げていただいて、誠心誠意対応してまいりたいと思います。
○小池晃君 これ、今日、各委員も取り上げた問題です。やはりこの委員会でも徹底的にこの問題は、本当に政治の責任で解決しなければいけないというふうに思いますので、是非そういう扱いを、委員会としても是非、今後、委員会を持つとか集中審議を持つとか、そういったことも含めて是非御検討いただきたいと思います。
○委員長(宮本周司君) では、後刻理事会で協議をいたしますので。
 ありがとうございます。
 終わりです。
○小池晃君 終わります。

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