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国家情報局と連携の危険 対米外国投資委創設 小池氏が批判 参院財金委 外為改定法案可決

2026年05月29日

赤旗2026年5月29日

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(写真)質問する小池晃書記局長=28日、参院財金委

 外国為替及び外国貿易法改定案が28日、参院財政金融委員会で与党などの賛成多数で可決しました。日本共産党、れいわ新選組、社民党は反対しました。改定案は「国家安全保障戦略」で位置づけられた対内直接投資の審査体制の強化のため「対米外国投資委員会」(CFIUS)の日本版を創設するものです。

 日本共産党の小池晃書記局長は質疑で、財務省が改定案の説明資料で「インテリジェンス部局との連携のあり方を検討」としていると指摘し、同部局には「国家情報会議」設置法により創設される同会議と「国家情報局」を含むかと追及。財務省の緒方健太郎国際局長は「国家情報局も含まれうる」と述べました。

 小池氏は市民監視・人権侵害を拡大させる危険がある国家情報会議・局となぜ連携するのかと追及。緒方氏は対内直接投資の実効的審査のため「情報機関との連携が必要だ」と述べました。小池氏は、審査の判断には、インテリジェンス部局が入手した個人情報も活用されると述べ、情報機関である警視庁公安部が起こした大川原化工機冤罪(えんざい)事件のような違法捜査、情報のねつ造による誤った審査を誘発する危険があると指摘しました。

 米国のCFIUSの場合、インテリジェンス部局が収集した資料に基づく判断の根拠は非開示とされていると指摘。日本では、根拠が不透明な工作機械大手「牧野フライス製作所」への買収計画の中止勧告という事例が現行法下でも起きており、改定案で「さらに不透明な判断や政治的介入が強まる」と追及しました。

 片山さつき財務相が「強まることは決してない」と開き直ったのに対し小池氏は、過剰な経済安全保障政策は民間の資金の流れを政治的意図で遮断し市場を萎縮させ、経済・貿易の自由度を阻害し、安全保障上の緊張感を高めると指摘。安全保障体制の日米一体化の一環の日本版CFIUS創設などでなく「自主自立の外交に進むべきだ」と強調しました。

速記録を読む

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 今回の外為法改正案は、安全保障環境の変化を踏まえて、国内投資の審査制度を強化すると。海外企業による直接投資が増えている中で、技術流出を防止すること、公共インフラの安全を確保する、これ規制強化必要だと思います。
 しかし、今回の改正の柱は、財務省とNSS、国家安全保障局が共同議長となる省庁横断の投資審査体制、いわゆる日本版CFIUSの創設です。これ、国家安全保障戦略で位置付けられた対内直接投資の審査体制の強化であります。自民、維新の連立政権合意でも創設を目指すとされたものです。
 そこで、財務省にお聞きしますが、日本版CFIUSについて、財務省は法案の説明資料でも、インテリジェンス部局との連携の在り方を検討としていますが、このインテリジェンス部局には昨日の本会議で成立をした国家情報会議設置法案により創設される国家情報会議、国家情報局は含まれるということでしょうか。
○政府参考人(緒方健太郎君) 対日外国投資委員会、いわゆる日本版CFIUS、これは、国の安全等の観点から必要な場合に、国家安全保障局を始めとする安全保障関連部局と協力して省庁横断的な審査体制を強化することを目的とするものでございます。
 この日本版CFIUSに関する説明資料におきまして、委員御指摘のインテリジェンス部局との連携の在り方を検討との記載について、ここで書いてございますインテリジェンス部局には概念上国家情報局も含まれ得ると考えてございますけれども、昨日、国家情報会議設置法が成立したばかりでございまして、現時点において具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと考えてございます。
○小池晃君 でも、含まれるというふうに今おっしゃったわけですね。
 この国家情報会議設置法は、首相を議長とする国家情報会議新設して、内閣情報調査室を国家情報局に格上げすると。官邸の意向が直接情報機関に伝えられて、官邸の情報機能を一層強化する。これまでも我が国の情報機関が市民監視、人権侵害繰り返してきたわけですけれども、これを更に拡大する危険性があるわけですね。
 重ねて財務省に聞きますが、日本版CFIUSは、なぜこの国家情報会議や国家情報局と連携していく必要があるのか、どういう情報を得る必要があるのか、お答えください。
○政府参考人(緒方健太郎君) お答えいたします。
 情報機関のうち、どの機関がどのように連携を行うかを含めまして、具体的な連携の在り方につきましては、今後、対日外国投資委員会の創設と併せて検討してまいりたいと考えてございます。
 その上で、一般論として申し上げますと、情報機関に対しては、審査の高度化に向けて、審査の対象となっている対内直接投資等に関連する情報を提供いただくことを期待してございます。
 具体的には、事業所管官庁が保有している情報に加えまして、外国投資家の属性を始めとして、多くの情報を基に、より実効的な審査を行うために情報機関との連携が必要であると考えてございます。
○小池晃君 元NSS局長の北村滋さんは、経済安全保障を考えていく上では、買収提案者に資金がどういったところから来ているかということについて、インテリジェンスが必要になってくるとおっしゃっているんですね。
 先ほどからも議論ありますが、外国投資家のみなし規定が見直されて、日本人や日本の企業であっても、非居住者の代わりに対内直接投資を行えば外国投資家として扱うと。この外国投資家の意図や行動を判断する際には、これは株式比率などの形式的な支配関係だけじゃなくて、実質的な支配関係がこれ重要になってくると。
 例えば、非居住者との親族関係、雇用関係、外国政府との関係性、あらゆる個人情報を判断基準に加えるということになる。だとすれば、このインテリジェンス部局が入手するそうした情報というのは、その際活用されるということになるんじゃないでしょうか。
○政府参考人(緒方健太郎君) お答えいたします。
 外国政府を始めとする非居住者等の支配、影響下で投資活動を行うみなし外国投資家につきましては、委員御指摘のとおり、当局として、非居住者等との親族関係、雇用関係などの支配関係等を探知することが重要となってまいります。
 このため、財務局を始めとする地方支分部局を通じた日本企業に対する投資動向等に係る情報収集、分析や関係機関との情報連携を通じた調査機能の強化に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 情報機関との具体的な連携の在り方につきましては、今後、対日外国投資委員会の創設と併せて検討してまいります。また、情報機関に対しましては、審査の高度化に向けて審査の対象となっている対内直接投資等に関連する情報、これを提供いただくことを期待しておりますけれども、具体的にどのような情報を求める予定であるのかにつきましては、審査の具体的な手法等に関わることでございますので、恐縮ですが、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○小池晃君 既に存在しているインテリジェンス機関である警視庁公安部による違法捜査が裁判所で断罪された大川原化工機事件、これはもう平和に貢献できる製品づくりを信条としてきた噴霧乾燥機の町工場が、軍事転用可能な機器を無許可で輸出したということで外為法違反の罪に問われて、警視庁公安部に逮捕、起訴された冤罪です、これは。社長らが国、東京地検と東京都、警視庁公安部を訴えた裁判で、国と都は最高裁への上告を断念して約一億六千六百万円の賠償を命じた東京高裁判決が確定したわけですね。こういうことも、既に今までのインテリジェンス部局で起こっている。
 大臣ね、本法案、そして、日本版CFIUSの審査において、インテリジェンス部局が違法な手段で収集した情報を基に間違った判断が行われるようなことはあってはならないというふうに思いますが、そういうことを防止する仕組みというのはあるんでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 私ども政府でございますので、情報機関による情報収集の手法について、今、私の立場でコメントする立場ではないんですけれども、情報機関が適法に情報収集を行っているものだという理解に立たざるを得ないので、そのように理解しておりまして、国家情報会議設置法に係る国会審議におかれても、内閣の情報調査室の方から、適法かつ適切に情報活動を推進しているという旨の御答弁が何回もあったというふうに承知をしております。
 その上ででございますが、この対日外国投資委員会、ずっと今日議論をさせていただいている日本版CFIUSで、このインテリジェンス部局とも連携して、省庁横断的な視点や地域を生かした審査を行うということを目指しているわけでございますが、この外為法上の勧告、命令につきましては、あくまで財務省と事業所管官庁が責任を持って行うんでございます。
 投資の中止命令を始めとする不利益処分についても、行政不服審査法に基づく審査請求等の手続は、これは保障されていると、こういう仕組みになっているということは申し上げられると思います。
○小池晃君 そういうふうにおっしゃるんだけど、例えば不利益処分の理由開示といっても、国家情報局などが、例えばもう収集した情報を基に判断したというところまではこれ開示されないだろうと思うんですね。
 それから、行政不服審査法というお話もありましたから、行手法の不利益処分の審査基準も公表されていないわけで、私は、こういうことでインテリジェンス部局の情報収集に違法捜査、情報捏造が発生する、そういう危険性は否定できないというふうに思うんです。しかも、不透明だと。これ、本家本元のアメリカのCFIUSがそうなわけですね。
 日経ビジネス二〇二五年十二月十五日号で、EYストラテジー・アンド・コンサルティングパートナーの国分俊史さん、こうおっしゃっています。米国は、企業内の機密情報を収集するインテリジェンス能力をCFIUSに持たせるため、CIA、FBIも参画している。運用も工夫し、売却命令を出した根拠は開示しない。どのように情報を収集し、何をリスクとして重要視したのかについても説明責任を負わない運用だと。
 こうした不透明さから、アメリカのCFIUSは判断に政治的要因が影響を及ぼしているのではないかという指摘があります。その象徴的な例が日本製鉄によるUSスチールの買収問題です。そういったこともあった。これはまあアメリカの話ではあります。
 日本ではどうか。先ほども指摘ありましたが、今年四月、工作機械大手、牧野フライス製作所の買収計画に対して、財務大臣及び経済産業大臣が外為法に基づく中止勧告を出しました。これについて、四月二十四日の日経新聞の社説では、「企業買収の外為法運用に高い透明性を」として、牧野フライス製作所買収への中止勧告に触れながら、審査の過程でどう判断したのかについての丁寧な説明が求められるというふうにしているんですね。
 私、この牧野フライスの問題は、現行法下での事例ではあります、事例ではありますが、情報部門と連携する本法改正がなされれば、更に不透明な判断や政治的介入が強まるのではないかという懸念を私持たざるを得ないんですが、大臣、どうお答えになりますか。
○国務大臣(片山さつき君) 今御指摘いただいたこの牧野フライスのお話、この御指摘の案件につきましては、四月二十二日付けで中止勧告を行ったわけでございますが、これは、外国投資家であるMBKが牧野フライス製作所を完全子会社化するということが企図されていた、そして、牧野フライス製作所は世界有数の工作機械を製造する企業であり、我が国防衛装備品の製造事業者にも広く利用されているということが踏まえられまして、国の安全の確保等に係る生産基盤及び技術基盤の維持に与える影響の程度、国の安全の確保等に係る技術又は情報が流出する可能性等を考慮して判断したものであります。
 その上でですが、仮に今後、情報機関等との連携によって対内直接投資等に関連する情報の提供を受けた場合であっても、外為法上の審査や勧告、命令といった判断については、先ほどからるる御説明をしておりますが、引き続き財務省と事業所管官庁が責任を持って行うんでございまして、そこに不透明な判断や政治的介入が強まるということは決してないというふうに考えております。
○小池晃君 いや、しかし、実際不透明なことになったんじゃないですか。財務省だから不透明になりませんと言われたって、実際不透明なことあったじゃないですか。やっぱり現行法でも不透明な運用というのはこの法改正で更に不透明になるんじゃないかと。そうすると、投資家の予測可能性も私は損なうことになりかねないと思うんですよ。
 国家安全保障会議インテリジェンス部局、どれだけの発言権を持つのか。今日もそこはこれからの検討だというふうにありました。現時点では定かでないということでありましたが、私は、経済安全保障政策を過剰に機能させてしまうと、民間の資金の流れを政治的な意図で遮断してしまうのではないか、それは市場を萎縮させるという懸念を拭えないのではないかというふうに思うんですね。
 大臣、その結果、国家間の経済、貿易の自由度が阻害されて、経済的対立を助長し、ブロック経済みたいなね、そういう傾向をどんどん強めて、逆に安全保障上の緊張感を高めることになるんではないか。こういう点はどう考えますか。
○国務大臣(片山さつき君) 外為法自体が全体の構成として対外取引の自由と、これが外為法を貫く原則でございますので、それに対して国内の安全の確保等の観点から必要最小限の規制を行うというのがこの外為法の規制でございまして、この基本的な考え方の部分は全く不動でございまして、今回改正をしたり、日本版CFIUSを創設したりしても、一切それは変わるものでは当然ございません。
 その上で、今日るるいろいろと御答弁させていただいておりますように、仮に、今後、情報機関等との連携によって対内直接投資等に関連するような情報の提供を受けたとしても、そういう場合であっても、外為法上の審査、それから勧告、命令といった判断については、引き続いて財務省とその事業を所管する官庁が責任を持って行うので、経済安全保障政策を過剰に機能させるというようなことには当然当たらないというふうに考えている次第であります。
 また、今般の法改正による制度的な面を見ても、特定の非居住者等の支配、影響下にある国内投資家による投資活動について事前届出を義務付けるなどの措置を講じてはおりますが、これらの対象も、あくまで外国政府等の類型的に特にリスクの高い非居住者等に限定をしております。
 また、今回の法改正と併せて政省令等も改正して、事前届出の対象となる行為や業種も見直し、合理化を図って、リスクの程度に応じてめり張りを付けた、バランスの取れた制度としていくということになっておりますので、決してその緊張感を高めるようなことになることはないものと我々は考えております。
○委員長(宮本周司君) 時間が来ております。
○小池晃君 はい。
 もう質問はしませんが、今まで私たち、これ賛成してきているんですよ、外為法。そういう規制は必要なんですよ。ただ、今回はやっぱり質的に違うんじゃないかというふうに言わざるを得ない。
 やっぱり、中国による経済面の脅威から日本を守るということで、軍事面だけじゃなくて経済面でも日米一体化は加速してきている。しかし、今、米中関係というのは拳を振り上げるような関係じゃなくなりつつあるわけですよね。アメリカは中国とは決定的な対立はしないと。実際には、常に現実的な利害を考えて動いてきて、そして建設的な戦略的安定だと言ってきている。そういうときに、日本がひたすら米国の国際的覇権に頼って、中国に対する軍事的抑止、経済の問題でも……
○委員長(宮本周司君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○小池晃君 はい。
 私は、こういう在り方は本当にいよいよ考え直すときが来ていると、やっぱり自主自立の外交に進むべきだということを申し上げて、質問を終わります。

○小池晃君 私は、日本共産党を代表して、外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
 多国籍企業の直接投資が急増する中で、技術流出を防ぎ、公共インフラの安全確保のための一定の外資規制は必要です。
 しかし、本法案は、二〇二二年の国家安全保障戦略に基づく取組の一環と位置付けられる対日外国投資委員会、日本版CFIUSを創設し、日本版CFIUSは、昨日の参議院本会議で成立した国家情報会議設置法に基づき設置される国家情報会議、国家情報局などと連携することになります。しかし、本法案にはインテリジェンス部局が違法な手段で収集した情報を基に間違った判断が行われることを排除する仕組みはなく、大川原化工機事件のように違法捜査や情報の捏造が誤った審査を誘発する危険があります。
 また、米国のCFIUSと同様に、インテリジェンス部局が収集した資料に基づく判断の根拠などは非開示とされる可能性が高く、MBKパートナーズによる牧野フライス買収への中止勧告に見られるように、不透明な判断や政治的介入が強まる危険もあります。
 さらに、国家情報会議の設置や本法案による日本版CFIUSの創設などは、安全保障体制を一層日米で一体化させるものです。経済安全保障政策を過剰に機能させると、民間の資金の流れを政治的意図で遮断し、市場を萎縮させる懸念も拭えません。その結果、国家間の経済、貿易の自由度が阻害され、日本経済にもダメージを与えるだけでなく、経済的対立を助長し、安全保障上の緊張感を逆に高める可能性もあります。
 以上の理由から、本案に対して反対することを申し述べて、討論といたします。

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